ガンダム6号機のマドロックは、ガンキャノンやガンタンクのように両肩から伸びている低反動キャノン砲が非常に特徴的な機体だ。
だが、7号機の映像モニタに映し出されているマドロックは、2本ある低反動キャノンの片方が破壊されており、残るもう1本も破壊はされていないが砲身が曲がっているのが見て分かる。
そんな状況で両肩のキャノン砲を使えば、当然のようにその低反動キャノン砲は破壊されるだろう。
つまり、今の時点でマドロックの最大の武器たる低反動キャノン砲は使い物にならなくなっているのだ。
元々、マドロックはガンキャノンと同様に中距離からの援護を目的としている機体だ。
……ガンキャノンと違ってビームサーベルがあるので、近付かれても十分に攻撃力はあるが。
これ、もしかして俺やカイ、それ以外にもいるのかもしれないが、ともあれそんな運用データから考えて、装備されたんだろうな。
ともあれ、近距離でも対応出来るとはいえ、あくまでもマドロックの得意な距離は中距離だ。
そんなマドロックが得意ではない距離で、エイガーが現在戦っているのはズゴック。
ジオン軍が有する水陸両用MSの中では最高峰の性能を持つMSとして有名だったが、それでも普通ならガンダム……それも最新鋭のガンダムとまともにやり合えはしない。
それを可能としているのが、パイロットの技量だろう。
装甲を赤く塗られているのを見れば、誰がそのMSのパイロットなのかは明らかだ。
北米での戦いの後、全く出て来ないと思っていたら……いや、オデッサに来る途中で赤い水中用MAと遭遇したな。
あの赤いMAにシャアは乗っていなかったが、もしかして本来ならあのMAのパイロットはシャアだったのか?
一瞬そんな風に考えるが、今はそれどころではない。
マドロックは何とか赤いズゴックに攻撃を命中させようとしているのだが、その攻撃は全て回避される。
これは、別にパイロットのエイガーの技量が悪い訳ではない。
模擬戦で何度か戦ったことがあるので、その辺は俺も十分に理解していた。
そもそも、技量の劣るパイロットを連邦軍の中でも最高峰の性能を持つガンダムのパイロットにする筈がない。
そんなエイガーですら子供扱い出来る程に、シャアの技量は突出しているのだろう。
さすが赤い彗星の異名を持ち、ジオン軍を代表するだけの実力を持っているだけはある。
……とはいえ、エイガーも一方的にやられている訳ではない。
周辺には残骸になったジムが多数倒れているが、ジム以外にもアッガイという水陸両用MSの残骸が何機か存在している。
いや、アッガイだけではないな。ゴッグやズゴックの残骸もある。
ここで激戦が繰り広げられ、そうして最後に生き残ったのがシャアとエイガーの2人だけ、か。
破壊されたのはMSだけなので、パイロットは生きている可能性もあるけど。
ともあれ、いつまでもこうして見学している訳にもいかない。
今はとにかく、エイガーを助けるのが先決だろう。
そう判断し、マドロックの振るうビームサーベルを後ろに跳躍して回避した赤いズゴックに向け、陸戦型ガンダムの主兵装である100mmマシンガンを撃ち込む。
マドロックに向かって攻撃しようとしていたズゴックは、機先を制するような攻撃にその動きを止めてこちらにモノアイを向けてくる。
そうして俺を見たズゴックが動きを止めたのは、援軍にやってきたのがガンダムだったからだろう。
ジムとガンダムでは、その外見が大きく違う。……性能も違うのだが。
だからこそ、援軍としてガンダムが現れた事にシャアは驚いたのだろう。
さて、まずはエイガーを助ける為にも、シャアの注意をこっちに向ける必要があるな。
そう判断し、外部スピーカーのスイッチを入れて、口を開く。
「久しぶりだな、赤い彗星のシャア。北米以来出会わないと思っていたが、まさかこのジャブローで会う事になるとは思わなかった」
そんな俺の言葉に、シャアは動きを止める。
まさか、ここで俺と会うとは思わなかったのだろう。
その上、俺が乗っているMSもジャブローに来て代わってるし。
「エイガー、無事か?」
外部スピーカーではなく、通信でエイガーに尋ねる。
『ああ、助かった。……それにしても、赤い彗星? まさかとは思っていたが……』
エイガーにとっても、目の前にいる敵が赤い彗星だとは薄々予想してはいたが、確信はなかったのだろう。
「確信はないがな。ただ、恐らく間違いない。……それは、周辺の状況を見れば分かるだろう?」
周辺に存在するジムの残骸を見れば、シャアの乗るズゴックがどれだけの強さを持っているのか明らかだろう。
そんな俺の言葉に、エイガーは渋々といった様子で頷く。
その表情には強い悔しさが色濃く出ている。
ガンダムのパイロットに選ばれるだけあって、エイガーもかなりの負けず嫌いだ。
それだけに、今回の一件においてはシャアに負けたという事に思うところがあってもおかしくはない。
『そうだな。それは否定出来ない事実だ。……だが、アクセルが来たのなら……』
「ここは俺に任せて、お前は撤退しろ。機体がその状態だと、色々と不味いだろ」
恐らく、エイガーは2人でならシャアに勝てると、そう言おうとしたのだろう。
だが、マドロックが万全の状態ならともかく、今のかなりやられている状態では、一緒に戦った場合はこちらの足手纏いになる可能性があった。
ただでさえ、シャアは俺に対して深い恨みを抱いている以上、マドロックを攻撃して俺の動きを拘束したりといった行動もしかねない。
そうならないようにする為には、マドロックはこの場にいない方が最善なのだ。
『……分かった。なら、後は任せる』
エイガーも不承不承、本当に悔しそうな様子を見せながらも、それだけ言って撤退していく。
現在の状況では、自分が足手纏いにしかならないと理解したのだろう。
この辺、フォルドと違うよな。
もしこの場にフォルドがいた場合、その性格から撤退しろと言われても絶対に撤退しない筈だ。
4号機と5号機は宇宙で行動するって話だったけど、どうなったんだろうな。
そんな疑問を抱きつつ、俺は後方に下がっていくマドロックを見送ると、再び外部スピーカーでシャアに話し掛ける。
「こっちの味方が撤退してくれている間、待っていてくれるとは思わなかったな」
『構わんよ。貴様をここで倒せるのならば、敵の1人や2人』
そう告げるシャアの声には、間違いなく殺気が宿っている。
シャアにしてみれば、俺はセイラを騙して月に建国した人物という認識なんだから、そんな感じになっても無理はないか。
とはいえ、俺に対する殺意を抱いているからといってそれが操縦に影響するかと言われれば、また微妙なところではあるが。
「俺を? 倒す? 誰が? まさか、お前がとは言わないよな?」
そう言いながら、いつシャアが動いてもいいように準備を整える。
ズゴックは水陸両用MSであるにも関わらず、地上では陸戦用のMS並の戦闘力を発揮する厄介な機体だ。
ズゴック……いや、何だか俺が知ってるズゴックと微妙に違うな。
まぁ、シャアが乗ってるんだから、専用に改修されていても不思議はないが。
「今まで俺と戦って、お前が勝った事があったか?」
『機体の性能差で勝利したというのに、それを誇るのは滑稽だな』
なるほど。
まぁ、シャアの言いたい事は分かる。
実際、今までシャアが操縦していたMSはビーム兵器を持っていなかった。
そのおかげで、ヒートトマホークで近接戦闘を行うか、もしくは遠距離用のザクバズーカを至近距離で撃ったりとか、そんな行動をする必要があったのだから。
そんなMSに比べると、ズゴックはメガ粒子砲を使え、更にその動きは下手な地上用MSよりも上だ。
そういう意味では、シャアと俺の戦力差は以前よりも縮まっていると考えてもいいが……俺の乗っているMSがガンキャノンやピクシーよりも高性能な機体になっているというのも、また事実だ。
「そうか? ならこれ以上の問答は無用だな。……行くぞ」
その言葉と共に、100mmマシンガンの銃口をズゴックに向けてトリガーを引く。
ズゴックがかなり高性能なMSなのは間違いないが、それと同時にジオン軍のMSとしては装甲が薄いというのもある。
いや、勿論一般的に考えれば十分に強い防御力を持っているのだが、この場合に問題になるのはそれだけではない。
あくまでも、ルナ・チタニウム製の装甲を持つガンダムと比べての話だ。
100mmマシンガンは、ジオン軍のMSを相手にしても相応のダメージを期待出来る。
勿論、ビームライフルのように1発で敵を撃破するといったような強力な攻撃力は持っていないが、それでも相手にダメージを与える事が出来るのは間違いないのだ。
……まぁ、ズゴックのメガ粒子砲が命中すれば、7号機もダメージを受けるので、双方攻撃力としては同じ舞台に立っているのかもしれないが。
100mmマシンガンから発射される弾丸を、ズゴックは素早く回避しながらこちらに手を向け、メガ粒子砲を撃つ。
メガ粒子砲が発射されるよりも前に、俺は7号機を操縦してその場から離れていた。
メガ粒子砲が7号機のいた場所に命中するが、俺はそれに構わず、そのまま一気に前に出る。
そうして回避している間にもズゴックに向けて100mmマシンガンを撃っているが、当然のようにシャアもこちらの攻撃を黙って受けるといった真似はせず、素早く周囲を動き回る。
これ、地面に連邦軍、ジオン軍問わずにMSの残骸があったりするんだが、大丈夫だよな?
ジオン軍のMSはともかく、連邦軍のMSに乗っていたパイロットでまだ生きていた者は脱出していると思いたい。
そんな風に思いながら、7号機を操縦する。
ズゴックと7号機は揃って動き回りながら射撃を行い、次々と相手に攻撃を命中させようとする。
だが……そう、だが。
お互いの攻撃は、どちらも当たらない。
もしかして、シャアも今の時点でニュータイプとして覚醒してるのか?
そう思うと、納得出来ない訳でもない。
何しろ、セイラの兄でアムロのライバルなのだ。
だとすれば、今の時点でニュータイプに覚醒していても、おかしな事はない。
そうなると、ちょっと厄介だな。
もっとも……シャアが覚醒していても、俺に攻撃を命中させるようなことは出来ないようだったが。
けど、このままお互いの射撃武器だけでやり合っていては意味がないか。
そう判断し、100mmマシンガンを持っていない方の手をズゴックに向け、グレネードランチャーを発射する。
とはいえ、このグレネードランチャーはペイント弾の模擬戦仕様だ。
だが、この場でそれを知ってるのは俺だけ。
ジオン軍でもグレネードランチャー系の武器は結構使うので、シャアも放たれたグレネードランチャーを危険だと判断したのだろう。即座にその場から跳び退き……次の瞬間、周囲一帯にペイントが大量に付着する。
グレネードランチャーの威力に応じた量のペイントが入っていたので、この結果は考えるまでもない出来事だったのだろう。
そう判断し、俺はすぐに行動に移る。
シャアもペイント弾の存在に一瞬驚いた様子を見せたものの、すぐにズゴックの腕を……メガ粒子砲の発射口となっている腕をこちらに向けてくるが、距離を詰めながら頭部バルカンを発射する。
頭部バルカンは威力が弱いので敵を撃破するような真似は出来ないが、それでも使い勝手のいい武器だ。
発射された弾丸は、俺が狙った通り真っ直ぐ飛び……ズゴックの右手にあるメガ粒子砲の発射口を爆発させる。
日頃の行いがいい為か、右腕が爆発したズゴックはアイアンネイルもその爆発によって破壊されてしまう。
『ちぃっ!』
シャアの舌打ちが聞こえてくるが、外部スピーカーは入ったままらしい。
まぁ、迂闊に通信を送ってくるよりはいいが、連邦軍やジオン軍のMSパイロットでまだ生きてる奴がいれば、この話を聞いていてもおかしくはない。
もっとも、だからどうだという話でもあるのだが。
そんな風に思いつつ、100mmマシンガンのトリガーを引きながら、もう片方の手でビームサーベルを引き抜き、斬りつける。
その攻撃を回避しようとするズゴックだったが、次の瞬間には完全には回避出来ないと判断したのか、破壊された右腕を振るってこちらに向かって殴り掛かってきた。
その一撃をビームサーベルで切り裂き、100mmマシンガンを間近で撃とうとしたところで、頭部からミサイルが発射され、100mmマシンガンの弾丸によって撃ち抜かれ、爆発を巻き起こす。
逃がすか!
この爆煙に紛れて逃げるのだろうと判断した俺は、そのまま100mmマシンガンを手当たり次第に撃つが……結果として、爆煙が消え去った後に残っていたのは、ビームサーベルによって切断されたズゴックの右腕と、多数の装甲の欠片だった。
「……素早いな」
自分が不利になったと判断した瞬間に逃げ出したシャアに対し、呆れに近い感心を抱きながら、そう呟くのだった。
アクセル・アルマー
LV:43
PP:965
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1572