スレッガーの量産型ガンキャノンとカイのガンキャノンを倒し、これで残っている敵は4機。
問題なのはどこにいるのかだが……そう思った瞬間、レーダーに反応があった。
どうやら、カイとスレッガーがやられたのを見て、こちらに向かってきたらしい。
もしくは、カイ達は最初から俺を誘き寄せる為の囮だったか。
その辺の事情については分からないものの、ともあれ敵がやって来たのは間違いない。
やって来たのは……2機のガンダムと2機のジムコマンド。
ルースのガンダム4号機とフォルドのガンダム5号機。それとあの2機のジムコマンドは、ヤザンとフィリップだろう。
俺がジャブローで別れた時と乗っている機体が違うのは、追加で補充されたといったところか。
ジムコマンドは一応スペック上では以前アムロが乗っていたガンダムと同等か勝っている――装甲除く――という話だから、フィリップやヤザンが操縦するのに決して悪くはない。
ガンダム5号機が後方からジャイアントガトリング砲を使って援護射撃を行い、他の3機はこちらに向かって突っ込んでくる。
まぁ、ガンダム4号機はともかく、ジムコマンドが持つのはビームガンだ。
その射程や威力は当然のようにビームライフルより劣る。
……それでもビーム兵器である以上、厄介な事に代わりはないが。
それに接近して使うビームサーベルは強力だしな。
この4機は……何故カイやスレッガーと一緒に行動していなかったんだ?
折角人数が多いのだから、それを最大限に活かす方が最善だと思うが。
そんな風に考えつつ、メガビームキャノンを撃つ。
「あ」
向こうも牽制されるのは予想していたのだろう。
そうである以上、当然のように攻撃を回避しようとしてはいたのだろうが……それでも、ジムコマンドの1機が下半身をビームに呑み込まれて消滅する。
機体の操縦の癖を考えると、恐らくあのジムコマンドはフィリップだろう。
そちらに向けて腰のビーム砲を撃つ。
上半身に命中し、爆散するジムコマンド。
これで残り3機と認識しながら、スラスターを全開にして移動する。
そして重装フルアーマーガンダムがいた場所を貫くビーム。
ジャイアントガトリング砲の弾丸も次々と飛んでくるが、ぶっちゃけジャイアントガトリング砲の弾丸は実弾で一撃の威力もそんなに強くはない。
連続して命中し続ければ話は別だし、ジオン軍のMSになら致命的なダメージを与えてもおかしくはない。
だが、重装フルアーマーガンダムはルナ・チタニウム製の増加装甲を身に纏っている。
当然一発かそこら命中したところで、意味はない。
警戒すべきは、ルースが操縦するガンダム4号機のビームライフルだろう。
ジムコマンドのビームガンは、取りあえずこの距離なら心配する必要はない。
「お返しだ、喰らえ」
腰のビーム砲を連射しながら、ついでにミサイルも発射する。
うわ、重装フルアーマーガンダムのコックピットならともかく、やっぱりシミュレータでのコックピットで連続して攻撃するのはすこし難しいな。
とはいえ、それでも一応は使えるようになっているので、何とか使う事が出来ていた。
メガビームキャノンを後方にいるガンダム5号機に向けてトリガーを引く。
放たれた巨大なメガ粒子砲は、真っ直ぐとそちらに向かっていき……
「残念だったな」
メガ粒子砲がガンダム5号機を飲み込み、爆散する。
フォルドにとっては納得出来ない事だっただろうが、この世界においてビームを撃ってから回避するといった事は出来ない。
あくまでも、銃口を向けられた時に回避していれば、その攻撃を受けなくてもいいのだが。
フォルドにしてみれば、まさかいきなりこの距離から狙撃されるような真似をされるとは思わなかったといったところか。
ともあれ、これで残り2機。
ガンダム4号機とジムコマンドがそれぞれ1機ずつ。
ルースとヤザンという、どちらも腕の立つパイロットだが……そうだな。ここは重装フルアーマーガンダムのMA的な性能を発揮してみるか。
そう判断し、俺は重装フルアーマーガンダムのスラスターを全開にして、2機のMSに向かって突っ込んでいく。
当然のように、近付いてくる重装フルアーマーガンダムを迎撃する為、ビームライフルとビームガンがそれぞれ撃たれる。
ガンダム4号機はビームライフルだけではなくハンドビームガンも使って攻撃してくるが、俺は機体を微かに動かす事によって射線軸上から退避しつつ間合いを詰めていき……
「まずは1機……へぇ」
ヤザンのジムコマンドのすぐ側を通り抜ける際、ビームライフルを撃つ。
だが……予想外な事に、ヤザンは俺の行動に対して反応する。
自分が狙われていると知った次の瞬間、半ば反射的にスラスターを使って、その場から退避したのだ。
放たれた一撃は左腕を破壊するだけに留まり……だが、置き土産に放った大量のミサイルが、次々と機体に命中して爆散する。
こっちの攻撃を回避したのはさすがだったが、それでも残念ながらミサイルについては反応出来なかったのだろう。
これでヤザンのジムコマンドも爆散し、最後に残ったのはルースのガンダム4号機だけ。
「っと!」
ヤザンに攻撃したのを隙と判断したのか、撃ってきたビームライフルを回避して機動力を全開にして距離を取る。
回避することには成功するが、ビームによって装甲に若干のダメージが当たる。
ビームは直接命中しなくても、近くを通っただけで装甲に被害を与えるのが厄介だな。
また、それと同時に重装フルアーマーガンダムが通常のMSよりもかなりの大きさを持っているというのも、この場合は大きいだろう。
せめてシミュレータではなく実機のコックピットなら……いや、それは向こうも同じか。
多分、現在シミュレータの外ではかなり大きな騒ぎになってるんだろうなと思いながらも、俺は一旦その場から離脱する。
通常のMSと重装フルアーマーガンダムでは、どうしても近接戦闘に持ち込まれると弱い。
一応ビームサーベルとかもMSとして使えるが。セカンドアーマーが邪魔をして、どうしても万全の状態とは言いがたい。
だからこそ、今のこの状況を思えばまずは距離を取る方が先決だった。
ただし、普通に距離を取ろうとすれば当然のように追撃されるので、ミサイルと腕部の2連ビームスプレーガンによって目眩ましをしながらだが。
その攻撃の効果があったのか、向こうは距離を取ろうとしたこちらに追いつく様子はない。
そうして距離を取ってから改めてガンダム4号機の方を見ると……
「ダメージを受けてるな」
映像モニタに表示された光景を見て、そう呟く。
ダメージを受けているとはいえ、それは大破や中破といった大きなダメージではない。
何とか小破と言えるといった程度のダメージ。
だが、それでもダメージはダメージだ。
……ミサイル、それもさっき放った小型ミサイルでルナ・チタニウム製の装甲にダメージを与えるのは難しいので、考えられる可能性としては2連装ビームスプレーガンの攻撃か。
こちらにとっては、かなり美味しい出来事なのは間違いなかった
小破に近いダメージではあっても、ダメージはダメージだ。
当然のように、そのような事になれば機体の制御に影響が起きるだろう。
「よし、ならこれで終わりにするか」
呟き、メガビームキャノンの砲身をガンダム4号機に向け……その瞬間、向こうも自分が狙われているというのは分かったのだろう。
メガビームキャノンは重装フルアーマーガンダムの武装の中でも最強の攻撃力を誇る武器ではあるが、同時にその攻撃力の高さと比例するように砲身が巨大だ。
当然のように、今のような状況でその砲身が動いているのを見れば、ルースも自分が狙われているというのは分かるだろう。
だからこそ、ガンダム4号機は回避を選択したのだろうが……
「残念だったな」
放たれたメガビームキャノンのビームは、回避する為に動いたガンダム4号機に命中し、撃破扱いとなるのだった。
そして最後の1機が撃破された事で、シミュレータの映像モニタに模擬戦が終了したと表示される。
終了以外にも、俺の勝利を示す文字が示されていた。
そうしてシミュレータから出ると、今の模擬戦を見ていた観客達から、信じられないといった表情を向けられる。
無理もない。サラブレッドとホワイトベースに乗っているMSパイロットは、基本的に腕利きばかりだ。
だというのに、それが俺1人に負けてしまったのだから。
ただし、今の模擬戦を見ても表情を変えておらず……寧ろ当然といった表情を浮かべている者もいた。
アムロとユウの2人だ。
この2人は、ホワイトベース隊の中でもエースパイロットとしての地位を確立しており、更には俺がホワイトベースに乗っていた時には何度となく……それこそ、繰り返しシミュレータを使って模擬戦をしてきた。
だからこそ、今回の模擬戦で俺がここまで圧倒的な勝利を見せても驚くような事はなかったのだろう。
「おいおいおいおい、一体何だってあの状況で命中させることが出来るんだよ!」
シミュレータから出て来たフォルドが、俺に向かって近付いてきてそう告げる。
フォルドにしてみれば、後方からジャイアントガトリング砲で援護しているところをいきなり撃破されたような感じだったしな。
「援護射撃は大事だ。けど、一ヶ所に固まって攻撃をしているのは危険だぞ。特に俺の重装フルアーマーガンダムのような長距離射撃が可能な武器を持っている相手を前にしては尚更だ」
「……まさか、あの距離から当ててくるとは思わなかったんだよ。牽制として撃ってくるかもしれないとは思ってたけど」
フォルドのその言葉に、他の面々も同意するように頷くのが見えた。
フォルドの言いたい事も分かる。
普通なら、あの距離でメガビームキャノンという長距離用の武器を持っていても、それが命中するといったような事はないだろう。
だが……PPを使って射撃と命中の数値を上げ、射撃も命中も300オーバーとなっており、更にはガンファイトを持っている俺なら、その辺りの話は別だった。
「その辺は要修行ってところだな。ジオン軍にも連邦軍にも、あのくらいの距離で射撃を当ててくる奴はいないとも限らないし」
ぶっちゃけ、アムロならニュータイプ能力で命中させてもおかしくはないと思うのは、俺だけではない筈だ。
ただ、フォルドはまだニュータイプという存在を知らない。
いや、さっきシミュレータで戦っていたみたいだし、もしかしたらそうでもないのか?
そんな風に思いつつ、今回の模擬戦についての感想を話し合う。
当然のように、ヤザンやフォルドのような連中は悔しそうにしていたが、それでも自分の実力を高めるという事には必死なので、素直に俺の忠告を聞く。
そうして時間が経過し……本格的な話は格納庫ではなく食堂でという事になる。
そう言えば、ホワイトベースの食堂も何だかんだと結構久しぶりだよな。
サラブレッドの食堂も決して悪い訳ではないが、それでも食堂の質という一点においては、ホワイトベースの方が勝っている。
これは施設の充実度もそうだが、単純に料理人の技量が高いという点が大きいのだろう。
フォルドとルースは、ホワイトベースの食堂を見て悔しそうな、そして羨ましそうな表情を浮かべている。
この2人にとって、サラブレッドが負けているというのは面白くないのだろう。
それでも料理はしっかりと味わって食べていたが。
「それにしても、ルースってすげえよな。まさか、あのアクセルに多少なりともダメージを与えるとは、正直思ってもいなかった」
フィリップのその声に、ルースが照れたように笑みを浮かべる。
「偶然だよ、偶然。まともに戦ってアクセルに勝てる訳がないだろ? 今回の一件は、あくまでも全員で戦ったからこその成果だ。それに……俺も結局は撃墜されたしな」
「いや、アクセルに攻撃を当てたってだけで十分でしょ」
照れ隠しをするルースに、カイがそう告げる。
カイはスレッガーと共に俺を指定の場所に誘き寄せるという役目だったらしい。
勿論、遠距離から攻撃して倒せるのなら、それが最善の結果だったらしいが。
「今まで俺達も何回、何十回、何百回とアクセルとシミュレータで模擬戦をやったけど、ダメージを与えた回数なんて……それこそ、数えるくらいしかないんだから」
「そう考えれば、やっぱり今日の殊勲者はルースだな」
カイの言葉に同意するようにヤザンが告げたところで……
「ハロ、ハロ」
「あ、ちょっと待てったら。ハロ!」
そんな声が聞こえてくる。
聞き覚えのある声に視線を向けると、そこではレツがハロを追い掛けて食堂の前を走り去るところだった。
カツやキッカの姿がないけど、あの調子を見る限りでは、子供達も問題なくホワイトベースで暮らしているらしい。
「え? あれ……おい……」
俺と同様、偶然レツの方を見たフォルドが唖然とした声を上げるのだった。
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1075
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1594