転生とらぶる   作:青竹(移住)

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2605話

 24時間営業のファミレスで時間を潰し、夜中になったところで外に出る。

 このくらいの時間なら、工場には関係のない人員はいないだろ。

 そう思って夜の街中を歩いていると、不意に怪しい人影が目に付く。

 バンダナをしている浅黒い肌の男。

 その外見だけなら、そこまで怪しいという訳ではないのだが、持っている雰囲気が明らかに軍人のそれだ。

 それもただの軍人ではなく、結構な精鋭。

 連邦軍かジオン軍か。……MS開発計画の事を考えれば、やっぱり連邦軍の軍人か?

 ただ、見た感じでは連邦軍の軍人といったようには見えない。

 荒んだという表現が似合う。

 ……まぁ、連邦軍の軍人らしくない軍人ということなら、それこそヤザンとかもいるのだが。

 連邦軍の軍人だからといって、お行儀のいい者達ばかりじゃないの明らかだ。

 そう言えば、元々俺がこのリボーに来たのはこの近くで連邦軍とジオン軍が戦ったという報告を受けたからだ。

 そう考えると、もしかしたらジオン軍の軍人という可能性もある。

 だとすれば、何故ここにいる?

 そう考えるも、思いつく理由は1つだけ。

 つまり、ジオン軍の方でも連邦軍のMS開発について情報を得た、といったところか。

 ただ、若干の疑問がない訳でもない。

 あのバンダナの男は、見た感じそれなりに腕利きだ。

 であれば、ここで使うよりもソロモン防衛戦で使ったり……もしくは、今ならア・バオア・クーの防衛戦で使った方がいいと思うんだが。

 とはいえ、今の状況であの男に話し掛けるような真似をしても意味がないので、そのままスルーしておく。

 男の方も、離れた場所から見ていた俺の存在に気が付く様子もなく、近くにあった店に入っていった。

 どうやら向こうも自分が見られたというのに気が付かなかったらしい。

 この世界……に限った話ではないが、ネギま世界やペルソナ世界のように、生身で戦うのが一般的な世界であれば、自分を見ている視線に気が付いたり出来るんだが。

 ガンダム世界を始めとして、科学が発展している世界ではどうしてもその手の事に鈍くなる。

 いやまぁ、ネギま世界もペルソナ世界も科学は十分に発達してるが。

 ネギま世界でも茶々丸を初めとした人型のロボットがいるし、ペルソナ世界もアイギスがいる。

 そういう意味では……一体、視線とかに気が付く違いは何なんだろうな。

 そんな風に考えつつも、取りあえず今はやるべき事があるので、そちらを重視する。

 建物の陰に入り、そこから影のゲートを使って夕方に下見した場所に転移。

 当然の話だが、工場が建っている場所はコロニーの中でも郊外なので、かなり寂しい雰囲気だ。

 さて、ここまで来たら後は行動に移すだけだ。

 影のゲートを使って、建物の中に転移する。

 それも地上にある場所ではなく……地下にある場所だ。

 ちなみにコロニーの地下はコロニー公社がメンテナンスとかをする必要があるので、通路となっている場所がある。

 そこを使えば……もしかしたら俺のように転移魔法を使えなくても、この建物に侵入する事は可能かもしれないな。

 もっとも、そんな真似をするとすればジオン軍の連中くらいだろうが。

 そして、もしジオン軍がそんな真似をするのなら、それこそそんな真似をせずにMSでこの工場を襲撃するといったような真似をしてもおかしくはない。

 そう考えた俺が思い浮かべたのは、この工場に来る途中で遭遇したバンダナを巻いた男だった。

 あの男がジオン軍の軍人なのかどうかは、正直なところ俺にも分からない。

 だが、恐らくはそうだろうという予感はあった。

 まぁ、今ここにいない以上、気にする必要はないか。

 ジオン軍が何か行動を起こしたとしても、こちらがやるべきことは決まっているのだ。

 であれば、後はジオン軍が動くよりも前に俺が動いてしまえば問題はない。

 ……MS開発計画に関わっているだろうクリスに対しては、少しだけ申し訳なく思うが。

 

「でよぉ、女が出て来るのを待ってたら、何時間も出て来ねえでやんの」

「ぎゃははは。それはお前、馬鹿にされてるんじゃねえか?」

 

 聞こえてきた会話に、俺は周囲を見回し……隠れるような場所が特にないのを確認すると、床を蹴って天井に向かう。

 幸いにも、ここはコロニーの地下で天井は普通の天井ではなく、何らかのパイプが設置されており、隠れる場所にはことかかない。

 そうして俺が天井に隠れるのと、連邦軍の軍人2人が話をしながらこちらにやって来るのはほぼ同時だった。

 

「うるせえな。けど、それだけいい女だったんだから、しょうがねえだろ」

「ったく、お前もその執着をもう少し別のところに向けてれば……」

「しょうがねえだろ。これが俺の性格なんだから」

「……お前がそう言うのならいいけどな」

「そう言えば、アレックスのシューフィッターをやってるクリス中尉だっけ? かなりいい女だよな」

「おいおい、お前。あんなエリート様にお前が相手にされると思ってるのか? 聞いた話によると、士官学校を首席卒業した才媛って話だぞ? お前なんか相手にされないだろ」

「ぐ……けど、それは何とかだな……」

 

 どうやら見た感じでは歩哨というか、警備の見回りをしているらしいが、緊張感が足りないな。

 

「それに、クリス中尉は外に恋人がいるらしいぞ? 聞いた話だと、今日もその恋人と一緒にプールに行っていたらしい」

「……マジか……」

 

 ショックを受けたような声が聞こえてくるが、この場合の恋人というのは多分俺の事なんだろうな。

 色々と情報が間違っているが、クリスと俺が一緒にプールに行ったというのは間違いない。

 だとすれば、多分プールに行ったのを誰かが見ていて、そこから情報が広がったといったところだろう。

 ……新型MSを開発している中で、そんな暇があるのかという思いがない訳でもなかったが。

 

「とにかく、クリス中尉の事は諦めろ。な? お前には他にも待っている女がいるんだから」

 

 その言葉に、もう片方の男が不満そうな様子を見せる。

 ただし、それでも自分とクリスでは色々と無理があると判断したのか、それ以上はクリスではなく別の話題に移る。

 

「そう言えば、ジオン軍との戦いについてはどうなったんだ?」

「え? ああ、何でも一旦退いたらしい。……最初はアレックスについて知られたのかと思ったんだが、どうやらそれとは別口だったらしいな」

「そりゃそうだろ。アレックスの一件は連邦軍の中でも機密事項だぞ? それが、そう簡単に知られると思うのか?」

「……北極の事はどうするんだよ」

 

 北極?

 今の話の流れから考えると、新型MSの名前はアレックスというらしい。

 つまり、アレックス1号機とかそんな感じなのだろう。

 そして、このリボーに来る前は北極で開発されていた、と。

 北極にも幾つか連邦軍の基地があった筈だし、汎用性が高いMSとはいえ、北極という環境の中では動きにくい。

 そう考えれば、ジオン軍に見つかりにくい北極で新型MSを開発するというのは決して間違ってはいない。

 だが、兵士達の話を聞く感じでは、恐らく北極基地で新型MSを開発しているというのをジオン軍に知られてしまったのだろう。

 実際に北極基地が襲撃されたのかどうかまでは、俺にも分からない。

 あるいは見つかった可能性が高いという時点で、このリボーに来たという可能性も十分にある。 

 だとすれば、アレックスとかいう新型MSは、それだけ期待されているMSなのだろう。

 ますます実機が欲しくなってきたな。

 そんな風に考えていると、やがて兵士たちは話しながら俺の下からないなくなる。

 見張りという事になってはいるが、そこまで厳しく見張りをしていないというのは……ちょっと弛んでないか?

 ここが戦場から遠い場所であれば、多少緩んでもしょうがない。

 だが、ここはコロニーだ。

 それも少し前にコロニーの側でジオン軍と連邦軍が戦闘を行っている。

 そうである以上、このコロニーの中にも緊張感があってもおかしくはないんだが。

 ここが中立であるというのに甘えているのかもしれないな。

 中立だから、コロニーの周辺で戦いが行われてもコロニーの中では戦闘が起きない。

 そんな風に思っているんだろうな。

 ともあれ、兵士がいなくなったのを確認すると、天井から床に降りる。

 何だかんだと、この秘密工場の中は結構な広さを持つ。

 MSの開発をしているのだから、中である程度動いたりといったような事をする必要もあるんだろうが。

 いっそ、MS……アレックスだったか? そのアレックスが動いてくれていれば、こちらとしても結構やりやすいんだが。

 とはいえ、それを言うのは今更か。

 影のゲートを使って、それらしい場所を探しては、そこに転移していく。

 そのまま10分程……ようやく怪しい場所を見つけることに成功する。

 この工場の地図とかがあれば、もう少し分かりやすいのかもしれないんだが。

 政庁で抜き出したデータの中にも、この工場を連邦軍に貸し出しているという情報はあったが、この工場の地図はなかった。

 それだけ、あの執務室を使っていた人物は上から信じられていなかったのか。

 もしくは単純に、そんな面倒な事をする必要がないと判断されたいたのか。

 その辺りの理由は分からなかったが、ともあれアレックスのデータがあると思われる場所に到着したのはいいのだが……

 

「おい、そっちの数値はどうなってるんだ? こっちは変わってないぞ」

「何? こっちの反応速度はマグネットコーティングの影響で高くなってる。そっちの数値が変わっていないのは変だ」

「そう言われても、実際に数値が変わってないんだから、しょうがないだろ」

「畜生……このマグネットコーティング……クリスも言ってたけど、ちょっと反応が敏感すぎないか? これ、本当に使いこなせる奴がいるのか?」

「ソロモンを攻略する時に活躍した、ホワイトベースだったか? そこのエースパイロットに送るらしい」

 

 そんな研究者達の言葉に、俺が思い浮かんだのはアムロ。

 いや、けどアムロは現在G-3ガンダムに乗ってる。

 サイド7から乗っていたガンダムに比べれば、性能もかなり上がっている筈だ。

 そんな状況で、アムロにまた新型機を渡すのか?

 そうなると、G-3ガンダムはどうなる?

 G-3ガンダムはかなり性能の高いMSだ。

 普通に考えれば、アムロの次、もしくは同等の技量を持つユウがG-3ガンダムに乗るという流れになってもおかしくはない。

 だが、ユウが現在乗っているブルーデスティニー3号機……正確にはそこの特殊システムたるEXAMシステムはユウ以外に使いこなすのはまず不可能だ。

 個人的には俺もEXAMシステムに興味がない訳ではないんだが……俺がEXAMシステムに乗ったら、一体どうなるのかが全く不明なんだよな。

 ともあれ、そんな理由からユウにG-3ガンダムを乗せるのは難しい。

 かといって、G-3ガンダムは性能は高いものの、それを使いこなすには相応の実力が必要となる。

 

「ホワイトベースねぇ。そう言えば、ガルマ・ザビを殺したのもホワイトベースだったか」

「それ以外にもオデッサ作戦とか、ジャブローが襲撃された時の迎撃とか、大きな戦いにはかなり参加してるぞ」

「北米やオーストラリアは?」

「そっちには手を出していないみたいだな。ホワイトベースも色々な場所に出没してるけど、それでもまさかどこにでも出没するなんて真似は出来ないだろ?」

「だろうな」

 

 そんな会話が聞こえてくる。

 どうやら、ホワイトベースの話題が研究者の間でされているらしい。

 この話題に興味がない訳ではないんだが、今一番興味を持っているのは、研究者達が使っているコンピュータなんだよな。

 何とかいなくなって欲しいんだが……それとも、いっそあの研究者を気絶させてアレックスの情報を抜き出すか?

 いや、そんな真似をすれば、当然のようの騒ぎになる。

 その辺りの情報について知られるのは、出来れば避けたい。

 やはり、何だかんだとベストなのは連邦軍にデータが盗まれたというのを知られない事なんだから。

 

「そう言えば、アレックスって全天周囲モニタの不具合の件はどうなった?」

「ん? ああ、あの下方向の一部が見えないって奴か? 何だか動力炉からのエネルギーが微妙に不足していたらしい」

「おい、それ本当か? アレックスの動力炉は1420kwだろ? なのに、それでも足りないのか?」

「アレックスの場合、他にも色々とエネルギーが必要だしな。特にビームライフルはかなり強力になっているらしいし」

「それでも、アレックスの動力炉で足りないってのは……じゃあ、全天周囲モニタの不具合はそのままか?」

「まさか。そっちの方は色々と小細工をした事で何とかなったよ。クリス中尉のプログラムも参考になったし」

 

 ここでもクリスの話題が出て来るのか。

 士官学校首席は伊達じゃないのだろう。

 本人は、何だかんだと結構間が抜けていたりするんだが。

 そんな風に思っている瞬間、不意に何人かが騒ぎながら研究室の中に入ってきて、叫ぶ。

 

「ジオン軍だ! ジオン軍のMSが街中に出没したぞ!」




アクセル・アルマー
LV:43
PP:1190
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1617

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