またまたロニー目線。
そのうち、ハリー目線の回も出てくると思います......。
(その予定!)
次の日、耳元で大きな声が聞こえた。
「ロニー‼いい加減に起きてよ!」
目をぱちりと開けると、目にはぼろぼろの天井が映った。
ああ、やっぱりいつも通り…。ハリーの叫び声で目を覚まして、物置の天井を見る…。
待てよ?確か、私たちは二階に“お引越し”したはず…。
じゃあ、現実?
「ロニーもそろそろ起きんと。今日は忙しいぞ。ダイアゴン横丁で、本やらなんやら買わんといかんしな。」
ハグリッドがロニーがくるまっていたオーバーコートを羽織って言った。現実だ...。
ロニーは、大きくあくびをして髪を撫でつけた。耳の後ろでそろえたショートカットの髪はこういう時本当に便利だ。時間がない朝も、30秒あれば用意ができる。もっとも、他の女の子はいくら髪が短くたって、朝の用意を三十秒で済ませることはないだろう。
外に出て見ると、小屋の前には小舟が一艘つけてあった。なんだか魔法の絨毯とかを想像していたので、拍子抜けした。ハグリッドが乗り込むと、小舟は大きく傾いたが、それでも何とか浮かんだ。
「たく、魔法省がまたしくじった。大体今度の大臣は…あそこまでドジな奴も珍しいってもんだ。」
船で岸に向かって移動しながらハグリッドは新聞を読んでいた。新聞の写真は勝手に動いていた。船は漕ぎもしないのにすいすいと進んでいる。
ロニーの頭には質問がざっと100は思い浮かんだ。
「これ、全部ロンドンで買えるの?」
何から聞こうかと迷ったあげく、ロニーがあの、黄色い封筒の中に入っていた一枚の紙を見て言った
一年生は次の物が必要です
制服
普段着のローブ三着(黒)
普段着の三角帽(黒)一個 昼用
安全手袋(ドラゴンの革またはそれに類するもの)一組
冬用マント一着(黒、銀ボタン)
衣類には名前をつけておくこと
教科書
全生徒は次の教科書を各一冊準備すること
「基本呪文集(一学年用)」 ミランダ・ゴスホーク著
「魔法史」 バチルダ・バグショット著
「魔法論」 アドルバード・ワフリング著
「変身術入門」 エメリック・スィッチ著
「薬草ときのこ千種」 フィリダ・スポア著
「魔法薬調合法」 アージニウス・ジガー著
「幻の動物とその生息地」 ニュート・スキャマンダー著
「闇の力―護身術入門」 クエンティン・トリンブル著
その他学用品
杖(一)
大鍋(錫製、標準、2型)
ガラス製またはクリスタル製の薬瓶(一組)
望遠鏡(一)
真鍮製はかり(一組)
ふくろう、または猫、またはヒキガエルを持ってきてもよい
一年生は個人用箒の持参は許されないことを、保護者はご確認ください
ローブやマント、大鍋はいいとして、こんな魔法に関する本が一体、ロンドンのどこに売っているのだろう。
「どこで買うのかを知っていればな。」
ハグリッドはそう言ってにやりと笑った。
どこで買うのか…。それは、ロンドン市街の地下鉄に乗って(ハグリッドは他の人たちにじろじろと見られた)にぎやかな通りにある、一軒の古ぼけたパブに入ると分かった。
“漏れ鍋”
中には奇妙奇天烈にマグルの服をコーディネートした魔法使い、それに鮮やかな緑のマントを着た魔女、頭の2倍はありそうなターバンを巻いた若い魔法使い…いろいろな人がいた。
「やあ、トム、ちょいとホグワーツの任務でな。」
ハグリッドはそう言って、口の形だけで、
『ポッター』
と言った。
「これはこれは!!ハリーポッター!」
漏れ鍋の店主、トムは目を真ん丸にして、叫んだ。とたんに店中の目と言う目がハリーを見た。
「ポッターさん、お会いできて光栄です。」
「ドリスと申します。握手をしても?」
「ポ、ポッター君、クィレルです。ホ、ホグワーツで、闇の魔術に対する防衛術を、お、教えている。も、もっとも君には必要ないかもし、知れないが。」
ほとんどの魔女や魔法使いがハリーを人目見ようと首を伸ばしたし(ロニーは、ペチュニアおばさんなら伸ばさなくても見えただろうなと思った)そのうち半分が握手を求めた。
ハグリッド巨体が難なく人のを掻き分けていった。ロニーもハリーも楽々と歩けたがなんとなく縮こまって歩いた。ハリーは本当に、『有名』だ。
店の反対側にある裏庭に出ると、レンガの壁があるだけだった。これから、何が起こるのだろう?ロニーはワクワクとハグリッドがレンガの壁をピンクのかさでコツコツと叩くのを見ていた。
ぎゅいーん、不自然にレンガの壁が歪んでアーチのようになった。驚いて見張った目に映ったのは......
「ダイアゴン横丁だ!」
ハグリッドが得意気に言った。
ダイアゴン横丁の広い通りが色とりどりのローブを着た魔女や魔法使いで埋め尽くされている。
「ワオ......」
別世界みたいだ......。ロニーは思った。
「まずは銀行にいかんとにゃ。グリンゴッツだ。」
ハグリッドが言った。魔法界には銀行まであるのだろうか。ロニーは興奮しつつ舌を巻いた。
「あれだ」
ハグリッドがひときわ目を惹く大きな建物を指差した。大理石か何かで出来ている、豪華絢爛という言葉が似合う建物だ。
なかでは奇妙な生き物がむずかしい顔をして働いていた。
「あれは何?」
ロニーは『あれ』じゃ失礼だったかなと思いながら聞いた。
「ゴブリン、小鬼だ。」
「こ、お、に?」
ハリーがオウム返しに聞いた。
「小鬼に銀行員が出きるの?」
ロニーは目を見張って聞いた。
「ああ、財産の管理に関しちゃあ、あいつらほどうるさいもんはいねえ。もっとも、好ましい連中とはいえんがな。」
そう言ってハグリッドは一匹の『小鬼』に向き直った。
「ポッター家の金庫を開けたいんだが......。それから......。」
ハグリッドはそう言って一枚の封筒を差し出した。ダーズリー家に届いた、あの封筒だ。
「ダンブルドアからのお願いでな。713番金庫だ......。」
ハグリッドがささやくように言うと、ゴブリンは封筒を丁寧に見て、小さくうなずいた。
「こちらです。」
金庫までの道のりは快適とは言えなかった。
木で出来たトロッコはミシミシゴウゴウといって大きく気持ちの悪い揺れかたをしながら3人とゴブリンを乗せてはしった。
ポッター家の金庫は、金貨で溢れていた。
「これ、全部?」
ハリーが金貨を一枚取っていった。
「ああ、もちろんだ。お前さんの両親がなんも残してかんかったと思うか?」
それでも......。目が眩むような、金貨の山だ。これさえあれば、多分、ダーズリーに頼らなくたって暮らしてける。
「すごい......」
思わずため息が出た。
『713番金庫』には拍子抜けした。
魔法学校の校長のお願いなんだからすごいものに違いないと思ったが、一目見ただけでは金庫はからに思えた。よくみると、小さな包みが入っていることが分かったが、あんなのがいったい何になるんだろう。
横丁にある店にはどれも銀行に負けず劣らず、奇妙で魅力的だった。魔法の箒(ニンバス2000だ!最新式だぜ!)や干からびた何かの目玉......。自分で動くチェス......。純金の大鍋(リストに錫製ってあるだろが)、エメラルドを埋め込んだいかにも怪しい髪飾り......。
リストにあるもののいくつかをさっさと買うと、ハグリッドはグリンゴッツのトロッコで青くなった顔に赤みを戻すため、ロニーとハリーを『マダムマルキンの洋装店 普段着から式服まで』に送り届けて、ブランデーをひっかけに行った。
店の奥では青白い顔をした男の子が、学校用のローブの採寸をしているところだった。
ずんぐりした魔女、マダムマルキンに促されて、ロニーとハリーも男の子の隣に立った。メジャーが勝手にバストやウエストを計った。
「やあ、君も今年からホグワーツかい?」
なんとなく気取った話し方をする子だ。
「ええ、そうよ。あなた、名前は?」
ロニーも負けじと少し高慢ちきに言った。
「ドラコ。ドラコ・マルフォイだ。君達は?」
「ロニーよ。ベロニカ・ポッター。」
「ハリー・ポッター、ハリーって呼んで。」
ドラコの顔に少しピンクみが差した。
「ハリー・ポッター?」
そう言って口をあんぐり開けた。さっきまでの気取った態度が嘘みたいで、ロニーはなんだかクスリと笑ってしまった。ハリーも同じみたいで、笑いを噛み殺しながらてを差し出して、
「ヨロシク。」
と言った。
ドラコはおずおずと手を取った。
「驚いた......。君、へえ......。後で母上にもご報告しないと......。」
ダドリーでも言わないような台詞にロニーはまた笑いそうになった。いったいこの少年はどんな風に育てられたのだろう。
「坊っちゃん、終わったよ。」
そのままドラコは採寸を終えて、店を出ていってしまった。ロニーとハリーは顔を見合わせてまたニッと笑った。ドラコのお坊ちゃんぷりが可笑しかったのもあるし、友達が出来たみたいでこそばゆかったせいでもあった。
ロニーとハリーが採寸を終えて店を出ると、ハグリッドが待っていた。
「さて、そうだな、二人は杖を買いに言ってくれ。俺は教科書だ。」
そう言って、ハグリッドは二人を古ぼけたショーウィンドウの店に連れていった。
『オリバンダーの店 紀元前382年創業』
「杖ならここが一番だ。」
オリバンダー翁は白髪の小柄な魔法使いだった。
「これはこれは、ハリー・ポッター、ロニー・ポッター。杖腕はどちらですかな?」
これでもかというほど顔を近づけてオリバンダーが聞いた。
「右......だと思います。」
ロニーとハリーが声を揃えて言った。
「ミス・ポッター、どうかな?いちょうの木に不死鳥の尾羽、26センチ。しなやか」
ロニーが杖を受け取ってふった。たちまちオリバンダーが杖を取り上げてしまった。
「ではミスター?オークにユニコーンのたてがみ。23センチ、振りやすい。」
ハリーも振ろうとしたが、オリバンダーはたちまち取り上げてしまった。
「ふうむ。ミス・ポッター?ウメの木にドラゴンの心臓の琴線。24センチ、弾力がある。」
いくつか杖を試したあと、その杖を手に取った。とたんに腕から胸に暖かいものが流れる感覚がした。
「ブラボー!!!」
ロニーはこの感覚を早くハリーにも味わってほしかったが、ハリーの杖はなかなか決まらなかった。
「ふうむ。むずかしい客じゃの。しかしご心配、召されるな。あなたを選ぶ杖が必ず見つかるはずじゃ。」
「めったにない組み合わせじゃが......柊に不死鳥の尾羽。28センチ。良質でしなやか。」
ハリーは杖を手にとって振った。とたんに、にっこりと笑みを浮かべた。
「ブラボー!!!」
「いやしかし......実に不思議じゃ。その杖の芯に使われている尾羽を提供した不死鳥はの、もう一枚だけ、尾羽を提供している。そしてその尾羽を使った杖は......その傷をつけ、たくさんの人を殺した。」
オリバンダー翁がハリーの額をまっすぐに見つめていった。ハリーもロニーもなんとなく居心地が悪かったので、ハグリッドが来てくれて助かった。手には真っ白なフクロウが入った鳥かごを持っている
「バースデープレゼントだ。」
ダーズリーの家に帰っても、誰もハリーやロニーに話しかけようとはしなかった。
ハグリッドからの誕生日プレゼントの白フクロウは二人にということだったので、名前は二人で相談して決めた。
ロニーは最初、フランス語で白という意味のブランシュにしたかったのだが、せっかくだから、何か魔法らしい名前をつけようよということで、ヘドウィグになった。
8月に入ってからの一ヶ月、ハリーとロニーは毎日カレンダーにばつ印をうって、9月を待った。
私達は、魔法使いの学校に行くんだ。
ありがとうございました!
もしも初めて出会った時、マルフォイがハリーの名前を聞いて、少しでも違う態度をとっていたら、ハリーの人生変わったと思います。実は、ハリーが初めて会話したホグワーツの同級生って、マルフォイですよね。
でも、やっぱり、ハリーとロンのコンビ、大好きです。