『うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!』
ディアナの格納庫の中に、大きな……それはもう大きな声が響き渡る。
それこそ、雄叫びや悲鳴と呼ぶのに相応しい、そんな声。
とはいえ、その気持ちも分からないではない。
現在ディアナの格納庫には、俺がホワイトベースの手伝いをしたという事で貰ってきた報酬のMSが複数並んでいるのだから。
今まで、ディアナが研究しているのは基本的にジオン軍のMSだった。
勿論、プロトタイプガンダムや半壊したガンキャノンといったような連邦軍系のMSはあったが、今回は完品の代物が多数。
また、MSだけではなく戦闘機の類やバストライナーといった物もある。
それと、俺が7号機の前に使っていたピクシーもあるな。
ともあれ、ディアナの技術者にとっては宝の山と呼ぶべき代物なのは間違いなかった。
ディアナの技術者は、大半がジオン公国……具体的にはジオニック社、ツィマッド社、MIP社に勤めていた者達だ。
それ以外にも他の兵器メーカーに勤めていた者もいるが、ともあれそんな感じとなっている。
そして、連邦やサイド6のような中立からやって来た技術者もいるが、どうしてもその数はジオン系に比べれば少ない。
ましてや、MSの研究に参加していたような者ともなれば、それこそ数人いるかどうかといったところだろう。
……あ、でも陸戦強襲型ガンタンクの開発に関わったアリーヌとかいるか。
陸戦強襲型ガンタンクをMSと認識してもいいのかどうかは、微妙なところだが。
ともあれ、そんな訳で連邦軍のMS、それも最新型が入手出来たというのは、非常に大きい出来事なのは理解出来た。
うーん、まだガンダム7号機とファーストアーマー、セカンドアーマーといったのは出してないんだが……これを出したら、一体どうなる事やら。
現在の連邦軍における、本当の意味での最新鋭機がガンダム7号機。
ジムスナイパーⅡもアムロのガンダムよりも高い性能を持っているのは間違いないが、少数とはいえ量産を前提として開発された機体だ。
だが、ガンダム7号機はガンダムのセカンドロット……その中でも一番後発のMSで、本当の意味で現在連邦軍が持っている技術の粋を凝らしたMSなのだ。
もっとも、それはあくまでも俺がレビルやゴップから聞いた限りの話であって、もしかしたら俺に聞かせていない最新鋭のMSがある可能性もあるが。
いや、可能性ではなく、ほぼ確実にあるだろうと予想は出来る。
その辺は連邦軍という組織の事を考えれば、おかしくはない。
「アクセル代表! アクセル代表! アクセル代表!」
研究者の1人が、それこそ何も言葉に出来ないといった様子で俺に声を掛けてくる。
その表情にあるのは、強い興奮と喜びだ。
この研究者は……たしかジオニック社からの移住組だったか?
ジオニック社はザクを開発しただけあって、MSの基礎技術という点ではツィマッド社やMIP社よりも上だ。
ツィマッド社は意表を突いたり特化型のMSを開発する技術に長けており、MIP社はMA開発では他の追随を許さない。
そういう意味では、連邦軍のMSに対して強い興味を惹かれるのは当然なのだろう。
「分かってる。落ち着け。……まだだ!」
その研究者を落ち着かせてから、俺はこの広い格納庫に……いや、あるいは外にすら響くような大声を出す。
その大声は、連邦軍のMSに対して興味を惹かれていた者達の注意を俺に向けさせるには十分だった。
格納庫にいた全員が俺に視線を向けているのを確認してから、俺は言葉を続ける。
「さて、俺が持ってきたMSは、これだけではない。あそこにあるピクシーは、俺が地球にいた時に乗っていたMSだが……」
ピクシーを指さすと、多くの者達がピクシーに視線を向ける。
明らかに機動性に特化したその外見は、だが同時に攻撃力という点で見れば物足りなくも思う。
……実際、俺がピクシーに乗っていた時は、そんな思いもあった。
ビームダガーは強力だが、射撃武器の方に不満があったのだ。
最終的にはジムが使っているビームスプレーガンを装備したが、それだって満足出来た訳ではない。
まぁ、だからこそ機動性に特化したMSとして、俺向きではあったのだが。
「ジャブローにおいて、俺は連邦軍の傭兵として働いた分の報酬を貰った。それが、現在目の前に広がっているMSだ。だが……先程も言ったが、これだけではない。ディアナに所属する者であれば、プロトタイプガンダムについては知ってるだろう」
その言葉に、多くの者がそれぞれに反応を示す。
それだけ、ディアナにいる者達にとって、プロトタイプガンダムというのは衝撃的だったのだろう。
「俺が貰ってきたMSの中には、プロトタイプガンダムの後継機種……ガンダム7号機がある」
ざわり、と。
そんな俺の言葉に、多くの者が驚きの声を上げる。
まぁ、プロトタイプガンダムから一気に7号機まで進んでいるのだから、それも当然だろう。
「ガンダム7号機は、セカンドロットと言われているガンダムの1つで、正真正銘の最新鋭機だ」
その言葉の持つ威力は凄まじい。
ほぼ全ての者が、半ば血走った視線を俺に向けてくる。
それこそ、早くそのMSを見せて欲しいといったように。
……うん。ちょっと煽りすぎたか?
そんな思いを懐きながら、まだ空いている場所に移動し、ガンダム7号機を空間倉庫から取り出す。
『おおおおお……』
最新鋭機のガンダムという事で、当然のように驚きの声が多く出た。
出たのだが……それでも、思ったよりも大きくはない。
まぁ、それも無理はないか。
ピクシーと比べるとそれなりに強そうには思えるが、それでも素の状態の7号機は……若干頼りなさそうに思える。
それでも非常に高い性能を持っているのは、間違いないのだが。
それこそ、マドロック辺りを貰ってきていれば、ここにいた者達の期待に応えられていたのかもしれないが。
「この7号機は、少し特殊な機体でな。このままでも十分に強いのだが、それだけではない。FSWS計画という連邦軍の計画に沿って開発された機体だ。……こんな風にな」
7号機のある場所から少し移動し、そこに空間倉庫から取り出したファーストアーマーを置く。
『おおおおおおおおおおお』
7号機を見た時よりも大きな声が上がる。
それを見ただけで、ファーストアーマーの意味を理解出来たのだろう。
だが……その興奮はそれだけでは終わらせない。
「更に!」
俺がそう告げると、ファーストアーマーの存在に興奮していた者達がこちらに意識を向けてくる。
うん、上手い具合に注目を集められたな。
そう思いながら、ファーストアーマーから少し離れた場所に、セカンドアーマーを取り出す。
『おおおおおおおおおおおおおおおお』
再び上がる歓声。
その歓声を聞きながら、俺は言葉を続ける。
「ファーストアーマーを装備した状態を、フルアーマーガンダム7号機。セカンドアーマーを装備した状態が、重装フルアーマーガンダムと呼称される。何か質問は?」
そう言った瞬間、ほぼ全ての技術者達が手を挙げる。
取りあえず、近くにいた技術者を指名して質問を聞く。
「見たところ、セカンドアーマーはかなりの重装備のようです。追加装甲の方にもスラスターがあるみたいですが、これだと地上では使えないのでは?」
「そうだな。フルアーマーガンダム7号機は普通に地上でも使える。だが、重装フルアーマーガンダムになれば、基本的には宇宙で使う事になるだろう。MA的な性格を持つしな」
「MA……なるほど。この装備を見れば、そうかもしれませんね。どこかビグロと通じる設計思想を感じます」
感心したように告げる技術者。
そう言えば、この技術者はMIP社出身だったか。
「はい、アクセル代表。このファーストアーマーもセカンドアーマーも、かなりの武装がありますけど、既存のFCSで対応出来ますか?」
「無理だろうな。だからこそ、7号機のFCSはかなり改造されているらしい。勿論、全くの別物といった訳ではないが。……ああ、そうそう。FCSで思い出したけど、7号機のコックピットは全天周囲モニタというシステムになっている。これは今までのMSのコックピットに比べると、かなり画期的だ。恐らくはこれからの標準装備になっていくと思われる。その辺の研究もした方がいい」
全天周囲モニタ。
こういうのがあると言われれば、なるほどと納得出来る代物だ。
それこそ、普通なら何故その事について考えつかなかったかという、コロンブスの卵的なシステム。
……とはいえ、カメラだったり映像モニタだったりするのはそれなりに高価な代物なので、これを採用するとコストが上がるのは間違いない。
跳ね上がるとまではいかないが、それでも間違いなく製造コストは上がる。
とはいえ、ジオン軍でそれは大問題になるだろうし、連邦軍でもそう簡単に受け入れるのは難しいかもしれない。
だが、ルナ・ジオンの場合は違う。
資源も資金も大量にあり、その辺を気にする必要はない。
「全天周囲モニタ……あれ? これって、もしかしてアナハイムがこの前発表したリニアシートシステムと相性がいいんじゃないか?」
「リニアシートシステム? 何だそれは?」
技術者の1人が呟いた言葉を耳にし、そう尋ねる。
シートとついてるとなると、それは恐らくコックピットに関係する事だろう。
まさか俺に話し掛けられるとは思っていなかったのか、技術者は少し戸惑った様子を見せた後で口を開く。
「フォンブラウンのアナハイムがついこの前発表したシステムで、操縦席の後部からアームが伸びて、操縦席を支えるシステムです。言ってみれば、操縦席が空中に浮いている感じになるみたいです。全天周囲モニタって言うくらしですし、リニアシートにすれば自分の真下を見る事も出来るんじゃないかと」
「……なるほど」
フォンブラウンのアナハイムという会社はかなり巨大な会社だ。
連邦軍やジオン軍とも関係が深いらしい。
そういう意味では、リニアシートシステムというのを発表してもおかしくはない……のか?
ともあれ、技術者が口にしたように操縦席が空中に浮いているような形をしているのなら、全天周囲モニタとの相性がいいのは間違いないか。
とはいえ、アナハイムが既に発表してしまっている以上、こっちで勝手に同じ物を作る訳にもいかない。
……ルナ・ジオンは月の支配者ではあるが、だからといって月にいる企業に対して横暴な真似をしてもいい訳ではないのだから。
そんな真似をしていれば、それこそすぐに様々な企業が月から撤退していくだろう。
そうならないようにする為には、ルナ・ジオンもしっかりと企業の権利を守る必要がある。
とはいえ、リニアシートを作る度にアナハイムに一定の金額を支払うとなると、アナハイムが月にある企業では一歩抜け出るな。
元々アナハイムは決して小さな企業ではないだけに、下手をすればアナハイムの天下となる可能性もある。
そうならない為には……ルナ・ジオンでも国営企業を……いや、そういう意味ではディアナがあるな。
「ともあれ、リニアシートと全天周囲モニタの相性がいいのは間違いない。その辺については、後で報告書で上げておいてくれ。上層部の方で何か考えるだろ。……その件はともかくとして、これが重装フルアーマーガンダムについての取説だ。これを開発したり調整した連邦軍のメカニックに作って貰った。重装フルアーマーガンダムは、テストの類は色々とされているが、実際にまだ宇宙で使った事はない。調整を頼む。……一応言っておくが、書類はそれだけしかないから、破ったり汚したりしたらどうにもならない。取り合えず読むよりも前にコピーしておいた方がいいな」
好奇心で目を光らせる技術者達に向かってそう告げ、技術者達が動くよりも前に更に口を開く。
「次に、MAだ」
その言葉に、技術者達は驚き……それでいて、疑問の表情を浮かべていた。
当然だろう。現在のところ、連邦軍はMSを開発するだけで精一杯でMAという新機種を開発するだけの余裕はない。
敢えて言うのなら、重装フルアーマーガンダムが連邦軍のMA的存在だろう。
一応勘違いしないように言っておいた方がいいか。
「このMAは、今までと違って連邦軍のMAじゃなくて、オーストラリアのジオン軍から引き取ってきた代物だ。……アッザムの改修機と、ライノサラスという遠距離からの砲撃を行うMAだ。大きさが大きさなので、ここに出すことは出来ないから、他の格納庫に出す。見に来る奴は?」
そんな俺の言葉に見たいと口にしたのは……MAの開発を得意としている、MIP社の面々だけだ。
それも全員ではなく、MIP社出身の中でも半数か……場合によってはそれ以下の人数。
やっぱり、MIP社の面々にしても、連邦軍の最新鋭MSの方が興味深いんだろうな。
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1060
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1591