「……やっぱり結構騒がしくなってるな」
コロニーの街中を見て、そう呟く。
ここはサイド6のリボー。……何気に、以前セイラと一緒に来た事があるコロニーだったりする。
そんなコロニーだが、つい数時間前にコロニーの外で連邦軍とジオン軍が戦いを行ったのだから、落ち着けという方が無理だろう。
まぁ、その情報をセイラから聞いたから、俺もシステムXNを使ってこのコロニーの近くまでやってきて、このコロニーに侵入したんだが。
さて、まずはルナ・ジオンが拠点としている場所に行くか。
そこでなら、何か新しい情報があるかもしれないし……
「あれ? 兄ちゃん?」
と、不意にそんな声が聞こえてくる。
声のした方に視線を向けると、そこには小さな……小学生くらいの子供がいた。
その見覚えのある顔に少し考え、すぐに誰なのかを思い出す。
セイラと一緒にこのリボーに来た時、一緒に遊んだ子供だ。
「久しぶりだな。えっと……悪い、名前なんだっけ?」
「アルフレッド・イズルハだよ。皆はアルって呼んでる」
「そうか。俺はアクセルだ。……前に自己紹介したか?」
「えっと、どうだったかな? でも、今日は1人なの? あの時の姉ちゃんは?」
「いない。今日は俺1人だよ」
「ふーん……何しに来たの? 今は危ないよ?」
この様子を見る限りでは、リボーの近くで起こった戦いについて、何か詳しい事情を知ってるか?
まぁ、ルナ・ジオンの拠点に行けばもっと詳しい情報が手に入るかもしれないが……ただ、こういう情報は色々な場所から集めた方がいいしな。
それに子供というのは、思いも寄らない情報を持っていたりするし。
「らしいな。このコロニーの近くでジオン軍と連邦軍が戦ったんだって?」
「うん。でも、どういう戦いなのかは、分からないんだ」
これは子供だからその辺の情報がないのか、それとも単純に大人でもその辺を知らないのか。
ともあれ、アルはこれ以上の情報を持っていないようだし……ならこれ以上話を聞く必要も……
「アル?」
「あ、クリス!」
聞こえてきた声に、アルは嬉しそうな表情で視線を向ける。
アルの見ている方にいたのは、1人の女だ。
美人と言ってもいいだろう。
柔らかなといったような印象を受ける、そんな美人。
隣の美人のお姉さんといったような印象を受ける。
……ただし、その身のこなしは多少なりとも何らかの訓練を受けたものなのは間違いない。
サイド6にいるという事は、警察とかそっち系か?
「あの、貴方は……?」
クリスと呼ばれた女が、アルの頭を撫でながら俺に尋ねてくる。
「俺は以前アルと遊んだ事があったんだけど、今日久しぶりに再会したって感じかな」
「そうなの?」
「うん」
クリスと呼ばれた女の言葉に、アルは頷く。
多分、俺の事を怪しんでいそうではある。
普通に考えれば、10代半ばの外見の俺と小学生のアルが仲良くしてるってのは、どこか違和感があってもおかしくはないし。
「それで、あんたは?」
「あのね、私は年上なのよ? そんな言葉遣いはないんじゃない?」
不満そうな様子を見せつつ、それでもクリスは仕方がないなといった様子を見せて口を開く。
「私はクリスチーナ・マッケンジーよ。アルのお隣さんね」
「……へぇ」
クリスを見た瞬間に、隣の美人のお姉さんといった印象を受けたんだが、どうやらそれは見事に当たっていたらしい。
「で、君はどこの子?」
「どこって言ってもな。取りあえずサイド6の人間じゃない」
シャドウミラーの者だと言うのは論外だが、月の人間だというのは言ってもいいのか?
いや、でも月の人間が何をしにここにいると言われれば……いや、対処は可能だな。
月とサイド6の間では通商条約が結ばれている。
つまり、サイド6にも月の人間がいてもおかしくはない訳だ。
素早くそう頭の中で考え、クリスが口を開くよりも前に喋る。
「サイド6じゃなくて、月の人間だな」
「っ!? ……そう、月の……」
驚き、クリスのこっちを見る目が変わった。
そして一瞬だけこっちを見た鋭い視線は、その辺の者がそう簡単に出来るようなものではなかった。
軍人か?
だが、こうして見たところ、クリスは軍人のように見えない……いやまぁ、別に軍人全員がそういういかにもな雰囲気を持ってる訳じゃないんだろうが。
「ああ。それで、クリスチーナはアルに用事か?」
「あのねぇ……いえ、まぁ、アルの言葉遣いを考えれば今更だけど。それと、アルの知り合いならクリスでいいわよ」
クリスにとって、今の俺は年下の子供といったところである以上、言葉遣いが気になるのだろう。
結局、本人が言うようにアルの言葉遣いも俺と似たような感じなので、諦めたように言ったが。
俺が見たところ、クリスの年齢は10代後半から20代前半といったところか。
ちなみに、胸は……まぁ、平均か平均よりも少し下といったところか?
具体的にはBくらい。
「……どこを見てるのかしら?」
「ん? ああ、ごめん。……うん、ごめんな」
俺の言葉……具体的には2度目の謝罪を聞いたクリスの頬がヒクリと動く。
どうやらクリス本人が気にしているところを、ピンポイントで突いてしまったらしい。
「ちょっと、兄ちゃん。クリスを怒らせたら怖いんだって!」
クリスの様子を見て、慌てたようにそう言ってくるアルの言葉に、少し考えてから口を開く。
「その、だな。運動するのには邪魔になったりするって聞くし、将来性は……クリスの年齢だとちょっと微妙だけど、可能性はまだ皆無って訳じゃないから……うん。ごめん」
「ちょっ! 何でそこで怒らせるんだよ!」
羞恥か怒りか、顔を赤く染めていくクリスを見て、アルが慌てたように言ってくる。
いや、別にそんなつもりはなかったんだが……
「へぇ。……アル、ちょっといい?」
「え?」
何で自分に話し掛けるの!? といったような驚きの表情を浮かべるアル。
まぁ、まさかここで自分に話し掛けられるとは、全く思っていなかったのだろう。
「あら、何か勘違いしてるわね。勿論アルだけじゃないわよ? ……貴方もこっちに来なさい」
クリスが鋭い視線をこちらに向け、そう言ってくる。
……優しいお姉さん枠だと思っていたのは、どうやら俺の間違いだったらしい。
とはいえ、それでどうこうと考えている訳じゃないのだが。
「あー……実はサイド6付近で行われた戦いについて調べてるから、悪いけどクリスの誘いには乗れないな」
「あら、そうなの? なら……余計に私と一緒に来るといいわよ」
「は? 何でだ?」
「いいから。ほら、早く」
クリスは俺を無理に引っ張って……当然のようにアルも引っ張ってサイド6の街中を進む。
胸が若干残念であっても、クリスが美人なのは違いない。
当然のように、そんなクリスが俺とアルを引っ張って移動しているというのは目立つ訳で……多くの者の視線を向けられてしまう。
しまったな。正直なところ、現在のサイド6であまり目立ちたくはないんだが。
中立とはいえ、当然のようにサイド6には連邦軍やジオン軍の手の者が潜んでいる可能性が高い。
その中には俺の顔を知っている者もいないとは限らない。
であれば、俺がサイド6にいるというのを知ってどう行動するかは……想像するのも難しくはないだろう。
もっとも、連邦軍の場合は重装フルアーマーガンダムのパイロットが俺だというのを知っているので、ソロモンで行われたチェンバロ作戦において重装フルアーマーガンダムがいるのはすぐに確認出来る筈だ。
だとすれば、何故その状況でここに俺がいるのだという話になるだろう。
いっそ仮面でも被るか? 空間倉庫の中には技術班が開発した仮面があるので、それを使おうと思えば使えるんだが。
そんな事を考えている間に、クリスの足が止まる。
どこだ? と思ったら、一軒の喫茶店。
……喫茶店?
さっきのクリスの発言から考えると、もっと別の場所に連れて行くのかと思ったんだが。
ともあれ、クリスに手を引かれ、俺とアルは喫茶店の中に入る。
サイド6は、現在のUC世界における地球圏ではかなり裕福なコロニーだ。
ジオンの独立戦争が始まった時に中立宣言をしたのも大きかったし、それ以後もジオンや連邦の干渉を受けつつ、中立を守っている。
また、俺が以前ハモンと来た時もそうだったし、サイド6から月に人員を派遣してきたのを分かるように、月とも友好的な関係を築いていて、通商条約も結ばれている。
だからこそ、他のコロニーに比べれば食料とかも豊富で、こうして喫茶店とかにもそれなりの料理が並んでいた。
「さ、私が奢ってあげるから注文してちょうだい」
「……いいのか?」
別に女から奢られるのを情けないとか、そんな風には思わない。
だが、出会ったばかり……それもクリスにしてみれば、俺はとても友好的な存在ではない筈で、何故そんな相手に奢るのかといった疑問が思い浮かぶのは当然の事だろう。
「いいのよ。ここで奢ってあげて、私が年上のお姉さんだってことを教えてあげないとね」
「……なるほど」
理由になってるような、なっていないような、そんな理由。
だがまぁ、奢ってくれるのならそれに甘えよう。
それにクリスの身のこなしから考えると、何らかの訓練を受けているのは間違いない。
サイド6の警察とかそっち関係か、それとも……連邦軍か。
可能性としては、連邦軍だろう。
警察と軍隊では、訓練されているとはいえ身体の動かし方は違う。
簡単に言えば、敵を捕らえるか倒すかの違い。
もしくは警備兵と騎士の違い……と表現した方が分かりやすいか?
ともあれ、クリスが連邦軍の軍人なら話を聞くには十分だ。……どうやら俺の顔も知らないみたいだし。
クリスの年齢を考えれば、軍人は軍人でもかなり下っ端の筈だ。
だとすれば、俺の顔を知らなくても不思議はない。
……ルナ・ジオンの建国宣言の時の20代の俺を見れば、俺の正体が分かるかもしれないが。
「なら、そうだな。取りあえずこのミックスピザとナポリタン、イチゴパフェと紅茶を頼む」
「……随分頼むのね」
「年上のお姉さんからの奢りだしな。ここで遠慮する方がクリスには失礼だろ」
俺の言葉に、複雑な表情を浮かべるクリス。
そんなクリスをよそに、アルもメニューを見て考える。
アルのような年齢の子供にしてみれば、喫茶店に来るなんて事は滅多にないだろう。
自分達だけで入るという事はしないだろうし。
だとすれば、来るのなら両親とか……それこそ今日のようにクリスと一緒にとか。
だからこそメニューを真剣に見て……やがて口を開く。
「じゃあ、オムライス!」
そうして注文が終わり、料理が出て来るまでは話をする事になる。
「それで、アクセルだったわよね。何を知りたいの?」
「だから、つい最近サイド6で起きた戦いの事だよ」
とはいえ、何だかんだとサイド6周辺ではそれなりに戦いが起きている。
目立つのだと、ホワイトベースの戦いだろう。
15機のMSをアムロが撃破したとか。
それ以外にも俺が捕虜にした海賊の件もある。
俺が捕虜にした以外にも海賊はいるらしいから、それがサイド6に来る貨物船とかを襲うとか。
「何でそれを知りたいの?」
「月の人間としては、どんな小さな情報であっても知りたいんだよ。それによっては、こっちも色々と動く必要が出て来るし」
「……まぁ、いいけどね」
クリスが俺の言葉を本当に信用したのかどうかは、分からない。
だが、それでも取りあえず納得したといった様子を見せているので、俺はそれ以上突っ込むつもりはない。
表向きだけでも、そういう事にしておいてくれれば助かるし。
「ああ。それで、何か情報はあるのか?」
「あるわよ。これでも連邦政府関係の仕事をしてるんだもの」
あっさりと自分が連邦政府の関係者である事を認めるクリス。
どうやら本人としてはそれを隠すつもりはないらしい。
とはいえ、身体の動かし方とかを見ていると……恐らく連邦政府じゃなくて、連邦軍の軍人なんだろうな。
明らかに鍛えられた身体の動きをしている。
「それで、どんな戦いだったんだ?」
「連邦軍とジオン軍が戦ったの」
「……いや、その内容を聞いてるんだが。何を目的にして戦ったんだ? それとも遭遇戦だったのか?」
サイド6の周辺で戦っている以上、偶然遭遇して戦いになったというのは、ちょっと疑問だ。
そこには何らかの理由があった筈であり……俺が知りたいのはそこだ。
「悪いけど、そこまで詳しい話は知らないわ。私の担当じゃないもの。……それに、もし知っていても詳しい事を教えられるとも限らないし」
クリスの言葉には納得出来る面があるが、同時に納得出来ない面もある。
とはいえ、クリスはここまで接した短い時間でも生真面目な性格をしているのが分かる。
だとすれば、ここで無理に何かを聞き出そうとしても素直にそれを喋るとは思わない。
普通なら、こういう時は酒とかを飲ませて口を軽くするんだろうが……俺が酒に関わるのは、レモン達から禁止されてるしな。
禁止されていなくても、今まで酒を飲んで起こした諸々を思えば、俺としても出来れば関わりたくないし。
そんな訳で、俺はクリスと話しながら何とか情報を聞き出す手段がないのかを考えるのだった。
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1190
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1617