転生とらぶる   作:青竹(移住)

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2647話

 当然の話だが、ガンダム7号機が近付くと、向こうもその存在を察知する。

 特にジオン軍の連中にしてみれば、未確認機1機にいいようにやられていたので、俺の存在は致命的だと考えるのは当然で……それをさせないように、ビームライフルやバズーカ、マシンガンといった攻撃でこちらを牽制してくる。

 

「素直に近づけさせてくれるとは、思ってなかったけどな!」

 

 スラスターを全開にしながら攻撃を回避しつつ、前に進む。

 そうして数秒が経つと、向こうもこっちがただ者ではないというのは理解したのか、一層攻撃が激しくなった。

 とはいえ、向こうが敵対しているのは俺だけではない。

 ジムスナイパーⅡをベースに改修した未確認機とも戦っており……言ってみれば、向こうはそれだけで精一杯に近い状況なのだ。

 そうである以上、当然のようにこちらに対して本当の意味で攻撃を集中するような真似は出来ない。

 

「っと! なるほど、そう来たか!」

 

 何も存在しない場所から、不意に放たれたビーム。

 5条のビームを見れば、それが一体どのMSからの攻撃なのかは明らかだった。

 だが……ニュータイプか、もしくはオールドタイプが操縦しているのかは分からないが、狙いが甘い。

 スラスターを全開にして飛んでいる場所から退避し……次の瞬間、再び同様にスラスターを全開にして、その場から退避する。

 すると、1度目に俺が退避した場所を別の場所から放たれた5条のビームが貫く。

 2つの有線ビーム砲を持っているのなら、このくらいの攻撃はするか。

 EXAMシステムを搭載していると思しき動きをする連邦軍の未確認MSもそうだが、このニュータイプ用に開発されたと思われるMSもかなり興味を惹かれるMSだ。

 可能なら、小破か中破させて確保したいという思いはある。

 そんな風に考えつつ、スラスターを使って敵の攻撃を回避しながら、戦場になっている場所に近付いていく。

 当然ながら、そうなれば攻撃の密度は上がってくるが……同時に、焦りからだろう。攻撃の精密さが落ちていくMSも多い。

 敵の部隊の中でも、恐らく新人と思しき連中だろう。

 それこそガンダム7号機のいる場所ではなく、全く違う方向に向かって攻撃が飛んでいく事もあった。

 取りあえず、まずは数を減らすか。

 

「クリス!」

 

 その言葉に反応するように、後方からクリスのヅダが狙撃を行い……ザクの1機が撃破される。

 クリスの乗っているヅダは、SP型。高機動狙撃型だ。

 俺の援護をするという意味では、これ以上ないくらいにピッタリの機体だった。

 ジオン軍のMSがルナ・チタニウム製の装甲を持っているのなら、ヅダのスナイパーライフルを使っても撃破するような真似は不可能だっただろう。

 だが……敵は連邦軍ではなくジオン軍だ。

 使われている装甲という一点においては、連邦軍のMSよりも劣っている。

 いやまぁ、連邦軍のMSが装甲で勝っているとはいえ、それはガンダムを始めとした一部の高性能MSに限るのだが。

 

「ついでだ!」

 

 仲間がいきなり撃破されたことで動揺した様子を見せる敵に向かい、ビームライフルのトリガーを引き、1機を撃墜する。

 仲間の撃墜で動揺ということは、やはり新人なのだろう。

 これがベテランだなら、仲間が撃墜されてもすぐに次の行動に移ってもおかしくはない。

 ……もっとも、撃墜されたのが親友だったり恋人だったりといったことであれば、また話は別だったが。

 ともあれ、未確認機に撃墜されたMSも合わせれば、何だかんだとそれなりに撃墜されているのだが……取りあえずジオン軍のMSは数を減らした方がいいな。

 スラスターを全開にして、横を通り抜けざまにザクの胴体をビームサーベルで切断し、爆発を後ろに感じながら未確認機のすぐ側まで到着し……

 

「っと!」

 

 その瞬間を狙って、ニュータイプ用のザクの有線ビーム砲となっている指から放たれたビームを回避する。

 あのザクのパイロット、こっちの隙を突くのが何気に上手いな。

 やっぱりニュータイプじゃないのか?

 そんな風に思いつつ、未確認MSに通信を送ろうとした瞬間……俺は咄嗟にスラスターを全開にして、その場から素早く退避する。

 一瞬前までガンダム7号機のいた場所を、未確認機の前腕部にあるビーム砲から放たれたビームが貫く。

 

「おい、どういうつもりだ!」

 

 連邦軍用のチャンネルに合わせて叫ぶ。

 当然だろう。俺はルナ・ジオン――正確にはシャドウミラーだが――の所属として、連邦軍に協力している立場だ。

 だというのに、この未確認機のパイロットはこちらを殺す気で攻撃してきたのだ。

 これが、もし頭部バルカンとかそういう攻撃であれば、まだここまで怒るような事はなかっただろう。

 ガンダム7号機の装甲はルナ・チタニウム製である以上、実弾は……それこそザクバズーカとか、そういうのでなければどうしようもなかったのだから。

 だが、敵が撃ってきたのはルナ・チタニウム製の装甲であろうとも意味をなさないビームだ。

 フォルドから聞いた話によると、前腕部のビーム砲は射程がそこまで長い訳ではないし、威力もそこまで強力ではないらしい。

 だが……それでもこの至近距離、それこそゼロ距離と言ってもいいような間合いとなると、普通に装甲を貫く事が可能だ。

 そんな攻撃を、仮にも友軍に対して行ったのだ。

 俺がそんな相手の行動に怒りを覚えるのも当然だろう。

 あるいは、俺の乗っているのがジオン系……ヅダやギャンといったMSであれば、遊軍の識別信号を見逃して咄嗟に攻撃をしたという事にも納得したかもしれない。

 だが、俺が乗っているのはどこからどう見ても、連邦のMSにしか見えないガンダム7号機だ。

 この機体を見た上で攻撃をしてきたというのなら、それこそ俺を友軍だと理解した上で攻撃してきたとしか思えない。

 だが、敵はこちらの通信に答えず……ビームライフルを構え、その銃口をこちらに向けてくる。

 それは明確なまでにこちらに対する敵対行為以外のなにものでもない。

 

「一体何を考えている!?」

 

 そう叫びつつ、スラスターを使ってガンダム7号機を真横に移動させる。

 次の瞬間、一瞬前までガンダム7号機のあった場所を通り抜けていくビーム。

 もし俺が移動していなければ、間違いなくガンダム7号機に命中していただろう。

 

「ミノフスキー粒子のせいには、させないからな!」

 

 短く叫び、未確認機との間合いを詰めていく。

 ジオン軍のMS部隊が、これを好機とこちらに向かって攻撃をしてくるのかと思ったが、向こうにとっても連邦軍同士で戦いを行うというのは予想外だったらしく、呆然としており……そんな呆然としている面々に、クリスのヅダが狙撃銃で攻撃して牽制しているのが、映像モニタに一瞬表示される。

 どうやら、ジオン軍にしてみれば今回の一件は完全に予想外だったらしい。

 敵が妙な行動を起こさなかったことに安堵しつつ、俺は未確認機との間合いを詰める。

 ジオン軍との戦いを見ていた時に判明したように、この未確認MSの特徴はニュータイプ能力やEXAMシステムを使っているのではないかと思える程の、反応速度だ。

 同時に、その反応速度にMSもついていくだけの性能がある事もあり……それがジオン軍MSを多数相手にしても互角以上に戦えていた理由だろう。

 今回もガンダム7号機が近付いたのを見て、その反応速度を活かして咄嗟にビームサーベルをこちらに振るってくる未確認機。

 だが、反応速度という点なら俺も負けていないし、機体の方もマグネットコーティングのおかげで、ある程度はこちらの操縦に付随出来る。

 ビームサーベルの一撃を回避し、ビームサーベルを持っている右腕とビームライフルを持っている左腕の両方を押さえ込む。

 ……それでも前腕部にビーム砲があるので、完全に安心するような真似は出来ないのだが。

 

「何のつもりだ。友軍の識別反応は出ている筈だぞ。なのに、こっちに攻撃してくる事の意味を理解してるんだろうな?」

『いやああああああああああああああっ! シャノン、シャノン、シャノン! うるさい、うるさい、うるさい! ペイルライダーに触るなぁっ!』

 

 接触回線で聞こえてきたのは、そんな言葉。

 いや、言葉ではなく鳴き声や喚き声と言った方がいいだろう。

 接触した感じでは、年齢的に恐らく10代半ばから後半くらい……今の俺の年齢とそう変わらない感じか。

 とはいえ、疑問なのは……接触回線で聞こえてくるのは明らかに普通ではない……言ってみれば、混乱しているかのようなそんな声なのに、MSの操作そのものは完璧ではないが、かなり的確に行っているという事か。

 普通なら、こんな風に混乱している状況であれば、とてもではないがMSを思い通りに操縦するといったような真似は出来ない。

 それでもこうして的確にこっちを狙ってくるということは……

 

「って、そんな攻撃が効く筈がないだろ!」

 

 両手を押さえられ、ろくに攻撃が出来ないようになったからだろう。

 未確認MS……いや、あのパイロットの言葉が正しければ、ペイルライダーというMSらしいが、頭部バルカンを撃ってきたのだ。

 正確には頭部の横についてるバルカンなので、頭部バルカンと呼ぶのはおかしいかもしれないが……慣例的に、頭部バルカンと呼ぶのが正しいだろう。

 その頭部バルカンは、牽制やミサイル迎撃といったような手段として使えるし、もしくは戦闘機のような防御力の弱い敵なら撃破出来る。

 だが……ガンダム7号機の装甲は、ルナ・チタニウム製だ。

 そんな攻撃が通用する筈もない。

 ……正確には、頭部の目は何気にダメージがあるので、完全に安心出来るといった訳ではないのだが。

 その攻撃を防ぐ意味でも、目には目を、バルカンにはバルカンをということで、ペイルライダーの頭部バルカンを撃破する。

 

『このおおおおおおおおおおおっ!』

 

 それがパイロットにどんな影響を与えたのかは分からなかったが、接触回線で苛立ちを露わに叫ぶ声が聞こえてきた。

 とはいえ、MSの性能差で言えばジムスナイパーⅡとガンダム7号機では、こちらの方が上だ。

 幾ら敵がジムスナイパーⅡをベースに改良しているとはいえ、それでもガンダム7号機以上の力を発揮出来る筈がない。

 また……反応速度そのものは、ニュータイプ級のものを持っているとはいえ、このパイロットそのものの操縦技量は高くない。……いや、その反応速度に比べるとかなり劣っていると表現してもいいのは間違いのない事実だった。

 だからこそ、こうして四つ手に近い状態になりつつも、操縦技術でガンダム7号機の力を上手い具合に受け流したりといったようなことが出来ないのだ。

 何と言うべきか……チグハグだな。

 とはいえ、そういうパイロットが他にいないのかと言われると、それはまた別の話なのだが。

 こちらを突き放そうとしてくるペイルライダーの力を受け流し……宇宙空間である事が影響し、その力が受け流された事に大きな影響を受ける。

 完全に力を殺された状態のペイルライダーの動きを受け流し、バランスを崩してスラスターやAMBACを使って体勢を立て直そうとするが、その動きを更に先読みして相手の動きをいなし……

 

『アクセル!』

「っと!」

 

 ペイルライダーの動きを完全に止めようとしたものの、その直前にクリスの警告の叫びが聞こえてくる。

 その通信を聞いた瞬間、俺はペイルライダーの左に持つビームライフルだけを奪い、距離を取る。

 回転していたペイルライダーから奪える最善の武器が、ビームライフルだったのだ。

 ……本来なら、ジャイアントガトリングを奪いたいところだったのだが……手持ちの武器じゃない以上、奪うのは無理だしな。

 ともあれ、ペイルライダーの機体に蹴りを入れて距離を取った瞬間、ガンダム7号機とペイルライダーのいた場所を5条のビームが貫き……

 

「やっぱりこっちを狙うか!」

 

 ペイルライダーを蹴った反動で移動していた状態から、スラスターを使ってその場から退避すると、次の瞬間には再び5条のビームが宇宙空間を貫く。

 5条のビームという時点で、一体誰が攻撃をしてきたのかは明らかだ。

 回避行動をしながら周囲の様子を映像モニタで確認すると、予想通り有線ビーム砲となっているザクの手があった。

 考えてみれば当然の話だが、敵にはエース級に近い実力者がいて、それ以外にもベテランや新人といった技量の持ち主がいる。

 そんな状況の中、クリスだけでその全部を足止め出来る筈がない。

 最初は連邦軍同士で争っているように見えた俺達だけに、それこそ一度にペイルライダーとガンダム7号機の両方を撃破する隙を狙っていたのだろう。

 そして千載一遇のチャンスと見て、ザクの有線ビーム砲を使って攻撃をしてきたのだろうが……それを察知したクリスが通信で叫び、俺が攻撃を回避したという訳か。

 そうしてお互いに距離を取り……不意にレーダーが反応する。

 何だ? と思ってレーダーの方に視線を向けると……そこには、ペイルライダーの同型機と思しき機体が、こちらに向かって近付いてきていた。




アクセル・アルマー
LV:43
PP:1240
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1627

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