転生とらぶる   作:青竹(移住)

2638 / 4302
2517話

 ジャブローでの戦闘は、結局のところそこまで時間が掛からずに終わった。

 ……多分、撤退したシャアからの報告で、潜入組が失敗したという報告があったのだろうとは思うが、それはあくまでも俺の予想であって、実際に本当にそうなのかというのは分からない。

 それでもジオン軍が撤退したのは明らかであり、俺もジャブローの格納庫に向かう。

 7号機の整備やら補給やらをする為、そして何より、故障した7号機専用のビームライフルを修理して貰う為だ。

 正直なところ、何が原因でビームライフルが壊れたのかは分からない。

 だが、メカニック達……もしくは7号機を開発した者達には、ビームライフルの故障の原因はしっかりと突き止めて貰いたいのは事実だ。

 フルアーマーガンダム7号機になる為のファーストアーマー、重装フルアーマーガンダムになる為のセカンドアーマーに関しても、今の現状だと安心して使う事は出来ない。

 特に重装フルアーマーガンダムはかなり巨大なメガ粒子砲を装備している関係上、もしそのメガ粒子砲が破壊されるなどといったことになった場合……一体どうなるのかは、あまり想像したくはない。

 まぁ、不幸中の幸いというか、せめてもの救いは俺が混沌精霊で、もしMSが爆発しても死んだりはしないという事だろう。

 そうして地下に降りて格納庫に向かっていると、ジムを10機近く従えた陸戦型ガンダムの姿を発見する。

 それが誰なのかというのは、それこそ考えるまでもなく明らかだ。

 

「綾子、どうやら無事だったみたいだな。この程度の戦いでどうにかなるとは思ってなかったけど」

『そうね。でも、助けられなかった人もいたわ』

 

 映像モニタに表示された綾子は、憂鬱そうな表情を浮かべている。

 何となくその理由は分かる。

 その言葉通り、今回の戦いにおいて綾子は守り切ることが出来なかった相手がいたのだろう。

 

「そうか。……けど、綾子のおかげで助かった奴もいるんだろ? お前と一緒にいる連中みたいな」

 

 その言葉に、綾子は頷く。

 実際に今回の一件で綾子は完璧とはいかなかっただろうが、それでも最善をつくしたのは間違いない。

 綾子の性格からして、それは間違いない。

 なら、そこまで気にしなくても……と、そう思ってしまうのは、俺が戦場に慣れてしまっているからか。

 

『悪いけど、少し戻るのは遅くなるから』

「ああ。ゆっくりとしてこい」

 

 恐らくは、あのジムのパイロット達と一緒に、守り切れなかった相手を悼むのだろう。

 連邦軍のパイロットだけに、何らかの命令が来る可能性はあったが……まぁ、それはそれだ。

 ともあれ、綾子とはその場で別れて俺は格納庫に向かったのだが……

 

「まぁ、そうなるよな」

 

 格納庫では、現在マドロックの修理が行われていた。

 シャアのズゴックとの戦いで中破してしまったのだから、最優先で修理をするのは当然だろう。

 取りあえずメカニック達の指示に従い、7号機を指定された場所に移動させる。

 

「おう、戻ってきたか。武器が変わってるが……ビームライフルはどうした?」

 

 7号機から降りた俺にそう声を掛けてきたのは、俺にとっても馴染みとなったメカニックだ。

 親っさんという言葉が相応しい人物に、俺は空間倉庫の中からビームライフルを取り出す。

 

「これは……いや、おい、何で壊れてやがる?」

 

 空間倉庫を見たメカニックは驚きを露わにしたが、ビームライフルが壊れているのを見て、それ以上に驚きを露わにする。

 

「戦いの中でいきなり壊れた。敵から攻撃を受けて破壊したとかじゃなくて、普通に撃っている時にな。特に無理な使い方をしていた訳でもないんだが。つまり、設計上何らかの問題があった可能性があるから、その辺をしっかりと調査して修復してくれ。……以前聞いた話だと、このビームライフルはフルアーマーガンダム7号機の武器として用意されたビームキャノンの技術が使われてるんだろ? もしこのビームライフルに問題があるとすれば、そっちにも問題がある可能性がある」

「……分かった」

 

 難しい顔をしながらも、メカニックは俺の言葉に頷く。

 何だかんだと、メカニック達の中でもリーダー格の存在だ。

 それだけに、自分達が開発した7号機のビームライフルが壊れたというのは悔しいのだろう。

 ……まぁ、ゴップやレビルから聞いた話によると、当初は開発が難しかったのが、ルナ・ジオンの登場という予想外の要因だったり、シャドウミラーの機体を見たりといったことで刺激を受けて技術力が上昇し……更には、資源の類も月から売って貰えるようになった事で本来なら開発が完了しなかった7号機を何とか完成させる事に成功した。

 そうして、かなり無理を重ねた上で開発したのだから、多少の不具合があってもおかしくはなかったのだろう。

 実際、7号機の能力はアムロの乗っているガンダムと比べても出力、推力、センサーの有効範囲といったように、そのどれもが明らかに上なのだ。

 そう考えれば、最初から万全の状態であるとは限らなくてもおかしくはなかった。

 

「そこまで落ち込むなよ。俺としては今はともかく、最終的に渡された時に問題がなければ構わないから」

 

 実際には既に正式に渡されたようなものなのだが、メカニック達にも同情の余地がある以上、それを責めるつもりはない。

 

「悪いな」

 

 メカニックもそれが分かっているのか、短くそれだけを言うと早速7号機の調査を始める。

 マドロックの修理にも結構力を入れてるのだが、7号機の方もしっかりと集中してくれるのは、俺としても嬉しかったりする。

 そうして働いているメカニックを眺めていると、エイガーがこっちに近付いてくるのが見えた。

 あの時の通信でははっきりとは分からなかったが、取りあえず怪我はしていないらしい。

 

「アクセル」

「無事で何よりだ」

「……お前は、あの赤いMSを倒したのか?」

「シャアか?」

 

 ビクリ、と。

 俺がシャアの名前を出すと、エイガーは一瞬動きを止める。

 

「あの時、そんな事を言っていたが……やっぱり本当にあれが赤い彗星だったのか」

「正解だ。赤いMSって時点で予想は出来ていたんだろう? それに、俺は……正確にはホワイトベース隊はだが、サイド7からずっとシャアに追われていたからな。その動きからシャアだと判断するくらいは出来るよ」

 

 その言葉に、納得した様子を見せるエイガー。

 だが、それでもやはり悔しげにしながら口を開く。

 

「7号機は特に何か被害を受けてるようには思えない。それを考えると……アクセルは無傷でシャアを倒したのか?」

「倒したというか、撃退したというのが正しいけどな」

 

 シャアの乗ってるズゴックに被害を与える事は出来た。

 だが、残念ながら倒すまではいかなかったのだ。

 セイラの事を思えば、倒すのではなく生け捕りにするといった方がよかったのは間違いないが。

 

「それでも、俺はマドロックにここまで被害を与えてしまった。その上で、シャアにろくなダメージを与えることは出来なかったんだ」

「シャア以外の連中はお前が倒したんだろ?」

 

 シャアとエイガーが戦っていた場所には、ジムの残骸も多かったが、アッガイやゴッグの残骸も相応にあった。

 シャアが率いてきた部隊を、シャア以外は全滅させたのだと考えれば、その戦果は決して悪いものではないだろう。

 もっとも、本人はそれを認めようとはしていないが。

 何だかんだと、エイガーもガンダムのパイロットに選ばれるだけあって、自分の実力には自信があったのだろう。

 それだけに、シャアに手も足も出ないようにやられた自分を許せないのだ。

 とはいえ、シャアはUC世界におけるMSパイロットの中でも最高峰の技術を持つ。

 それこそ、エイガーであっても容易に勝つ事は出来ない。

 ……いや、寧ろシャアと戦って生き残ることが出来た時点で、快挙だと言ってもいいだろう。

 だが、エイガーとしてはそれを認めることは出来ないといったところか。

 

「それで満足していないのなら、エイガーが強くなるしかないな。それこそ、1人でシャアを倒せるだけの実力を持つくらいには」

「それは……出来るのか?」

 

 エイガーにとってみれば、シャアの実力はまさに桁外れだろう。

 実際、ホワイトベースでもシャアと互角に戦えるとすれば、俺と綾子の傭兵組を除けば、アムロとユウくらいだ。

 それも、あくまでも互角に戦えるというだけで、勝敗はまた別なのだが。

 そしてエイガーは連邦軍のMSパイロットとしては高い能力を持つが、言ってみればそれだけでしかない。

 持っている才能そのものが違うのだ。

 勿論、それはエイガーを弱いと言ってる訳ではない。

 実際、ガンダムのパイロットに選ばれているエイガーは、高い実力を持っているのだから

 だが……エイガーが一流のMSパイロットだとすれば。シャア、アムロ、ユウといった面々は一流の中の一流、超一流とも言うべき存在だ。

 そしてエイガーが一流であるからこそ、シャアとの実力差をしっかりと認識してしまうのだろう。

 

「出来るかどうかじゃない。やるかやらないかだ。……もっとも、月にくれば操縦技術の高いMSパイロットは大勢いるから、訓練も出来るんだが……連邦軍のエイガーには難しいか」

「ぐ……」

 

 言葉に詰まるエイガー。

 実際、月には青い巨星、黒い三連星、宇宙の蜉蝣といった異名持ちのパイロットは多いし、異名持ちではなくてもエース級の実力を持った者も多い。

 そういう者達と訓練をすれば、間違いなく操縦技術は上がる。

 だが……今の状況で、エイガーが月に来るといった真似は出来ない。

 これが、せめて戦争が終わった後でなら、それも可能かもしれないが。

 

「まぁ、この戦争が終わるなり一段落するなりして、それでもまだ自分が強くなりたいと思って、その上で連邦を捨てて月を選べるのなら、月に来ればいいさ。俺が見たところ、エイガーの素質はかなりのものだ。後は、エイガーが本当に強くなりたいかどうか」

 

 この言葉は、実際のところそこまで大袈裟なものではない。

 俺が模擬戦で戦った限り、エイガーの実力は間違いなく一流だ。

 強いパイロットが多数いるので、あまり自覚はないのかもしれないが、一流のパイロットというだけで、UC世界全体で見た場合はそんなに多くはない。

 だからこそ、エイガーは月に来れば十分な訓練を受ける事が出来て、その才能をより大きく開花させられる……かもしれない。

 この辺は本人にもよるので、絶対にそうだと断言出来ないのだが。

 

「月、か。……分かった。今すぐどうこうとは言えないけど、考えておく」

 

 そう告げるエイガー。

 取りあえずこれでエイガーが月に移住してくれれば、こちらとしては言う事はないんだが。

 ただし、その辺は五分五分といったところか。

 

「後は、そうだな。……ホワイトベースにいれば、アムロやユウと模擬戦が出来ると思うけど」

「アムロ? ユウ? それは?」

「アムロ・レイはホワイトベースでガンダムのパイロットをしている人物で、シャアと何度も互角に渡り合っている。ユウ・カジマはそんなアムロと互角に戦えるだけの実力を持ったパイロットだ」

 

 純粋な操縦技術となると、ユウの方が上だろう。

 実際にシミュレータではユウはアムロに結構勝っている。

 だが、アムロの場合はニュータイプ能力がある。

 その能力を最大限に発揮した場合、ユウがアムロに勝つのは難しいというのが俺の予想だった。

 ……まぁ、ユウがブルーデスティニー3号機を使って、EXAMシステムを起動させれば話は別だろうが。

 

「ホワイトベース……」

 

 エイガーも、ホワイトベースについては知っていたのだろうが、それでも実際に乗っている俺の口から聞くのはまた別といったところか。

 

「ホワイトベースは、ジャブローに到着した事で何人ものMSパイロットがいなくなって、戦力的に落ちている。……元々オデッサ作戦に集まった戦力だったから、当然だが」

「なら……」

 

 エイガーの目に希望が宿るが、エイガーがホワイトベースに配属されるのかどうかといったのは、正直なところ俺には分からない。

 というか、普通に考えればガンダム6号機のマドロックは連邦軍にとっても大きな戦力なのだから、その辺は難しいだろう。

 だが、上層部がホワイトベースを強力な戦力として使おうと考えているのなら、可能性はない訳ではない……と、そう思う。

 とはいえ……オデッサで連邦軍が勝利し、ジオン軍が乾坤一擲の策として行ったジャブローの攻略も失敗した。

 そうなると、次の主戦場は宇宙になる可能性が高く……宇宙でも使えるのだろうが、それでもホバー移動を考えると地上での戦闘を目的として開発されたマドロックが、宇宙で戦うホワイトベースに配属されるのかどうかは、難しいところだと思うが。

 

「その辺はお前の説得だったり、上層部の判断次第だろうから、頑張ってくれ」

 

 そう、エイガーに告げるのだった。




アクセル・アルマー
LV:43
PP:980
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1575

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。