転生とらぶる   作:青竹(移住)

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2516話

「へぇ。……何だかんだと、結構やり合えてるな」

 

 ホワイトベースで補給を終わらせた俺は、7号機でジャブローの地上に戻ってきていた。

 ちなみに、現在使っている武器は充電が終わった陸戦型ガンダム用のビームライフル。

 一応補助として100mmマシンガンを持ってきてはいるので、もしビームライフルが使えなくなっても問題はなかったりする。

 そんな状況で地上に戻ってきてはいたのだが、俺が見る限り――密林があるので全てを見るといった訳にはいかないが――戦いは結構互角に進んでいた。

 全体的に見れば、ジオン軍の方が若干有利といったところか。

 パイロットの技量という点では基本的にジオン軍の方が上だろうし、MSの数にしてもジオン軍の方が上だ。

 純粋にMSの性能となれば、ジムの方が上なのだろうが……パイロットの練度の差とMSの数の差でその有利さを活かしきれてはいない。

 いや、でも連邦軍でも時間が経てばMSの数の差は逆転するのか?

 そんな状況でもこうしてある程度戦えているというのは、やはり模擬戦を行っていた影響で、最初からMSを地上に出していたというのが大きいのだろう。

 今の状況でこの様子だと、ジオン軍の方は最終的に時間切れで撤退していくというのが既定路線か。

 勿論、連邦軍側としても撤退していくジオン軍をそのまま黙って逃がすとは思えない以上、追撃を仕掛けるのは間違いないだろうが。

 ともあれ、連邦軍の傭兵……いや、今はもう契約が終わってるから傭兵じゃないのか。

 7号機の調子を見る……実弾はペイント弾で、専用のビームライフルは破壊されたから、そこまで調子を見るとかといった事は出来ないのか。

 ……成り行き。そう、成り行きで現在連邦軍に味方している以上、ここで連邦軍の味方をするというのは、特におかしなことではなかった。

 実際、ホワイトベースの面々だったり、フォルドやルース、エイガーといった面々だったり、ゴップやレビルだったりが死んだりしたら、後味が悪い。

 中には死んだ方がいいんじゃないか? と思うような奴もいるので、全面的に連邦軍に協力をするという訳ではないのだが。

 

「ともあれ、味方を探しに行くか」

 

 呟き、7号機で移動を開始する。

 そう言えば、エイガーの乗っているマドロックは、ドムのようにホバー移動が出来るって話だったが……どうせなら、7号機にもホバー機能を付けてくれればいいのにな。

 あ、でもFSWS計画が採用されている7号機だけに、ホバー移動をするのは重量的に難しいのか?

 今のような素の状態の7号機ならともかく、フルアーマーガンダム7号機になればその分、重量は重くなるし。

 それに比べると、エイガーのマドロックはそれ以上極端に重量が増えたりといった事はないので、ホバー移動は問題ないんだろう。 

 なら、フルアーマーガンダム7号機の状態を想定してホバー移動にすればいいのでは? と思わないでもなかったが、ホバー移動をするためのスラスターは何だかんだで結構大きい。

 そうなると、フルアーマーガンダム7号機にする時に邪魔になる可能性が高い。

 それにここは密林なので、そう簡単にホバー移動を使う訳にはいかないか。

 ホバー移動でこういう密林の中を移動するには、相応の技量が必要になる。

 その技量がないのに無理をすれば、それこそホバー移動している時に生えている木々を回避出来ずにぶつかって、被害を受けてしまう。

 

「っと、いたな」

 

 ホバー移動の可否について考えつつ移動していると、レーダーに反応があった。

 ミノフスキー粒子散布下で、しかも密林での戦闘という事もあって、どうしてもレーダーはそこまで使い物にはならない。

 これは最新鋭機の7号機であっても、同様だった。

 そんな中で見つけたのは、2機のジムがザク2機とグフ1機の敵と戦っている光景。

 本来なら連邦軍もジオン軍に習って、基本的にMSは3機で1個小隊という構成になっている。

 しかし、そのうちの1機は既にヒートホークかヒートサーベルか分からないが、袈裟懸けにコックピットまで斬られて地面に転がっていた。

 あれを見る限り、恐らくパイロットの生存は絶望的だろう。

 それでも2機のジムは、倒れている仲間を見捨てて逃げるような事は出来ず、何とか守っている。……いるのだが、このままの様子を見る限りでは、ジムの小隊は負けるだろう。

 ただでさえパイロットの技量がジオン軍よりも劣っているのに、動けない――恐らくは死んでいる――仲間を庇っているのだから。

 ……もっとも、死ぬというのはあくまでも今のままであればの話だ。

 つまり、ここで俺が助けに入れば話は違ってくる。

 戦闘に夢中になっている為か、向こうはまだこっちの様子に気が付いてはいない。

 この辺も、密林の木々が強く影響してるのだろう。

 そんな状況の中で狙いを付け……ビームライフルのトリガーを引く。

 放たれたビームは、グフのコックピットを貫いた。

 ザクではなくグフを狙ったのは、基本的にグフに乗っているパイロットは腕利きが多い為だ。

 それは理由がない訳ではなく、単純に腕の立つパイロットでなければ、グフを乗りこなしてその性能を最大限に発揮出来ないから、というのが大きい。

 グフはスペック上ではザクとそう大差ない性能でしかないのだが、それを乗りこなせるだけの実力の持ち主ともなれば、それが本当にそのスペックか? と言いたくなるような性能を発揮する。

 勿論、そこまでグフを乗りこなせる者というのは、そこまで多くはない。

 それだけに、グフは見つけ次第撃破した方がいいというのが俺の認識だった。

 ……中には、エース専用機といった噂が流れている事に目が眩み、乗りこなす腕がないのにグフに乗るといったような身の程知らずもいるのだが、それは例外だ。

 そういう奴はどうせグフを乗りこなせず、すぐに死ぬのだから。

 ともあれ、戦場の中でいきなり見当違いの方向からの攻撃でグフが撃破された事に驚いている様子を見せる2機のザク。

 ジムの方も驚いた様子は見せていたが、グフが攻撃されたという事で味方がやって来たのだろうと判断していたのか、動揺した様子は見せていなかった。

 

「そこのジム、聞こえるか? こちら、ホワイトベース隊所属のアクセルだ」

 

 正式にはもうホワイトベース隊の所属ではないのだが、ここで妙な事を言って向こうを動揺させるよりは、ホワイトベース隊であると言っておいた方がいいだろうと思っての言葉。

 ……いっそ、ホワイトベース隊の方から来たとか、そんな風に言えばよかったか?

 そんな風に考えながら、7号機は2機のジムを庇うように前に出る。

 

『ホワイトベース隊!? あの!?』

 

 ジムの1機からそんな声が聞こえてくるが、やっぱりホワイトベース隊って有名なんだ。

 いやまぁ、シャアと戦い続け、ガルマを――正確にはまだ生きてるが――殺し、東南アジア戦線やオデッサ作戦でも活躍した。

 その辺の事情を考えれば、ホワイトベース隊の存在を知っていてもおかしくはない。

 

「そうだ。現在ホワイトベース隊はジオン軍の迎撃の為に周辺一帯に散らばっている。俺もその1機だ」

『いや、だが……何故1機で? MSは……』

 

 3機で1個小隊だろ?

 そう言おうとしたのだろうが、ジムのそんな会話を待っていられるかといった様子で、生き残っていた2機のザクがそれぞれヒートホークを手に襲い掛かってくる。

 俺とジムの間で行われていた通信は、当然2機のザクには聞こえていないのだから、このタイミングで襲い掛かって来たのは、あくまでも偶然だろうが。

 どういう考えでヒートホークを選んだのかは分からないが、それでもその選択は決して間違ってはいない。

 ルナ・チタニウム製の装甲を持つ7号機を相手にザクマシンガンでは意味がないし、ザクバズーカは持っていなかったのだから。

 グフに乗っているパイロットと小隊を組んでいる以上、相応の実力者ではあるのだろう。

 それでも、ヒートホークでこちらを攻撃するという事は、絶対に近付いてくる必要がある。

 向こうにしてみれば、少しでも……一瞬でも早くこちらとの間合いを詰めたいという思いが強かったのだろう。

 その判断は間違っていない。いないが……それでも、何の援護もなしに攻めてくるというのは、自分達の実力を過信しているのか、グフが倒されて頭に血が上っているのか、それともこちらを侮っているのか。

 その辺の理由は俺にも分からなかったが、ともあれ敵が攻撃してくる以上、こちらも反撃をする必要がある。

 

「死ね」

 

 その言葉と共に、ビームライフルのトリガーを引く。

 一定以上の技量の持ち主であれば、ビームライフルの攻撃を回避することも出来る。

 だが、生憎とザクのパイロット2人はそんな技量の持ち主ではなかったのか、連続して放たれたビームによって、ザクは2機ともコックピットを貫かれ、こちらに向かって走ってきた勢いそのまま地面に崩れ落ちる。

 

『嘘だろ。……あんなに簡単に……』

 

 先程まで俺と話していたジムのパイロットの1人が、信じられないといった様子の視線をこちらに向けてくる。

 自分達では手も足も出ず、仲間をやられてしまった相手をこうも容易く俺が倒すとは思ってもいなかったのだろう。

 

「さて、取りあえずこれでいいな。……俺はこれから他の場所を見て回って、ピンチになってる敵を倒していくつもりだけど、そっちは大丈夫か?」

『あ、ああ。……敵は倒してくれたから、その辺の心配はいらないと思う』

「そうか。ならいい」

 

 それだけを告げ、俺はその場から立ち去る。

 

『あ、ちょっと待ってくれ! 出来れば、俺達と一緒に行動して欲しいんだが……駄目か?』

「悪いが、足手纏いだ」

 

 相手に希望を残さないよう、はっきりと言う。

 俺と一緒に行動するとなると、当然のように戦いの中でもかなりの激戦となるだろう。

 そんな場所に、ろくにMSでの実戦経験もないような連中を連れていけばどうなるか。

 それは、考えるまでもなく明らかだろう。

 それこそ、ジオン軍によって撃破されてしまう可能性が高い。

 ヤザン程……とは言わないが、ダンケルやラムサス程度の技量があれば、まだ一緒に行動してもそこまで足手纏いといった風には感じないと思うんだが。

 この連中も、連邦軍のMS部隊としてジャブローで訓練していたのを考えれば、間違いなく連邦軍でも期待されている人物なのは間違いない。

 であれば、ここで俺と一緒に行動して死んでしまう可能性よりも、もっと安全な場所で戦っていた方がいい。

 

『ぐっ……』

 

 足手纏いと言われた事に悔しそうな様子を見せるが、自分達でも俺と一緒に行動した場合は危険だと、そう理解はしているのだろう。

 結局それ以上は何も言わず、沈黙で俺を見送る。

 全く、俺と一緒に行動するよりも、庇った仲間をどうにかする方が先だろうに。

 そんな3機のMS小隊をその場に残し……ふと、上空を見る。

 ガウやドダイに乗ったMSはまだそれなりにいるが、ドップの姿はもうかなり少なくなっている。

 恐らく……いや、ほぼ間違いなく、連邦軍のMSや対空砲座とかによって撃破されたのだろう。

 勿論、補給の為にガウに戻っている機体が存在しないとも限らないが。

 ともあれ、敵の本命とも言えるシャアを撃退したのだから、後は地上に攻めて来たジオン軍を撃退すれば、一段落となるのは間違いない。

 

「お」

 

 そんな風に考えながら密林の中を進んでいると、見覚えのあるMSの姿を見つける。

 ガンタンクが3機に、陸戦型ガンダムが1機、それと陸戦型ガンダムの改修機のEz8だ。

 

「シロー、お前も災難だな」

『アクセルか? ……そうでもないさ。ホワイトベースから降りる事になっていたとはいえ、ここで皆を見捨てるなんて真似は出来ないし』

 

 そう言うシローの横では、シローの護衛となるサンダースの陸戦型ガンダムが油断する様子もなく周囲の様子を窺っている。

 サンダースはシローに強い忠誠心を持っているので、この2人は基本的にコンビとして活動する事がおおいんだよな。

 

『アクセル、ホワイトベースの方はどうなっていた? 何か異常はなかったか?』

 

 ガンタンクに乗っているリュウが、そう俺に聞いてくる。

 ブライトの片腕というのを自覚してるだけに、現在のホワイトベースについて少し心配しているのだろう。

 その気持ちは分かるが、出来れば今はこっちの戦いに専念して欲しいというのが正直なところだ。

 

「どこからかジオン軍が潜入してきたが、そこには俺が向かって撃退したから問題はない。ブライトも上に連絡して戦力を用意して貰うと言っていたし」

 

 取りあえず、その潜入してきたのがシャアだったという事は隠しておいた方がいいだろう。

 ここでリュウを動揺させても、それには全く何の意味もないのだから。

 

『何? いや、けどそうか。アクセルのおかげでどうにかなったのなら、それはありがたい。……ともあれ、今はこの戦いをどうにかする事を考えないといな』

 

 リュウは自分の決意を固めるかのように、そう告げるのだった。




アクセル・アルマー
LV:43
PP:980
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1575

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