転生とらぶる   作:青竹(移住)

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2553話

 ギャンについての話はまだ続く。

 ルナ・ジオン軍としては、何気に俺が提案したギャンの改修案については興味深かったのだろう。

 現在は、盾についての話となっている。

 

「アクセルが言うように、盾にミサイルや機雷といった火薬が搭載されているというのは危険だ。元々盾というのは、敵の攻撃を防ぐ為に使われる。それこそ、敵のビーム兵器を使われでもしたら……」

 

 ラルの言葉に、話を聞いていた者の多くが同意する様子を見せる。

 だが同時に、盾に多機能を与えるという考えは非常に興味深いのか、ならどんな機能を盾に与えるかといった具合に話題が移り……それを聞いていた俺は、ふとディアナに持ってきたお土産について思い出す。

 あれなら、ルナ・ジオン軍のMSでも使えるんじゃないか?

 

「ちょっといいか?」

 

 ギャンの盾について話している中、俺の声が響く。

 幸いにして、俺のそんな言葉は聞いている者達の視線を集めるには十分だった。

 

「昨日俺が帰ってきた時に、連邦軍から報酬として貰ってきたMSとかをディアナに預けていったのは、知ってるよな?」

「そうね。そのおかげで、現在ディアナの技術者達はそれこそ寝る間も惜しんで解析してるもの」

 

 そう告げるセイラの言葉に、若干ながら責める色があったのは……多分、俺の気のせいではないだろう。

 いやまぁ、ディアナの技術者の中には、ある意味でシャドウミラーの技術班に近い性格……いや、性質か? 性質を持つ奴もいる。

 そんな者達が、あれだけ大量の新型MSを確保すれば、それに対してどう動くのかというのを考えるのは難しくはないだろう。

 セイラからそっと視線を逸らし、口を開く。

 

「ともあれ、だ。俺が連邦軍から入手してきた物の中には、バストライナーってのがある。これは簡単に言えば、自走する戦艦級のメガ粒子砲といったものだな。それにSFS……このUC世界で言えば、ジオン軍が使っているドダイに近い性質があって、MSを乗せられる。攻撃力不足というのは、これで対処できるんじゃないか?」

「それは……アクセルの言う事が正しいのなら、確かにそうだろうが……」

 

 ガイアが少しだけ疑わしそうな視線を俺に向けてくる。

 そこまで都合のいい物があるのかと、そう聞いているのだろう。

 

「勿論、色々と欠点もある。まず第一に、製造コストがかなり高い」

 

 これは戦艦級のメガ粒子砲を使う以上、どうしても避けられない。

 とはいえ、シャドウミラーの後ろ盾がある現在、ある程度は緩和出来る内容ではあるが。

 それでも、ルナ・ジオンとしては完全にこっちに頼り切るといったような真似は出来ないだろう。

 

「次に、SFSの1種であるのは事実だが、戦艦級のメガ粒子砲を搭載している以上、決してその機動力は高くない。少なくても、シャドウミラーで使っているダラニやジオン軍のドダイとかに比べれば数段落ちる」

 

 バストライナーは確かにSFSとしての機能を持ってはいるが、やはりその本領を発揮するのは、あくまでも攻撃力だ。

 ……戦艦を始めとして軍艦ではないので、敵に見つかりにくいという利点もある。

 それだけの攻撃力を有しているのだから、当然のようにSFS機能の方はおまけになってしまうのだ。

 

「取りあえずそんな感じだな。後、これはついでだが……SFSだからこそ、それに乗っているMSを狙い撃ちにされる可能性もある」

 

 SFSとしての機能がおまけである以上、その辺はしょうがない。

 いやまぁ、ダラニやドダイもSFSの上に乗ってるだけだから、外に出てるのは間違いないが。

 

「ギャンはともかく、ヅダには使えるかもしれないわね。……アンリ、検討を」

「分かりました、アルテイシア様」

 

 セイラの言葉に、アンリは深々と一礼する。

 

「それと、ビームライフルの件だが……連邦軍から貰ってきたMSがあるから、そっちを解析すれば研究は進むと思う」

 

 連邦軍はその国力から……そしてジオン軍も、高い技術力からビームライフルを実用化させたが、この点では何気にルナ・ジオン軍が1歩遅れている。

 それでも聞いた話では結構進展していて、もう少しというところまでは来てるらしいけど。

 ぶっちゃけ、純粋にビームライフルの技術を与えるだけなら、シャドウミラーの技術を与えるという方法がある。

 もしくは、シャドウミラーの技術を他に漏らしたくないのなら、SEED世界やW世界のビームライフルの技術を与えるという方法もあった。

 だが、それではこの世界の技術の発展に影響が出る。

 この世界のビーム……メガ粒子砲は、ミノフスキー物理学によるものだ。

 そうである以上、ディアナで研究中のビームライフルに関しても、やはりこのUC世界特有のミノフスキー物理学を使った技術にして欲しいと思うのは当然だった。

 

「それはありがたいね。やっぱり連邦軍とジオン軍がビームライフルを使ってるのに、うちだけが使えないというのは色々と不味いし」

 

 シーマのその言葉に、話を聞いていた者達は全員が同意するように頷く。

 実際、この世界におけるビームライフルというのは、ある種絶対的な威力を持っている。

 ザクマシンガンとかの実弾兵器であればルナ・チタニウム製の装甲があれば無効化出来るが、ビームライフルはそんなルナ・チタニウム製の装甲であっても意味はないのだ。

 ……まぁ、ルナ・チタニウム製の装甲を持つMSは連邦軍の中でも本当に一部だけなんだが。

 そういう意味では、もしかしたら本当の意味でビーム系の技術は必須ではないのかもしれないが……ただ、この先UC世界においては間違いなくビーム系の武器が主力になっていくだろう。

 そういう意味でも、ルナ・ジオン軍としてはここで一気にビーム兵器に関する研究を進めて欲しいところだ。

 

「攻撃だけじゃなくて、防御の方もどうにかした方がいいと思うけどな。この世界のビームライフルは、それこそ絶対的な一撃だ。そうである以上、暫くは攻撃力が重視されていくのは間違いない。そんな中でビームライフルを防ぐ事が出来る防具があれば、かなり強い影響力を示せると思うが」

 

 そう言いはするが、実際にそれを実現するのがかなり難しいのは間違いない。

 現在一番高い防御力を誇るルナ・チタニウム製の装甲ですら、ビーム兵器を防ぐ事は出来ないのだから。

 可能性があるとすれば、バリアの類か?

 例えば、シャドウミラーではほぼ全ての機体に標準装備されているEフィールドやG・テリトリー。

 テスラ・ドライブやブラックホールエンジンがあるからこそ使えるバリアだが、非常に強力なバリアとなっている。

 それだけに、似たようなバリアを開発出来れば、それはルナ・ジオンにとって大きな……それこそ、非常に大きな戦力となるだろう。

 もっとも、それを開発出来れば、だが。

 

「ビームライフルを防げる防具……ちょっと思いつかんな。ディアナの技術者に頼むしかないか」

 

 しみじみといった様子で、ラルが呟く。

 ディアナが一体どんな方向に向かうのか……正直なところ、かなり興味があるのは間違いない。

 

「ちなみに、MAの方はどうなったんだ? ビグロだったか。それの生産設備をある程度流して貰ったって話は聞いたけど」

「どこからその話を聞いて来たのかはわからんが……現在量産中だ。だが、MAは適性のある者が少なくてな」

 

 アンリのその言葉に疑問を抱く。

 アイナを知っているからか、MAに対する適性というのは、MSよりも少なくても結構いると、そう思っていたからだ。

 この辺、やっぱりギニアスの開発したアプサラスをいきなり――勿論、訓練はしたのだろうが――乗りこなした、アイナの凄さが理解出来る。

 

「そこまでか?」

「ああ。……勿論、乗るだけなら他にも出来る者は多い。だが、MAを乗りこなす、使いこなすとなると、話は変わってくる」

 

 深刻そうな様子で告げるアンリを見れば、その言葉が真実だと思わざるを得ない。

 普通の人間の場合は、対G能力といったのも必要になってくるからな。

 混沌精霊でその辺を全く気にしなくてもいい俺や、シャドウミラーの実働班のように魔力や気で身体能力を強化するといった真似をすれば……もしくはマクロス世界のISCとか、そういうのがあれば話は別かもしれないが、このUC世界にその手の技術は存在しないく。

 少なくても、今の時点では。

 将来的には、もしかしたらその手の技術も発展する可能性は否定出来ないが。

 

「そうなると、MAはそこまで数を揃えられないって事か。……高機動型ではないMAならともかく」

 

 Gに耐えられないのなら、Gがそこまで高くないMAを用意するという方法もある。

 とはいえ、それをあっさりと許容出来るかと言われれば……また別の話だが。

 何しろ、基本的にMAというのは大きい。

 大きいからこそ、敵の攻撃に当たらないように機動性や運動性を高めるという一面もあるのだ。

 つまり、アッザムのような動きの鈍いMAを量産しても、いざ実戦となればそれは使い物にならない。

 ……特に宇宙でなら余計にだ。

 地球でなら、一応アッザムは空を飛べるといった能力があるので、地上にいる敵に対しては有利になる。

 だが、それが宇宙ともなれば空を飛ぶといったようなアドバンテージがない分、地球上で戦うよりも更に不利になる。

 

「とはいえ、ビグロはMAとしてはかなり強力だ。その加速性を活かして、一撃離脱を徹底させれば、そこまでMA適性が高くなくてもパイロットの数を揃えられるんじゃないか?」

「その辺にはもう手を回している。そのような者達も、MAに乗り続けていれば、対G耐性が上がってくるという可能性も否定は出来ないし」

 

 あるいは、ニュータイプとかだろうな。

 相手の攻撃を先読み出来るニュータイプなら、MAに乗っても敵の攻撃を回避出来る可能性は高い。

 それにMAは基本的に巨大である以上、生存率も高いし。

 

「ニュータイプか」

「……アクセルが何を言いたいのかは分かるけど、駄目ね」

 

 俺の言葉を遮るようにして、セイラがそう告げる。

 ニュータイプだけあってか……もしくは俺の性格を知っているからなのか、俺が何か言うよりも前に、理解したらしい。

 ルナ・ジオンには、現在明確にニュータイプと呼べる相手が3人いる。

 セイラ、クスコ、マリオン。

 正確にはフラガナン機関にいた子供達の中にも、何人か微弱ながらニュータイプ能力を持っている奴もいるらしいが、まだ子供である以上は戦力に数えられない。

 そうなると必要なのは、大人……とまでは言わないが、ある程度成長したニュータイプだ。

 それがセイラ達3人となる。

 だが、セイラは俺の言いたいことを先読みして否定した。

 ……まぁ、ニュータイプだからといって、MAに乗るとは限らないしな。

 実際、地球でもニュータイプのシャアはMAではなくズゴックに乗っていたし。

 

「クスコとマリオンが駄目なら、セイラはどうだ?」

『アクセル!』

 

 そう言った瞬間、部屋の中にいた大勢が俺を責める視線で見てくる。

 セイラの父親代わりを自認しているアンリとラルの2人にいたっては、俺に向かって殺気までぶつけてきた。

 とはいえ……

 

「セイラが国の代表だから、戦闘に出るのは危険だというのは分かる。だが……いざという時には、国の代表が前に出る事によって士気を高めるというのは、十分に有り得る策だ」

 

 これが連邦やジオンなら話は別だが、ルナ・ジオンという国家は何だかんだとまだ若い。

 何しろ、数ヶ月前に建国されたばかりなのだから。

 だからこそ、いざという時は国の代表たるセイラが最前線に出て指揮を執るといった真似をして、連邦やジオンにその光景を見せつける……といった真似をした場合の効果は大きい。

 勿論、これはセイラが高レベルのニュータイプだから出来るという事でもあるのだが。

 巨大な……防御力に秀でて、更には後方から強力なメガ粒子砲で援護攻撃を行うといった性能のMAが理想的だろう。

 これがアムロやシャアなら、動きの鈍いMAではなく機動性や運動性に優れているMSを好むのだろうが。

 

「アクセル!」

「構いません」

 

 ラルが俺に向かって更に何か言おうとしたが、肝心のセイラがそれを止める。

 

「確かに、アクセルの言う通り今の私……高いニュータイプ能力を持つ私が、戦場に出るというのは、連邦にもジオンにも強烈な印象を与えることが出来る筈です」

「姫様!」

 

 ラルの口からそんな言葉が出る。

 ラルにしてみれば、セイラを戦場に出すという選択肢は完全に有り得ないものなのだろう。

 だが……セイラはそんなラルを視線で制する。

 幾らニュータイプ能力があっても、セイラのような小娘が百戦錬磨のラルを相手にしてそのような真似が出来るのは、やはりジオン・ズム・ダイクンの血筋から来るものなのか。

 そんな風に考える中で、セイラは言葉を続ける。

 

「勿論、実戦に出る以上は、私もMSやMAの性能を覚える必要がありますし、訓練する必要もあるでしょう。いざという時、何も出来ないでいるというのは……嫌なものですしね」

 

 そう言われれば、ラルやアンリも反対出来ず……やがて、話は決まるのだった。




アクセル・アルマー
LV:43
PP:1060
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1591

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