転生とらぶる   作:青竹(移住)

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2726話

 クレイドル条約が結ばれ、パーティを行った日から数日……俺の姿は、ホワイトスターにあった。

 あのパーティで起きた出来事が一体どういう意味があったのか。

 それは、俺にとっても理解は出来ない。

 だが、あのダンスが終わった後、何故かセイラは顔を真っ赤に染められており、あれ以来何故か話し掛けても素っ気ない感じになっていたのだが。

 何故あんな風になったのか。

 セイラとダンスをした後で、同じくニュータイプのクスコとも踊ってみたが、セイラと同じような事は起きなかった。

 クリスやモニク、シーマとも踊る事になったが、こちらはニュータイプではない以上、当然のようにセイラと同じような現象が起きるといったことはなかった。

 そんな訳で、現在の状況はセイラとはあまり会うといったことはない。

 

「アクセル? どうしたのよ?」

 

 ホワイトスターの居住区画を歩いていると、不意にそんな声が掛けられる。

 聞き覚えのある声に視線を向けると、そこにいたのは予想通り明日菜の姿。

 

「明日菜? いや、今は特に何もすることがないからな。久しぶりにホワイトスターを見て回ってたんだよ」

「随分といい身分ね」

 

 皮肉っぽく言ってくる明日菜だったが、実際俺はシャドウミラーの代表という身分である以上、いい身分なのは間違いない。

 

「そうだな。いい身分だぞ」

「あのね、開き直らないでよ」

「それ以外にどんな反応を期待したんだ? ……まぁ、それはともかく。明日菜は超包子の食材の買い出しか?」

 

 明日菜の両手には大量の食材が持たれている。

 ……普通なら、とてもではないが持つ事が出来ない量。

 それが出来るのは、明日菜が咸卦法を使えるからだろう。

 いや、そこまでいかなくても、純粋に気だけで身体強化をしているのかもしれないが。

 

「ええ、ちょっと予想していたよりもお客さんが多くて。材料はまだ余裕があるけど、出来れば今のうちに買ってきて欲しいって言われたのよ」

「何でまた? 今日は何か特別な日か? 肉まんセールとか」

「どんなのよ。いえ、うちだとやりそうだけど。……そうじゃなくて、単純に偶然そんな形になったってところかしら」

「そうか。……取りあえずその荷物を貸せ」

「え?」

 

 俺の言葉に驚く明日菜だったが、それを無視して持っている食材を奪うと空間倉庫の中に収納していく。

 そして数個を収納したところでようやく我に返ったのか、明日菜が疑問を浮かべて口を開く。

 

「別に、このくらいの荷物は持ち慣れてるわよ?」

「だろうな。けど、見ている方としては、危なっかしそうに見えたんだよ。……それに、俺も少し暇潰しに色々な店を見てみたいと思っていたしな。そのついでだついで」

「……ありがと」

 

 照れた様子で明日菜が小さく呟く。

 とはいえ、明日菜も自分の言葉が俺に届いてるとは思っていなかったようだが。

 生憎と混沌精霊たる俺の感覚は鋭い。

 まぁ、だからといってそれをわざわざ相手に言ったりといったような真似はしないが。

 

「ほら、行くぞ。五月が食材を注文したって事は、そんなに余裕はないんだろ? なら、速いところ食材を持っていった方がいい」

「え? ええ、分かってるわよ。ほら、じゃあ行きましょ」

 

 そう言い、明日菜は俺を率いるようにして進む。

 

「そう言えば、今日はこっちにいてもいいの? UC世界の方はまだ戦争が終わったばかりなんでしょ?」

 

 当然の話だが、ホワイトスターにおいてもUC世界の情報はかなり知られている。

 シャドウミラーだけではなく、他の世界からやって来ている面々も、ホワイトスターで知らされているUC世界についての情報は知っていた。

 だからこそ、明日菜がその事を言った点は特に驚くべき事ではないのだが……

 

「明日菜が、世情を理解している……だと……?」

 

 新聞やニュースの類を明日菜が見ているというのが、俺にとってはかなりの驚きだった。

 明日菜と言えば、バカレンジャーのリーダーという印象が強いのだから。

 

「あのねぇ、私だって大学を卒業したのよ? いつまで中学生のままだと思ってるのよ」

 

 そう不満そうな様子の明日菜が、不満そうな視線を向けてくる。

 そうなんだよな。中学は義務教育だから成績が悪くても問題はないが、高校になっても成績が悪ければ当然のように留年させられる。

 明日菜はそんな状況であっても、留年することなくしっかり進級し、卒業し、更には大学受験すら乗り越えたのだ。

 ……それでもどうしても明日菜の事をそんな風に扱ってしまうのは、俺が明日菜と一緒の学校生活を送っていた時の印象が強いからだろう。

 

「そうだな、悪かった。……お詫びに、あそこでちょっと……いや、向こうでアイスでも食べていかないか?」

 

 最初はクレープでもと言おうと思ったんだが、そのクレープがゴーヤクレープ専門店と書かれていたのを見て、すぐに他の店に狙いを変える。

 ゴーヤクレープを売ってるクレープ店ならともかく、ゴーヤクレープ専門店って……俺にしてみれば、ゴーヤクレープはゲテモノの類に思えるんだが、専門店を出せる程に人気があるのか?

 いやまぁ、ゴーヤが栄養的に優れているのは知っているから、健康に気を遣うような相手をターゲットにしているのかもしれないが……

 そこまで考え、ふと疑問を抱いて明日菜に話し掛ける。

 

「なぁ、明日菜。1つ聞きたいんだが……ゴーヤクレープってどう思う?」

「え? うーん、何人か好きな人は知ってるけど、私はちょっと苦手ね」

 

 明日菜のその言葉に少しだけ安堵すると同時に、好きな人がいるという事実に驚く。

 いやまぁ、こうして専門店が出ているんだから、それなりにゴーヤクレープが好きな者が多くなければ、経営は成り立たないだろうから当然なんだろうが。

 

「ええ。どうしてもゴーヤの苦いのとクレープの甘さがちょっと……」

 

 そんな明日菜の言葉に同意しながら、アイスを買いに行く。

 どこの世界から出店しているのかは知らないが……いや、マクロス世界か?

 ゼントラン盛りも出来ますという張り紙を見て、そんな風に思う。

 とはいえ、ゼントランという単語があるからとはいえ、それがマクロス世界の出身とは限らない。

 マクロス世界以外でも、ゼントラーディやメルトランディという言葉は知られている。

 何しろ、巨人なのだから他の世界でも興味を持つなという方が無理だろう。

 ……ホワイトスターに来るには、マイクローン化する必要があるのだが。

 

「うーん、私はチョコチップミントとバニラかな。アクセルはどうする?」

「俺はストロベリーとメロン、パイナップルで」

 

 そうして注文を終え、俺と明日菜はアイスを食べながら街中を歩く。

 

「うーん、超包子のお客さんからあの店のアイスは美味しいって聞いてたけど……本当に美味しいわね」

「ああ。やっぱり専門店で食べるアイスってのは一味違うな。いやまぁ、コンビニとかスーパーで売ってるアイスでも、美味いのはあるけど」

 

 ちょっと高めのアイスとか、それこそ下手をすると専門店並に美味かったりするんだよな。

 とはいえ、スーパーとかコンビニアイスは冷凍庫の性能だったりなんだったりで、状態が微妙だったりするのも多い。

 シェイク風のアイスというのを売りにしている筈が、スーパーやコンビニで買うと思いきり固まっていたり。

 

「ねぇ、アクセル。ちょっとパイナップルをちょうだい?」

「は? いやまぁ、いいけど」

 

 突然の明日菜の言葉を意外に思いつつも、コーンの上に乗っているアイスを明日菜の方に差し出す。

 それを一口食べ、美味かったのだろう。嬉しそうに笑みを浮かべ……やがて、不意に固まる。

 

「何だ? どうかしたか?」

「え? いや、その……う、ううん。何でもない。間接キスなんて、その……」

 

 言ってるうちに自覚してきたのか、明日菜の顔が急に赤くなっていく。

 間接キスくらいで、そこまで照れなくてもいいだろうに。

 もう20代の割には、そういうところが初心なんだよな。……時の指輪の受信機があるから、年齢は前とそう変わっていないが。

 ……まぁ、だからといって近衛のように不意に夜の生活についてぶっちゃけるような真似をするのもどうかと思うが。

 近衛の場合は本当に天然でやってるから、その相方の桜咲が焦ったりするんだよな。

 

「ほら、明日菜。いつまでもここでこうしている訳にもいかないだろ。そろそろ行くぞ。遅れて食材がなくなれば、間違いなく騒動になるだろうし」

 

 五月が店主を務めている超包子は、その料理の美味さと値段の安さ、量の多さからホワイトスターでもトップクラスの人気を誇る店だ。

 店主の五月に癒やされる目的の者も多いし、必ず店にいるとは限らないが、明日菜の人気も高い。

 実際、明日菜は今日もこうして超包子の店で働いてるんだし。

 そんな店だけに、食材が切れて客に不自由を掛ける……食べたい料理を食べさせる事が出来なかったり、そもそも食材が足りなくて注文すら不可能になるといったような事は五月としては絶対に避けたいだろう。

 

「ましてや、こうしてデートしていて食材が切れたとなると、五月も間違いなく怒るだろうし」

「デッ!? ……ちょっ、ちょっとアクセル。いきなり何を言ってるのよ!」

「いや、男と女が二人で遊び歩いてるんだから、一般的に見てデートだろ」

 

 それこそ、二人で映画館に行ったり遊園地に行ったりとかすれば、それこそ一昔前のラブコメ的テンプレデートになると思うんだが。

 

「……デートって……そんな急に言われても……」

「正直なところを言わせて貰うと、明日菜は何でそこまで初心なんだ? こう言ったら何だが、明日菜は男からの告白も多いだろ?」

 

 客観的に見て、明日菜は美人と呼ぶに相応しいくらいに顔立ちは整っている。

 身体もレモンやマリュー程ではないにしろ、巨乳と呼んでもいいくらいだ。

 それでいて誰とも気軽に接する事が出来る。

 これで、明日菜が男に好意を持たれない方がおかしい。

 

「な、何よ急に。……別にそんな……」

 

 先程よりも顔を赤く染めた様子の明日菜だったが、それ以上は何も言えなくなる。

 うーん……何でここまで男に対する免疫がないんだ?

 

「……馬鹿……」

 

 恥ずかしそうに、顔を赤くしつつ不満を口にする明日菜。

 そんな明日菜の態度に思うところがない訳ではない。

 とはいえ、それを言うと明日菜が照れ隠しで妙な暴走をしかねない。

 その辺の事情を考えると、やはり今はそこについて突っ込まない方がいいだろう。

 

「取りあえず、超包子に向かうか」

「……うん」

 

 明日菜はそう言い、俺達は揃って超包子に向かう。

 途中で通行人に妙な視線を向けられたりもしたが、今の状況ではそれに対するつもりもない。

 

「……ねぇ、アクセル」

「うん? どうした?」

「UC世界の件が片付いたんだし、そろそろ別の世界に行くの?」

「そうだな。UC世界は将来的に色々と未知の技術が開発されそうな世界だが、今はそこまで注視する程じゃないし」

 

 技術的な面ではそこまで気にする必要はないのだが、人材という点でUC世界はかなりの宝庫だ。

 ルナ・ジオンという国の存在も、これから大きな意味を持つだろう。

 ただ……基本的にUC世界の技術というのは、ミノフスキー粒子前提の技術なんだよな。

 そういう意味では、UC世界の技術はあくまでもUC世界限定の技術という事になる。

 勿論全天周囲モニタとかリニアシート、マグネットコーティングみたいにミノフスキー粒子とは関係のない技術も存在するのだが。

 ともあれ、次に俺が行く世界がどんな世界なのかはランダムだが、出来れば目玉になる技術の類があって欲しいと思わないでもない。

 もしくは、機動兵器的な新技術というだけではなく、魔法的な何かとか。

 

「そう。……じゃあ、次にいつアクセルが戻ってくるか分からないんだ」

「そうなるな。とはいえ、そんなに時間は掛からないと思うが」

 

 新たな世界でゲートを設置して、ホワイトスターに戻ってくる事が出来るようになるまで、具体的にどのくらいの時間が掛かるか分からない。

 また、基本的にゲートで俺が転移した世界とホワイトスターの間では、時差が生じる。

 向こうの世界の1日がこちらの世界では10日だったり、1時間だったりとするように。

 ゲートで世界間が繋がれば、その辺も特に心配しなくてもよくなるんだが。

 とはいえ、それについては後で考えておけばいいだろう。

 

「出来るだけ早く帰ってきなさいよ」

「ん? ああ。俺もそのつもりだ。やっぱり自分の帰る場所ってのは重要だしな」

「その側に……」

「ん?」

「っ!? 何でもないわよ。全く、私ったら一体何で……雰囲気に流されるとか、私らしくないのに」

「雰囲気?」

「何でもないわよ、馬鹿ぁっ!」

 

 そう叫びつつ、明日菜は俺の前から走り去る。

 ……超包子に持っていく食材は空間倉庫にある以上、結局俺もまたそっちに行く必要があるのだが。




アクセル・アルマー
LV:43
PP:1290
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1637

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