ドレイクの城に到着するが、園遊会まではまだ時間があるということで俺はショットやゼット達と話をする事にした。
そんな中でも話題になったのは、やはりサーバイン。
「ふむ、そこまで使いやすい武器になったのか」
「ああ、とはいえ恐獣にはかなりタフな個体もいるのを考えると、電撃で相手にダメージを与えるのは難しいかもしれないが」
ショットクローから電撃を流せるのは、あくまでもワイヤーに触れていればの話だ。
つまり、甲殻にワイヤーが接触していたりした場合、電撃はそう簡単に流れたりはしない。
正確には電撃が流れても相手に効果があるのかどうか分からない、といったところか、
そういう時は、甲殻の隙間とかにワイヤーを接触したり出来れば、効果的ではあるのだが。
「その辺は仕方がないだろう。……いっそ、ショットクローの先端をもっと鋭利にして、突き刺さった場所からも電撃が流れるようにするか?」
「いや、そうすると使いにくくなりそうだ」
攻撃力は上がるかもしれないが、現状のショットクローの方が使いやすいのは間違いない。
出来ればオーラバトラーは、破壊することなく確保したいところだし。
そう考えれば、やはり打突武器として使える現状の方が便利なのだ。
「アクセルがそう言うのであれば、私は構わないが……」
俺の言葉に納得しつつ、それでも若干思うところがある様子のショット。
ショットにしてみれば、自分が改修したショットクローだけにより完成度が高い状態に出来るのなら、そちらの方がいい。
そんな思いなのだろう。
その気持ちは分からないでもないが……いや、ここは話題を変えるか。
「俺はマーベルと同伴だが、お前達は1人なのか?」
ショットやゼットも多少いい服を着ているが、同伴している相手はおらず1人だ。
ゼットには言うまでもなくガラリアが、そしてショットにはミュージィという相手がいる筈なのだが、その2人の姿はどこにもない。
「ガラリアは園遊会の警備に回ってるよ。ガッターの方も見張ってないといけないし」
そう言えばバーンがドラムロに乗ってガッターと戦うって話だったな。
その辺を考えれば、ぶっちゃけ俺のイメージしている園遊会とは思い切り違うんだが。
俺がイメージしている園遊会というのは、言ってみれば外でやるパーティのようなものだ。
だが、ドレイクが催す園遊会は、ドラムロとガッターが戦うといったような闘技場的な催し物がある。
この辺、バイストン・ウェルの文化とかそういう感じなんだろうけど。
「ミュージィの方は?」
「……私はアクセルにミュージィの事を教えてはいなかったのだが?」
ショットのジト目に、ゼットはそっと視線を逸らす。
ショットにしてみれば、ミュージィの事は出来れば話したくなかったのだろう。
とはいえ、ショットの恋愛事情とかはそれなりに知られてもおかしくはないだろうけど。
何しろショットは現在ドレイクの下にいる地上人の中でもゼットと並んで最重要人物の1人だ。
純粋な技術者と違い、政治も出来るという点ではドレイクにしてみれば非常に大きな意味を持つだろう。
いやまぁ、政治も出来るという事で能力をそっちに振り向けている分、実は純粋な技術者として考えればゼットの方が上だったりするのだが。
「その辺は噂話だな。そういう光景ってのは誰が見てるのかも分からないんだから、気をつけた方がいいぞ」
「むぅ」
ショットが不満そうにしながらも、ゼットからこちらに視線を向けてくる。
取りあえずこれで多少なりとも話を逸らす事は出来ただろう。
「とにかく、ミュージィは仕事がある」
「ああ、リムルの」
リムルの家庭教師である以上、当然の話だがリムルが園遊会に出て来るとなれば、ミュージィもそれに付き合う……必要があるか?
結局のところ、ミュージィは家庭教師でしかないんだから、わざわざリムルに付き合って園遊会に出る必要があるのかというのは、微妙なところだ。
もしくは、バイストン・ウェルにおいては家庭教師というのはそういう仕事もするのかもしれないが。
「そういう事だ。残念だがな」
この言葉からすると、ショットもミュージィと一緒にこの園遊会に参加したかったんだろうな。
ゼットがガラリアと一緒にというのも同様か。
「その件はともかくとして、地上人3人はどうしてる?」
「園遊会が始まるのを待ってる筈だ。ドレイク殿から派遣されたメイド達がもてなしてるよ」
露骨だな。
もっとも、それだけドレイクが聖戦士を欲しているという事の証なのだろうが。
そう考えると、地上人の中から1人程度でいいから引き抜くといった真似は難しいか?
「ショウ達にしてみれば、我が世の春ってところか?」
まぁ、地上人3人の女関係がどんなものなのかは、俺にも分からないが。
もしかしたら、地上では実は女誑しだったとか、そういう可能性も否定は出来ない。
俺が言えた事ではないだろうけど。
「その辺は私には分からんよ。……ゼットはどうだ?」
「興味がないって訳じゃねえが、ガラリアに見つかったらどうなることやら」
はぁ、とゼットの口から大きく息が吐き出される。
ゼットの外見は身体も大きく、かなり厳つい感じがするのだが、実際にはガラリアの尻に敷かれているのだろう。
ガラリアは自分が主導権を握っていないと我慢出来ない性格だしな。
そういう意味では、ゼットはガラリアにそういう性癖を見た……といったところか?
ゼットに言えば、絶対にそれを許容したりといった真似はしないだろうが。
「なら、ちょっと地上人達の様子を見てくるか。マーベルはどうする?」
「そうね。ここにいても、園遊会が始まるまでは何もする事はないし、構わないわ」
「物好きだな」
俺とマーベルの言葉を聞いていたショットはそう呟き、隣で話を聞いていたゼットもまた、そんなショットの言葉に頷く。
ショットやゼットにしてみれば、ここで俺がわざわざそんな行動をするのが物好きという風に思えたのだろう。
別に物好きとか、そんな感じではないと思うんだけどな。
「じゃあ、そんな訳でちょっと行ってくる」
そうショットとゼットに声を掛けると、その場から立ち去る。
ちなみに、何故か……いや、当然の事なのかもしれないが、マーベルも俺と一緒に来た。
「いいのか?」
「何が? 別に私がトッド達に会いに行っても構わないでしょ?」
ここで3人の中からトッドの名前を出したのは、やはり自分もアメリカ人だからか。
禅を始めとした日本文化に興味を持っているマーベルだけに、それこそショウの名前を出してもおかしくはないと思えたが。
「別に構わないけどな。じゃあ、行くか」
そう言うと、マーベルも特に何も言わず、俺と一緒に部屋を出る。
近くにいたメイドに声を掛けると、俺達はすぐ地上人3人が待機している部屋に到着した。
部屋の前には護衛なのか、ドレイクの部下の兵士が2人待機している。
しかし、俺の姿を見ると特に止められるような事はない。
俺はドレイクの同盟相手として知られているし、マーベルは聖戦士としての実力をこれでもかと見せつけている。
そんな俺達を止めるといったような真似は、ドレイクの兵士達には出来ないのだろう。
これがバーン辺りなら、何らかの理由を作って俺達と地上人を会わせないようにするといったような真似をしてもおかしくはないのだが。
そんなことを兵士達にやれというのが無理だろう。
あるいは、ドレイクから俺達が来ても地上人達に会わせるなと、そういう命令が出ていればまた話は別だっただろうが、幸か不幸かそういう命令は出ていなかったらしい。
そうして、俺とマーベルは部屋の中に入る。
「アクセル? マーベルも。どうしたんだ?」
部屋の中に入った俺達は、当然のように中にいた3人から驚きと共に迎えられる。
見たところ、この部屋は待機室ではあっても、暇潰し用の何かがある訳でもない。
どうせなら、いっそオーラバトラーの取り扱い説明書でも用意しておけばよかったものを。
どうせこの3人は聖戦士として扱うんだから、今のうちにオーラバトラーの操縦方法について教えておいてもおかしくはない。
とはいえ、オーラバトラーは想像力があればその通りに動く一面がある。
そういう意味では、特にそれらしい説明書とかも必要ないのかもしれないが。
「お前達が暇でもしてるんじゃないかと思ってな。実際にこうして見ると、暇をしていたらしいし」
俺とマーベルに声を掛けてきたトッドにそう返す。
そして、出来ればこっちに引き込みたいという思いを抱き、空間倉庫の中から携帯ゲーム機を取り出す。
「暇潰しには、こういうのがいいだろ」
「……何だ、これ?」
トッドがそう呟き、それだけではなくショウやトカマクまでもが俺が空間倉庫から取り出したゲーム機を見て、不思議そうにする。
あれ? 何でこれがゲーム機だと分からない?
一瞬そう思ったが、すぐに理解する。
世界によって微妙に異なったりする、基本的に小型の……それこそ俺が認識しているような持ち運び出来るようなゲーム機が発売されたのは、1980年代の後半だ。
そういう意味で、現在の地上界は1980年代であっても後半ではない以上、まだ小型のゲーム機がないのだろう。
いやまぁ、1980年代ってのはあくまでも俺の認識での話だから、もしかしたらもっと前に携帯ゲーム機が発売していた可能性もあるのだが。
ともあれ、それでも最初に発売されたゲームというのは基本的にモノクロのゲームの筈で、俺が持っているようなカラーの携帯ゲーム機なんてのは、一体いつ発売される事やら。
ともあれ、俺が何気なく使っているこのゲーム機は、トッド達にとって全く未知の存在という事で……
「トッド、そこだそこ! あ、後ろから来てるぞ!」
「違う、横だ。横からもモンスターが来てる!」
「うるさい、少し集中させろ!」
気が付けば、地上人3人はゲームに夢中になっていた。
ちなみにトッドやトカマクが日本語を読めるのかどうかは微妙なところなので、やってるゲームはADVやRPG、SLGといったようなものではなく、単純明快なアクションだ。
言葉とかが分からなくても、この手のゲームは遊べるからいいよな。
ちなみにゲームでは、トッドが何気に一番上手い。
次いでショウで、一番下手なのはトカマクだ。
だからこそ、現在はこうしてトッドがゲームをしてるのだろう。
「言っておくけど、そのゲームは充電が必要だぞ。今はいいけど、遊びすぎるとバッテリー切れになって遊べなくなる。その辺は気をつけろよ」
「嘘だろ!? 俺、まだ殆ど遊んでないぞ!?」
トカマクの叫びが部屋の中に響く。
どうやら、今の状況は色々と不味かったらしい。
ただし、そんな風に言われても俺がどうこうするような真似は出来ないのだが。
「しょうがないだろ。このバイストン・ウェルに充電器用のコンセントとかないんだから。……どうしても遊びたいなら、これを使って頑張って充電するしかないな」
そう言い、手巻き式の充電器を取り出す。
「これは?」
ショウが訝しげに尋ねてくる。
日本なら充電器とは言わないが、手回し式の懐中電灯くらいあってもおかしくはないのだが。
何だかんだと、日本は地震大国だ。
それ以外にも様々な自然災害によって、大きな被害を受けてきた。
俺が知ってる限りでは、日本の家とかは海外とかではとてもではないが信じられないくらいに高い技術力を持っているらしい。
海外によっては、震度4とか5の地震が起きただけで、大量の家が纏まって崩壊したりするらしいし。
ともあれ、そんな自然災害があるだけに、日本は昔から多くの災害グッズとでも呼ぶべき物を発明してきた。
分かりやすいのでいえば、ラジオと懐中電灯が一緒になってるのとか。
それだけに、手回し充電器とかそういうのがあってもショウはそこまで疑問に思ったりしないと思うんだが。
「手回し充電器だ。これをケーブルでゲーム機と繋いで、このハンドルを回せば充電出来る。当然大変だけどな」
充電器とゲーム機を繋ぐケーブルを取り出し、ショウにそう告げる。
「これが……」
「もっとも、ドレイクの部下になるんなら、ゲームは出来ないなー。俺の空間倉庫に入っている料理も食べる事が出来ないなー。残念だなー」
ピキリ、と。
俺の言葉を聞いていた3人全員が、一瞬で固まる。
ちなみに、当然の話だがゲームをしている途中で止まってしまえば、トッドが操っていたキャラクターもそのままという訳にはいかず、すぐに死んでしまう。
「あ」
トッドの口から出る声。
そしてトッドの声で、聞いていた者達は全員が我に返る。
「おい、アクセル。それってどういう事だよ!」
真っ先にそう言ってきたのがトッドだったのは、やはりトッドが一番ゲームが上手かったからだろう。
それだけに、俺の言葉に不満を持ったのだろうが……
「当然だろ? 俺はドレイクに協力して同盟を結んではいるが、あくまでも同等の関係だ。それを考えれば、俺の仲間でもない相手にゲーム機とか、それ以外にも色々なのをそう簡単に貸す訳にはいかないだろ」
「それは……」
軍人だからこそ、トッドは俺の言葉を理解したのだろう。
トカマクも元軍人だけにその辺は理解したようだったが、軍人でも何でもないショウは完全には俺の言葉を理解出来なかったようだった。
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1410
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1650