月に戻って来た瞬間……俺はディアナの連中に拉致された。
いやまぁ、その気持ちは分からないでもないんだが。
ソロモンとア・バオア・クーにて、俺が得た諸々は非常に多い。
それだけではなく、サイド6で入手したアレックスもあったか。
……本来なら、それこそ捕虜というか、投降して月に亡命を希望した連中……ア・バオア・クーから逃げ出してルナ・ジオン軍に合流した連中だけではなく、それこそオリヴァーやモニク、学徒兵といった面々に俺が直接説明した方がいいと思うんだが。
結局その辺については、ルナ・ジオンの面々に任せる事になってしまった。
とはいえ、あの連中が亡命したのは、あくまでもルナ・ジオンであって、シャドウミラーではない。
そう考えれば、俺ではなくルナ・ジオンの連中が説明をするというのは、それ程間違ってはいないのか。
マツナガについては、少しだけ心配だが。
そっちは近いうちに地球のハワイに行く時、一緒に連れていく必要がある。
それこそ、ガルマにも戦後のジオン公国を率いて貰う必要があるのだから。
「さぁ、着きましたよ。では、確保した諸々を見せてください!」
そんなことを考えている間に、ディアナの敷地内に入ると、その中でも屋根のない場所……それこそ、広い場所に到着し、俺を連れて来たディアナの技術者がそう告げる。
これは……暫く付き合う必要があるか。
ここで下手に勿体ぶったりしたら、この連中が暴走しかねないし。
シャドウミラーの技術班程ではないにしろ、ディアナの技術者は色々と暴走しがちだ。
この辺は、ジオニック社、ツィマッド社、MIP社といったようなジオンの主要3大兵器メーカーや、そこには入れないまでも小さな兵器メーカーからやって来た技術者達、それに数は少ないものの、連邦軍からやってきた技術者達といったように、様々な出身の技術者がいるからこそ、対抗心の類もあってか暴走しがちなのだろう。
この先、何年も経過すれば、いずれはそういう対抗意識も競争意識に変わってくるんだろうが……
「一応言っておくが、俺が入手したMSやMAはニュータイプ用の物も多い。それは、ディアナだけだと解析するのは難しいぞ」
「あ、心配いりませんよ。アルテミスからシムス達が来るって言ってましたし」
「……アルテミス?」
聞き覚えのない言葉に、そう聞き返す。
とはいえ、シムスの名前が出て来た以上、そのアルテミスというのが何を意味しているのかは、すぐに分かった。
「そのアルテミスって、ニュータイプ研究所か?」
「え? あ、はい。そうか。アクセルさん達は暫く月にいなかったから……ニュータイプ研究所って名前だとフラナガン機関を思い出す人も多いし、何よりも長いからって事でアルテイシア女王の勅命で、アルテミスって名前になったんですよ」
そう言われれば、セイラらしいと納得する。
現在ニュータイプ研究所……いや、アルテミスにいるニュータイプ候補の子供達は、その大半がサイド6のフラナガン機関から俺達が助け出した者達だ。
そうである以上、当然の話だがフラナガン機関という言葉に嫌な思いを抱くだろうし、ニュータイプ研究所という言葉にも嫌な思いを抱いてもおかしくはない。
だからこそ、そのような名前ではなく別の名前をつけるというのはおかしい話ではないが……アルテミス、か。
アルテミスというのは、ギリシャ神話に出て来る月の女神の名前だ。
そういう意味では、ディアナやルナといったものも月に関係する名前である以上、月の重要施設にそのような名前をつけてもおかしくはないんだが。
それにニュータイプ研究所よりもアルテミスの方が言いやすいし、それを思えば特に問題らしい問題はない。
「そうか。なら、今度からは俺もニュータイプ研究所の事はアルテミスと呼ぶよ」
「そうして下さい。とにかく、シムス達が来るのでニュータイプ用のMSやMAでも問題はありません」
「……そうだな。また別の問題があるけど」
ニュータイプ用のザクやジオングなら、シムス達が来るのなら問題なく調べる事が出来るだろう。
だが……MA、ビグ・ザムとビグ・ラングの2つは、ここで出すにはちょっと大きすぎる。
いやまぁ、ここは屋根がある訳ではないので、出そうと思えば出せるんだろうが……それでも、巨大すぎて調べるのも難しいだろう。
それ以外でも、問題なのはやはり未だにビグ・ザムのコックピットにはドズルの死体が残っているという事だろう。
空間倉庫に収納されている間は時間が流れないので、ビグ・ザムのコックピットにある死体はそのままだ。……いやまぁ、俺がビグ・ザムを撃破した時の事を考えると、死体が残っているかどうかは微妙なところだが。
それでも、ドズルの死体が……正確には手足の1本、髪の毛の1本でも残っている可能性がある限り、それをコックピットから取り出すのは、ドズルが可愛がっていたガルマや、ドズルから厚い信頼を受けていたマツナガのような連中の方がいいだろう。
少なくても、殆どドズル・ザビという人物を知らない俺や、ディアナの技術者がどうこうするような事ではない。
とはいえ、ビグ・ザムの装備していたIフィールドはルナ・ジオン軍にとっても非常に大きな意味を持つ。
そうである以上、やはりこれはどうにかして入手した方がいいのは間違いない。
だとすれば、ガルマを連れてくるよりも、マツナガにやらせた方がいいか。
勿論マツナガが否と言わなければの話だが。
「別の問題ですか?」
「ああ。ビグ・ザムとビグ・ラングは、双方ともに巨大だ。ましてや、安定性が悪い。下手にこのような場所で出したりすれば、最悪倒れる可能性がある」
というか、ビグ・ラングの方はビグロの部分はともかく、追加パーツの部位はビグロの下にある以上、宇宙空間とか……もしくは、しっかりとした設備のある場所じゃないと、出すのは難しいと思う。
まぁ、普通に考えれば、ビグ・ラングはビグロに追加パーツが付けられた形である以上、その部分を解除することが出来れば、このような場所でもどうにか出来るんだが。
「とにかく、まずはこっちだな。連邦軍の最新鋭MSのアレックス」
そう告げ、空間倉庫の中からアレックスを取り出す。
それを見て、多くの技術者達が驚きの声を発するが……それでも、アレックスそのものは、そこまで特出すべき技術はそう多くはない。
アレックスの特徴としては、マグネットコーティング、FSWS計画のチョバムアーマー、全天周囲モニタ、リニアシート、Eパック方式のビームライフルがある。
前者3つは、ぶっちゃけガンダム7号機で使われている……どころか、ガンダム7号機の方が進んでいる一面もある。
特にFSWS計画に関しては、ファーストアーマーやセカンドアーマーが存在するガンダム7号機の方が圧倒的に優れているだろう。
リニアシートの方も実物があるというのは珍しいが、アナハイムによって技術は発表されている。
そういう意味では、アレックスの中で特徴的なのは……Eパック方式のビームライフルだけだろう。
あ、でも腕に内蔵されているガトリング砲は、内蔵兵器という意味で特徴的かも?
ガトリング砲を内蔵しているMSというのは、ジオン軍のMSにもないし。
一応グフが似たような武器を装備しているけど、フィンガーバルカンと腕部ガトリング砲では色々と違うしな。
アレックスの場合は、ガトリング砲が内蔵されているのが腕なので、手は何の問題もなく使える。
そういう意味で、やはりアレックスが持っている技術の中で一番大きいのは、Eパック方式のビームライフルだろう。
個人的には、ジオン軍の水陸両用MSが使っているような動力炉直結式のビームの方が便利だと思うんだが……ミノフスキー物理学を利用したUC世界のビームだと、今はEパック方式がいいという判断なのだろう。
勿論、将来的には動力炉直結式のビームが主力になるという可能性は否定出来ないが。
「俺は色々と思うところがあるが、恐らくこのEパック方式のビームが、この世界の主力武器になっていく筈だ」
俺の意見に異論がある者はいなかったのか、技術者達はアレックスのビームライフルに視線を向ける。
やはり、エネルギー切れになったらビームライフルそのものを充電器にいれないといけないというのは、面倒だと思ったのだろう。
その点、Eパック方式なら、Eパックを充電すればいいし、前もって複数充電しておくといった真似も出来る以上、非常に使いやすい。
そんなビームライフルを見ている面々をそのままに、次に俺が取り出したのはスカーレット隊から奪ったMS……ジムスナイパーⅡとか、その辺のMSだ。
この辺りは基本的に以前ジャブローで貰っているMSなので特に珍しさもないのか、メカニック達の視線は一瞬そちらを見ただけで、アレックスの方に視線が戻る。
……この辺、自分に正直だよな。
とはいえ、ジムスナイパーⅡは性能だけで言えばUC世界でもトップクラスである以上、研究するだけの価値はあると思うんだがな。
それに……
「さて、次はジムスナイパーⅡがベース機となって連邦軍が開発したMSなんだが……シムスを初めとしたアルテミスの面々は、まだ来ないのか? 一応、これもニュータイプ関係ではあるんだが」
正確にはニュータイプ関係ではないのだが、EXAMシステムが関係しているとなると、元フラナガン機関の面々には興味深いMSだろう。
「連絡はしたから、もうすぐ来ると思いますけど……どうします? 後回しにしますか?」
ディアナの技術者の1人がそう尋ねてくるが、どうするべきか少し考え……やがて、首を横に振る。
「いや、結構な数のMSとかがあるし、来てから見せればいいんだから、問題はないだろ。特に今から出す武器は、これからディアナがMSを開発する上で是非参考にして欲しいし」
そう告げ、空間倉庫からペイルライダーを取り出し、次に目的の武器を取り出す。
ジャイアントガトリングとミサイル、そしてメガビームランチャーの3つが1つになった複合武器、シェキナーを取り出す。
現在広まっているビームライフル等に比べれば大型で取り回しもしにくい武器だが、それでもこの武器の持つ威力は間違いなく一級品だ。
それに、ビーム兵器のメガビームランチャーと、実弾兵器のジャイアントガトリング、それと破壊力という点では非常に大きいミサイルが一緒になっているというのが大きい。
この武器があれば、ビグ・ザムと戦った時もかなり有利に戦えただろうに。
Iフィールドはビームであれば、絶対的な防御力を持つ。
実際、マゼランやサラミスといった軍艦のメガ粒子砲を食らっても全く問題がなかったのを見れば、それは明らかだろう。
しかし、Iフィールドでどうにか出来るのは、あくまでもビームだけだ。
ジャイアントガトリングやミサイルといった実弾を相手にした場合、その効果を発揮しない。
……とはいえ、ビグ・ザムの場合はコックピット周辺というか、頭部というか、胴体というか……ともあれ、そのような場所の装甲は硬い。
それこそ、ジムとかが使っている実弾では、そう簡単にダメージを与えるような事は出来ないだろう。
ルナ・チタニウム製の装甲なら……いや、それでもミサイルが命中すれば、大きな被害を受けるとは思うが。
以前、アムロがルナ・チタニウム製の盾でザクバズーカの直撃を受けた時、シールドが破壊されたのを見た記憶がある。
その辺の事情を考えれば、やはり可能な限り攻撃は回避するのが最善なのだろう。
「アクセル代表、このMSは……」
「ペイルライダーという名前で、ジムスナイパーⅡをベースとして開発されたMSだな。性能という点では、ガンダムを含めても最高峰に位置する機体だ。また、それだけではなく、頭部にはEXAMシステムと似たようなシステムがある」
EXAMシステムについては、ジャブローの一件が終わった後で報告書を出したから、その辺の情報を入手していたのだろう。
技術者は、微妙な表情を浮かべる。
技術者にしてみれば、EXAMシステムというのは何と言えばいいのか困る代物だろう。
発動すれば機体の性能を完全に使いこなすというだけなら、それこそ技術者冥利につきる。
だが、機体性能を完全に……いや、スペック以上に使うという事は、当然の話だが機体の各部位の消耗が激しくなる。
中でも一番消耗が激しくなるのは、当然のように関節だ。
そのような状況でEXAMシステムを使い続ければ、それこそ関節が破壊されて立っている事も出来なくなる。
MSパイロットの技量でそのような事になるのならまだしも、機械的なシステムでこのような事になるというのは、技術者として微妙な気分になるのは当然だろう。
「まぁ、その辺のシステムに関しては、機体を解析する時に調べればいい。そういうシステムがあるからって、絶対に使わないといけないって訳でもないしな」
俺のその言葉に、技術者は再び複雑な表情を浮かべながら、頷くのだった。
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1290
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1637