転生とらぶる   作:青竹(移住)

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2895話

 ミの国の件が終わり、一度アの国に戻ってきてから数日。

 その間は、特に何もなく平和な時間をすごしていた。

 ちなみにミの国をトッドの領地として与えるというのは、本決まりになったらしいのだが、その辺についてはまだ公式に発表はされていない。

 今度の戦勝パーティにおいて、大々的に発表されるらしい。

 それこそ、アレン達もまだトッドの一件については知らされていない。

 それでも最近のトッドはドレイクに呼ばれる事が多く、ミの国に本格的に派遣される人員と色々と話したりしているのだが。

 ちなみに現在ミの国の政治を行っているのは、バーンだったりする。

 色々と問題を起こして更迭されたのに、ミの国の領主代理……いわゆる代官? と思わないでもなかったが、今回の一件に関してはあくまでもドレイクの代理であって、臨時の職ということになってるらしい。

 そう考えれば、その一件は分からないでもないのか?

 バーンにしてみれば、現在の状況からこれ以上失敗は出来ないと判断して、必死にミの国を治める事になるだろうし。

 そんな訳で、現在のアの国は不思議と平和な時間の中にあった。

 そうしている今も、ラウの国ではフラオンやピネガンが色々と動いていて、ラウの国に不穏の種を植え付けているのだろうが。

 あくまでも、フラオンやピネガンがラウの国に行ってればだが。

 ただ、ピネガンの乗るナムワンがラウの国に入ったという事は、既に情報として入っているので、そちらは問題ない。

 ……フラオンがどうしているのかは分からず、現在ドレイクが配下のガロウ・ランに調べさせているらしいが。

 

 

「アクセル、少しいいか? ちょっと見て貰いたいものがあるんだが」

 

 そう言ってきたのは、ショット。

 

「ショット? 俺に見て貰いたいってのは、何だ?」

「実は、新型のオーラバトラーが完成した。それを見て欲しい」

「……本当か? この短時間で、もう新型機が?」

 

 以前ビランビーを開発してから、まだそんなに時間は経っていない。

 ショットの開発能力はどうなってるんだ?

 いやまぁ、ゼットがバストールを開発した時の事を思えば、オーラバトラーというのは元々が新型機を開発しやすい兵器という可能性もあるが。

 

「ああ。とはいえ……正直なところ、今回アクセルに見て貰うのは若干バランスが悪い機体だがな」

「バランスの悪い? まぁ、取りあえず今のところやることはないから、それくらいは別にいいけど」

 

 そう言い、俺はショットと一緒に移動する。

 

「ショットが新型のオーラバトラーを開発したとなると、ゼットも同じく新型のオーラバトラーを開発したのか?」

「いや、ゼットはちょっと新しい事に挑戦していてな。そっちで結構苦戦しているらしい」

「新しい事、ね」

 

 それはそこまで珍しい事ではない。

 というか、技術者にしてみれば新しい事に挑戦するからこそ、新型機が開発されるのだから。

 そうでなければ、それこそ現状で生産されているオーラバトラーの新型を、わざわざ開発する必要はない。

 実際にショットが今回開発したオーラバトラーも、色々と試してみたいことがあり、それによってバランスの悪い機体として完成したのだろう。

 それでも、当然ながらバランスの悪すぎる機体というのは、使い物にはならない。

 いや、正確には使いこなせる奴が少ないというのが正しい。

 例えば、ゼットの開発したバストール。

 あれもまた、機動性に特化している為に機体構造がかなり華奢で、ドラムロやビランビーと比べると、防御力で劣る。

 だからこそ、ガラリアを始めとした腕の立つパイロット……それこそ、敵の攻撃を防ぐのではなく回避するといったことが出来るような者でなければ、バストールを使いこなす事は難しい。

 

「バランスが悪いって言ってたな。具体的にはどんな感じにバランスが悪いんだ?」

「見て貰えば分かると思うが……そうだな、まずは説明をしておこう。今回私が開発したオーラバトラーは、レプラカーンという。単純に言えば、ビランビーをベースに武装を強化したものだ」

「ビランビーをベースにか」

 

 それはつまり、このレプラカーンは現在開発されたオーラバトラーの中でも正統進化形と言ってもいいのかもしれないな。

 ゲドをベースにダンバインが開発され、そのダンバインをバイストン・ウェルの人間でも操縦出来るようにという事で、ビランビーが開発された。

 そのビランビーの武装を強化して開発したのが、ショットが今回開発したレプラカーン。

 とはいえ、ショット曰くバランスが悪いって話だったが。

 

「ああ。ビランビーも高機動型として考えれば性能は悪くないが、もっと遠距離系の武装を充実させようと思ったのだ」

 

 ショットのその言葉は、納得出来るものであると同時に驚きでもある。

 基本的に、オーラバトラーというのは近接戦闘を重視して作られている。

 オーラショットやフレイボムのような遠距離攻撃もあるが、それでもやはり近接戦闘の方が重視されている。

 この辺は、バイストン・ウェルがファンタジー世界で騎士とかが普通に存在しているから、というのが大きな理由なのかもしれないが。

 とはいえ、その場合はドロとか遠距離攻撃用の武器しかないオーラマシンもあるので、確実とは言えないが。

 ともあれ、オーラソードやショットクローのような近距離での戦いが重視されているのは間違いない。

 いや、ショットクローはその長さを考えれば中距離用武装とも呼べるか?

 まぁ、近接戦闘を好むとはいえ、ドラムロのようにフレイボムを大々的に使っていたりもするので、必ずしもそうだとは思えないが。

 

「聖戦士……特にトカマクなんかには、そのレプラカーンってのはいいのかもしれないな」

 

 聖戦士という事で高いオーラ力を持つトカマクだが、近接戦闘のセンスという一点においては無能……とまではいかないまでも、凡庸と呼ぶに相応しい存在だ。

 本人もそれを分かっているので、現在は基本的に後方からの援護射撃を中心に戦っている。

 それだけに、ショットが開発したレプラカーンというオーラバトラーは、そんなトカマクには最善の選択肢と言っても間違いではない。

 

「ああ、その辺を意識していないと言えば嘘になるな。だが……武器を多数載せすぎた為に、装甲は薄く、オーラマルスも他のオーラバトラーに比べれば簡素なものとなっており、総合的に見ると非常にバランスの悪い機体となってしまった」

「それは、また……」

 

 バランスの悪い機体というのは、言ってみれば特定の能力に特化した機体と言ってもいい。

 そういう意味では、バストールもまたバランスの悪い機体ではあるんだよな。

 

「詳しくは、直接見てからアドバイスが欲しい。……こっちだ」

 

 機械の館に到着すると、ショットに案内されて機械の館の中でもかなり奥の部分に向かう。

 現在開発中の新型機という事で、情報漏洩の可能性を少しでも低くしているのだろう。

 そうして到着した場所にあったのは……

 

「へぇ、これが……なかなかいい外見をしてるな」

 

 大きさとしては、ビランビーより若干小さいといったところか。

 とはいえ、ビランビーはオーラバトラーの中でもかなり巨大な方だ。

 そんなビランビーよりも少し小さいとなると、レプラカーンもまた、かなりの大きさを持つという事になる。

 次に目が行くのは、額……というか、鼻か? ともあれ、顔から生えている角だろう。

 一体何の意味があってそんな角を使ってるのかは分からないが。

 いざって時の奥の手か?

 レプラカーンの身体は、結構マッシブな感じがする。

 ただし、さっきのショットの説明から考えると、装甲を犠牲にして火器を増やしているという話だったから、装甲そのものは薄いと見るべきか。

 何よりも俺にとって印象的だったのは、レプラカーンが俺のパーソナルカラーでもある赤系の機体だった事か。

 とはいえ、ショットも別に俺が乗る事をイメージしてレプラカーンを開発した訳ではないと思うが。

 そもそもの話、俺がオーラバトラーに乗るには普通のオーラコンバータでは無理だしな。

 

「武器としては、右手前腕部にフレイボム、左手前腕部にアクセルの意見を聞いて開発した、複合兵装の盾。尚、この盾にはオーラショットとショットクローを一門ずつ装備し、同時にオーラソードの鞘の役割も果たしている」

 

 その説明に、レプラカーンの左手の盾を見る。

 盾の複合武装と言われて思い浮かべるのは、SEED世界で俺が乗っていたブリッツの使っていた物だろう。

 使いこなすには技術が必要だったが、それでもブリッツの武器の大半がその盾……トリケロスに集中していた事もあり、使いこなすしかなかったというのが、正直なところだ。

 とはいえ、問題点がなかった訳ではない。

 基本的にSEED世界のMSというのは、UC世界のMSと違ってビームサーベルを使っての斬り合いが出来ない。

 その為、敵がビームサーベルで攻撃をしてきた場合は、回避するか盾で防ぐしかないのだが……ブリッツガンダムの持っているビームサーベルはトリケロスに固定されている為、敵のビームサーベルによる攻撃は防ぐとビームサーベルで攻撃出来ないという欠点があった。

 この辺は、マリュー達もまだMSについては手探り状態に近かったから、というのもあるのだろうが。

 ショットにも以前何かの拍子にその辺の話をした事があったか?

 まぁ、トリケロスと違って武器は内蔵されているものの、近接武装のオーラソードに関しては、盾と一体化していない辺り、便利なのは間違いない。

 

「この盾、後で俺にもくれ。サーバインで使うには便利そうだ」

 

 シールドである以上、最悪弾切れになったら捨てるといったような真似も出来る。

 そういう意味では、使いやすい武装なんだよな。

 オーラバトラーが科学技術で開発された人型機動兵器と比べて大きな利点の1つが、イメージで動かす要素が多い為に、FCSとかそういうのは気にしなくてもいいんだよな。

 PTだろうが何だろうが、このFCSってのは何気に結構重要な代物だ。

 例えば戦場に落ちている武器を拾ったとしても、それが味方の武器なら問題なく使えるだろうが、敵の武器の場合はFCSの設定によっては使えない可能性がある。

 あるいは使えても、機体側での補助が出来ずに命中率がかなり下がるとか。

 場合によっては、機密保護装置の類が発動して武器が爆発する……といった可能性も否定は出来ない。

 だが、オーラバトラーの場合はイメージで操縦する要素が大きい分、戦場で敵から奪った武器でも普通に使える。

 ……いや、最後の機密装置云々といったような場合は、オーラバトラーでもどうしようもなかったりするが。

 

「ふむ……だが、この盾の形を見て貰えば分かるが、前腕部を完全に隠すような形だぞ? もしこれを装備すれば、サーバインのオーラショットやワイヤークローが使えなくなるだろう。それでもいいのか?」

「ああ、構わない。ただ、オーラソードはなしにして、その分軽量化してくれ」

 

 サーバインはオーラコンバータ……というか、そこから伸びている羽根か。その羽根の右側部分に、オーラソード用の鞘を持っている。

 そこに鞘がある以上、わざわざ盾にオーラソードを収納する必要はない。

 勿論、何かあった時の為に予備としてオーラソードを持っておくというのは、ありかもしれないが。

 

「ふむ。……そうだな。分かった。レプラカーンが装備している盾は、アクセルのアイディアから生まれた物だ。そうである以上、この盾を改良して渡すくらいはやってもいい。それで、改良案としては何かあるか?」

「オーラソードのある場所には、フレイボムかオーラショットの増設を頼む。それと、盾の先端でも敵を殴ったり出来るようにしてくれると助かるな」

「分かった。では出来たら連絡する。それで、レプラカーンの説明に戻るが……」

 

 そう言い、ショットは説明をはじめる。

 まず、股間部にボールマウント式のオーラキャノンが1門。

 オーラコンバータの連結部分にオーラバルカン2門。

 両足首の装甲内に、有線ミサイル式手榴弾が1門ずつ。

 頭部にオーラバルカンが2門。

 口から生えている牙も、武器として使用可能。

 ……そうした説明を聞き、俺の口から出た言葉は一言だけ。

 

「幾ら何でもやりすぎだろ」

 

 というものだった。

 装甲を削ったり、オーラマルスを簡略化したものにしたというのは、聞いていた。

 最初にレプラカーンを見た時はちょっと分からなかったが、こうして改めて聞くと……うん。やりすぎだろうという表現しか出て来ない。

 

「むぅ……やはりアクセルもそう思うか」

 

 ショットも、自分で開発しておきながらやりすぎたとは思っていたのか、そんな風に言ってくる。

 

「ああ。……で、このオーラバトラーの意見を聞きたいって事だったけど、それはさっきの一言ですむな」

「もしアクセルがレプラカーンを改修するのなら、どうする?」

「どうするって言われてもな。取りあえず武器を減らして機動性を上げるな。……とはいえ、このレプラカーンはレプラカーンで、トカマクのようなパイロットには使い道があるのも事実だ。そう思えば、結構悪くはないのかもしれないけど」

 

 そんな俺の言葉に、ショットは微妙な表情を浮かべるのだった。




アクセル・アルマー
LV:43
PP:1560
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1680

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