転生とらぶる   作:青竹(移住)

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2555話

 月に帰ってきてから、一週間程が経った。

 何だかんだと俺がやるべき事は多く、この1週間はそちらに完全に手を取られていた。

 まぁ、何ヶ月もホワイトスターを留守にしていたんだから、その辺りは当然だろうが。

 ともあれ、そんな訳で現在俺は……重装フルアーマーガンダムに乗って、月の周辺を飛んでいる。

 つい昨日、セカンドアーマーの調整が終わったので実際に試して欲しいとディアナの技術者達から要望があり、現在はそれを試していたのだ。

 ぶっちゃけた話、ディアナの技術者達の実力ならもっと早くに調整が終わってもいいと思うんだが。

 なのに1週間も掛かったのは……ぶっちゃけ、他のMSの解析作業に集中していたからだったりする。

 とはいえ、普通に考えれば俺が連邦軍から貰ってきたMSの中で、ガンダム7号機が最も性能の高い機体だ。

 だとすれば、普通ならガンダム7号機の解析が真っ先に行われるんじゃないのか?

 そう思ったのだが、どうやら技術者達によって自分の興味を持っているMSというのは違ったらしい。

 考えてみれば、当然か。

 ただでさえ俺が貰ってきたMSの数は多い。

 そんな中で、ディアナの技術者がそれぞれ自分の興味のあるMSに……もしくは戦闘機やバストライナーに対して興味を持つ機体を調べるとなれば、それぞれ違うのを調べてもおかしくはない。

 そんな訳で、現在俺が乗っている重装フルアーマーガンダムの調整とかに何だかんだと時間が必要になった訳だ。

 基本的にはジャブローである程度調整して貰ってはいるのだが、それはあくまでも地球上で宇宙を想定したという形での調整だ。

 どうしても、実際に宇宙や月の環境でとなると、色々と違ってくる。

 理論上は問題なくても、実際に宇宙に出てみれば問題があるといったことは、珍しくない。

 ジオン軍のドップとかがある意味でその典型だろう。

 理論上では問題なく使えている筈が、実際には航続距離が短いといった問題がある。

 ガウも性能はともかく、燃費という点ではかなり問題らしいし。

 その辺りの事情を考えると、やはりシミュレータとか、そういうのに頼るだけなのは危険だという事だろう。

 

『アクセル代表、どうですか?』

「そうだな。まぁ……予想通りといったところか」

 

 通信機から聞こえてきたディアナの技術者に対し、そう返す。

 そう、重装フルアーマーガンダムの機体性能は、前もって予想していたのとそう変わりはない。

 機動性という点では、かなり高性能なのは間違いない。

 だが、この重量を考えると、やはり運動性という点ではMSと比べると一歩劣る。

 いわゆる、MA的なMSといったところか。

 

『そうですか。では、そろそろ次の標的を出したいですが、構いませんか?』

「構わない。この機体は武器の塊だからな。……取りあえずこの機体の最大の武器のメガビームキャノンを試してみる」

『分かりました。アクセル代表なら大丈夫だと思いますが、気をつけて下さいね』

 

 そう心配そうに言ってくるのは、親っさんが用意した書類に7号機のビームライフルが壊れた一件が書かれていたから……か?

 親っさん達が改修したから、もう大丈夫だとは思うが。

 それに、俺の場合はもし暴発してもぶっちゃけ効果はないしな。

 その辺を心配する必要は、まずないだろう。

 やがて近くを飛んでいたカトンボから、標的となる的が発射される。

 とはいえ、別に何かのMSとかバッタとかメギロートとか……そういうのではなく、MSの形をした風船のような代物だ。

 それこそメガビームキャノンではなく、バルカンでも容易に撃破する事が出来るだろう。

 だが、メガビームキャノンの照準を確認するという意味でも、問題はない標的だった。

 重装フルアーマーガンダムの右肩から延びているメガビームキャノンの照準をつけ……トリガーを引く。

 次の瞬間、メガビームキャノンの砲門から巨大なメガ粒子砲が放たれ……標的は、それこそ一瞬も耐える事が出来ずに消滅する。

 これは、また。

 分かっていたけど、この威力はかなり凶悪だな。

 フルアーマーガンダム7号機の時の最大の武器だったビームキャノンも、その威力は非常に高かった。

 だが、重装フルアーマーガンダムのメガビームキャノンは、フルアーマーガンダム7号機のビームキャノンよりも圧倒的に威力が上だ。

 それこそ、過剰戦力ではないかと思うくらいには。

 ああ、でも重装フルアーマーガンダムはMA的な性能を期待されてるのだとすれば、これはそうおかしな事でもないのか?

 取りあえずサラミス程度なら余裕で撃破出来るだけの威力を持っているし、マゼランに関しても撃破出来るだけの威力を持っているのは間違いない。

 それも、ザクマシンガンとかで艦橋を破壊して撃破するのではなく、正面から撃ち抜いて動力炉を爆破し、マゼランを爆散させるといった意味での撃墜だ。

 

『次の標的を出します』

「分かった」

 

 通信の声に答えると同時に、再び標的が幾つも映像モニタに表示される。

 その標的に向かい、次々とミサイルを撃つ。

 ミサイルの場合は、ミノフスキー粒子散布下では誘導性能が殆ど意味はないが、それでも多数一緒に撃つ事で命中率を高めたりは出来る。

 まぁ……俺の場合は、PPで命中の数値を高めている事もあって、この状況でも的を全て破壊出来るのだが。

 その後も、重装フルアーマーガンダムの武装テストを行い……それが終わったところで、カトンボに戻る。

 この宙域は月から結構離れている場所なので、カトンボが母艦という扱いになっていた。

 重装フルアーマーガンダムの性能を考えれば、真っ直ぐ月に戻るような事も可能なのだろうが。

 カトンボの格納庫に戻ると、技術者……いや、今回はメカニックとしてここに来ているので、メカニックと呼ぶべきか。

 ともあれ、多くの者達が重装フルアーマーガンダムに取り付いて、どこか問題がないかといったように調べていく。

 この辺りの作業の素早さは、ディアナの中でも精鋭と呼ぶべき人材が集まっているだけはある。

 

「どうぞ、アクセル代表」

 

 メカニックの1人が、スポーツドリンクを俺に手渡してくる。

 その表情には、素直な賞賛があった。

 

「正直、あの重装フルアーマーガンダムをここまで問題なく動かせるとは思っていませんでした。FCSの方をもっと改良する必要があると考えていたので」

「その辺は確かに必要かもしれないな」

 

 重装フルアーマーガンダムは、その名前の通りかなりの重装備だ。

 武器の類も大量にあり、その全てをコックピットで俺が使いこなす必要がある。

 これがMAなら、最初からそれを目的としてコックピットも作られているので、その辺は幾らか楽なのだが……重装フルアーマーガンダムの場合は、フルアーマーガンダム7号機にセカンドアーマーを装備するといった手順を踏む以上、コックピットはガンダム7号機の物と変わらない。

 つまり、それだけ各種火器を制御するのが難しいのだ。

 俺の場合は今まで幾つも戦場を潜り抜けてきたし、混沌精霊として極めて高い身体能力を持っている関係上、何とかなっている。

 だが、もしこの重装フルアーマーガンダムに俺以外のパイロットが乗るとなった場合、しっかりと操縦訓練をする必要がある。

 これがシャドウミラーの実働班なら、誰でも問題なく操縦は出来るのだろうが。

 

「ただ、FCSの方を改良するにしても……アクセル代表は基本的に全てをマニュアルで操縦してますが、他の人が乗る場合はある程度自動化する必要があるんですよね」

「……まぁ、それが無難だろうな」

 

 異名持ちやエース級のパイロットなら、ある程度どうにかなるかもしれないが、それでも負担は大きい。

 それをどうにかするとなれば、やはり自動化が必要になってくるのだろうが……問題なのは、戦っている相手がエース級の場合、その辺の動きを読まれかねないといったところか。

 そうなれば、FCSが自動化しているのを相手に利用されかねない。

 自動化というのは、便利な反面、どうしても動きが画一化されかねないのだ。

 もっとも、そのような真似が出来るのは、あくまでも異名持ちやエース、ベテランの一部といったところであり、多くの敵に対しては、有効な戦力として使えるのだが。

 

「設計データとかもあるので、量産するかどうかはまだ分かりませんが……もし使うとしても、異名持ちやエースとかでしょうね」

「それ以前に、製造設備をどうにかする必要があるけどな。それに……多分、エース用の機体はギャンになりそうだし」

「え?」

 

 どうやらその辺については知らなかったらしく、メカニックは驚きの視線を俺に向けてくる。

 ギャンというのがどういう機体なのかは理解していて、だからこそ俺に驚きの視線を向けているのだろう。

 

「言っておくけど、ギャンはギャンでも、色々と改修された機体になる筈だぞ。フィールドモーターやマグネットコーティング、全天周囲モニタに……こっちは採用されるかどうか権利の関係で微妙だが、リニアシート。それと射撃武器の装備。それ以外にも様々な改修をされる予定だ」

「それ……もうギャンじゃなくなるんじゃ……」

「それは否定しない」

 

 そもそも、通常のギャンが色々な意味でおかしいのだ。

 ツィマッド社が尖った性能のMSを開発するのは分かっているが、それでも近接戦闘に特化して射撃武器はシールドにある小型ミサイルと機雷だけって……

 ただ、ツィマッド社が作っただけあって、基本性能そのものはかなり優れてるんだよな。

 だからこそ、ルナ・ジオン軍のエースや異名持ちが乗るMSのベースに選ばれた訳だし。

 個人的には、ジオニック社が開発した高機動型ザクR2型とかも、性能としてはかなり優れてるんだが……ビーム兵器がな。

 それに、やっぱりザク=ジオン軍というイメージが強いというのもある。

 ……アプサラスやライノサラスにはザクの頭が使われているが。取りあえずそれはそれという事で置いておくとして。

 

「ともあれ、もう少し上の方でしっかりと話をして、それで話が纏まったらディアナの技術者達にも仕事が降りてくると思うぞ」

「そう、ですか。少し気になりますが……分かりました」

 

 俺の言葉に、取りあえず納得するメカニック。

 ディアナにいる技術者達にギャンの改修作業をするようにという命令が出る場合、それを一体どの程度まで改修するのかといった問題が出てくる。

 改修する場所を多くすれば、当然のようにその改修に時間が掛かる。

 かといって、改修する場所を少なくすれば、それはエースや異名持ちが乗る機体としては、性能が足りなくなる。

 ルナ・ジオン軍では、現在その辺をどうするのかを考えているのだろう。

 ……それ以外にも、バストライナーとかを量産するのかどうかといった感じで考えている可能性は否定出来ないが。

 敵に見つかりにくい小ささでいながら、戦艦級のメガ粒子砲による一撃を放つ事が出来る。

 これは、多少の欠点に目を瞑ってでも欲しいと思えるだけの魅力を持っている。

 もしバストライナーが採用されれば、ルナ・ジオン軍の攻撃力は飛躍的に増大するのは間違いない。……その代償として、機動力が犠牲となるが。

 

「まぁ、取りあえずその辺は楽しみにしてるといい。……ヅダの方も、改修とかはするかもしれないし」

 

 何だかんだと、現在のルナ・ジオン軍の主力はヅダだ。

 ツィマッド社が最初に開発したヅダと比べると、かなり性能も上がっている。

 また、主力機として採用されてからまだそれ程時間が経っていない今の状況で、いきなり主力機を別の機体にとなれば……資源に余裕があるルナ・ジオン軍でも、結構な負担になるのは間違いない。

 ただ、ヅダはヅダで色々と問題もあるんだよな。

 何より、ビーム兵器を使えないというのが痛い。

 ……セカンドアーマーを参考にして、追加パーツを開発しても面白いかもしれないな。

 勿論、その場合はFCS関係の問題をどうにかする必要はあるが。

 

「ヅダ……ですか。結構自信作なんですけどね」

 

 どうやらヅダの開発に関わっていたらしく、メカニックは微妙な表情を浮かべる。

 まぁ、自分達が必死になって開発したヅダが、そう時間も経っていないのに主力機の座を明け渡す事になるのだから、それも当然だろう。

 その気持ちも分からないではない。分からないではないが……MSの黎明期という事もあり、MSの技術はジオン、連邦双方共に飛躍的に進歩している。

 だからこそ、ジオン軍も主力機を次々と出してくるのだろう。

 そういう意味では、後出しジャンケン的な要素のある連邦軍は、その国力もあって有利だと言えるだろう。

 何しろ、初の主力機のジムがいきなりビーム兵器を装備しているのだから。

 ……そういう意味では、やっぱりヅダを主力機にしたルナ・ジオン軍も連邦軍からは少し遅れているのかもしれないな。

 もっとも、ディアナの技術者達を思えば、そのくらいの差はすぐに覆しそうだが。

 そんな風に思いつつ、俺はメカニックとの会話を続けるのだった。




アクセル・アルマー
LV:43
PP:1060
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1591

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