転生とらぶる   作:青竹(移住)

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2565話

「では、アクセル。それに他の2人も。活躍を期待しています」

 

 セイラのそんな言葉と共に、俺達はヤンマの中に乗り込む。

 最初はカトンボでもいいのでは? という意見もあったのだが、ソロモン攻略作戦……チェンバロ作戦では、何が起きるのか分からないと言われてしまえば、俺としても無理を通すわけにはいかなかった。

 何よりも、俺の場合は生身で宇宙空間に放り出されても普通に生きていけるが、ガトーやノリスは……そして何故か俺達と一緒に行動する事になったディアナの技術者達も、そんな真似は出来ない。

 そうである以上、安全は最優先にした方がいいと言われ、それに従った結果だ。

 実際、カトンボとヤンマではヤンマの方が圧倒的に性能が上だ。

 ……とはいえ、ヤンマは基本的に後方で援護射撃だけをする予定であり、武装も重力波砲は使わずにミサイルやレールガンといった武器を使用予定だったりするのだが。

 重力関係の技術は、このUC世界にはまだ秘密にしておいた方がいいだろうと。

 勿論、本当に危険になったら重力波砲を使うのに躊躇うつもりはないが。

 ただ、戦闘に参加するのは俺とガトー、ノリスの3人だ。

 その上で俺は重装フルアーマーガンダムで、ガトーとノリスは高機動型ギャン。

 戦闘でピンチになるような事は、そうそうないだろう。

 ちなみに今回ガトーは目立つ必要がある為に、ガトーの高機動型ギャンはジオン軍時代のパーソナルカラーである、胴体が緑で四肢が青に塗り替えられている。

 ノリスの方は普通の灰色というか、ねずみ色というか、そっち系統と青が少し混ざったような、そんな色だけど。

 ちなみに俺の重装フルアーマーガンダムは特に色を変えていない。

 塗り替えようかと言われたんだが、7号機本体とファーストアーマー、セカンドアーマーとあるので、その辺の事情を考えると面倒だという思いがあった。

 何よりも、俺は別にずっと重装フルアーマーガンダムに乗り続ける訳じゃないし。

 重装フルアーマーガンダムはかなり強力な機体だ。それは間違いないが……どうしても運動性が低いんだよな。

 一応乗りこなしていると思うが、個人的な好みという点ではもっと高機動型の機体の方が操縦しやすかったりする。

 そうだな。ディアナで開発中のギャンの改修機とか……それに乗ってみるのも面白いかもしれない。

 そんな風に思っていると、やがて準備が全て整い……ディアナの技術者達も乗り込み、出撃の準備が整う。

 ちなみに、何故ディアナの技術者が乗っているのかは、それこそ重装フルアーマーガンダムと高機動型ギャンについてのデータが少しでも早く欲しいから、という事らしい。

 同時に、現場でどんな風に使われるのかを自分の目でしっかりと確認したいという思いもあるのだろうが。

 

『アクセル代表。出撃します』

「分かった」

 

 ヤンマの艦長を務める量産型Wからの通信に、そう返す。

 ちなみに、一応ヤンマにはメギロートとバッタ……それにシャドウも搭載していたりする。

 とはいえ、これらの戦力は本気で何かがあった時に使うものであり、基本的には出撃する予定はない。

 今回の一件においても、サラブレッドやサラミスがいる以上、そういう心配は基本的にしなくてもいい……と、思いたい。

 本当にどうにもならなくなったら、それこそ最悪の場合はニーズヘッグを出すという切り札がある。

 その辺の切り札があるからこそ、何があっても大丈夫だと思えるのだろう。

 

「アクセル代表」

 

 声のした方に振り向くと、そこにはやる気に満ちているガトーの姿。

 今回のチェンバロ作戦の結果によって、ガトーの将来が決まるのだから、それも無理はないが。

 とはいえ、もしチェンバロ作戦に失敗しても、アイナの性格を考えると、それでどうこうなったりはしないと……そう思うんだが。

 

「ああ、よろしく頼む。ノリスもな」

「は。ルナ・ジオンの為……そしてサハリン家の名誉を汚さぬ為に、全力をつくさせて貰います」

 

 相変わらず硬い性格をしてるな。

 そんな風に思わないでもなかったが、ある意味ではそれでこそノリスだと言ってもいい。

 

「そうだな。ただ、お前達も元ジオン軍だけに当然知ってるだろうが、ソロモンは非常に強力な防衛体制を敷いている。それこそ、そう簡単にどうにか出来るような場所じゃないというのは、覚悟しておけ」

 

 それに、元とはいえ仲間だったジオン軍だ。

 特にソロモンを守っているのは、ザビ家の中では軍事の専門家として名高いドズル。

 ……正直、出来ればドズルは確保しておきたい人材ではある。

 ガルマがこれからどのような道を選ぶにしても、ドズルという戦力はあって困る事はない。

 ガルマだけでは、それこそシャドウミラーや月の後ろ盾が必要になるかもしれないが、ドズルがいればその辺はそこまで心配しなくてもいい……筈だ。

 宇宙攻撃軍を率いているドズルは、その性格もあってか下からかなり慕われているらしいし。

 ガトーもジオン軍に対しては色々と思うところがあるみたいだが、かつて宇宙攻撃軍に所属していた関係から、ドズルを殺したいとまでは思っていない筈だ。

 とはいえ、やはりまず第一に重要なのはチェンバロ作戦の成功であり、ドズルを助ける事が出来るかどうかというのは……一種の運に掛かってくるな。

 

「分かっています。今回のチェンバロ作戦……連邦軍と共に行動するのは口惜しいですが、今はそれよりも自分のやるべき事を優先させます」

 

 ルナ・ジオンに来たとはいえ、ガトーも連邦軍に対しては色々と思うところがあるのは変わらないらしい。

 連邦軍が今までジオン軍にやって来た事を思えば、それも当然なのかもしれないが。

 ともあれ、ガトーがやる気に満ちているというのは、俺にとっても悪い話じゃない。

 その後、暫く時間が経ち……ヤンマが月を発ってから数時間が経過してところで、俺の部屋に艦長の量産型Wから通信が入る。

 

『アクセル代表、サラブレッドとサラミス級2隻、約束の地点で確認出来ました』

「分かった。向こうとの接触は俺がやろう。今からブリッジに向かう」

 

 量産型Wに交渉を任せてもいいのだが、ヘルメットを被っている関係上、どうしても怪しまれる。

 ……いやまぁ、ジオン軍のプロパガンダ映像に出て来るシャアもマスクを被っているのを思えば、もしかしたらそこまで気にする必要はないのかもしれないが。

 ただし、異名持ちでジオン軍でもトップクラスのエースパイロットと軍艦の艦長とでは、どうしても扱いの類が変わってくるのだろうが。

 

『了解しました。他の2人にも伝えておきます』

 

 その言葉と共に通信が切れる。

 2人というのは、当然のようにガトーとノリスの事だろう。

 その話を聞くと、簡単に身支度を調えてから影のゲートを使ってブリッジに向かう。

 ブリッジに姿を現すと、そこでは量産型Wやコバッタがそれぞれにヤンマの操縦を行っていた。

 ホワイトベースを見慣れていると、この光景はやっぱりどこか違和感があるよな。

 とはいえ、シャドウミラーの軍艦として使っているカトンボやヤンマでは、どこもこんな光景になってるんだろうし。

 ちなみに、ルナ・ジオンを建国した時に、各コロニーを回って移住希望者を集める時も、当然のようにこのような面々での操縦だった

 勿論、ブリッジは関係者以外立ち入り禁止だったが。

 

「通信は?」

「少々お待ち下さい。……映ります」

 

 その言葉と共に、ブリッジの映像モニタに1人の男の姿が映し出される。

 年齢としては……50代から60代くらいか?

 もみあげから顎髭まで繋がっていて、顔が一周髭で覆われてる、眼鏡を掛けた男。

 

『第16独立戦隊……通称サラブレッド隊を率いるキルスティン・ロンバート中佐です』

 

 艦長席に座っていた男が、立ち上がって敬礼してそう告げてくる。

 なるほど。第16独立戦隊よりは、サラブレッド隊の方が覚えやすいな。

 

「ルナ・ジオン軍から派遣されたこの艦の指揮を執る、アクセル・アルマーだ」

 

 一応艦長が量産型Wだが、俺の方が上位にいる以上、指揮を執るのは俺で間違いないだろう。

 ガトーとノリスも、その辺の指揮系統は特に気にした様子はないし。

 ……全く無意味な命令を下すようなら、それに異議を唱えたりといったような事はするが。

 

『ようこそ、アクセル殿。ルナ・ジオン軍の協力を感謝します』

 

 生真面目な表情でそう告げてくるキルスティン。

 俺の正体を知ってるのか知らないのか、その表情から窺う事は出来ない。

 とはいえ、ガンダム4号機と5号機を使っている部隊と考えると、その辺は上層部から知らされていてもおかしくはないのだが。

 

「ああ。連邦軍とは友好関係を築きたいと思ってるしな。それで、まずは顔合わせをしたいんだが、構わないか? サラブレッドに乗ってるルースとフォルドとは、ジャブローで親交があったんだが」

『そうですね。こちらとしては構いません。チェンバロ作戦を行う上で、パイロット同士の連携は重要になってきますし。ですが、その……アクセル殿以外のパイロットはどうなりますか?』

 

 なるほど。ルナ・ジオン軍のMSパイロットは、元ジオン軍だと知ってる訳か。

 いやまぁ、俺達と一緒に行動をする部隊の艦長ともなれば、その辺の情報を知っているのはそうおかしな話ではないか。

 とはいえ、それが分かったからどうにかなるものではない。

 一緒に行動する以上、早めに顔を合わせておいた方がいいだろうし、何か問題が起こるなら、早く起きた方がいいと思う。

 そんな訳で、俺はキルスティンの言葉に頷く。

 

「勿論連れていくつもりだ」

『……分かりました。ですが、うちの部隊には荒くれ者が多くいます。色々と問題が起きるかもしれませんが?』

 

 この場合の荒くれ者ってのは、ルース……いや、フォルドか。

 もしくは、その2人以外のパイロットってところか。

 

「それで構わない。これから一緒に行動するんだ。いざ戦場で問題が起きたというのは、面白くない。問題が起きるのなら、早いうちに起こしておいた方がいい。……そうは思わないか?」

『了解しました。本艦にてお待ちしています』

 

 その言葉を最後に通信が切れる。

 

「で、そうなった訳だが……構わないよな?」

 

 尋ねたのは、ブリッジの入り口近くにいたガトーとノリス。

 通信をしている最中に入ってきていたのは、気配で分かっていた。

 入り口近くで待機していたのは、通信の邪魔をしたくなかったからだろう。

 

「構いません。戦場を共にする連邦の兵士がどのような者達が、この目で確認しておきたいので」

「ガトーの言う通り、私も何も問題はありません」

 

 どうやら2人共、揃って問題はないらしい。

 実際に色々と思うところはあるのだろうが、チェンバロ作戦に参加させて貰うという立場である以上、言葉にしてもしょうがないと判断してるのだろう。

 だからと言って、向こうが傍若無人な態度だったりした場合は、当然黙っているような事はないだろうが。

 このUC世界において、連邦軍とジオン軍はお互いに恨みが強すぎるんだよな。

 ジオン軍にしてみれば、長年連邦という国はスペースノイドを弾圧してきた。

 特に連邦政府に対して、スペースノイドが議決権を持たないというのは、明らかに連邦がスペースノイドを下に見ている証だ。

 連邦軍にしてみれば、ジオン軍が行ったコロニー落としが致命的と言ってもいい。

 そのおかげで、それこそ数え切れない人間……いや、人間以外にも動物や植物が命を奪われている。

 そんな2つの軍が、最初から衝突も何もなく協力しあえという方が無理だろう。

 一応ガトーもノリスもルナ・ジオン軍の所属という事になっているが……さて、向こうはそれをどこまで信じるか。

 

「分かった。なら、行くか。一応言っておくが、お前達は今はルナ・ジオン軍の代表と言ってもいい。そんな状況で妙な真似をしたら、ルナ・ジオンの評判が悪くなる。その辺は理解しているな?」

「はい」

 

 俺の言葉に、ガトーはそう頷く。

 とはいえ、その表情には完全に納得したような色はない。

 

「……ただし、向こうがルナ・ジオンを侮辱してきたら、相応の態度をとってもいい」

「いいんですか?」

 

 まさか俺の口からそんな言葉が出るとは思っていなかったのか、驚いて尋ねてくるガトー。

 ちなみにノリスの方も、言葉には出さないが同様に驚きの表情をこちらに向けていた。

 

「ああ。その辺は問題ない。そもそも、ルナツーの一件を忘れたのか? もしルナツーが返還されていなければ、連邦軍はチェンバロ作戦なんて不可能……ではなかったかもしれないが、かなり難易度は高かった筈だ」

「それは……そうでしょうな」

 

 ノリスが俺の言葉に同意する。

 ルナツーという、宇宙に残っている唯一の拠点があるからこそ、連邦軍はここまで素早くチェンバロ作戦の準備を調えられたのだ。

 それを思えば、月に攻めて来た一件も合わせて、大きな貸しがあると言ってもいいだろう。

 そう思いつつ、俺はガトーとノリスと共にサラブレッドに向かうのだった。




アクセル・アルマー
LV:43
PP:1060
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1591

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