転生とらぶる   作:青竹(移住)

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2723話

 2月中旬、いよいよクレイドルにおいて連邦とジオンの終戦協定交渉が行われる事になった。

 当然の話だが、この交渉は全世界……それこそ地球だけではなくコロニーも含めて地球圏の全ての者達の注目を集めており、様々な新聞記者やTVの取材陣、フリージャーナリスト……といった者達が集まっている。

 そうして集まってきた中には、きちんとした連中もいたが、中にはマスゴミと呼ばれるような者達もいる。

 そういう連中は、知る権利の為なら何をしてもいいと思っており……

 

「ルリ、このA-32の映像スクリーンに表示されている記者の来歴を調べてリストアップしてくれ」

「了解」

 

 俺の言葉にルリが頷き、早速ハッキングを駆使してA-32の映像モニタに表示されている人物……メイ・カーウィンにストーカーの如くしつこくインタビューをしようとしている男を示す。

 これが初めてという訳ではなく、今まで何度か注意されているにも関わらずメイにインタビューをしようとしているのだ。

 そんな状況を思えば、こっちも手加減をする必要はない。

 

『待って下さい。人間には皆平等に知る権利があります。貴方にはそれに応える義務があるんですよ!』

 

 得意げにそう告げる男だったが……

 

「出ました。流します」

 

 1分と掛からず、メイにしつこくしている男の履歴を洗い出したルリは、即座にそれを流す。

 

『ダースタ・ロドリウェル。9歳に隣の家から下着を盗んで問題になるが、父親が金で解決。15歳に同級生をイジメで自殺に追い込むも、父親が金で解決。17歳で強姦をしようとして警察に捕まるも、父親が相手の家に金を渡して強引に示談に。19歳で知り合ったばかりの相手を酔わせて強引に宝石を買わせる契約を結ばせて問題になるも、父親が相手に金を渡して示談』

 

 映像モニタの中で不意にそんな声が聞こえてくる。

 メイがいたのは街中だったので、当然の話だがそんな声は周囲にも聞こえており……そして、一体何だ? と話し合う。

 だが、そんな声に黙っていられないのはメイに半ばストーカー行為をしていた男……ダースタ・ロドリウェルだった。

 

『なっ! 何だこれは! 出鱈目だ! 誰の仕業だ! 名誉毀損だ!』

 

 自分の過去の行為が公の場で知らされた事に怒ったのだろう。

 慌てたように叫び……そして、当然の話だがそんな事をすれば周囲の者に今の言葉は真実だったのだと、示す事になる。

 まぁ、国民には知る権利があるって話だったし、自分の行為も知って貰う必要があるというのはおかしくないだろう。

 勿論マスゴミの類はこれだけではない。

 

『アザミ・レジャスト。14歳の時教育実習生に愛を告白したが、それを断られると逆恨みして自分の仲間と共に強姦されたと騒ぎ、教育実習を中止させる。16歳、成績と引き換えに教師を誘惑、身体を許す。19歳の時20歳年上の男の愛人となる。22歳の時、愛人を薬で毒殺して財産を奪う。27歳の時麻薬の売買に関わる』

『なっ! ちょっと、誰よこんなのを流すのは!』

 

 その言葉が周囲に知られた瞬間、1人の女……アザミと名乗った女が必死になって叫ぶ。

 そんな光景が、部屋に表示されている映像スクリーンの中で幾つも同時に行われている。

 そうして騒いでいる者の共通項は、自分は選ばれた人物で国民の知る権利という錦の御旗があれば何をしてもいいと思っているような事だ。

 ……国民の知る権利と言うが、そもそもルナ・ジオンは連邦から独立した別の国だ。

 そうである以上、連邦の知る権利なんてのはルナ・ジオンには通用しない。

 それが分からない辺り、マスゴミなんだろうな。

 実際、過去の秘密を公の場で公表されているような者と違って、きちんとしたマスコミもいるし、そちらはしっかりと仕事を果たしているのだから。

 

「レオン、後は任せてもいいか?」

「ええ。……こういうのは得意ですしね」

 

 満面の笑みを浮かべてそう告げるレオン。

 これは……何だかマスゴミの連中が可哀想になるかも?

 いやまぁ、本当に駄目だったら……

 

「長谷川、頼む」

「私かよ? ……しょうがないか。この2人に任せる訳にはいかねえし」

 

 ルリとラピスの方を見ながら、長谷川がそう言ってくる。

 取りあえずレオンが何かしたら……もしくはやりすぎたら自分が止めるしかないと思ったのだろう。

 ぶっちゃけ、長谷川がレオンを生身でどうにかは出来ないのだが。

 マクロス世界で俺達に捕まった時ならともかく、今のレオンはもうシャドウミラーで結構な年数をすごしている。

 そしてレオンもシャドウミラーのメンバーである以上は、エヴァが行う生身での戦闘訓練にもそれなりに参加しているのだ。

 実働班のような圧倒的な強さはなくても、UC世界の完全武装の兵士10人や20人程度なら、容易に鎮圧出来るだけの実力を持つ。

 それに比べると、長谷川は……基本的に活躍するのはネット関係だけである以上、生身での戦闘訓練なんかはしていない。

 ぶっちゃけ、生身での戦闘となればルリやラピスの方が長谷川よりも強いだろう。

 それでも長谷川にこの場を任せたのは、それだけ長谷川を信頼しているからというのが大きい。

 

「レオンも長谷川の言うことはしっかりと聞いておけよ」

 

 そう言い、部屋を出る。

 とはいえ、部屋を出ても特にやるべき事はないんだよな。

 今の状況では……そうだな、少しセイラにでも会いに行くか?

 そう思って影のゲートを使って移動したのだが……

 

「すいません、アクセル代表。アルテイシア様は現在ブッホ・ジャンクの社長と会談をしているので……」

 

 セイラに会いたいと言うと、メリルにそう言われる。

 キャメロン姉妹の妹のメリルは、基本的に色々な場所に顔を出している。

 今回は人手が足りないという事で、こちらに駆り出されているのだろう。

 終戦協定の交渉だ。こちら側に人数は幾らいても十分といったところはないといったところか。

 にしても……

 

「ブッホ・ジャンク? それって確か少し前から月と提携している企業だよな?」

「はい。後ろ盾の類もないので、下手に大手のジャンク屋と仕事をするよりも、安心して仕事をする事が出来るらしいですよ。社員の技量も高く、優良な企業だそうです」

「ふーん。……まぁ、戦後ともなればジャンク屋もかなり忙しくなるだろうしな」

 

 ソロモンやア・バオア・クー……いや、それ以外にも、宇宙の様々な場所でジオン軍と連邦軍、そしてルナ・ジオン軍は戦闘を行った。

 当然そうなればMSやMA、戦闘機、戦闘ポッド、軍艦……様々な機械が破壊されて、その部品が宇宙空間のそこら中に散らばっている事になる。

 これは、ぶっちゃけかなり危険だ。

 ネジの1本であっても、場合によっては莫大な被害を起こす事があるのだから。

 それをどうにかする為には、宇宙空間に漂ってるそれらを拾い上げる必要がある。

 ……とはいえ、MSを始めとして機体がそのまま残っているのならともかく、ネジ1本とかになると、どうしようもないというのが正直なところなのだが。

 ともあれ、そういうのをどうにかするという意味で腕のいいジャンク屋というのは、月にとっても大きな意味を持つ。

 だからこそ、どこかの紐付きではないブッホ・ジャンクという会社をセイラは優遇しているのだろう。

 

「そうですね。今後はジャンク屋の仕事が大きくなるのは間違いないかと。……それで、どうしましょう? アクセル代表が来たというのを、会談後にアルテイシア様にお知らせしますか?」

「いや、別に何か用事があって来た訳じゃないからな。ちょっと暇潰しというか、セイラの様子を見にやって来ただけだ。用事があるのなら、無理に会おうとはしないよ」

「……女王という立場がある方に、そう気安く接する事が出来るのはアクセル代表だけでしょうね。アルテイシア様もアクセル代表とのお茶会を楽しみにしていますし」

「まぁ、セイラも何だかんだとまだ10代の女だしな。そう考えれば、いつまでも女王のままでもいられないといったところか」

 

 まだ20歳にもなっていないセイラだけに、女王として……それもこのUC世界の情勢で月の女王という立場は、かなり緊張を強いられるものだろう。

 そんなセイラが素の状況に戻れるのなら、俺もお茶会に参加するのは悪い話じゃない。

 実際、セイラと一緒のお茶会はセイラをリラックスさせる云々というのを抜きにしても、俺は十分に楽しめる。

 そういう意味では、別にメリルに感謝される必要はないんだが。

 

「そう言えば……ホワイトベース隊の人達はどうなったか、ご存じですか?」

 

 ふと、メリルが話題を変えてくる。

 メリルもサイド7から月までホワイトベースに乗って移動してきたのだ。

 ……それどころか、元々はアムロを籠絡する目的でサイド7に行って貰った。

 結局それが行われる事はなかったが。

 ただ、もしメリルが色仕掛けでアムロに近付いていれば、何気に女好きのアムロの事だ。意外と簡単に引っ掛かっていた可能性は否定出来ないんだよな。

 実際、ホワイトベースで月に来るまでの短い間だったが、アムロがメリルに目を奪われているのを何度も見ていたし。

 

「いや、そう言えばア・バオア・クーで別れてからは知らないな」

 

 ア・バオア・クーでの戦いの後、何だかんだと俺も色々と忙しかった。

 そんな生活の中でホワイトベースの事を忘れても、仕方がないだろう。

 

「ただ、ホワイトベースは1年戦争で間違いなく活躍した。それを思えば、英雄扱いされてるんじゃないか?」

 

 1年戦争前は、ミノフスキー粒子の存在がなかったので、軍艦で遠距離からお互いに砲撃しあうといった戦いだった。

 そんな戦いだけに、当然のように軍人が英雄といったような感じになる事はなかった。

 だが、ミノフスキー粒子によってMSが登場すると、個人で戦闘に大きな影響を与えるようになった。……勿論、そこまで戦闘に大きな影響を与える事が出来るのは、異名持ちのようにほんの少数だが。

 ともあれ、そんな戦争になった1年戦争において、ホワイトベースが果たした役割は大きい。

 そんなホワイトベース隊だけに、連邦軍の中でも英雄という扱いになっていてもおかしくはなかった。

 

「そうですね。今は英雄として持ち上げています。ですが……英雄というのは、軍組織にとって扱いにくい」

「……だろうな」

 

 ホワイトベースの活躍が非凡なものであればある程に、それは軍上層部の者にとっては面白くない。

 ……いや、面白くないどころか自分達の地位を脅かす相手と認識されてもおかしくはなかった。

 

「とはいえ、ゴップがいる以上はそんな真似を許すとは思えないけどな」

「そうですね。今は大丈夫でしょう。ですが、この先もずっととなると……」

「無理がある、か」

「はい」

 

 俺の言葉にメリルが頷く。

 ゴップも何だかんだと年齢の問題もある。

 また、家が名家だった事もあり、連邦軍の軍人から連邦政府の政治家に転身するという可能性も高いだろう。

 また、ルナ・ジオンとしてもそっちの方が都合のいい一面があった。

 何しろ、連邦軍はあくまでも連邦政府の下部組織という扱いなのだから。

 そんな連邦政府に、ルナ・ジオンについて詳しく知っている者がいるのは、大きな目で見た時の利益としてはかなり大きいだろう。

 であれば……いや、だからこそゴップの件を後押しする事はあっても、引き留めるといった真似は出来ない。

 レビルが生きていれば、連邦軍と連邦政府のどちらにも信用出来る相手がいるといった事になったんだが。

 

「そうなると、ホワイトベース隊が将来的に暴発する可能性もあるな」

「残念ながら。……一応、何かあった時はこちらに引き抜きを行おうとは思っていますが」

「それはまた」

 

 メリルのその言葉は、強く納得出来る者だ。

 ホワイトベースに乗っていた者達は、高い技量を持つ者が多い。

 特に戦後は連邦軍との関係がギクシャクする可能性の高いルナ・ジオンとしては、戦力になる人物は多ければ多い程にいいだろう。

 

「カイはミハルと一緒に月に来てみたいとか言ってたな。誘えば、月に来るんじゃないか? ……まぁ、カイがMSパイロットをやるかどうかは微妙なところだが」

 

 カイの性格から考えて、戦後もMSパイロットをやるかと言われると微妙なところだろう。

 あ、でもミハルが月にいて、それで月が連邦軍とかに攻められるとなれば、ミハルを守る為にMSで戦いに参加したりはしそうだが。

 

「そうだといいですよね。……そう言えば、もう1つ。こちらは少し驚くべき事ですが、ハヤト君とフラウさんがくっついたそうですよ」

「……は?」

 

 一瞬、メリルが何を言ったのか分からなかった。

 だが、メリルの様子を見る限りでは嘘でも何でもなく、本気で言ってるのは明らかだ。

 

「えーと……俺が知ってる限りだと、フラウはアムロを好きだった筈だけど……」

「女心というのは、男の人には分からないのですよ」

 

 そう言い、メリルは笑みを浮かべるのだった。




アクセル・アルマー
LV:43
PP:1290
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1637

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