転生とらぶる   作:青竹(移住)

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2672話

 カトンボは比較的大きな格納庫を持っているが、それでも俺と一緒に来たオッゴの全てを収容するような真似は出来ない。

 そもそも、カトンボにはガンダム7号機以外にもクリス、レコアのヅダ、ガトー、ノリスの高機動型ギャンが収容されており、それで結構一杯一杯だというのが正直なところだ。

 なら、オッゴはどうするか。

 シーマが指揮しているルナ・ジオン軍の軍艦に分けて乗せるという方法もあったが、ルナ・ジオン軍だって結構なMSを戦場に持ってきている以上、余裕はそこまでない。

 いやまぁ、ヅダが撃破されてしまえば格納庫のスペースは空くが、まさかそんな事を期待する訳にもいかないだろう。……実際には、ここが戦場である以上、誰も死なないなんて事はないのだから、間違いなくそれなりに死んでいる奴は多いのだろうが。

 シーマが連れて来た中には、レコアのように将来性が期待出来る新人も多い。

 新人の死ぬ確率が一番高いのは、当然ながら初陣や、その後の戦いだ。

 初陣そのものはソロモンで行われているだろうから、そこを生き残った奴は見込みがあるんだろうが……ア・バオア・クーでの戦いで、生き残れるかどうかは楽観視出来ないだろう。

 ともあれ、そんな風にルナ・ジオン軍の軍艦に余裕がない以上、オッゴをどうするか。

 その答えが……

 

「次のオッゴを入れろ!」

 

 その言葉と共に、オッゴが数機格納庫に入ってくる。

 格納庫の中に入ると、少ししてオッゴのコックピットからパイロットの学徒兵が出て来て、仲間のいる場所に向かう。

 それを見届けると、俺はオッゴに手を触れ、空間倉庫に収納する。

 後は、この単純な作業を繰り返すだけなんだが……何気にオッゴの数はそれなりに多いので、こんな単純作業でもそれなりに時間が掛かる。

 とはいえ、折角ここまで持ってきたのだから、オッゴをここで捨てるというのは勿体ない。

 それこそ、最悪でもキブツに投入すれば結構な量の資源になるだろうし。

 

「なぁ、アクセルは宇宙空間でも普通に移動出来るんだから、それなら別にカトンボの中に入れるような真似をしなくても、宇宙空間でパイロットがコックピットから出て、それをアクセルが回収するって方法は駄目だったのか?」

 

 俺がオッゴを空間倉庫に収納する様子を見ていたメカニックの1人がそんな事を言ってくるが、俺はそれに首を横に振る。

 

「パイロットがしっかりと訓練を受けた者なら、そんな方法もありだったと思う。けど、オッゴに乗っているパイロットは、学徒兵で最低限の訓練しか受けていない。そんな奴が宇宙空間に出ようものなら……」

「最悪の結果を招きかねない、か」

 

 その言葉に頷く。

 学徒兵だけに、その訓練内容はオッゴの操縦だけという可能性も少なくない。

 宇宙空間に出た時、混乱してそのまま最悪の事態になるという可能性は決して否定出来ないのだ。

 スペースノイドである以上、ある程度宇宙空間で動く訓練とかを小さい時からしている可能性もあるが……普通の訓練と、戦争が行われている中での行動となれば、一緒にする事は出来ない。

 今の状況でそのような真似をするのは、危険すぎる。

 正直なところ、ビグ・ラングのような新型MA、オリヴァー、モニクといった人材を手に入れることが出来たのも大きいが、それと同じくらい大きな収穫は、大量の学徒兵だ。

 10代半ばの年齢の男女数十人。

 この面子は、今この時点での戦力という意味では、そこまで役に立たない。

 だが、ルナ・ジオンの人的資源という点で考えれば、かなりの意味を持つ。

 まだ若いだけに、これからしっかりと教育すれば、色々な面で活躍してくれるだろう。

 もしくは、そこまで大きな活躍をしなくても、ルナ・ジオンの人口を増やしてくれるというだけで、大きな意味を持つ。

 ……地球では人口が多すぎてコロニーに強制移住させるという棄民政策をとったが、ルナ・ジオンという国で見れば、人口はまだまだ少ないのだ。

 それでも、一度に数機のオッゴが入ってくるのだから、ある程度の時間は掛かったが、それでもそこまで時間が経たずに、オッゴの全てを空間倉庫に収納する事に成功する。

 

「ガンダム7号機の補給はどうなっている?」

 

 学徒兵とモニク、オリヴァー達が量産型Wの1人によって連れて行かれるのを見ながら、そうメカニックに尋ねる。

 オッゴの収納をしている間、当然のようにガンダム7号機はそのままにしていたという訳ではなく、整備や補給を行っていた。

 そういう意味では、ガンダム7号機にとっては決して悪い時間だった訳ではないのだろう。

 

「終わってるよ。ビームライフルのエネルギーはフル充電って訳にはいかないけど、ほぼそれに近い」

「そうか。……取りあえず、モニク達の事は任せてもいいな? コバッタがいるし、量産型Wがいるから、多分特に何も問題はないと思うけど」

「ああ、分かってる。……にしても、次々と捕虜というか、投降してくる相手が増えていくな」

「そこまで次々って程でもないだろ? マツナガは現在カトンボに乗ってるが、残ってるのはそれだけだし」

 

 シャリアとシムスは捕虜にしたが、もうルナ・ジオンに帰順しているので捕虜ではない。

 ペイルライダーに乗っていたパイロットは、捕虜にはしたが現在ホワイトスターで治療中だ。

 そう考えれば、やはりここで捕虜になっているような奴は、そんなに多くないのは事実だろう。

 

「そうか? まぁ、今回の捕虜がかなりの多さってのは間違いないと思うが? ……そういう意味だと、コバッタや量産型Wがいてくれるのは助かるけど。そうじゃなきゃ、場合によっては俺達も捕虜の見張りとかに回されていただろうし」

 

 メカニックが捕虜の見張りに? と思ったが、数が少なければそういう事になってもおかしくはないのか。

 ただ、今回投降してきた大半は学徒兵なので、妙な事を考えたりといったような事はしないと思うが。

 あ、でも学徒兵だからこそ、俺達にとっては思いもよらないような行動に出る……という可能性は、否定出来ないか。

 

「とにかく、見張りとかをしなくてもいいなら、メカニックの仕事に集中してくれ。俺以外のMSもいつ戻ってくるか分からないからな」

「あいよ。そっちは本職だから任せてくれ」

 

 そう言うメカニックと別れ、俺はガンダム7号機に向かう。

 補給も整備も終わっているので、もういつでも出撃出来るのは間違いない。

 であれば、後の問題はどうするかだ。

 Eフィールドの確保は、ビグ・ラングとオッゴをこっちで確保した事で、かなり進んだ筈だ。

 とはいえ、Eフィールドが戦力の薄い場所であっても、配備されている戦力はビグ・ラングだけではないのは間違いない。

 他のフィールドよりも数は少ないが、それでもビグ・ラング以外の戦力もいて当然だろう。

 この場合、問題なのは俺達がこれからどうするべきか、だろうな。

 個人的には、他のフィールドに向かいたいとは思う。

 Eフィールドにいるのは、あくまでも連邦軍からの要請であって命令ではないし、何よりも厄介なのはルナ・ジオン軍と一緒に行動しているサラミス3隻に搭載されている連邦軍のMS部隊が厄介だという事だ。

 今はルナ・ジオン軍とは別行動を取っているらしく、この周辺にサラミスの姿はない。

 ……もしサラミスがここにいれば、それこそオッゴを大量に引き連れてきた俺に向かって、何らかの攻撃が行われていた可能性もある。

 1発だけなら誤射かもしれないという名言……いや、迷言もある。

 ただし、メガ粒子砲の威力を考えれば1発だけでも致命傷になりかねないのは、間違いのない事実だが。

 

「量産型W、現在の状況は? どこか援軍に向かった方がいい場所はあるか?」

『いえ、現在Eフィールドにおいては、全面的にこちら側が有利です』

「そうか」

 

 ルナ・ジオン軍からは、宇宙の蜉蝣、黒い三連星、青い巨星、ソロモンの悪夢といった異名持ちが参加しているし、それ以外にも異名持ちには届かずともエース級のパイロットはかなり多い。

 新人も相応に参加しているのを考えれば、量産型Wがそのように言うのも理解出来ないではない。

 元々、Eフィールドに配備されているジオン軍側の戦力が少なかったというのも、この場合は関係しているのだろう。

 勿論、カスペンのようなエースパイロットだったり、ビグ・ラングのような強力なMAだったりと、それなりに強力な戦力が配備されていたのも、間違いはない。

 とはいえ、その双方共に俺が撃破していたり、投降させてこちらで確保したりもしているが。

 

『……あ、いえ。少々お待ちください。連邦軍経由で、ホワイトベースからの連絡が来ています』

「ホワイトベースから?」

 

 その言葉に、微妙に嫌な予感を覚える。

 今日はもう1度ホワイトベースに……正確にはカイに呼ばれて援軍に向かったのだが、その時はキマイラ隊と俺だけで渡り合う事になってしまったのだから。

 もしかして、また今回もキマイラ隊と戦っているから助けてくれ何て事は言わないよな?

 

『はい。可能であればアクセル代表にSフィールドまで救出に来て欲しいとの事です』

「……なるほど。話は分かった」

 

 ホワイトベースから直接俺を名指しで指名してきたとなると、それだけ強力な相手との戦いなのだろう。

 とはいえ、ここからSフィールドまでガンダム7号機で向かうとなると、推進剤の消耗が激しい。

 それ以外にも、途中でジオン軍と……場合によっては、妙な事を考えている連邦軍と遭遇したりした場合、戦いになるという可能性も十分にある。

 この場合、問題なのはガンダム7号機の場合は実弾系は当然ながら、ビーム系も弾数制限があるという事なんだよな。

 シャドウミラーの機体なら、実弾はともかくビーム系の兵器に関しては動力炉から直接エネルギーを貰ってるし、動力炉の方もブラックホールエンジンだから、エネルギー切れってのは基本的にないんだが。

 そうなると……しょうがない、か。

 

「量産型W、ガトー、ノリス、クリス、レコアには通信を入れて、他の艦で補給や整備を行うように指示しろ。そしてカトンボは、このままSフィールドに行くぞ。向こうで現在どんな感じになってるのかは、俺も分からない。だが、ホワイトベース隊から名指しで救援が来るとなると……間違いなく激戦が予想される」

 

 さっきも思ったが、本当にまたキマイラ隊と遭遇したとかじゃないよな?

 いやまぁ、あの時はいきなりの遭遇でもある程度何とかなったんだから、今度戦ったらそれなりにやれそうな気はするが。

 ただ、向こうはエース級の集まりだ。

 そうである以上、向こうだって俺と遭遇した時の戦いで十分に学習している以上、同じように俺という存在との戦いには慣れた筈。

 

『了解しました』

 

 量産型Wは、俺の言葉に素直に従う。

 これがWナンバーズ……例えばエキドナのような存在であれば、ここで自分の意見を言ってきたりもするんだろう。

 だが、量産型Wはよっぽど矛盾があったり、無理のある命令でない限りは、俺の言葉に素直に従う。

 今回も特に問題はないと判断したのか、量産型Wはすぐに命令を実行する。

 ガトー辺りは、この話を聞けば自分も行きたかったと言うだろうが……ガトーが戻ってくるのを待っているような時間的な余裕はない。

 これはノリスも同様だ。

 クリスとレコアは、現在シーマと行動してるんだから、そっちに任せておけば問題はないだろう。

 そんな訳で、俺はガンダム7号機のコックピットの中で、Sフィールドに到着するのを待つ。

 にしても……本当に、一体誰を相手に苦戦しているんだ?

 普通に考えれば、今のアムロと互角に戦えるような奴はそういない。

 だとすれば、シャアか?

 エルメスのパイロット……ララァだったか。そいつを相手にして、シャアとアムロの間で色々とあったみたいだしな。

 俺もセイラの件でシャアに恨まれている以上、アムロとシャアが戦っている場所に乱入したりしたら、色々と問題になりそうな気がするが。

 ともあれ、今はSフィールドに行くのが最優先だ。

 敵が襲ってきたら、それに対応してこちらも行動する必要があるが……その辺は、それこそジオン軍を相手にしている以上、向こうもここでは退けないだろう。

 ア・バオア・クーはジオン軍にとっては最後の砦なのだから。

 そんな風に考えながら、ふとモニクやオリヴァー、それにオッゴのパイロット達の事を思い出す。

 一応コバッタをつけて適当に部屋に入れておいたが、問題はないのだろうかと。

 

「量産型W、投降してきた連中はどうしている? 大人しくしてるのか?」

『問題はありません。映像を回しますか?』

「そうしてくれ」

 

 そう言うと、量産型Wはすぐにガンダム7号機に対して映像を回してくる。

 そこに映し出されているのは、数人ごとに纏められて1つの部屋で待機している面々。

 まぁ、オッゴに乗っていた人数全員に1人部屋をって訳にはいかないしな。

 そもそも、カトンボはそこまで広くはないし。

 そんな訳で、モニクとオリヴァーの2人は個室だったが、それ以外の面々はある程度纏められて1つの部屋となっていたのだった。




アクセル・アルマー
LV:43
PP:1280
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1635

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