転生とらぶる   作:青竹(移住)

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2518話

 ジャブローでの戦いが終わり、数日。

 俺の姿は、まだジャブローにあった。

 7号機のビームライフルの修理や故障の原因が未だに不明な以上、ジャブローから離れる訳にはいかなかったのだが。

 で、当然のようにホワイトベースもまだジャブローにいる。

 本来なら次の任務についてもよかったのだが、やはりジオン軍が攻めて来た一件について、諸々の後処理があった為に命令が下されてはいないのだ。

 そんな訳で、今日は特にやるべき事のない俺はホワイトベースの格納庫に向かったのだが……

 

「アクセル代表、お久しぶりです」

 

 格納庫にいたマチルダが、俺を見てそう頭を下げてきた。

 マチルダ・アジャン。宇宙から地球に降下する時、北米に落ちてしまったホワイトベースに、何度となく補給物資や人員を運んできた……言ってみれば女傑だ。

 もっとも、女傑とはいえシーマとは違って女らしい女だ。

 ちなみに、別にシーマが女らしくないと言ってる訳ではない。

 実際シーマは、身体付きも十分に女らしいし、美人と表現しても誰も異論がないくらいに顔立ちも整っている。

 大人の女らしく女の艶というのもある。

 だが、それでもシーマは男勝りの海兵隊を実力で従わせているだけあって、一種の迫力のようなものがあった。

 それに比べると、マチルダは大人の女らしい余裕はあっても、シーマが持つような迫力はない。

 いやまぁ、シーマの持つ迫力だって今ままでの経験から得たものなのだろうから、ないのならその方がいいのかもしれないが。

 

「ああ、久しぶり。それで、今日は何でホワイトベースに? それと……そっちは?」

 

 マチルダの隣にいた男が、俺に視線を向けられたのに気が付き、小さく頭を下げて口を開く。

 

「ウッディ・マルデン大尉であります。アクセル代表については、上層部から話を聞いています」

 

 この場合の上層部ってのは、本当の意味での上層部……レビルやゴップといった連中からか?

 

「そうか。よろしく頼む。それで、ホワイトベースに来たのは、一体何でだ? ああ。勿論、部外者に言えないのなら、それはそれでいいが」

「いえ、別に隠すような事ではありませんので。私やマチルダ中尉がやって来たのは、ホワイトベースの補給もありますが、各種修理と改修作業の為です」

「へぇ、それはまた。……まぁ、何だかんだとホワイトベースは激戦を潜り抜けてきてるから、そういうのは必要になるか」

 

 ハワイを始めとして、色々な場所で修理は行っているのだが、その後にまた大規模な作戦に参加するといった事があり、艦そのものが結構疲労している可能性もある。

 そういう意味ではホワイトベースが建造されたジャブローで修理をしたり、これまでの運用で分かった問題点を改修するというのは、そうおかしな話ではないのだろう。

 ……ん? ホワイトベースはジャブローで建造されたんだよな?

 まぁ、その辺りはどうでもいいか。

 もしジャブローで建造された訳ではなくても、ジャブローが連邦軍の本部でMSの建造施設があるのなら、ホワイトベースの修理や改修が出来てもおかしくはないだろうし。

 

「そうなります。……調査そのものはジャブローに来た当初からやってたんですけどね。この前のジオン軍の襲撃の時もやってましたよ」

「そうなのか?」

 

 あの時、7号機で使える実弾兵器を取りにホワイトベースに来たけど、もしかしたらウッディもあの時いたのかもしれないな。

 ……あ。

 今更、本当に今更の話だが、俺が7号機で使う為に持っていった100mmマシンガンとか、セカンドロット用の格納庫に持っていったままだったな。

 後でホワイトベースに戻しておかないと。

 

「はい。それで、今日から本格的に改修作業を始めることになったので、マチルダと一緒に諸々の説明をしに」

 

 マチルダ?

 今、呼び捨てにしたよな。

 それも本人は全く気が付いてないように自然に。

 そう思って改めて2人を観察してみれば、2人の距離感が近い気がする。

 本人達は表に出していないつもりなのだろうが、時折目と目で会話をしているのを見れば……そして何より、マチルダが女としての幸福に満ちた幸せそうな笑顔なのを見れば、この2人がどんな関係なのかというのを予想するのは難しい程ではない。

 アムロは失恋決定だな。

 何だかんだと、アムロはマチルダに好意を抱いていた。

 とはいえ、それはあくまでも憧れに近い感情であり、本当の意味でマチルダを好きだったという訳ではないのだろうが。

 ……綾子やミナトにも同様の感情を抱いていたのだから、失恋という程に明確なものではないのだろうが。

 

「そうか。なら、頑張ってくれ。何だかんだと、俺もホワイトベースには愛着があるしな」

 

 とはいえ、俺がサイド7でホワイトベースに乗ってから、まだ2ヶ月から3ヶ月くらいしか経ってないんだよな。

 色々と濃い出来事が多かったせいか、それこそ1年くらいホワイトベースに乗ってるような気がするけど。

 

「はい。分かりました。任せて下さい」

 

 敬礼してそう告げるウッディとマチルダに頷き、俺はホワイトベースの格納庫から出るのだった。

 

 

 

 

 

「駄目だった」

「あー……うん、そうか」

 

 7号機のビームライフルの件がどうなったのか。

 また、100mmマシンガンを始めとした武器をホワイトベースに持っていくつもりで、7号機のあるセカンドロット用の格納庫に行ったのだが、そんな俺を待っていたのはエイガーだった。

 そして武器を引き取ったり、ビームライフルの修理状況やどこがおかしかったのかはまだ不明だという話を聞いて用事が終わったので顔を向けると、落ち込んだ様子で駄目だったと言ってくる。

 この駄目というのが何を意味しているのかは、考えるまでもなく明らかだ。

 この前、ホワイトベースには腕の立つパイロットがいるので、そこに所属すればそのような者達……具体的にはアムロやユウといった面々と訓練出来ると言ったから、ホワイトベースに配属して欲しいと要望したが、それが駄目だったのだろう。

 確率的には、半々くらいだと思ってはいたが……駄目だったか。

 上層部にしてみれば、ホワイトベースはジオン軍から強い恨みを買っているだけに、使い道は多い。

 それだけに、十分な戦力を用意してもおかしくはなく、そういう意味ではマドロックがホワイトベースに配属されてもおかしくはなかった。

 もっとも、それとは逆にホワイトベースにガンダムタイプのMSが集まりすぎて、不必要なまでに戦力が集中するのを嫌っている者がいたとしても、おかしくはないのだが。

 ともあれ、結果としては駄目だったらしい。

 シャアに負けた……それも善戦すら出来ず一方的にやられた事で、エイガーのプライドはズタボロになってしまったのだろう。

 フォルド程ではないが、エイガーも自分がガンダムのパイロットとして選ばれたという自負はあった。

 だというのに、そんな自負を砕かれる程、ボロボロにされたのだから。

 少し離れた場所にあるマドロックの姿を見る。

 戦いが終わった当初に比べれば、随分と以前の姿を取り戻してはいる。

 だが、それでもまだ修復されていない部分は結構あり、マドロックの修理に手こずっているのが分かる。

 もっとも、シャアとの戦いは別にエイガーの技量が劣っていたからあのような結果になったという訳ではない。

 実際にエイガーはフォルドやルースと模擬戦を行ったが、その勝敗はほぼ同率……いや、地上での戦いに限っては、フォルドよりも上だった。

 そんなエイガーがあそこまでやられたのは、純粋にシャアの技量が圧倒的だったという事だろう。

 赤い彗星として、ジオン軍で最も有名なMSパイロットというのは伊達ではないといったところか。

 

「取りあえず……ホワイトベースに乗るのは無理かもしれないけど、ホワイトベースのMSパイロットとシミュレータで模擬戦をするのは出来るかもしれないぞ」

 

 このままだとエイガーがあまりにも哀れなので……それとついでにエイガーに恩を売る好機でもあるので、そう告げる。

 実際、模擬戦をするくらいなら特に問題はなく舞台を整える事は出来る。

 あ、でもウッディがホワイトベースを改修するとか言ってたから、もしかしてホワイトベースでシミュレータは使えないのか?

 実機を使った模擬戦をやるのが一番だが、そうなると手続きとかが色々と面倒になる。

 連邦軍としても、今は戦争中である程度予算を自由に使えるものの、それでも無尽蔵という訳ではない。

 やはり模擬戦をやるのならシミュレータの方が手軽なのは間違いないのだ。

 

「本当か?」

「ああ。もっとも、あくまでも俺が出来るのはエイガーが……連邦軍のMSパイロットがシミュレータでの模擬戦を希望しているというくらいだ。向こうが嫌だと言ったらそれ以上は無理強い出来ないし、もしやるとしてもホワイトベースは現在改修中でシミュレータが使えないから、シミュレータを用意する必要がある。……まさか、前にフォルドと模擬戦をやった部屋には連れていけないだろ?」

 

 あのシミュレータは、相応の通行証が必要となる場所に存在している。

 そうなると、当然ながらアムロやユウを連れていく事は出来ない。

 ……いや、それともいけるか?

 アムロはガンダムに乗っている以上、セカンドロットの区画に行っても問題ないだろうし、ユウはユウでEXAMシステムという、非常に機密度の高い計画に関わっている。

 それを思えば、セカンドロットの区画に来る事が出来ても、おかしくはない。

 勿論、それはあくまでも予想であって、実際にどうなるのかは分からないが。

 

「なら、俺が使えるシミュレータのある場所まで行く。幸い、今の俺はマドロックの修理が終わるまで仕事は多くないからな」

 

 この場合の仕事というのは、MSパイロットとしての訓練もあるだろうし、場合によってはジムのパイロット達の指導というのもあるのだろうが……まぁ、エイガーがそう言うのなら、こっちとしてもアムロとユウに話を通すのはやってもいい。

 

「分かった。じゃあ、今日はどうする? アムロやユウが模擬戦に付き合えるかは、一度ホワイトベースに戻ってみないと分からないけど」

 

 ジオン軍を撃退したとはいえ、その事後処理は当然のように連邦軍がやらないといいけない。

 撃破したMSの残骸は、ジオン軍のMS技術を調べるのに役立つだろうから、当然のように全て集めたいだろうし。

 とはいえ、襲ってきたMSはザクとグフが大半だ。

 水陸両用MSもあるが、それは基本的にジャブローの内部だったしな。

 ザクとグフなら、連邦軍の方でもザクは結構な数を入手してるだろうし、グフもある程度は入手している筈だ。

 戦場で撃破した機体を集めたのもあれば、ジオン軍から横流しされた新品すら持っている。

 ……ジオン軍の多くはジオン公国の独立戦争に参加しているが、中にはジオン公国の独立よりも自分の懐を潤す方を優先させるような者もいる。

 そう考えれば、この結果は当然だろう。

 

「頼む。俺の方でも使えるシミュレータの準備はする」

 

 普通ならそう簡単にシミュレータの用意は出来ないのだろうが、この辺はガンダムのパイロットだけあってある程度融通を利かせる事は出来るのだろう。

 俺にとっても助かるので、それに対しては特に文句はなかったが。

 そんな訳で、俺はここ来てからそう時間は経っていないのだが、ホワイトベースに戻るのだった。

 

 

 

 

 

「アムロとユウはいるか?」

 

 休憩しているホワイトベースのメカニックに、そう尋ねる。

 ホワイトベースの修理や調査、改修といった作業は大急ぎで行われている為に、当然ながら手の空いている者であれば、ホワイトベースのメカニック達も作業に駆り出されている。

 何だかんだと、ホワイトベースのメカニックはパイロットと違う意味で地獄を生き延びてきただけに、メカニックとしての技量はかなり高い。

 ウッディにしてみれば、それだけの技量のある人物を使わないという選択肢は存在しなかったのだろう。

 ……いや、使われているのは、メカニック達だけじゃない。

 それ以外の面々も、実際の作業こそ行っていないものの、タオルや飲み物を運んだりといった事をしている。

 実際、今も俺が話し掛けたメカニック達は、少し離れた場所にいるミハルや妹、弟からカートで持ってきた冷たい水を飲みながら一段落していたのだから。

 

「あの2人なら、ジャブローのパイロット達とシミュレータで訓練をするからという事で引っ張っていかれましたよ」

「あー……そうか」

 

 俺が考えるような事は、当然ながら連邦軍の方でも考えるという事だろう。

 とはいえ、俺が知ってる限りのジャブローのパイロットでは、アムロやユウを相手にした場合、どうしても勝ち目はないと思うのだが。

 それこそ、現在のジャブローのパイロットの上位互換たるダンケルとラムサスとかが訓練相手としては丁度いいと思う。

 ヤザンは、少し強くなりすぎたので、こちらもジャブローのパイロットにはもったいなんだよな。

 そんな風に思いつつ、俺はこれからどうするのかを考えるのだった。




アクセル・アルマー
LV:43
PP:980
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1575

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