転生とらぶる   作:青竹(移住)

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2593話

 巨大なMA。

 そう言われて思い浮かべるのは、ブラウ・ブロだ。

 だが量産型Wもその辺の情報は知っている筈であり、にも関わらず巨大なMAと言ってきたからには、ブラウ・ブロとはまた別のMAが姿を現したという事か。

 ここまでソロモンが不利な状況で出て来たMAとなると、それはジオン軍にとっても奥の手とも呼ぶべきMAなのだろう。

 元々、MAというのはジオン軍で……というか、MIP社が開発したものだ。

 ただし、MSとは違ってMAというのは一定の基準がない。

 敢えて基準を設けるのなら、MSのように人型ではないといったところか。

 

「MAの映像をこっちに回せ」

 

 そう言った瞬間、重装フルアーマーガンダムの映像モニタにソロモンの映像が表示される。

 この距離からでもある程度綺麗に映し出す事が出来るのは、ヤンマという軍艦の性能の高さ故か。

 ともあれ、そのMAを確認し……間違いなく人型ではないという事を理解する。

 そのMAは、言ってみればラグビーボールを横にした胴体を持ち、そこから直接足が2本生えているという表現が正しい。

 頭部がないのはズゴックのような例を見ればそこまで珍しくはないが、手がないというのは……人型ではないというのを考えると、そこまでおかしくはないのかもしれないが。

 ともあれ、そんなMAがソロモンの前に陣取っているのだ。

 

「かなり巨大なMAだな。けど……あそこまで大きかったり胴体が横に広かったりすれば、それこそMSじゃなくて軍艦のいい的になるんじゃないか?」

 

 そう呟くと、まるでそのタイミングを待っていたかのようにソロモンに近付いていた連邦軍の軍艦……サラミスやマゼランから、一斉にメガ粒子砲が放たれる。

 実弾ではなくメガ粒子砲だったのは、やはり威力が高いというのもあるし、敵に向かって攻撃を行うにしても残弾数の問題があるからってのが大きいのだろう。

 だが……そんな俺のお気楽な考えは、次の瞬間に映像モニタに表示された光景を見て、驚きに言葉を止める。

 何故なら、連邦軍の艦隊から放たれたメガ粒子砲は巨大なMAに命中したかと思った瞬間、何かに防がれたのだ。それこそ、Eフィールドを始めとするような、バリアのような何かに。

 あれは……一体何だ?

 いや、似たようなのは見たことがある。

 SEED世界のMSで、こちらの攻撃を同じようにビームを曲げる事で回避したり、もしくは自分のビームを曲げるといった特殊システム。

 確かミラージュコロイドの技術を応用した奴だった筈だが、そもそもこの世界はSEED世界ではなくUC世界だ。

 そうである以上、まさかあの巨大MAがミラージュコロイドを使った特殊システムを搭載しているとは思えない。

 そもそも、あれはミラージュコロイドを使った防御とは似ているようで全く違うシステムだ。

 ……そもそもの話、もし万が一、億が一にもミラージュコロイドの技術を使っているとして、一体どうやってその技術を入手した?

 ゴーヤクレープの件を見れば分かるように、一応ホワイトスターからクレイドルに……もしくは月面都市に来ているのは分かっている。

 だが、それはあくまでもゴーヤクレープのように一般的――俺はそうは思えないが――な食べ物の店だからこそ、そのような事が可能なのだ。

 軍事技術の類をこの世界に密輸するというのは、まず不可能だと思ってもいい。

 もしそのような真似をした場合、その世界……この場合はSEED世界だが、その世界に対して厳しい、非常に厳しい何らかの措置を行う事になる。

 SEED世界側、特にSEED世界を治めているオーブにとって、そんな事をして何になる?

 あるいはオーブを恨んでいる他の勢力の仕業という可能性は否定出来ないが、オーブがそこまで好き勝手やらせるか?

 だとすれば、他の世界がSEED世界を牽制する為にそのような真似をした?

 いや、ホワイトスターを経由している以上、そんな勝手な真似はまず出来ない。

 だとすれば……やはりこれはこのUC世界独自の技術なのか?

 

「ともあれ、入手した方がいい機体なのは間違いない」

 

 このUC世界において、ビームライフルというのは圧倒的なまでの威力を持った絶対的な矛だった。

 実弾兵器に対しては高い防御力を持つルナ・チタニウム製の装甲も、ビーム兵器に対しては何の役にも立たない。

 そうである以上、そのビームを……それこそ、サラミスやマゼランからの艦砲射撃ですら防ぐことが出来る防御装置の類は、これからのUC世界を思えば必須の存在だろう。

 だからこそ、何としても入手したい。

 とはいえ……あのビームを防ぐバリアの類については、もっとしっかりと情報が欲しい。

 そうなると、やっぱり俺が直接見に行った方がいいか?

 

「よし、重装フルアーマーガンダム、出るぞ!」

 

 そう宣言し、俺はヤンマから出撃するのだった。

 

 

 

 

 

 MSが戦っている中を通り抜け、ガトーとノリスに補給に戻るように言ってから、俺は再びソロモンに向かっていた。

 だが……不意に重装フルアーマーガンダムの映像モニタが、一瞬、激しく輝く。

 何だ?

 そんな思いで周囲の様子を確認すると、そこでは……連邦軍の艦隊が見るからに大きな被害を受けているという光景があった。

 何が起こった?

 そう思ったが、あの巨大MAがいるのを見れば、その辺りを考えるのは難しくはない。

 元々、ジオン軍というのはメガ粒子砲という点では連邦軍よりも早く採用し、その分研究も進んでいたのだから。

 ……まぁ、手持ちのビームライフルにするという意味では、連邦軍の方が数歩先を進んでいたが。

 だが、ビームライフルではないメガ粒子砲という意味では、ジオン軍の方が進んでいたのも事実。

 水陸両用MSのメガ粒子砲搭載を始めとして、アッザムもメガ粒子砲を装備していた。

 アプサラス計画の方は……最初のうちにこっちに接触してきたから、その辺のデータは残っていないと思うが。

 メガ粒子砲の技術に秀でているMIP社を抱えているという点も大きい。

 それらを総合的に考えれば、あの巨大MAが強力なメガ粒子砲を持っていたとしても不思議はない。

 ないのだが……さて、どうするかな。

 艦隊を半ば殲滅させることが出来るだけの性能を持つMAとなると、重装フルアーマーガンダムでもちょっと対処が難しい。

 何より、個人的にはあのバリアっぽい奴の技術は是非欲しいところである以上、あの巨大MAは可能な限り無傷で入手したいのだ。

 ソロモンを押さえれば、そこにあの巨大MAのデータが残っている可能性は否定出来ないが……やはり実物というのはあった方がいい。

 そんな訳で、まずは手始めにという事で間合いが近付いたところで、メガビームキャノンを放つ。

 巨大MAのように複数のサラミスやマゼランを纏めて消滅させるといったようなことは出来ないが、それでも重装フルアーマーガンダム最強の武器だけあって、数機のMSは容易に消滅させることが出来る。

 多分駄目だろう。けど、もしかしたら上手くいくのでは?

 そんな相反する気持ちでの攻撃だったが……その一撃は、予想通り巨大MAに命中する前にバリアのような何かに防がれる。

 ちっ、これは本当に厄介だな。

 普通に考えれば、ビームに対する絶対の防御能力を得た敵に対する手段というのは大きくはない。

 あるいは、この世界で初めて見るシステムである以上、稼働時間が決められている可能性も……いや、あの巨大MAに搭載されていると考えれば、その辺を期待するのは間違ってるか?

 ともあれ、次はミサイルならどうだ?

 そう思った瞬間、巨大MAの胴体の周辺が光ったように感じ……その瞬間、俺は機体を動かしてその場から緊急離脱する。

 瞬間、その胴体からメガ粒子砲が放たれ、一瞬前まで重装フルアーマーガンダムの姿があった場所を貫く。

 あそこからもメガ粒子砲が撃てるのか。

 威力そのものはそこまで強くはないのが救いだろう。

 いや、実際には普通のMSなら容易に撃破出来るだけの威力を持っているのだが。

 ただ、あの巨大MAの大きさから考えると、そこまで威力が高いとは思えないのだ。

 ……もっとも、サラミスやマゼランを纏めて撃破出来るだけの威力があるかと言われれば、それもまた微妙なところだ。

 だとすれば、先程の強烈な光はこのメガ粒子砲ではなく、別の……恐らくはあの顔? 胴体? どう判別すればいいのか微妙だが、とにかくそのど真ん中にある場所が、あの強烈な光の正体と思って間違いないだろう。

 あれがこちらに向けられないのは、エネルギーの充電に時間が掛かるのか、それとも先程の攻撃を受けてもまだ近付いてくる連邦軍の艦隊に狙いを定めているのか。

 その辺の事情は分からない。

 だが、先程の攻撃で大きなダメージを受けたと思われる艦隊の方は、動きが鈍い。

 ダメージが大きすぎたのか……それとも、指揮を執っていた旗艦が撃破されたのか。

 あの巨大MAは誰が操縦しているのかは分からない。

 だが、狙うのであれば、指揮を執っていた相手を狙うのはおかしな話ではない。いや、寧ろ当然だろう。

 それでもまだ追撃の一撃を放たないのは……エネルギーの充電か、それとも立ち直ったところでもう一撃を与えてそれを致命的な一撃にしたいからか。

 ともあれ、あの巨大MAに乗っている敵は俺の操縦する重装フルアーマーガンダムを敵とは思っていない。

 最大の武器たるメガビームキャノンがあっさりと防がれたのを思えば、それもしょうがないだろう。

 それ以外にはミサイルの類も装備しているが、あのバリアがミサイルを防ぐだけの性能があるのかどうかも分からない。

 試してみるか。

 メガ粒子砲の攻撃を回避した状態のまま、小型のミサイルを1発撃つ。

 ミノフスキー粒子が散布されているこの状況では、当然のようにミサイルを誘導するような真似は出来ない。

 だが、誘導出来なくても俺の場合はPPによって命中の数値を上げているし、何より……あのMAの巨大さを考えれば、攻撃が命中しないという選択肢は存在しなかった。

 唯一誤算だったのは、巨大なだけあってMAの装甲がかなり厚かった事か。

 ミサイルはあのバリアを素通りしたが、装甲に命中しても殆どダメージを与える事は出来ていない。

 ……なるほど。ビームに対しては、あのバリアで。それ以外に対しては分厚い装甲で。

 防御力に絶対の自信があるからこそ、重装フルアーマーガンダムが射程距離内にいても、連邦軍の艦隊の方に意識を集中している訳か。

 巨大MAとの間合いを計りながら、そう考え……だが、口元に笑みを浮かべる。

 向こうは防御力に絶対の自信があるようだし、実際に装甲はミサイルを受けても特にダメージらしいダメージはない。

 だが……だからといって、本当に絶対無敵の盾などある訳がない。

 例えば、あの足。

 巨大MAの胴体から伸びている足は、当然のようにそこまで太くはない。……あくまでも胴体の大きさと比べての話だが。

 もしそこにミサイルが……それも先程のような小型ではなく、もっと威力のあるミサイルが命中したらどうなる?

 それ以外にも、バリアの弱点というのは、当然のように予想出来る。

 勿論、あの巨大MAの使っているのがEフィールドのような性質を持たない、全くの別物のバリアという可能性は否定出来ない。

 だが、もし同じようなバリアであった場合……それこそ、すぐ近く、ゼロ距離にまで接近してバリアの内側に入る事が出来れば、当然のようにバリアは全く効果を発揮しない。

 勿論、あの巨大MAに接近するには、胴体の周囲に幾つも存在するメガ粒子砲を潜り抜ける必要があるし、同時にその巨体が敵対している相手には精神的なプレッシャーを与える。

 普通なら、そのような真似をするのは無理だろう。

 ……恐らくだが、原作ではアムロがこの巨大MAを倒していた筈だ。

 本来なら、ここでも原作通りの流れにしても構わない。

 だが……この巨大MAは、言ってみれば宝の山だ。

 巨大なメガ粒子砲という意味では、アプサラスⅢも持っているが、アプサラスⅢのメガ粒子砲でもここまでの威力はない。

 代わりにマルチロックオン機能という、複数の敵を相手にするにはうってつけの性能を持っているが。

 ともあれ、この巨大MAのメガ粒子砲は月にとって大きな利益となる。

 そして……あのビームを防ぐバリアは、月だけではなくシャドウミラーにとっても興味深い技術となる。

 シャドウミラーにはEフィールドを始めとして、複数のバリアがある。

 量産機のシャドウでさえ、複数のバリアを持っているのだ。

 それだけに、この巨大MAが持っているバリアは、非常に興味深い。

 バリアの機能を壊さないように、何とかこの巨大MAを無力化する必要がある訳だが……俺には、その手段があった。

 

「直撃」

 

 精神コマンドの直撃を使い、そして……メガビームキャノンのトリガーを引くのだった。




アクセル・アルマー
LV:43
PP:1185
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1616

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