転生とらぶる   作:青竹(移住)

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2540話

 ハワイに到着して、翌日……の昼間。

 

「ちょっ、何でこんなに寝坊を!?」

「しょうがないじゃない、アクセルの相手を私達2人だけでしたんだから、そうなるのは当然でしょ! それよりシャワーを浴びなきゃ。こんな状況で人前に出られる訳ないんだから!」

 

 ゲラートに用意して貰った部屋の中で、綾子とミナトの2人は身嗜みを整えるのに必死だった。

 ……寝たのが朝方だったから、そう考えればこの時間に起きて必死に準備するのは分からないでもない。

 ぶっちゃけた話、昨夜は久しぶりに周囲の環境とかを気にしなくてもよくなった夜だっただけに、いつもより燃えたのは間違いない。

 まぁ、ホワイトベースの俺の部屋で、隣にアムロが寝ているという状況の中、そういう行為をするというのもスリルがあって綾子もミナトも普段よりも反応が敏感だったのだが。

 ともあれ、それはそれ、これはこれ。

 そんな理由で昨夜は2人共疲れ切り、昼まで眠ってしまったのだ。

 一応今日もデートの日だったんだが……午前中が睡眠で潰れてしまった以上、その辺はどうしようもないか。

 1人ずつのデートは明日と明後日といったところか。

 HLVの打ち上げは毎日という訳ではないが、それなりに多い。

 ……何だかんだと、ルナ・ジオンが建国してからそれなりに時間が経つが、未だに月に行こうと考える者は結構な数がいる。

 それ以外にも、ハワイから月に送る物資の類もそれなりにあるし。

 そんな訳で、HLVは結構頻繁に打ち上げられている。

 場合によっては、それこそ1日に数度打ち上げられる事も珍しくはない。

 かと思えば、数日打ち上げられない事もあったりするのだが。

 その辺は結構ランダムだ。

 何だかんだと、色々忙しいのは間違いない。

 HLVの打ち上げも、無料で出来る訳じゃないし。

 燃料とかそういうのには余裕があるルナ・ジオンだったが、余裕があるからといって無駄遣いしてもいい訳じゃない。

 そもそも、客とか運ぶ物資が少ないのにHLVを打ち上げても意味はないし。

 

「いっそ、今日は出掛けないで部屋の中にいるか?」

「嫌よ。こんなに天気がいいのに」

 

 洗面所から顔だけ出した綾子が、不満そうに言う。

 その気持ちは分からないでもない。

 実際、カーテンを開けた窓から見えるハワイの空は、常夏という言葉が相応しいくらいに雲一つない青空が広がっているのだから。

 もう11月だというのに、窓から見える砂浜では泳いだりサーフィンをしたりとしている者もいれば、砂浜で日光浴を楽しんでいる者もいる。

 視線の先に広がる光景は、とてもではないが現在この地球上で激しい戦争が行われているとは思えないような、そんな光景だった。

 特に現在は、オデッサ作戦とジャブロー攻防戦の双方で連邦軍が勝利し、結果としてジオン軍はかなり追い詰められている。

 追い詰められた獣は危険だと言われているように、現在のジオン軍はかなり危険な存在なのは間違いない。

 それこそ連邦軍がちょっと油断をすれば、喉笛を喰い千切られてもおかしくはないくらいに。

 地球上ではそんな危険な戦闘が行われているのだが、このハワイにいる者達はそんな戦争など知ったことかいったように、平和な時間を楽しんでいた。

 ……現在ハワイにいる面々は、それこそ戦火を避けてハワイにやってきたのだから、ようやく手に入れた平和を思う存分楽しむのは当然かもしれないが。

 まぁ、昨日ミナトを強引にナンパしようとしていた男達のように、妙な事を考えてるような奴もいるので、本当の意味で安全という訳ではないのだが。

 ちなみにその男達はこのホテルの客ではあったが、いわゆる金持ちの坊ちゃんで今までにも色々と問題を起こしていたらしく、最終的には量産型Wが捕らえて連れていったらしい。

 どんな罰を受けるのかは分からないが、俺達がハワイにいる間はもう見る事もないだろう。

 そんな風に考えていると、綾子とミナトの2人が準備を整え終わる。

 俺もまた、昨夜の行為の名残で色々と汚れているので、シャワーに入って身嗜みを整える。

 それが終わり……

 

「じゃあ、今日は3人で出掛けるって事でいいんだな?」

「そうね。どうせ半日しかないんだし」

 

 ミナトの言葉に、綾子も同意するように頷く。

 2人に異論がないのなら、俺もまたそれはそれで別に構わない。

 そもそも、恋人と一緒にデートをする日が1日増えたというのは、俺にとっても間違いなく嬉しい事なのだから。

 

「なら、取りあえず出掛けるか。どこか行きたい場所はあるか?」

「海とかどう?」

「あのねぇ、綾子。まだ体力が完全に回復した訳じゃないのに、また海に行って泳ぐとか……魔法球でもあれば、話は別だけど」

 

 半サーヴァントである綾子と違い、ミナトは普通の人間だ。

 いや、エヴァとの訓練によって、その実力はとてもではないが普通の人間とは比べものにならなくなっているが。

 そんな状況でも体力が全快ではないというのは……いやまぁ、そういう風にした俺が言える事ではないんだろうけど。

 

「なら、半日程度だし適当に街中を見て回るか? ただ、以前と比べても更に人が多くなってるから、面倒にならないように気をつけないといけないけどな」

「そう? コバッタと量産型Wがいるんだし、昨日のような事にはそうそうならないんじゃない?」

「ミナト、昨日の一件はもう忘れたのか?」

 

 そんな風に言葉を交わしつつも、特にこれといってやるべき事がない以上、俺達は適当に街中を見て回ることにする。

 天気がいいからというのは分かるが、それならいっそ海で泳いでいた方が……いや、ミナトと綾子と一緒にいるのを考えると、間違いなく面倒な事になるか。

 それこそ、プライベートビーチとかならまだしも……

 

「あ」

「アクセル?」

 

 土産物屋を適当に眺めていたところで、いきなり俺が声を出したからだろう。

 綾子がどうしたのかといったように、こちらに視線を向けてくる。

 

「いや、こうして適当に見て回ってるだけなら、ガルマの所に行ってみないか?」

「それは……私は別に構わないけど、綾子は?」

「こっちも別に構わないわよ。特に何かやるべき事がある訳でもないし」

 

 ミナトの問いに、綾子もまたそう返す。

 ミナトも綾子も、取りあえず暇潰しという意味で街中を適当に見て回っていたが、他に何かやるべき事があるのなら、それをやっても構わないと、そう思っているのだろう。

 ともあれ、誰も反対はしなかったということもあり、近くにあった建物の陰に入ると、そのまま影のゲートを使ってガルマとイセリナの愛の巣に到着する。

 

「アクセルかい? この前来たばかりなのに、随分と早いね」

 

 天気がいいからだろう。家の外に椅子を持ってきて本を読んでいたガルマは、俺達の姿を見ると嬉しそうに笑みを浮かべながら立ち上がる。

 

「ちょっと時間が出来たからな。それと、ついでに北米の件も一応知らせておこうと思って」

 

 とはいえ、北米の件といってもぶっちゃけ特に何か報告するような事がある訳じゃない。

 北米で俺が戦っていたのは結局2日だけで、その2日で戦線が劇的に動くといった事はなかったのだから。

 ただし、北米に残っていたジオン軍がどれだけの戦力を持っていたのかという話や、高い士気を保っていた……といったような内容なら、話す事は出来るが。

 

「ふーん。とにかく、折角来たんだからゆっくりしていってくれ。ここは平和だけど、尋ねてきてくれる人が少ないのが難点でね」

「まぁ、それを目的として選んだ場所なんだから、それも当然だと思うが」

 

 元々はガルマとイセリナを匿う為に、この家を用意して貰ったのだ。

 だというのに、頻繁に誰かが訪ねてきたら、それはそれで問題だろう。

 

「それは分かってるけどね。……それより、今日はゆっくりしていけるのかい?」

「ああ。今日は取りあえず暇だから、午後はいる事になるな」

「そうか。……イセリナ! アクセル達が来た!」

 

 家の中にそう呼び掛けるガルマ。

 すると家の中で何らかの作業をしていたのだろうイセリナが、やがて扉から姿を現す。

 

「あら……皆さん、よくお揃いで」

 

 俺達が来たのが嬉しいと、そう表情に出しながら笑みを浮かべるイセリナ。

 ガルマとの新婚生活……いや、正式に結婚はしていないので、同棲生活か? その辺りは分からなかったが、ともあれガルマと2人だけの生活も楽しいが、やはり外部の刺激というのは必要なのだろう。

 

「俺はガルマと話してるから、綾子とミナトはイセリナと女同士の話でもしてきてくれ」

「そうするわね。アクセルが一体何を話すのかは分からないけど、あまり苛めちゃ駄目よ?」

 

 そう言い、どこかからかうような笑みを浮かべて、ミナトは綾子と共にイセリナのいる方に向かう。

 

「苛めるとは……私はアクセルよりも年上なのだから、その表現は少し違うように思うのだが」

「どうだろうな。……ミナトの事だから、からかったりするのは、そう珍しい話じゃないし。そう言えば、ガルマの正式な年齢は分からないな。何歳だ?」

「24歳だよ」

 

 ……予想よりも年上で少し驚いた。

 てっきりまだ20歳くらいかと思っていたのだが。

 ミナトの年齢は……

 そう考えた瞬間、俺でも危険を感じるような視線を向けてくるミナトの視線に気が付く。

 ミナトと俺が戦えば、本来ならどうやっても俺が勝つ。

 それは分かっているのだが、それでも今のミナトと戦ってみたいとは到底思えなかった。

 ……うん、それこそ今のミナトならエヴァと戦っても勝てるんじゃないか?

 取りあえずミナトの年齢について考えるのを止めると、それを察したのかミナトの視線が俺から逸らされる。

 女にとって年齢の話はタブーだな。

 時の指輪を使ってるので、実際には年齢は今のままだから気にする事はないと思うんだが。

 それでも女としての本能が、年齢の話を忌避するのだろう。

 

「年齢の話はともかくとして……」

「そうかい? まぁ、アクセルがそう言うのならいいけど」

「……このまま話を続けると、イセリナの機嫌も損ねるぞ」

「そうだね、この話は止めておこう」

 

 イセリナの名前を出した途端に、ガルマの態度が変わる。

 俺が言うのもなんだけど、完全に尻に敷かれているな。

 もしくは惚れた弱みか?

 

「ちなみ、シャドウミラーには600歳オーバーの幼女とかいるぞ」

「……は?」

 

 微妙に年齢についての話題が続いているが、エヴァについての話なら問題はないだろう。

 実際、先程こちらに視線を向けていたミナトも、綾子やイセリナと共に家の中に入っていったし。

 

「600歳オーバー? それは一体、何の冗談だ?」

「冗談でも何でもない。俺達ホワイトスターが接触している世界は、このUC世界のように科学技術が発達した世界だけじゃない。いわゆる魔法が存在するファンタジー世界とかも普通に存在する」

「ふぁんたじー……」

 

 ガルマのファンタジーという言葉の発音が微妙に間違っているような気がしたが、取りあえずその辺は置いておく。

 

「俺が魔法を使えるんだから、魔法のあるファンタジーの世界と接触してても、何も不思議はないと思うが?」

 

 でないと、俺の魔法は一体どこでどうやって覚えたのかという事になる。

 ……まぁ、空間倉庫とかは一応魔法という事になってはいるが、実際には俺が生まれた時から持っていた能力だ。

 そういう意味では、生まれた時から魔法を使えた……というのは、そこまでおかしな話ではない、と。そう思う。

 

「まぁ、言われてみれば納得も出来るが……うーむ、しかしファンタジーか。……少しだけ興味深いな」

「この戦争が終わって平和になったら、ホワイトスターに遊びに……いや、表敬訪問でもしにくるか? ホワイトスターには、ワイバーン……ドラゴンの類も飼育されてるし、牧場ではそれに乗る事も出来るぞ」

「ドラゴンに!?」

 

 驚愕の表情を浮かべるガルマ。

 UC世界の人間がドラゴンに乗れると言われれば、それに驚くなという方が無理か。

 実際にはそこまで知能が高くないからこそ、飼育や繁殖といった真似が出来てるんだが。

 ともあれ、ジオン公国を統べる事になったガルマがホワイトスターに来るというのは、決しておかしな話ではない。

 ガルマが悪い訳ではないが、やはり異世界の存在というのは知識だけではなく自分の目でしっかりと見る必要がある。

 それが出来なければ、それこそ将来的にはシャドウミラーをどうにか出来ると判断して妙な事を考えかねないのだから。

 

「ああ。それ以外にもエルフやダークエルフの類がいるな」

「……それは……本当にファンタジーの話だな」

「ファンタジーの世界の住人だしな。ただ、そのエルフ達がMSに乗ってたりするけど」

「それは……」

 

 ファンタジーにはファンタジーの世界だけでいて欲しかった。

 微妙な表情でガルマはそう告げる。

 その気持ちも分からないではないが……精霊の卵のエルフ達が乗ってるMSが、空を飛んだりビーム兵器を標準で装備しているとか知ったら、一体どう思うんだろうな。

 そう考えながら、俺はホワイトスターについての説明を続けるのだった。




アクセル・アルマー
LV:43
PP:1060
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1591

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