転生とらぶる   作:青竹(移住)

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2686話

「ちょっと、アクセル。起きなさいってば」

「……んん……?」

 

 聞こえてきた声に目を覚ますと、そこにはマリューと、昨日はホワイトスターに泊まったゆかりの姿があった。

 昨夜の行為の残滓の類は既になく、綺麗に身嗜みは整っている。

 

「マリュー? ゆかり?」

「そうよ。……アクセルがこんなに寝坊するのは珍しいわね」

「そうなの?」

「ええ。ゆかりもアクセルと一緒に寝たら、大抵は翌日に目が覚めた時はアクセルの方が早く目を覚ましてるでしょ?」

「それは……まぁ、そうかも」

 

 そんな2人の会話を聞きつつ、そう言えばと昨夜の件を思い出す。

 昨夜は久しぶりにホワイトスターに戻ってきた――正確にはクロエの件で一度戻ってきていたのだが――という事で、もの凄い夜だった。

 何故か凛とシェリルが皆に集中的に責められる……といったようなこともあったが、それで余計に興奮したのも事実。

 ともあれ、そんな感じで楽しい……楽しすぎる時間が終わり、ぐっすりと眠ってしまったのだが……それが結果として、寝坊してしまったらしい。

 

「あー……今は何時になった?」

「午前8時くらいよ。アクセルは今日UC世界で用事があるんでしょ? もう朝食は出来てるから、起きてシャワーでも浴びてきなさい」

 

 夜の行為が終わった翌朝に、シャワーや風呂に入るというのは俺の家では当然のことだった。

 行為の残滓が色々と凄い事になっている以上、当然だろう。

 その上で、体力が限界になってしまう者達は、魔法球の中でぐっすりと休む……といった行為をする事も珍しくはない。

 恐らくマリューやゆかりも、そうして魔法球でゆっくりと疲れを取ってきたのだろう。

 

「ああ、悪い。……ちなみに、朝食は誰が? もしかして……」

 

 寝ていたベッドから起き上がり、視線をゆかりに向ける。

 そんな俺の視線に気が付いたのか、ゆかりは不機嫌そうな様子で口を開く。

 

「ちょっと、何よ。私だってマリューや千鶴から教えて貰って、料理はそれなりに上手になってるんだから」

 

 ゆかりも、別に料理が出来ないという訳ではない。

 ただ、その腕は決して上手い訳ではなかった。メシマズという程ではないのだが。

 ……まぁ、何だかんだと俺と付き合うようになってからそれなりに料理に力を入れていたので、その技量は知り合った当初よりは上がっているのだが。

 何気に、俺が釜玉うどんとかそういうのを作るようになって、女としてのプライドに火が……といった感じか。

 

「分かってるよ。楽しみにしてる。……ともあれ、俺は今日も忙しくなりそうだけど、マリューとゆかりはどんな感じだ?」

「私はいつも通り技術班の方ね。UC世界の技術でも結構面白そうな技術が幾つかあるし」

「私は普通に学校よ」

「学校って……もう8時だろ? 間に合うのか?」

「今日は学校の方の用事で3時限目からなの」

 

 東京は夏休みが長い代わりに冬休みが短いというのを聞いたことはあったが……もう3学期が始まるんだな。

 ゆかりも高3の3学期か。

 まぁ、月光館学園は私立だけに、一般的な公立校と違う場所が色々とあってもおかしくはない。

 それに月光館学園は色々と訳ありの学校である以上、そっちで何らかの……いや、待てよ?

 

「もしかして、タルタロスがまた出て来たとかじゃないよな?」

 

 そう尋ねる俺の声には、若干の期待が込められている。

 ペルソナ世界において、ニュクスの一件が解決したのはいい。

 それは俺も望むところだったが、それによってタルタロスが消滅してしまったのは、正直なところ痛かった。

 何しろ、タルタロスでは普通にマジックアイテムが入手出来るのだから。

 それも低層階ではそこまで効果が高いマジックアイテムではないが、上層階に行けば行く程、そのマジックアイテムは希少なものとなっていく。

 それ以外にも武器や防具といった諸々や……この寝室でも何度も使われているハイレグアーマーとか、欲しいのは幾らでもある。

 だが、そんな俺の考えを読み取ったのか、ゆかりは呆れの表情を浮かべて首を横に振る。

 

「まさか。そんな訳ないでしょ。そうなったら、今頃大騒ぎになってるわよ」

「……そうか」

 

 残念に思いながら、取りあえず俺はシャワーを浴びに行くのだった。

 

 

 

 

 

「じゃあ、数日戻ってこないと思うけど、こっちの方はよろしく頼むな」

 

 朝食を終え、出掛ける準備を整えるとそう言って影のゲートを使い、転移区画まで一気に移動する。

 ゆかりの作った――正確には手伝った――朝食は、なかなかに美味かった。

 腕が上がっているというのは、真実だったらしい。

 とはいえ、それでもまだマリューや千鶴といった面々の味には負けてしまうが。

 朝ではあるが、もう午前9時と忙しいピークの時間はすぎている。

 それでもそれなりの者達が、転移区画にいた。

 そんな中を、俺はUC世界に向かう。

 家を出て1分もしないうちに、仕事場に到着するというのは……うん、凄いな。

 影のゲートがあるからこそ、出来る事なのだろうが。

 そうしてUC世界にやって来ると、基地に向かう。

 政庁にいるセイラと話をしてもよかったのだが、仕事が始まったばかりのこの時間は、セイラも色々と忙しいだろう。

 何しろ、現在月はジオンと連邦の終戦協定に関して色々と調整中の筈だからだ。

 終戦について協議をするという話は聞いているが、具体的にそれがいつになるのかは分からない。

 だからこそ、今が一番忙しい時なのだ。

 そんな時に俺が行けば、セイラの迷惑になる。

 それに、ペズンに向かうのが誰になったのかは、気になるところだし。

 そんな訳で、再度影のゲートで転移し……クレイドルに幾つかある基地の1つに到着する。

 当然のように基地には警備の兵士がいるが、転移魔法を使っている俺にはその辺は関係ない。

 基地の中に直接出ると……

 

「うおっ! 何だ、アクセルか。驚かせるなよ」

 

 ちょうど目の前にガイアの姿があり、驚きの表情を浮かべていた。

 いやまぁ、こうしていきなり目の前に俺が転移してくれば、驚くなという方がおかしいだろうし。

 

「ちょうどいい。ペズンの件は聞いてるか?」

「ん? ああ、知ってる。アクセルも行くんだろ? もう何時間かしたら出撃だぞ」

「そこまで話が決まってたのか。……ちなみに、黒い三連星は出るのか?」

「ああ。俺達と海兵隊で出撃する。ラル隊やらその他の部隊は休みだ」

「……だろうな」

 

 混沌精霊の俺はともかく、他の面々は昨日星一号作戦から帰ってきたばかりなのだ。

 その疲れが、一晩でどうにかなる訳がない。

 いや、それどころか昨日は勝利の宴という事で、夜遅くまで飲んで騒いでといったような事が行われていても、おかしくはない。

 

「寧ろ、昨日の今日でまたすぐに出撃出来るってのが、本来なら凄いんだろうな」

 

 これがシャドウミラーなら、皆が皆、その程度の体力は普通に持っているし、補給や整備も量産型Wやコバッタに任せておけばどうとでもなる。

 だが、このUC世界においては、ほぼ全てを人力でやる必要があった。

 治安を守る警察とかの役目は、量産型Wやコバッタに任せてるんだから、整備とかもそっちに任せればいいと思うんだが……まぁ、俺達と違って量産型Wやコバッタをそこまで信じるといったような事は出来ないのだろう。

 その辺は、俺も特に責めるつもりはない。

 それこそ、世界によって色々と違うところはあるのだから。

 ともあれ、それでもこうして星一号作戦の翌日にすぐ出撃するというのは、素直に凄いと思う。

 

「海兵隊か。……シーマ辺りは、色々と忙しそうだけどな」

「それが嫌で、ペズンに行くという一面もあるんだろ」

 

 シーマは、セイラとは別の意味で月の象徴と呼ぶべき人物だ。

 本人の性格は悲劇のヒロインといったようなものではないのだが。

 それどころか、姐御と呼ばれるのに相応しい性格をしている。

 そんなシーマが星一号作戦に参加し、活躍したのだ。

 当然のように、各種メディアがシーマにインタビューをしたいと思ってもおかしくはない。

 だが、シーマはそんなのはごめんだという事で、ペズンの接収について参加する事にしたのだろう。

 それに、実際ペズンを接収する上で海兵隊というのは、必要な存在だ。

 海兵隊にとって、そのようなことを行うのは元々が得意としているという点もあるだろう。

 ……もっとも、海兵隊がそのような事を得意としていても、別にシーマが行かなければならないという事はないのだが。

 シーマ以外の海兵隊も、当然ながら高い技量を持っている。

 それでも部下に任せず、シーマが自分で向かうのは……やはり、メディアに露出するのを嫌ってのものだろう。

 

「シーマが来てくれるのなら、戦力的にかなり楽になるのは間違いないけどな」

 

 宇宙の蜉蝣の異名を持つシーマだけに、その技量は当然のようにそれに相応しいものだ。

 ペズンに一体どれだけの戦力があるのかは分からないが、新型MSを開発しているのなら、そのMSを出してこないとも限らない。

 勿論、ペズンで開発されているMSが具体的にどのような性能を持っているのかは分からないので、注意が必要なのは間違いないが。

 それに、ペズンを狙っているのは俺達だけではない。

 連邦軍にその辺りの情報が漏れていれば、当然のように連邦軍でもペズンを確保しようとするだろう。

 そして、そんな連邦軍よりも厄介なのはキシリアだ。

 セイラから昨日聞いた情報によると、結局キシリアはア・バオア・クーから逃げ出す事に成功している。

 そんなキシリアがどこに向かったのかは分からないが、それがペズンという可能性は否定出来ない。

 あるいはペズンではない場所に行っても、ペズンにいる戦力や新型MSを確保したいと、そう思ってもおかしくはなかった。

 特にキシリアの部下には腕利きがまだ多くいる。

 ……シーマや黒い三連星を始めとして、ケン達外人部隊や闇夜のフェンリル隊等々、結構な人数を引き抜かれたにも関わらず、未だに精鋭が揃っているのはキシリアが先見の明を持っているからだろう。

 ア・バオア・クーでは、ジオン軍全体を指揮するような真似は出来なかったが、突撃機動軍を率いるだけなら十分可能というところか。

 

「キシリアが来ると思うか?」

「……何? いや、そうか。その可能性は十分にあるな。だが、その場合は、戦力的に足りないんじゃないか?」

 

 俺の言葉に、ガイアがその迫力のある顔で深刻そうな表情を浮かべつつ、そう告げる。

 ガイアにしてみれば、キシリアはかつての上司だ。

 多少なりとも恩もあるだろう。

 

「ア・バオア・クーを脱出したキシリアが、ペズンに向かってそこを本拠地にする。そういう可能性はどれくらいある?」

「……多くはない、と思う。ペズンは本拠地にするにはいい場所だが、当然のように連邦軍もその情報はそう遠くないうちに見つける筈だ。そうなれば……」

「キシリアとしては、ペズンを拠点にするような真似は出来ない、か」

「ああ。ただし、ペズンを拠点にする訳ではなく、ペズンに存在するMSや技術、人材を持ち出すという可能性は十分に考えられる。……とはいえ、キシリアもア・バオア・クーから脱出したばかりだ。それも結構ギリギリで脱出したのなら、1日で戦力を整えるといった真似はまず出来ないと思ってもいい」

 

 ガイアの言葉が事実だとすれば、俺達とキシリア、そして少し遅れて連邦軍。ペズンを巡っては、この三つ巴になる可能性がある訳か。

 

「そうなると、出来るだけ早く出撃した方がいいだろうな。俺のMSはどうなってるか分かるか?」

「シーマのザンジバルに運び込まれている筈だ」

 

 今回の母艦は、シーマのザンジバル……リリー・マルレーンか。

 ザンジバル級は高性能な軍艦ではあるが、それでもドロス級、グワジン級と比べると数段落ちる。

 まぁ、それでもドロス級は戦力としては頼りになるが、軍艦としての性能では速度とかそっち方面をほぼ完全に切り捨ててるしな。

 逃亡しているキシリアにしてみれば、ドロス級と一緒に行動するといった事は、まずないと思ってもいいだろう。

 何しろ、ルナ・ジオン軍はともかく、連邦軍に見つかってしまえば物量差でどうにもならなくなってしまう。

 であれば、やはりここはドロスがあっても捨てて……もしくはどこかに隠しておくという手段に出るだろう。

 

「ルナ・ジオン軍でも、MSや軍艦の開発を急いだ方がいいような気がしてきたな」

「……それは否定出来ん」

 

 ガイアが俺の言葉に同意する。

 高機動型ギャンをベースにして、エース用MSの開発が進んでいるという話は聞いている。

 ガトーとノリスの操縦する高機動型ギャンは、それだけの成果を発揮したのだから。

 ただし、ガトーとノリスはあくまでもエースだ。

 そのような2人が操縦して高性能なMSなのではなく、一般的なパイロットが操縦しても十分に性能を発揮するMS……というのは、やはり必要になる筈だ。

 ヅダは設計上の余裕がまだあるけど、それでも個人の専用機として改修するのならまだしも、量産型として考えれば……やっぱり厳しいだろうし。

 そう思いながら、俺はガイアとMSについて話すのだった。




アクセル・アルマー
LV:43
PP:1290
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1637

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