転生とらぶる   作:青竹(移住)

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2868話

 ドレイクが、いよいよミの国に侵攻することを決めた。

 名目上としては、ミの国の反乱軍からの要請と、以前ドレイクに攻撃をしてきた件で何らかの釈明をしたりしていないから……という理由らしい。

 とはいえ、ドレイクが嬉々としてミの国の内乱に介入を決めたという訳ではない。

 ドレイクとしては、本来ならもう少しアの国で完全に地固めをしたかったらしい。

 ドレイクがアの国の国王となり、友好的な関係にあるクの国、恐獣の素材を取引しているリの国とはすぐに国交を開始したのだが、ケムとハワの国とは若干揉めているらしいし。

 ケムとハワの国とは、ドレイクも以前から取引を行ってはいた。

 だが、ケムもハワもオーラバトラーの採用については消極的で、少数の機体を購入するくらいだったらしい。

 ガロウ・ランに対処する為、ドロはそれなりに購入したらしいが。

 そんな訳で、そちらとの交渉でドレイクはそれなりに時間を使っている。

 それに比べると、一番の友好国のクの国はドレイクが国王になると真っ先に特使を送り込んできて、友好的な関係を築いた。

 ちなみにその際に来たのは、当然ながら特使である以上国王のビショットではなかった。

 いやまぁ、ビショットは国王だから当然かもしれないが。

 ちなみにその特使はもうクの国に帰ったのだが、その際にビランビーを数機購入していったらしい。

 オーラバトラーの開発に熱を入れてるクの国としては、やはりアの国の最新型オーラバトラーは気になるのだろう。

 ただ、クの国で開発されたアルダムというオーラバトラーも、高機動型という点でかなり高い性能だし、バランスのいい機体だ。

 ぶっちゃけ、ビランビーとアルダムではアルダムの方が使いやすいような気もする。

 まぁ、クの国としても、ビランビーはあくまでも参考にするという意味で買っていったのだろうが。

 ともあれ、そんな訳でドレイクとしては諸々とやるべき事がまだ多く、出来ればミの国に介入するのはもう少し後になる予定だったのだが……ミの国の現状が、予想以上に酷いんだよな。

 このまま下手に時間を置くと、ミの国を占領した後でも使い物にならなくなると判断し、渋々とではあるが介入を決めたのだろう。

 

「それで、私達はどう動くの?」

 

 ドレイクがミの国の内乱に参加すると宣言した後、俺とマーベルはドレイク城にある部屋で、そんな会話をする。

 ラース・ワウに屋敷を貰ってはいるが、現在のドレイクの本拠地はラース・ワウではなく、かつてはエルフ城と呼ばれていたドレイク城だ。

 それだけに、何かあった時の為にと俺とマーベルはそれぞれドレイク城に部屋を与えられていた。

 ドレイクにしてみれば、エルフ城は広いのだから俺とマーベルに専用の部屋を与えるくらいはどうという事もないのだろう。

 普通なら自分の本拠地の内側に、同盟相手ではあっても別の勢力の相手を引き入れるというのはどうかと思わないでもないのだが、俺の場合は影のゲートと気配遮断があれば警戒していても意味はない。

 ドレイクもそれを理解しているからこそ、無意味に俺を警戒するような真似をしていないのだろう。

 どうせ警戒しても、俺がその気になれば意味はないと、そう理解しているのだ。

 だからこそ、俺を警戒していないと露骨に示すことにより、敵意を持っていないと示すといったところか。

 ……これはあくまでも俺の考えすぎで、実は単純にこっちを全面的に信頼しているだけといった可能性も、あるにはあるのだが。

 いや、ドレイクの性格を考えれば、それはないか。

 

「どう動くと言われてもな。今回の件は俺達が動かないって訳にもいかないだろ?」

 

 いやまぁ、ドレイクに依頼されていないんだから、動かなくてもいいのならそれはそれでいいんだが。

 ただ、ミの国の反乱軍と交渉してきたのは、結局のところ俺だしな。

 もしこの状況でドレイクの部下の誰かがミの国の反乱軍に接触しようとしても、最初は騒動になってもおかしくはない。

 反乱なんて事をやっている以上、向こうの連中は当然ながらピネガン率いる正規軍を警戒しているだろう。

 であれば、本当にドレイクの部下である人物……それこそバーン辺りが接触しようとしても、向こうは間違いなく警戒するだろう。

 警戒するだけならいいが、もしかしたら攻撃をするといった可能性も否定は出来ない。

 バーンの性格を考えれば、向こうが攻撃をしてきたら即座に反撃するのは間違いない。

 そうなると、間違いなく面倒な事になる。

 それこそ、反乱軍、正規軍、フラオン軍といった三つ巴の戦いの中に、ドレイク軍が加わって四つ巴の戦いになるといったような可能性もあるだろう。

 だからこそ、今回の一件においては向こうが顔を知っている俺やマーベルが直接出向くのが最善なのだ。

 ヨルムンガンドの件もあるし、このくらいの行動は別に構わないだろう。

 というか、ミの国をアの国の内乱に関わらせないようにするって話だったが、その仕事は予想外に……予想以上にという表現の方がいいか? ともかく、そんな感じで楽に終わったしな。

 俺とマーベルでミの国のダーナ・オシーを倒したり、機械の館を襲ったり、奪ったりはした。

 だが、それ以上に混乱をもたらしたのは、何だかんだとフラオンの存在だったり、反乱軍の行動だったりする。

 そして反乱軍はともかく、フラオンはドレイクが1日でエルフ城を落とした――正確には降伏させた――おかげだろう。

 つまり、今回の一件では何だかんだと俺が活動した事はあまりないって事である以上、ミの国に行っても問題はないという事だ。

 

「ふーん。なら、ドレイクと打ち合わせをしておく必要があるんじゃない?」

「ああ。問題なのは、一体誰を連れて行くのかって事だが」

 

 反乱軍と接触してこれからその反乱軍と連携して行動する必要がある以上、出来れば波風を立てないような人物を連れていきたい。

 人物の格として考えれば、バーンなんだろう。

 だが、バーンの性格を考えると反乱軍と上手くやっていけるとは思えないんだよな。

 だとすれば……人がいないな。

 怪我をしてなければ、いっそガラリアを連れていくというのでもよかったのだが。

 ただ、ガラリアもガラリアで性格に若干の問題があるのは間違いない。

 手柄を求めるあまり、先走るという性格は多少はマシになったが、それでも完全にどうにかなった訳ではないし。

 

「誰を、ね。……いっそ、トッド辺りを連れていけばいいんじゃない?」

「トッドを?」

 

 本気か? と思ったが、考えてみればそんなに悪くない選択肢ではあるのか?

 現在のトッドは、ドレイクの部下の聖戦士筆頭といったような位置にいる。

 いやまぁ、明確に地位がある訳ではない以上、そういう感じであるというだけだが。

 実際、トッドは地上人の中では最強だ。

 例外としては、ギブン家に亡命したショウだったり、始まりの聖戦士と呼ばれているマーベルがいるが……少なくても、ドレイクの部下の聖戦士で最強なのは間違いない。

 そう言えば、ショウがガラリアと地上に出たという事は、やっぱりショウがこの世界の主人公なんだろうな。

 だとすれば、俺が介入したせいで原作の流れは大きく変わってしまったといった感じか?

 もしくは、原作でもショウはギブン家に協力していたのか。

 その辺の事情は、俺にもちょっと分からない。

 原作知識があれば、ショウの件とかも分かったんだろうけど。

 ショウがギブン家に向かって脱走しなければ、どうなっていたのか。

 ギブン家はショウがいなければ、ここまで対抗する事は出来なかっただろう。

 ……まぁ、ダンバインを開発した腕利きの技術者を引き抜いている以上、ショウがいなくてもダーナ・オシーの開発は成功していたから、行動していたのは間違いない。

 ともあれ、トッドをこの件に連れていけば大きな実力を発揮して、名実ともにトッドがドレイクの配下にいる聖戦士代表といったようなことになる筈だ。

 そういう意味では、考えてもいいかもしれないな。

 バイストン・ウェルの風習とかそういうのに詳しくない件に関しては、それこそドレイクが補佐役をつければ、それでいいだろうし。

 トカマクは……うん、まぁ、ジェリルと一緒に行動していて、それで幸せそうなので放っておいてもいいのだろう。

 ジェリルはスキンシップを頻繁に行う。

 そういう意味で、トカマクにしてみればジェリルと一緒に行動するというのは悪い話ではないのだろう。

 

「そうだな。トッドを推薦するのもいいかもしれないな。ミの国で活動するとなれば、ピネガンの正規軍とフラオンのゼラーナ隊、どっちも厄介な相手になるだろうし」

 

 特に問題なのは、ショウだろう。

 反乱軍の面々は当然だが、正規軍でもショウのダンバインと戦って勝てるとは思えない。

 つまり、内乱をどうにかする為にはどうしてもゼラーナ隊のショウをどうにかする必要があった。

 そして現在のドレイクの部下でショウとまともにやり合える者はとなると、それはやはりトッドだろう。

 ただ、問題なのはトッドだけでショウに勝てるかどうか。

 双方と戦った経験がある俺としては、多分トッドだけではショウに勝てないと思う。

 ショウとの戦いにおいて、もし本当に勝つとしたらマーベルもいるだろう。

 マーベルとトッドの2人でなら、ショウを相手にしても勝てると思う。

 あるいは、いっそ俺がサーバインで出るか。

 俺が1対1でショウのダンバインに勝つ事が出来るというのは、以前にショウのダンバインを生け捕りにして証明している。

 勿論、その戦いの後でショウが実力を上げたという可能性もあるので、決して楽観視は出来ないのだろうが。

 それに、ショウがガラリアと共に地上に出たのが、一体どういう影響を与えるのかというのも、この場合は大きな意味を持つ。

 地上に出たのが影響し、それによって何らかのパワーアップをしているといった可能性も十分にあるのだから。

 何より、ショウはこの世界の主人公と思しき存在だ。

 ピンチがチャンスというのは、それなりに言われたりするが、ショウの場合はピンチになったら何らかの力が覚醒して……といったような事になってもおかしくはなかった。

 こういうのって、主人公だけの特権だよな。

 まぁ、だからといって本当にそんな風になるとは限らないんだが。

 現在の状況を考えると、そうならない可能性の方が高いと思う。

 あくまでも予想であって、確実にそうなるとは限らなかったが。

 

「ともあれ、俺は一旦トッドの件をドレイクに聞いてみる」

「最初にトッドから意見を聞いてからの方がいいと思うけど……まぁ、アクセルがそういうのなら、それで構わないと思うわ」

 

 マーベルはどうやら俺と一緒に来る気はないらしい。

 別にマーベルが絶対に一緒に来ないといけないという訳でもない以上、それは仕方のない事なのかもしれないが。

 そうして俺はマーベルをその場に残し、ドレイクが使っている執務室に向かう。

 謁見の間は、あくまでも誰か他の相手と会う為に必要な場所であって、ドレイクも普通に仕事をする時は専用の執務室を使っている。

 その執務室の前には当然のように護衛の兵士……いや、騎士がいたが、俺がドレイクに面会したいと言えば、それはすぐに叶えられた。

 どうやら、ドレイクから俺が来たら通すように言われていたらしい。

 この辺の気遣いはさすがと言うべきか。

 そんな訳で、騎士がドレイクに声を掛けた後、俺は特に問題なくドレイクの執務室に入る。

 

「アクセル王か? どうした?」

 

 読んでいた書類を机に置き、そう尋ねてくるドレイク。

 国王だけあって、仕事は多いのだろう。

 ……フラオンの場合は、一体どうしてたんだろうな。

 いや、フラオンがやる筈がない以上、仕事をしていたのは部下か。

 あるいは、唯一フラオンと行動を共にした宰相がどうにかしていたのかもしれないな。

 

「ミの国の反乱軍に接触して、一緒に行動する奴だけど、トッドはどうかと思ってな」

「トッド・ギネスか? ……何故だ?」

 

 自分でも大体予想は出来ているだろうに、そう尋ねてくるドレイク。

 そんなドレイクに、俺は理由を説明していく。

 バーンがこういう任務に向かないというのは、ドレイクも理解しているのか、特に表情を動かしたりといったような真似はしなかった。

 ここがドレイクの執務室で、バーンがいなかったからこそ、静かに説明も出来たのだろう。

 もしここにバーンがいれば、間違いなく俺の言葉に不満を口にしていた筈だ。

 それに、最初に反乱軍と顔合わせをする時は、俺と一緒に行く必要がある。

 そういう意味では、俺を警戒……いや、敵視しているバーンと一緒に行動するのは、あまり面白くはなかった。

 本人は隠そうとしているようだったが、それでもバーンの俺に対する不審……いや、敵意か? ともあれ、バーンが俺と友好的に接しようとしていないのは、見れば明らかだったのだから。

 

「ふむ、なるほど」

 

 ドレイクは俺の説明を聞いて、少し考え……やがて口を開く。

 

「分かった。トッド・ギネスの件、検討してみよう。他に適切な相手がいなかった事も事実だしな」

 

 そう、告げるのだった。




アクセル・アルマー
LV:43
PP:1550
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1678

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