転生とらぶる   作:青竹(移住)

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2591話

 高機動型ギャンの放つビームランスが、ヒートホークを使って攻撃しようとしたザクのコックピットを貫く。

 また、反対の腕では速射砲を使って自分に向けられて放たれたリックドムによるジャイアントバスの砲弾を迎撃していた。

 出撃前に気合いを入れたとはいえ、ガトーの操縦する高機動型ギャンはまさに獅子奮迅といった活躍を行っている。

 ガトーが倒しているのは、元は自分の同胞だ。

 にも関わらず、ガトーが攻撃を躊躇する様子は全くない。

 ガトーにとってジオン軍というのは既に過去の存在であり、ルナ・ジオン軍こそが今の自分がいる場所という認識なのだろう。

 ……ちなみに、ガトーに負けず劣らず活躍するかと思われたノリスだったが、何か思うところがあったのか、ガトーのフォローに回っていた。

 これは……ガトーがアイナと結婚すれば、ガトーもサハリン家の者となる。

 そうである以上、ガトーが功績を挙げるのは全く問題がないと、そう考えての事か?

 その辺の詳しい事情は俺にも分からなかったが、それでも今の状況を思えば俺としては納得する事しか出来ない。

 ノリスがそのように決断したのなら、俺がそれに何かを言う必要はないのだから。

 そんな訳で、ガトーとノリスは今のままで問題ないとして……

 

「俺もそろそろ活躍しないと……な!」

 

 その言葉と共に、メガビームキャノンのトリガーを引く。

 こちらに向かって真っ直ぐに突っ込んできていたリックドム2機がそのビームに呑み込まれ、爆発と共に消滅する。

 まずは2機。

 続いてミサイルを一斉に発射し、リックドムの近くにいたザクを1機撃破する。

 いや、ザクはザクだが……普通のザクと若干シルエットが違う?

 多分何らかのバリエーション機なんだろうが、取りあえずその辺については後で考えればいい。

 ディアナにはジオニック社の者もいるし、そちらから情報を得られれば、ここでわざわざ鹵獲する必要はない。

 あ、でもソロモンを攻略した後で格納庫に残っていれば、何とかなる……か?

 そんな風に考えながらも、ジオン軍に対する攻撃は止めない。

 何しろ、守りを固めているソロモンに向かって進んでいるのは、俺達3機だけだ。

 当然の話だが、そんな3機を相手にジオン軍は攻撃を集中させてくる。

 ……これで俺やガトー、ノリスの乗ってる機体がジムとかだったりしたら、まだ向こうが次の戦いを考えて手を抜いていた可能性もあるんだが……重装フルアーマーガンダムと高機動型ギャンが2機だしな。

 ジオン軍にしてみれば、ジムではなくガンダムが敵という事で……それもただのガンダムではなくMA的な存在のガンダムという事で、油断をするという選択はないのだろう。

 ギャンに関しても、ゲルググとのコンペが一体どれだけ知られているのかは分からないが、ソロモンにいる軍人ともなれば知っている者は知っているだろう。

 そしてゲルググとのコンペで負けたとはいえ、その性能は間違いなく高い。

 そんなギャンが、見るからにパワーアップして戦場に姿を現したのだから、それで混乱するなという方が無理だろう。

 

「とにかく、数を減らさないと……なっ!」

 

 スラスターを使い、機体を強引に動かして狙いを定め、左右の腰のビーム砲をそれぞれ違う方向に……そして手に持つビームライフルも撃つ。

 ザクが1機にリックドムが2機。

 先程倒したのと同じ構成のMS1小隊が、次の瞬間には宇宙に爆発の花を咲かせる。

 

「よし、次……お、こっちに来たか」

 

 ゲルググがビームライフルを構えたのを見た瞬間、スラスターを全開にしてその場から退避しつつ、メガビームキャノンを撃つ。

 次の瞬間、ゲルググの撃ったビームライフルは外れ、そして俺が撃ったメガビームキャノンはゲルググを呑み込み、爆散させる。

 

「次だな。……あ」

 

 ビームライフルで狙いを定めていたザクが、スラスターを全開にして進んできたガトーの高機動型ギャンのビームランスによってコックピットを貫かれ、撃破される。

 そうしながら、ビームランスを持っていない方の手で持っている速射砲を使い、自分に近付いてきたザクに向かって撃つ。

 こちらは撃破とまではいかなかったが、それでも中破と呼ぶくらいの被害をザクに与えることには成功した。

 ガトー……さっきも思ったが、かなり張り切ってるな。

 とはいえ、ガトーの将来が掛かっていると思えば、これも当然の事なのかもしれないが。

 そんな風に感心しつつ、ノリスの方にも視線を向けるが……こちらもこちらで、ガトーのフォローをしながらも、十分に敵を撃破していた。

 この辺りの判断力というかなんというか……凄いよな。

 感心しつつ、俺もまた負けていられないと、こちらに向かって近付いてきた3機のザクに向かって間合いを詰めつつ2連装ビームスプレーガンと小型ミサイルを発射する。

 双方共に多数を相手にするには相応しい武器であり、だからこそこのような時に有効だった。

 にしても、ソロモンが近くにあるから、軍艦を攻撃してもあまり意味がないのは痛いな。

 チェンバロ作戦の序盤で俺達が陽動をやっていた時は、ソロモンの勢力圏内ではあるが、結構離れた場所での戦いだった。

 だからこそ、こちらとしてもムサイを始めとする軍艦を撃破してしまえば、MSの方でもどうしようもなくなっていたのだが。

 だが、ソロモンが近いここなら、それこそ何かあったらすぐソロモンに戻れる以上、ムサイが撃破されても……いや、それでも軍艦を次々に撃破していけば、ジオン軍が受ける衝撃は大きいか。

 であれば、こちらとしては打つ手がそこまである訳ではない以上、敵に衝撃を与えるといった行動をした方がいい。

 幸いにして、重装フルアーマーガンダムのメガビームキャノンの威力は、楽に軍艦を撃破出来るだけのものがある。

 それでいながら、高い機動力を持っている以上、ムサイからの攻撃もそう簡単には当たらない。

 それに、ムサイやチベの援護射撃は結構面倒だしな。

 そう簡単に命中したりはしないが、それでもムサイやチベの攻撃力は、命中すればMSは呆気なく撃破出来る。……そう、命中すれば、だが。

 つまり、まぐれ当たりとかが怖い訳だ。なら……

 

「ガトー、ノリス。俺は援護射撃がうるさいムサイとチベに攻撃を集中する。お前達は今まで通りMSの撃破に専念してくれ」

『了解』

 

 ガトーとノリスの2人から、同じ通信が返ってくる。

 本来ならMSというのは3機で1小隊なのだが、ガトーとノリスなら2機でも問題なく動けるだろう。

 ……まぁ、3機1小隊とはいえ、高機動型ギャンの中に重装フルアーマーガンダムが入ってるって時点で、色々と間違っているんだが。

 ともあれ、2人揃って問題ないと言うのなら、俺も遠慮する必要はない。

 その場を後にし、敵陣後方……援護射撃をしているムサイやチベに向かって進む。

 チェンバロ作戦の序盤に行われた陽動において、俺がムサイを狙ったのを逃げていった連中から聞かされていたのだろう。

 重装フルアーマーガンダムが近付くと、ムサイとチベは揃ってこちらに集中攻撃をしてくる。

 まぁ、ジムとかザクとかだったらともかく、重装フルアーマーガンダムの場合は外見から他の機体に見間違えようがないしな。

 その辺の事情を考えれば、ムサイとチベという戦場にいる軍艦がこちらに攻撃を集中してくる理由は分かる。

 個人的には、補給を任されているパプアとか、そのパプアの後継機たるパゾクとか、そういう補給艦を破壊しておきたいところなんだが……いや、ソロモンがすぐ側にある現在の状況を考えれば、補給艦を前線に出すなんて真似はしないか。

 あるいは、もしかしたらソロモンの中にすらなく……すでにア・バオア・クーに送っているという可能性もある。

 ともあれ……このまま真っ直ぐ進めば、それこそ艦砲射撃の的になる。

 スラスターを使って適当に機体を動かしつつ距離を詰めていく。

 当然の話だが、敵もMSが近付いてきたとなれば攻撃が命中しやすくなる。

 メガ粒子砲やミサイルがこちらに向けられて大量に発射されるが、俺はそれを回避しながら進み……

 

「1隻め」

 

 その呟きと共に、メガビームキャノンのトリガーを引く。

 そこから放たれビームは、真っ直ぐ正面からムサイを貫き……次の瞬間、爆散する。

 まさか1撃で撃破されるとは思わなかったのか、敵は動揺する。

 この流れは、陽動をした時と同じだな。

 だが……重装フルアーマーガンダムの情報は向こうも聞いていたのか、立ち直るのは早い。

 すぐにこちらに向かって再開される攻撃。

 だが……MA的な性能を持つ重装フルアーマーガンダムだけに、その数秒の動揺がムサイやチベにしてみれば致命的だった。

 

「加速」

 

 精神コマンドの加速を使い、重装フルアーマーガンダムの速度は一気に上がる。

 そうして間近まで迫ってきたところで、腰のビーム砲とビームライフルを使い、チベのブリッジに叩き込む。

 チベというのは、旗艦の役割も果たすだけに、これが撃破されるというのはジオン軍にとっても大きな衝撃を与える。

 ……だからこそ、ムサイに比べて防御力が高く、腰のビーム砲だけではなくビームライフルも撃たなければ撃沈出来なかったのだが。

 メガビームキャノンが連射出来るのなら、チベも楽に撃破出来るんだろう。

 だが、メガビームキャノンはその威力は強力だが、重装フルアーマーガンダムであっても連射出来る代物ではない。

 

「まぁ、ともあれ……これでも食らえ」

 

 チベの近くにいたムサイに接近する。

 当然ながらムサイは迎撃として小型のミサイルを大量に撃ってくるが、それは2連装ビームスプレーガンで迎撃し……すぐ側、それこそ手を伸ばせば触れられるのではないかと思われるくらいまで接近すると、ブリッジに向かってビームライフルを撃つ。

 1発ではなく、2発。

 それでムサイも撃破は出来なかったが、ブリッジを破壊された関係上、動く事は出来なくなった。

 

「次……エネルギー切れか」

 

 全天周囲モニタの表示の1つに、ビームライフルのエネルギー切れだという表示が出ているのを見て、そう呟く。

 この辺がUC世界のビーム兵器の厄介なところなんだよな。

 エネルギーCAP技術で、ビーム……メガ粒子砲をMSが持てるサイズにまで小型化したのは、感心出来る。

 だが、このビームライフル最大の欠点は、ビームライフルのエネルギーを使い果たしてしまえば、エネルギーを再充電しなければならない事だ。

 当然それをする為には充電器のある場所……具体的にはヤンマかサラブレッド、ホワイトベースの格納庫に行く必要がある。

 今の状況でそのような真似が出来ない以上、ビームライフルを使わずに戦うしかないか。

 幸いにして、重装フルアーマーガンダムの武器は他にも色々とある。

 そうである以上、この状況でも戦えるのは間違いないのだ。

 ……ジオン軍の水陸両用MSのように、動力炉からそのままエネルギーを使うとか出来ればいいんだけどな。

 とはいえ、水陸両用MSでそのような真似が出来るのは、あくまでも動力炉が水冷式だからこそだ。

 何だかんだと、このUC世界においてビーム兵器ってのはまだ未発達なんだよな。

 それを承知の上で重装フルアーマーガンダムを使っているのだから、そんな事は今更言うまでもないか。

 

「けど、残念ながらまだやられる訳には……いかないんだよ!」

 

 スラスターを全開にし、重装フルアーマーガンダムの向きを強引に変えて腰のビーム砲を左右同時に発射。

 放たれたビームはムサイの胴体を貫き……次の瞬間、爆散する。

 よし、取りあえずまた1隻。

 そう思いつつ、スラスターを全開にしてその場から退避する。

 すると一瞬前に重装フルアーマーガンダムのあった場所を、別のムサイから放たれたメガ粒子砲が貫く。

 その攻撃を回避し、まさかここまで密着している状態でメガ粒子砲を撃ってくるとは思わず、驚きながらもミサイルを発射する。

 多数のミサイルが連続してムサイに命中し、やがて次の瞬間にはそのムサイも爆散した。

 この状況でもメガ粒子砲を撃ってくるということは、向こうがそれだけ焦っているという事に他ならない。

 それは俺にとっても幸運なのか不幸なのか。

 普通に考えれば幸運なのかもしれないが、敵が自暴自棄になりかねないと考えると、それは必ずしも幸運とは言えない。

 そんな風に考えながら宇宙空間を飛び回っていると、ミサイルの残量もかなり減っている事に気がつく。

 ミサイルは実弾兵器である以上、当然ながら搭載出来る量に限りがある。

 重装フルアーマーガンダムの場合は、増加装甲の方に結構な量を搭載しているが……だが、だからといってそれでも無限にミサイルがあるという訳ではない。

 ビームライフルの充電は時間が掛かるが、ミサイルの類ならディアナの技術者とコバッタがいれば結構早く出来る。

 であれば、一旦ヤンマに戻ってミサイルだけでも補給するべきか?

 そう考えた瞬間……視線の先に存在したムサイが、不意にメガ粒子砲に貫かれて爆散する。

 何だ?

 そう思って全天周囲モニタを確認すると……そこには、数機のビグロの姿があった。




アクセル・アルマー
LV:43
PP:1180
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1615

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