ルナ・ジオンの情報部の者達との会話を終えると、次に俺が向かったのは政庁。
何とか情報を得たいところだったが、具体的にどこでMSの開発が行われているかが分からない以上、こっちも色々な手段で情報を集める必要があった。
ちなみに情報部の連中には、連邦軍のMSについてを重点的に調査して貰っている。
今の状況を思えば、情報部の面々も忙しいんだろうが。
何しろ、ジオン軍の最前線基地たるソロモンが陥落したのだ。
当然のようにその情報はサイド6にも入ってきており、その情報を得たそれぞれの勢力の者達が動き出すというのは確実だった。
だからこそ、今の状況を思えば無理は言えない。
……問題なのは、連邦軍の新型高性能MSが開発されているとして、どこで開発されているのかだよな。
MSを開発するには、結構な広さが必要となる。
コロニー内でそのような場所となれば、当然のように限られているんだが……それでも、候補となる場所はかなり多い。
それこそ、郊外に基地を用意して堂々と……いや、それはないな。
MSを秘密裏に開発してるとなれば、まさかその場所を堂々と知らせるような真似はしないだろう。
そうなると、何か別の会社とかに表向きは偽装して……やっぱりサイド6の行政コンピュータにハッキングした方がいいか?
ただし、連邦軍にとっても重要機密ともなれば、そのデータがあるコンピュータというのも限られている。
少なくても、誰でも触れられるデータベースにそのデータがあるという可能性は少ないだろう。
だとすれば、このコロニーのトップか。
ただし、当然そのような場所はセキュリティも厳しい。
これで見張りがいる程度なら、気配遮断を使えば全く問題なく通れるんだが。
監視カメラの類があると、意味がないというのは痛い。
……そうなると、可能性としては影のゲートで直接このコロニーのトップの部屋に出て、そこでコンピュータをハッキングか。
ただし、部屋の中に誰かが……それこそ部屋の主とかがいればどうしようもないが。
それでも何らかの情報が得られる可能性が高いのなら、ここで手を出さないという選択肢は存在しない。
そうして俺は政庁の中に入る。
周囲に悟られないよう、政庁に入った場所で周囲の様子を確認する。
予想通り、そこには幾つかの監視カメラ……防犯カメラが仕掛けてあるのが分かる。
だとすると、まずは監視カメラの類が存在しない場所まで行く必要があった。
普通に考えれば……やはりトイレか。
トイレにまで監視カメラが仕掛けられているというのは、考えにくいし。
……あ、でもトイレの中はともかく、トイレの近くに監視カメラがある可能性はあるのか?
まぁ、それならそれで問題はないけど。
ようは、情報を入手した後で影のゲートを使って、再度トイレに戻ってくればいいだけだし。
……監視カメラを確認した奴にしてみれば、大をしていると思われるのに、若干思うところがない訳でもなかったが。
ただ、もし監視カメラを確認する奴がいたとしても、わざわざトイレに入った相手を確認したりはしないだろ。
ましてや、そのトイレに入った人物が上の階にあるだろうお偉いさんのオフィスに侵入したりといった風には……うん、まず思わないと思う。
もしそんな事をしているような奴がいたら、それはある意味で怖い。
そんな風に考えつつ、政庁の中に入り……そこで失敗に気が付く。
あ、しまったな。今の俺は10代半ばか。
そんな子供……と呼ぶのはどうかと思うが、それでも大人とは呼べない外見の俺が政庁に来れば、目立って当然だろう。
政庁に入って周囲を見てみるが、当然のようにそこにいるのは、どんなに若くても10代後半から20代前半、具体的にはクリスと同年代といったところだ。
幸いにして政庁に入ったばかりなので、まだ殆どの人からは注目されていないが、何人かからは『何でここに子供が?』といったような訝しげな視線を向けられる。
とはいえ、20代の姿になってここにやってくれば、その外見から間違いなく俺がアクセル・アルマーだと見破られるだろうしな。
そんな訳で、取りあえずトイレの場所を探し……
「君、どうかしたの?」
不意にそう声を掛けられる。
声のした方に視線を向けると、そこには20代くらいの女の姿があった。
クリスより若干年上といった感じか。
一瞬怪しまれたのか? と疑問に思ったが、女の表情を見る限りでは別に俺を怪しんでどうこうしようとした……といった訳ではないらしい。
取りあえず高圧的な相手がちょっかいを出してこなかっただけ、マシと思うか。
「あ、うん。ちょっとトイレを貸して欲しくて」
そう言い、表情を相手から怪しまれないよう、子供っぽく見えるように演技をする。
幸いにして、そんな俺の演技は通じたらしい。
女は壁の方を指さす。
「そうなの? ほら、トイレはあっちよ」
「ありがとう、お姉さん」
……クリスが今の俺を見れば、爆笑しそうな気がする。
もしくは、俺だと本気で分からないか。
ともあれ、そんなやり取りを終えてから俺はトイレのある方に向かう。
……やっぱり監視カメラは設置されてるな。
だが、予想通りそれはトイレの入り口付近だけであって、中にまでは設置されていない。
されていたらいたで、間違いなく問題になってる筈だから当然だろう。
予定通りトイレの個室に入り、そこから影のゲートを使って政庁にいるお偉いさんの部屋を探す。
とはいえ、今は日中だ。
当然のように、殆どの部屋では仕事をしている者達だけがおり、個室を持っていながら誰もいないというのは……あった。
そんな場所を探すこと、10分ほど。
ようやくリボーの政庁の中でも、専用の執務室を与えられていながら、誰もいない部屋を発見する。
この部屋の主は、単純にまだ仕事に来ていないだけなのか、それとも別の場所で何か打ち合わせでもあるのか。
その辺の理由は俺にも分からなかったが、ともあれ俺がやるべき事は変わらない。
誰かに俺の姿の見られてもいいように仮面を被り、顔を分からなくする。
ついでに外見も20代にし……これで、もし何らかの手段で俺の事を誰かが見ても、10代半ばのアクセルと同一人物だとは思わないだろう。
部屋の中に監視カメラの類は……スライムで確認したが、その手の物はなにもない。
影のゲートから姿を現し、念の為に気配遮断を使って誰かがここに入ってきても見えないようにしてから、シャドウミラー技術班謹製のハッキングツールをコンピュータに接続する。
コンピュータの規格は、それこそ世界によって違う。
普通ならハッキングツールがあっても、規格が違えばどうにもならない。
だが、そこはシャドウミラーの技術班。
規格が違っても対処出来るようになっていた。
コンピュータと接続する部分が粘土状……スライム状? になっており、ハッキングツールは普通に使える。
そうしてデータを吸い取っていく。
ログインパスワードとか、そういうのもない辺り、この部屋の人物の危機管理意識はかなり低いらしい。
ともあれ、折角なので色々とデータを引き抜く。
連邦軍の新型MS開発以外にも、他に色々と必要なデータの類もあるだろうし。
こうして入手したデータは、堂々と表沙汰には出来ない。出来ないが……それでも、色々と使い道があるのは間違いない。
もっとも、結局リボーの中でのお偉いさんだ。
そこまで重要な情報がそうあるとは思えない。
特にこうしてパスワードの類がないのを見れば、この部屋の主はもっと上から信用されているかどうかというのは、また微妙なところだろう。
「……お、これか」
データを引き出している最中、目的のデータを見つける。
連邦軍の新型MS開発計画。
ただし、この執務室の主は詳しい情報を教えては貰っていないらしい。
分かっているのは、工場地帯にある閉鎖した工場を連邦軍が借りており、そこで新型MSを開発しているというものだ。
まぁ、だろうな。
俺が新型MS開発の計画地としてここを選んでも、こんな情報管理が杜撰な相手に詳しい情報を教えたりはしない。
新型MSをどこで開発しているのかが分かっただけで、十分だろう。
その場所が分かれば、後はその施設に忍び込んでMSを奪うか、データを奪うかすればいいんだし。
そうしている間にもデータのコピーは終わる。
このデータは、ここにいる情報部の面々に……いや、月に戻ってから渡した方がいいか?
ただ、ぱっと見ても使えそうなデータの類はないんだよな。
……俺がこの世界の情報分析とかについて素人だから、そんな風に思うのかもしれないが。
であれば、俺では気が付かない事を専門家なら気が付くかもしれない。
そうだな、これはやっぱり月じゃなくてリボーにいる連中に渡すとしよう。
そう考えて、役目を終えたハッキングツールを引き抜き、コンピュータの電源を落とす。
このハッキングツールの優秀なところは、履歴とかそういうのも全部消してハッキングツールが使われるよりも前の状態に戻してくれるということだよな。
これにより、幾らこのコンピュータを調べてもハッキングされたという情報は出て来ない。
勿論、技術班並の天才がいれば、その辺を察する可能性もない訳ではないのだが。
だが……天才というのは数が少ないから天才なのであって、その数は非常に希少だ。……シャドウミラーの技術班という例外はあれども。
「そんな心配はしなくてもいいか」
そう呟き、俺は影のゲートを使って1階のトイレに戻る。
そこで仮面を外し、10代半ばの姿に戻り……これでもう、上層階でデータを盗んだ人物と俺が同じ人物だと認識出来る者はいないだろう。
いやまぁ、さっきの場所の様子を見た限りでは、そこまで慎重になる必要はなさそうだが。
そう思いつつ、政庁を出る。
幸いにして、政庁を出る時は誰かに話し掛けられるようなことはなく、何事もなく出られた。
「さて、そうなると……次に俺は何をするべきか、だな」
自販機でオレンジジュースを買い、飲みながら考える。
もう夕方に近いし、今から連邦軍の秘密工場に行くのもな。
なら……明日? いや、寧ろ人がいないのなら今夜のうちに工場に忍び込むというのもありだろう。
……連邦軍の秘密工場ともなれば、当然のように警備の類は厳しいだろうが。
ただ、連邦軍が想定している警備相手と俺では、大きく違う。
そう考えながら歩いていると……公園でサッカーをしているアルの姿を見つけた。
プールの後、サッカーをする約束があるとか何とか言ってたけど、それの事だろう。
ゴールを用意した本格的なサッカーという訳ではなく、あくまでも公園でやる、子供同士のサッカーだ。
それでも本人達はかなり集中しているらしく、真剣にサッカーをしている。
そんな光景を見て、どこか懐かしいと思うのは何でだろうな。
……取りあえず、邪魔をする事はないか。
そう判断し、公園を立ち去る。
途中の通りにあった店に入り、軽く食べる。
クリスに奢って貰った店に比べれば、味では劣る。
見た感じチェーン店のレストランといったような感じなので、しょうがないか。
満足はしなかったが、それでも腹ごしらえを終え……まずは下見ということで、連邦軍の秘密工場に向かう。
秘密工場とはいえ、表向きは普通の工場でもあるらしく、一般人も働いているらしい。
そうなると、MSを開発してるのは人目に付かない場所……地下か?
工場そのものは、別に高層ビルって訳でもないし。
ただ、地下と言ってもな。
ここはコロニーの中である以上、深い場所に空間的な余裕は多くはない。
取りあえず下見なので、このくらいでいいか。
それとも、いっそ影のゲートを使ってもっとしっかりと秘密工場の中身を確認するか。
そうして迷っていると、遠くの方に見覚えのある顔が見えた。
赤毛の、ちょっと胸が残念な美人……クリス。
クリスが新型MSの開発に関わっている以上、ここにいるというのはおかしな話ではない。
とはいえ、俺がここにいるのを見つけられると困るのも事実である以上、今は動かない方がいいだろう。
幸いにして、俺がいるのはクリスのいる場所からかなり離れている……それこそ、混沌精霊としての俺の視力があってようやく相手の顔が判別出来る距離だけに、工場から出て来たクリスに見つかるといった心配はない。
セイラのようなニュータイプなら、この距離でも俺を見つける事が出来るかもしれないが。
だが、クリスがニュータイプではないのは明白だった。
何度か俺と接触してるが、ニュータイプ特有のあの現象が起きなかったのだから。
ともあれ、それでも顔見知りのクリスがいるところで侵入したりといったような真似はあまり面白くはないので、クリスが帰ってくれるのなら、こっちにとっても悪い話ではない。
今夜だな。今夜この工場に忍び込み、MSの実機か……もしくはデータを奪うとしよう。
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1190
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1617