転生とらぶる   作:青竹(移住)

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2576話

『うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!』

 

 何だか既視感のある光景だったのは間違いないが、現在俺の目の前ではディアナの技術者達がブラウ・ブロを見て歓声を上げていた。

 ジオン軍が所有していた、ニュータイプ用MA。

 ……シムスから話を聞いたところでは、ニュータイプ用MAであっても、ニュータイプ専用MAという訳ではないらしいが。

 有線ビーム砲は、実際にはニュータイプではなくても使えるらしいし。

 ただし、ニュータイプ以外が使うとなると、本来の実力を完全には発揮出来ず、更には余計に多くの乗員をブラウ・ブロに乗せる必要もあるらしい。

 そんな訳で、ニュータイプの能力を完全に活かせるかと言われれば……また、難しい。

 とはいえ、それはディアナの技術者にとって決して悪い事ではない。

 いや、ニュータイプ能力を持たない者でも使えるという点では、寧ろ好ましい。

 問題なのは、一体どうやって有線ビーム砲のケーブルを用意するかといったところだが。

 ブラウ・ブロが長いケーブルを使えたのは、あくまでもブラウ・ブロが大きいからだ。

 通常のMSであれば、有線ビーム砲を使うのは難しい。

 もし装備させても、その射程距離はかなり短くなる筈だ。

 それにニュータイプ以外が操縦するとなると、当然のようにその数は少なくなってしまうだろう。

 あ、でも有線ビーム砲の数が少なくて、パイロットがエース級の実力の持ち主なら、何とか出来る……か?

 あくまでもそのように出来る可能性があるというだけであって、実際に試してみないとその辺は分からないが。

 

「おーい、そろそろいいか? ブラウ・ブロの解析をするのもいいが、ガトーとノリスの高機動型ギャン、それと俺の重装フルアーマーガンダムの方のチェックも忘れないでくれよ」

 

 騒いでいる技術者達に声を掛けるが、その多くは俺の声が全く聞こえていない様子だ。

 それでも何人かの技術者は俺の方を向いて頷いたり、分かったと手を振っていたりしたので、恐らく大丈夫だろう。

 ディアナの技術者にしてみれば、それこそ高機動型ギャンとかの状態に興味を抱いてもおかしくはないと思うんだが……ブラウ・ブロというのは、そんな技術者達を夢中にさせる程に興味深い代物なのだろう。

 にしても、こうして見る限り本当にディアナの技術者はシャドウミラーの技術班に似てきたというか……汚染されてきているよな。

 今まで色々な世界に行ったけど、こんな現象は全くなかったんだが。

 正直なところ、何がどうなってこうなったのやら。

 もっとも、性格が似てきていても、技術者としての能力という点では、やっぱりまだまだシャドウミラーの技術班には追いつかないが。

 向こうは、ある意味で突出しているというか……うん。天才が集まると天災になるという事の証明だな。

 茶々丸、セシル、エキドナはその天災を沈める為に苦労している。

 何しろ技術者としての技量はともかく、虚空瞬動とか普通に使うしな。

 技術班の技術者が虚空瞬動を使いこなしてどうするんだ。

 いや、エキドナ達に追われている時にはその本領を発揮してるらしいけど。

 

「ともあれ、ここの件は任せた。俺は行くから、よろしく頼むぞ」

 

 最後にそれだけ言って、俺はディアナから出る。

 ブラウ・ブロを解析して、一体何をどうする事やら。

 これに巻き込まれるだろうニュータイプ研究所の研究者も、哀れな感じがするな。

 そんな風に考えつつ、フォン・ブラウンの方は問題がないかとふと思う。

 サラブレッド隊がいるだけに、何か問題が起きる可能性は十分にあった。

 フォルドやカーク辺りが……そしてサラミスの乗員が妙な真似をしてないといいんだが。

 そう思いつつ、俺はクレイドルの街中を歩き回り……ふと、目にとまる店があった。

 

「へぇ、スーパーの類も出来てたのか。……いや、前からあったのか?」

 

 クレイドルで暮らしている者の人数は、かなり多い。

 それだけに、食料品の類を買える店というのは重要だろう。

 食堂の類はかなり多いが、皆が毎日外食をするという訳にもいかない。

 だからこそ、今までにもそれなりに食料品を売る店はあったのだが……俺が見つけたスーパーは、以前この辺りを歩いた時にはなかった店だ。

 食料品以外にも雑貨の類もそれなりに売られており、それこそかなり便利なのは間違いない。

 実際、こうして見ている感じでは結構な客の量がいるし。

 そうだな。少し寄ってみるか。

 スーパーなら、お菓子とかそういうのも売ってるかもしれないし。

 けど、この世界のお菓子というのは、そこまで美味いって訳じゃないんだよな。

 日本で買えるスーパーとかのお菓子が、普通とは比べものにならないくらいに美味いというのも影響しているのだろうが。

 この辺、いずれ改良出来ればいいんだが。

 そんな風に考えながら、俺は店の中に入っていく。

 スーパーの中は、俺が思っていたよりもかなり客の数が多い。

 とはいえ、商品の品揃えそのものはそこまで多くはない。

 これはクレイドルの成り立ちを思えば、理解出来た。

 将来的には……例えば数年くらいすれば、このスーパーの品揃えは多くなると思うんだが。

 一応、その気になればクレイドルの品揃えを充実させるのは難しくはない。

 他の世界から輸入すれば、クレイドルの全員を満足させるだけの物資を揃えるのは難しくないのだが……ルナ・ジオンとすれば、現状でもそれなりに何とか問題なくなっている以上、あまりこっちに借りを作りたくないといったところか。

 何しろ、今のルナ・ジオンに異世界間貿易で出せる物は殆どない。

 兵器関連の輸出や輸入が基本的に禁止されている以上、MSとかの輸出も出来ない。

 ……ただ、UC世界のMSはまだ実際に使われ始めてからそんなに時間が経ってない。

 結果として、同じようにMSの技術を持つ他の世界に対しても有利な物はない。

 ミノフスキー物理学を使って生み出された核融合炉とかは、欲しい世界があるかもしれないけど……ただ、それを使うとミノフスキー粒子も使う事になるんだよな。

 ミノフスキー粒子は色々と役に立つ粒子ではあるが、弊害も非常に大きい。

 であれば、それを他の世界に持っていくのは色々と問題がある。

 それこそミノフスキー粒子について殆ど知らない世界において、もし何者かがミノフスキー粒子を使ってテロか何かを行おうものなら、それは最悪の結果になりかねない。

 何しろ、ミノフスキー粒子はテロをやる上でかなり有効な武器となる。

 場合によっては、世界そのものを引っ繰り返す……といったような真似をしてもおかしくはない。

 ともあれ、ミノフスキー粒子に関する技術の輸出も無理となれば、次に出来るのは……コロニー製造技術とかか?

 ああ、これは結構評価が高そうだな。

 コロニー製造技術は、それこそマクロス世界以外ではどこでも欲しいと思う。

 マクロス世界では、宇宙関係の技術という点ではUC世界よりも上だ。

 重力とかもコロニーは外郭を回転させて得ているが、マクロス世界の方はその辺は技術でしっかりとどうにかしてるし。

 ただ、参考技術という意味で、多少なりとも技術を入手しておく……といったような事はあるかもしれないが。

 ともあれ、クレイドルのスーパーはこれでいいとして……

 

「アクセル?」

 

 不意に聞こえてきた声。

 そちらに視線を向けると、クスコとマリオンの姿があった。

 珍しい組み合わせ……という訳じゃない。

 ルナ・ジオン軍のニュータイプ部隊はクスコとマリオンだけだし。

 シャリアがセイラに従う道を選べば、ニュータイプ部隊はまた1人増えるかもしれないが。

 ともあれ、クスコとマリオンの2人はフラナガン機関の研究所から一緒にいた2人、それも被検者の中では年上の2人だっただけに、どうしても仲良くなるのだろう。

 

「買い物か?」

「ええ。アクセルは?」

「ちょっと様子を見にきてみた。ここにスーパーはなかったはずだからな」

「そうね。最近出来たし。……アクセルは暫くいなかったでしょ?」

 

 この場合の暫くというのは、当然の話だが俺がホワイトベースに乗って地球に行っていた事だろう。

 その後、月に戻ってきて少しの間は滞在していたのだが、ホワイトスターでレモン達と一緒にいたり、それ以外にも溜まっていた仕事を片付けたりとかしてたし。

 

「一応戻ってきてはいたんだけどな。サイド6に行ったり、ソロモンの近くまで行ったりと、結構忙しかった」

「ソロモンに?」

「ああ。色々とあってな。……ああ、言うのを忘れてたな。おめでとう」

「……え?」

 

 突然の言葉に、マリオンは驚きの表情を浮かべる。

 マリオンにしてみれば、俺がクスコと話していたのに、いきなり自分に向かってそんな声を掛けられたのだから、驚くのは当然だろう。

 

「オルテガと上手くいったんだろ? ガイアから聞いてる」

「あ……それは……」

 

 ようやく祝いの言葉を口にされた理由が分かったのか、マリオンの顔が急速に赤く染まっていく。

 マリオンは元々色白だけに、顔が赤くなるのが余計に分かりやすい。

 にしても、こうして見るとマリオンは華奢だよな。

 言い換えれば、女らしい身体付きではない。

 もっと時間が立てば、もしかしてマリオンも女らしくなるのか?

 ともあれ、このマリオンがオルテガと並んでいるところを想像すれば、出て来る言葉はやはり犯罪的といったようなものだ。

 少なくても、オルテガとマリオンが並んでいるのを見て一目で恋人だと思うような者はそういないだろう。

 

「あの、その……ありがとうございます」

 

 顔を真っ赤に染めたまま、マリオンは俺に頭を下げる。

 そんなマリオンを、隣のクスコは妹でも見るような目で眺めていた。

 実際、クスコとマリオンは年齢的に少し離れているし、クスコの外見が大人びているという事もあり、マリオンの姉のような存在と言っても決して間違いではないのだ。

 本人がそれを喜ぶかどうかは、また別の話だが。

 というか、クスコの場合はどこか男に対して壁があるんだよな。

 それを表に出さないようにしてるから、特に問題になってはいないけど。

 とはいえ、それが何故かと言われれば、予想するのは難しい話ではない。

 クスコは桃色の髪を持ち、その身体付きは魅惑的な曲線を描いている。

 また、顔立ちも見た者が余程特殊な趣味をしていなければ、美人と表現するだろう。

 そんなクスコがいたのが、フラナガン機関の研究所。

 被検者の虐待が日常的に起こっていた研究所だ。

 そのような場所にクスコのような者がいた場合、一体研究者達からどのような行為を受けるのかは、想像するのも難しくはない。

 軽いセクハラ程度なら御の字といったところか。

 クスコの男に対する目に見えない壁というのは、その辺も影響しているのだろう。

 あ……そうなると……

 

「あれ、アクセル。どうかしたの?」

 

 さすがニュータイプと言うべきか、俺がシャリアの事を考えた瞬間、そう尋ねてくる。

 もしシャリアがセイラに従うという選択をした場合、クスコと上手くやっていけるのかと、そう思ったんだが。

 ただ、シャリアの場合はフラナガン機関に関わっていた訳ではなく、あくまでも木星に行った影響でニュータイプになったのだ。

 本人の性格も実直というか、見た目通り大人な性格だったので、意外とクスコとも上手くやれそうな気がしないでもない。

 実際にその辺が上手くいくかどうかは、直接クスコとシャリアを会わせてみるしかないが。

 

「いや、何でもない。……あ、そうだ。クスコとマリオンに聞きたいんだが、シムスって女を知ってるか? フラナガン機関の研究者なんだが」

「知ってるわよ」

 

 俺の言葉に即座にそう答えるクスコに、その隣で頷くマリオン。

 その2人の様子に嫌悪感の類がないのを見ると、シムスは被検者を虐待するような性格ではなかったらしい。

 

「そのシムスだけど、今回出撃した時に捕まえてきた。この先どうなるかは分からないけど、お前達の様子を見る限りだと、性格に問題もなさそうだし、ニュータイプ研究所の方に配属になるかもしれないけど……どうだ?」

「どうだと言われても、そうね。……特に問題はないんじゃない? 私はシムスと話した事はそんなに多くないし、他の研究者に比べれば随分とマシだったと思うわよ。マリオンは?」

 

 クスコの言葉に、マリオンも問題ないといった様子で頷く。

 どうやら、この様子ならシムスがニュータイプ研究所に配属されても問題はなさそうだな。

 ……実際にはどうなるか、まだ決まってはいない。

 だが、シムスが研究者としてより設備の整った場所で研究したいと考えれば、やはりセイラの提案を受けるだろう。

 研究費の類は、それこそ使い切れない程に渡され、研究成果をすぐに求めたりしない。

 もっとも、研究費とかを横領しないようにコバッタの類に監視される事になるが……何も後ろ暗いところがないのなら、護衛と考えれば問題はない。

 シャリアの件はともかく、シムスなら問題が起きないようで何よりだった。




アクセル・アルマー
LV:43
PP:1060
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1591

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