転生とらぶる   作:青竹(移住)

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2614話

 情報屋から得られた情報はそこまでではなかったが、それでもジオン軍が核ミサイルを撃ち込む可能性が高いという俺の予想の補強にはなった。

 普通に考えれば、ジオン軍に協力している者達がこの状況でリボーから出て行くといったような事はないだろう。

 ……出来ればそいつから色々と情報を聞きたかったんだけどな。

 ジオン軍の手の者なら、サイクロプス隊についての情報も何か持ってただろうし。

 

「そんな訳で、お前達もここから撤収……という訳じゃないが、一度別のコロニーに退避した方がいい」

 

 ルナ・ジオンの諜報部が集まっている部屋の中で、そう告げる。

 何人もが俺の話を聞いてはいたが、それでも素直に頷いたりはしない。

 

「でも、それって別に決定事項って訳じゃないんですよね?」

「ああ。ただ、個人的にはかなり確率が高いと思う。ジオン軍が今までやってきた事を考えれば、コロニーに核ミサイルを撃ち込むなんてのは平気でやるだろうし」

「南極条約違反ですよ?」

「だろうな。けど、南極条約違反ってだけなら、既にオデッサでやってるぞ」

 

 あの時は水爆のミサイルを俺が撃ち落としたから、そこまで大きな被害にはならなかった。

 だが、大きな被害にはならなかったからといって、南極条約違反をしてもいいと言う訳ではないのだ。

 そうして一度条約違反をした以上、これから何回行ってもおかしくはない。

 

「……そうなんですか?」

 

 どうやらオデッサでの水爆の一件は知らなかったらしく、男の口からは驚きの言葉が漏れる。

 まぁ、あの件は何だかんだで秘密になってるしな。

 連邦軍にしてみれば、南極条約違反で大々的にジオン軍を攻撃する材料になるのに、何故か発表していないし。

 理由は予想出来ないでもない。

 もしジオン軍が南極条約違反をしたと大々的に公表すれば、他のジオン軍も同じように南極条約違反をする可能性があるだろう。

 それ以外にも、下手をすれば連邦軍側からも南極条約違反をする者が出て来かねない。

 そうなれば、最悪核ミサイルの撃ち合いだったり、再びコロニー落としが行われたり……といったような事が、起きかねない。

 連邦軍としても、自分達が危機的な状況ならまだしも、今のように自分達が有利な戦局で爆弾の導火線に火を点けるような真似はしたくないのだろう。

 

「ああ。そんな訳でジオン軍が核ミサイルを使う可能性は高い。死にたくないなら、避難した方がいいぞ。別に月に帰れと言ってるわけじゃない。サイド6にある他のコロニーに行けばいい」

「ですが、私達も命令を受けてここに来たんです。月の為に来たのに……」

 

 女の1人が不満そうに言う。

 月という場所を愛しているのが、その言葉からは十分に理解出来た。

 だが、だからといって……いや、だからこそ、ここにいる面々をここで殺す訳にはいかない。

 核ミサイルが使われるというのは、あくまでも俺の予想でしかない。

 現在あるのは、あくまでも状況証拠だけだ。

 そうであっても、俺は半ば実際にそれが起こると確信していた。

 俺がいつもトラブルに巻き込まれている事を考えれば、それこそ今回の一件でそのような事になってもおかしくはない。……いや、確実になるだろうと思えた為だ。

 念動力の方では、危機を俺に教えはしていないが……これは、核ミサイルといえども物理攻撃である以上、俺を殺せないからこそ、念動力が危機を教えないのだろう。

 

「ともあれだ。リボーの情報を集めるにしても、別にここにいる必要はないだろ? 隣のコロニー……だと核ミサイルが撃たれた場合、被害が及ぶかもしれないから、もう少し離れた場所でもリボーの情報は入手出来る筈だ」

 

 そう言うが、それでも納得出来ないといった様子を隠さない。

 うーん……これはいっそ、月に連絡してセイラの口から直接退避するように言った方がいいか?

 俺からの提案ならともかく、月の女王たるセイラからの直接の命令ともなれば、その話を聞かない筈もない。

 この連中が無駄に死ぬような事になれば、それは月の損失だし。

 

「これ以上ここに残るなら、月に連絡してアルテイシアから直接命令を下して貰うが、それでも構わないか?」

「ちょっ! それは卑怯じゃないですか!?」

 

 まさか俺がセイラの名前を出してくるとは思わなかったのか、男はそう叫ぶ。

 まぁ、その気持ちも分からないではない。

 月の者にとって、セイラというのはそれだけ大きな存在なのだから。

 本人が持つ美貌と生まれ持ったカリスマ、そして何より父親が唱えたニュータイプであるというのが大きい。

 他にも、シャドウミラーという異世界の存在と友好的な関係を築いているというのも、この場合は大きいだろう。

 だからこそ、そんなセイラに連絡を取り、直接命令して貰うといったような事を口にした瞬間、こうして悲鳴を上げたのだ。

 ……その気持ちも分からないではないんだがな。

 

「なら、俺にそんな手間を掛けさせないようにする為にも……分かってるな?」

 

 念を押すようにそう尋ねると、やがて部屋の中にいる面々は大人しく頷く。

 そして決まれば、動きは早い。

 基本的にこのコロニーで情報を集める為にいた以上、持っていきたい物はそこまで多くはない。

 それこそ、ここで集めた情報の入っているコンピュータとか、そういうのだろう。

 最悪の場合……リボーの諜報部とかそういう場所に見つかった場合、すぐにでも対処出来るように準備していたとしても、おかしくはない。

 だからこそ、今回の一件においてはこうしてすぐに動く事が出来たのだ。

 必要ない荷物……特に見つかっても問題がないような荷物はそのままにして、身一つで出る際に持っていけないような……それこそ引っ越し用の業者に頼まないといけないようなコンピュータの類は、素早くデータを消していく。

 この辺りの行動は、さすがに素早い。

 そうして気が付けばもうここを出る用意をしていた。

 ……コンピュータの類なら、実は俺が空間倉庫に収納も出来たんだが……まぁ、その辺はいいか。

 俺とこの連中がいつまた会う事になるのかは分からないし、もしそうなったとしてもその時にはもう新しいコンピュータを用意してるだろうし。

 そう判断し、俺はそれ以上は何も言わずにその場から立ち去る。

 ここからいなくなる以上、もう俺がここにやって来る事はないだろう。

 であれば、いつまでもここにいても意味がないし……俺は俺で、やるべき事があるのも事実だ。

 もっとも、そのやるべき事をどうやってやればいいのかというのが、また微妙なところなのだが。

 まず最優先でやるべき事は、ジオン軍が本当に核ミサイルを撃ち込もうとしているのかどうか、確認する事だろう。

 とはいえ、現在の状況でどうやってそれを知るというのが、また問題なのだが。

 少なくても、情報屋から話を聞いた限りでは確信とまではいかなかった。

 ここまでやっておきながら、実はジオン軍が核ミサイルを撃とうとしていなかった……とかなったら、面目丸潰れといったところか。

 とはいえ、俺の面目が潰れる程度で核ミサイルが発射されないのであれば、こちらとしては寧ろ願ったり叶ったりといったところだが。

 そして、もしジオン軍が核ミサイルを撃とうとしている場合、それを止める必要がある。

 それに関連して、出来れば空間倉庫にあるシャドウミラー製の機体を使いたくはないので、ジオン軍か連邦軍のMSを確保したい。

 ……そうなると、やっぱり一番に思いつくのはアレックスなんだよな。

 アレックスからデータを抜き取ったとはいえ、実物があった方がいいのは間違いないだろうし。

 ジオン軍の方でも、サイクロプス隊に接触する事が出来れば、見たところ一般の住人に被害が出るのを嫌う傾向にあるみたいだし、上手く説得出来ればこっちの味方になってくれる可能性も……あるか?

 一般の住人に被害を出さないようなやり方を考えると、多分ザビ家に心酔しているとか、そんな感じじゃないと思うけど。

 あくまでも俺の印象だが、ザビ家に心酔している者ならサイド3以外のコロニーの住人になら幾ら被害が出てもいいといったような風に思っていてもおかしくはない。

 ……もっとも、ドズルやガルマを慕っている者なら、サイド3以外の住人を殺すのは許容出来ないと思ってもおかしくはないが。

 そしてドズルやガルマを慕っていた者なら、それらを殺したとされる俺に味方をするかどうかはかなり難しいところだが。

 ガルマは実は生きているが、ドズルを殺してしまったのは間違いのない事実だ。

 あ、でもサイクロプス隊はキシリアの突撃機動軍に所属しているんだし、そう考えればガルマはともかく、ドズルに心酔しているという事はないのか?

 ……いや、別に突撃機動軍に所属しているからといって、キシリアに心酔してドズルを嫌っているとは限らないか。

 軍の所属というのは、自分で決める事が出来ない事も多い。

 例えば宇宙攻撃軍を希望していたのに、何らかの理由で突撃機動軍に所属になるとか。

 だとすれば、突撃機動軍の中にもドズルに心酔している奴がいないとも限らない訳だ。

 その辺は賭けだな。

 ただ、ドズルに心酔しているような奴ならマツナガのようにガルマの件が取引に使えるかもしれないし、そもそもザビ家ではなくジオン・ズム・ダイクンに心酔していたダイクン派ならセイラがいるという時点でこっちに協力してくれるかもしれない。……無理だな。

 キシリアにはキシリア機関という諜報部が存在する。

 後ろ暗い事を得意とするキシリア機関がいるのに、そんな中でダイクン派だという事を隠し通すのは、不可能ではないが限りなく難しいだろう。

 

「結局のところ、やるべき事があっても、それをどうするべきなのかは分からないんだよな」

 

 呟きながら、自販機でジュースを買って飲みながら街中を見る。

 昨日の今日なので、かなり騒がしくしている者も多い。

 ジオンと連邦の戦争は、中立の自分達には関係ないと、そう思っていたのだろう。

 勿論それが間違っている訳ではないのだが、それはあくまでも中立としてやっていけるだけの実力があっての事だ。

 少なくても、今のリボーには……そしてリボーが所属しているサイド6には、そんな力はない。

 住人達も、ある意味で当然と呼ぶべきそんな事を実感してしまったのだろう。

 このまま戦争に巻き込まれたらどうなるかといったように、話をしている者の姿も多い。

 ……笑えるのは、そんな話している内容の結構な部分で月に移住をしたらどうかと言ってる事だろう。

 以前月に対する移住者を希望した時は、当然のようにサイド6にもその辺の連絡をしているし、実際にその時にはサイド6から月に移住してきた者もいる。

 だが、サイド6は中立であるという事から月に……異世界の存在などという得体の知れない存在がいる場所に引っ越す必要はないと、そう判断した者も多かったのだ。

 中立だからという理由が関係しているのか、実際に月に移住してきたサイド6出身の者はそう多くはなかった筈だし。

 とはいえ、月はまだまだ人手不足……という訳ではないが、許容出来る人数にかなり余裕があるのも事実だ。

 これを機会に月に移住してくれる人数が増えるのなら、こちらとしては願ったり叶ったりといったところなんだが。

 ともあれ、そんな風に街中を眺めていると……やはり、現在の状況を心配している者が多い。

 とはいえ、不安に思っている者達も自分達のコロニーが核ミサイルで狙われている……などとは思ってもいないだろう。

 もし核ミサイルを撃たれでもしたら……あ、でも爆発は一瞬でコロニーの住民を殺すから、死の恐怖を感じるといった事はないのか。

 だからといって、それで核ミサイルが許されるかと言われれば、その答えは否だが。

 

「さて、どうしたものか」

 

 何らかの手掛かりのとっかかりでもないかと思いながら、周囲の様子を眺めていたんだが……街中でそんな手掛かりがそう簡単にある筈もない。

 これがアムロとかの主人公なら、何だかんだと自分から特に行動をしたりしなくても、何らかの手掛かりを見つけたりといったような事が出来るんだろうが。

 ……そう言えば、原作の世界でアムロはどうやってアレックスを入手したんだろうな。

 アムロ専用機といった様子で開発されている以上、アムロのG-3ガンダムの次のアムロの乗機となったのは、ほぼ確実だろう。

 だが、ソロモン攻略とリボーコロニーで起きている戦いは、若干の差はあれどもほぼ同時期に起きている。

 ソロモンとサイド6との距離を考えれば、アムロがその双方に参加するのは……正直なところ、ちょっと難しいだろう。

 そうなると、本気でその辺はどうなったのか分からない。

 もしくは、チェンバロ作戦とアレックスの開発はどっちかが前倒しになったのか、もしくは遅くなったのか。

 その辺の理由は俺にも分からなかったが……それでも原作があるとすれば、アレックスの件にアムロが関わっていないとは思わなかった。

 あれ? もしかしてそうなると、クリスって実はアムロのヒロイン候補だったとか、そんな事があったりするのか?

 そう考えていると……ふと、俺は見覚えのあるバンダナをしている人物を見つけるのだった。




アクセル・アルマー
LV:43
PP:1190
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1617

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