「銀の福音事件」から一週間という時間が経過した。自室のベッドの上、明かりも点けないで簪は毛布を被って膝を抱えることで外界との接触を絶っていた。そんな彼女を心配する本音やクラスメイトたちとも言葉を交えることもなく、何をするでもなく、簪はずっと部屋に閉じこもって小さくなっていた。
「リタくん……、ごめんなさい……。ごめんなさい……」
後悔を孕んだ懺悔が嗚咽とともに漏れる。何度も、何度も同じことを繰り返し呟いた。それが何一つ意味を成さないことを理解していても、それ以外に簪ができることなど有りはしなかった。己の手で彼を撃ち落とし、理多は精神を壊して飛び去ってしまった。
旅館へと帰り、呆然としていた時に聞こえた束の千冬への説明で、サイコフレームと搭乗者の過剰反応により、サイコフレームが周囲に存在していたすべての精神を読み取ってしまい、流れてくる過剰な情報で理多の精神を焼き切ったという。
同様の中で耳にした情報は簪の罪悪感を喚起させた。私が理多を撃ったから、ああなってしまったのだと、自分の手で誰かの人生をめちゃくちゃにして、それがもう取り返しがつかないことが恐ろしい。どうしようもない変えようのない事実に簪は打ちのめされた。
「それなのに……。それなのに誰も私を責めない……」
枯れた声で一人簪は呟く。
理多を撃ったことを一夏も、セシリアも、鈴音も、シャルロットも、ラウラも、千冬も、実の姉である箒ですらも、誰も彼女を責めようとはしなかった。
よくやったなどとは言わない。しかし誰もがあれを仕方がなかった、簪が行動しなければもっと酷いことになっていたことを理解していたが故に、選択を強いられた彼女に同情し、あれは仕方がないことだった、あなたが悪いんじゃないと、彼女を傷つけかねない言葉を飲み込んでいた。
ただ一人、束だけは事件収束後にいつの間にか姿を消したために彼女に何も言わなかったが、元々簪に興味の欠片もない束が簪に話しかけることもなかっただろう。
誰も簪を責めなかったのは優しさによるものだった。だがその優しさがより彼女を追い詰めていた。
自分は責められるべきことをしたはずなのに誰もが自分を被害者のように扱う。被害者は理多であり、加害者は自分であるはずなのに。簪を責めてくれるのは、他の誰でもない自分自身だけだった。誰にも責められない状況こそが何よりも簪を追い詰めていた。
暗い部屋。唯一の明かりはつけっぱなしになったモニター。簪の好きなヒーローアニメが何度も何度も敵の幹部を必殺技でやっつけていた。銃を持ったヒーローが敵を撃つ。それが責められることはない。敵は悪でヒーローは正義。悪には何をしても許される。
ヒーローに敗れ崖の向こうへと落ちて行く悪役。何度も見たその姿に薄く自分が撃ち落とした理多の姿が重なる。
心臓を握りしめるような強い痛みが胸を走り、心に重さとなってのしかかり続けていく。重油のような暗い罪悪感は確実に簪を苦しめていた。理多のことやその理多を撃った自分のことを考えると動悸や吐き気が止まらない。食事はまともにとれず、最後に口にしたのは罪悪感を誤魔化そうと噛み付いた手の甲からの血だった。
今も気がつけば手の甲を噛んでいる。溢れ出る血液は痛みとともに流れでいていく。酸っぱい鉄の味が口の中に広がり、その間も痛みは止まらない。甲の皮膚を噛むたびに傷が深くなってその度に痛みは深く大きくなる。その時、痛みが思考を塗りつぶして他のことを考えないで済む間、痛みを感じている間だけはどうしようもないものを許されている気がした。
つまるところ簪は痛みに依存していた。もともと何かにのめり込みやすい性分だ。それ自体は悪いことではない。しかし今はその性分が、友達を傷つけてしまった罪悪感から逃れたいという欲求が悪い方へと簪を突き動かしていた。自分を傷つけることで許しを得ているという想像と苦しむことで自分は加害者じゃないという逃避の快楽を享受することで現実から逃げていた。
そして時間が経ち、ふと冷静に戻ってそんなバカなことをしている自分に気がつき後悔と痛みだけが残る。
またやってしまったと簪は目を伏せる。でもこうでもしていないと自分の置かれた状況に耐えられないのだ。誰にも責められないなら、自分で自分を責めるしかない。
そんな風に自己を守ろうと言葉を並べてしかし、
「でも、リタくんを撃ったのは私なんだ……。許されないことをしたのに……、ごめんなさい……。ごめんなさい……」
何もない空間に何度も空想の理多に謝罪する。許されるはずもないのに、自分を守りたくて意味のないことをしていた。そんなことをする自分も嫌だった。こんな苦しさから楽になりたい。でも傷つけてしまった理多を放置して自分だけが楽になることに更なる罪悪感を覚え躊躇してしまう。だから自分が苦しむことが正しいことなのではと考えてしまう。
「ごめんなさいリタくん。どうしたらいいの? どうしたら私は許してもらえるの?」
懇願するように顔を枕に押し付けて吐きそうになる苦い感情を飲み込む。
「なら、リっちゃんに直接聞いてみたらいいんじゃないかな?」
暗く止まったままの時間が唐突に壊された。
重苦しい簪の心情とは正反対の朗らかな声が簪へとかけられる。声の方へと簪は顔をあげた。見上げるとこちらをニコニコした顔で見下ろしている束がいた。鍵をかけていた部屋に、突然どこからか現れた人物に簪は思考を止めて確認するように彼女の名を呼ぶ。
「し、篠ノ之博士……?」
「せいかーい! ハロハロー、ちょっとぶりだね。……ええっと、ナントカちゃん? まぁ意味の名前なんてそんなに重要でもないか!」
まくしたてる様に話す束に簪は圧倒される。話していた束は簪が気圧されて喋れなくなっているとわかると、楽しそうな様子は消え去って少し詰まらなさそうな視線へと変わった。
「ふーん。リっちゃんのトモダチっていうから、一体どんな子なのかなって期待してたけど、なーんか普通の凡人なんだね」
辛辣な言葉を使い、悪意なく束は簪をそう分類した。天才から見れば劣った大多数の一人でしかない簪、そんな彼女が束の興味を引ける要素は理多の友人という一点だけ。
そんな彼女がなぜ自分に会いにきたのか、簪には分からなかった。しかしそんな疑問よりも簪の頭の中を満たしていたのは、自分が傷つけてしまった理多の家族が目の前にいるということだった。
「あ、ぁあの……、篠ノ之。わ、私……」
あなたは私を責めるのかと問いかけようとしても音が言葉にならずに漏れていく。
「んん? ナニカナ、ナニカナ?」
言葉にならない言葉を何とか絞り出そうとする簪に束は耳を傾ける。
「わ、私のせいでリタくんがああなっちゃって。そ、それなのに私は何もできなくて……」
「まぁ、あの時に君が出来たことなんて高が知れてるからね! 別にそんなに暗くなることもないんじゃないかな?」
今にも罪悪感に押しつぶされそうな簪を思い詰め過ぎだと束は笑い飛ばす。それを簪は信じられない目で見上げた。肉親を手にかけた相手に仕方がないと済ませられるなど常人の精神ではない。和かな表情を崩さない束が人の形をした人ではないなに髪見えて簪は恐ろしくなる。
「私はリタくんをあんな風にしたのに……、どうしてそんなに笑ってらいられるんですか。おかしいですよ。リタくんは行方不明だというのに」
「……うん? なんか情報の齟齬がある感じ?」
「……え?」
ごそごそとスカートのポケットと噛み合わない大きさのタブレットを出してみせた束はその画面を簪に見せた。どこかの都市の天候観測用のカメラ映像の奥、空の向こうで晴れているにもかかわらず雷のような閃光が走った。一時停止された映像が大きく引き伸ばされると、閃光のように見えていたのは雷のような自然現象ではなく、黄金に姿を変えて残像を残しながら通過する人工物。
フェネクスだった。篠ノ之理多が搭乗するフェネクスが空を裂くようにして飛び去っていく。次から次へと映像が切り替わり、様々な場所で、同じようにフェネクスが飛び去る映像が続く。
「リタくん……」
健在なフェネクスが飛んでいる事実に簪は理多がひとまずは無事であることに安堵した。しかし同時に疑問も現れる。どうして無事ならIS学園に戻ってこないのか。
そんなことを考えているうちに映っていた映像に変化があった。黄金が空に筋を残していくだけの映像から、火花が飛び散るものへと変わる。空に浮かぶ黄金の影を追うようにして純白の追跡者が現れた。ユニコーン、『銀の福音事件』にて簪に理多を撃つことを強いたエイプリルが飛び去ろうとするフェネクスを撃ち落とさんと砲撃を続ける。しばらく続けるとエネルギー切れを起こしたのかユニコーンは諦めたようにどこかへ飛び去り、それを確認するとフェネクスも同じようにどこかへ消える。
理多を追いかけ攻撃するエイプリルの姿を確認して簪は自然とこぶしに力を入れ握りしめていた。力の入った拳は怒りに震えている。
ユニコーンが追いかけ、フェネクスが逃げる。そんな映像が何度も繰り返される。
そしてそれが終わると最後に表示されたのは世界地図だった。黄金のジグザグした一本のラインが大陸と海を繋げるようにして模様を描いている。そして所々でラインの上に白い丸で目印が付けられている。
映像を見せられていた簪はすぐにそれがなんであるかを察した。その表情を見て束が口角を上げる。
「そう、これはリっちゃんの移動経路、そしてこの丸は、あのエイプリルとかいうやつがリっちゃんを襲った地点。分かる? 少しづつ遭遇の頻度と戦闘時間が伸びていることに。あいつはもうすぐリっちゃんに追いついて捕まえる」
「それは……!」
「あいつがリっちゃんに何の用があるのかなんてどうでもいいけど、せっかく覚醒したリっちゃんを取られるのは癪だからね」
「……せっかく覚醒した? 何を言ってるんですか。あんな状態を、「せっかく」だなんて呼べるなんておかしいですよ!」
「リっちゃんを撃ったお前がいうのか?」
「——っ!」
束の低い声に簪は心臓が大きく脈打つのを感じた。笑顔のままピクリとも変わらない不気味な表情で束は簪に少しづつ詰め寄っていく。
「ニュータイプが今ある形のままでいなきゃいけない理由なんてないんだよ」
暗にあの状態の理多を束は問題ないと言っている。
「フェネクスはリっちゃんのためだけに作られた、リっちゃんを表現できるマシン。いずれリっちゃんは私とリっちゃんの夢を変えられる存在に生まれ変わる。その羽化まで待たなきゃいけないのにあのエイプリルがそれを阻害しようとしている」
束は張り付いた笑顔を崩し、物憂げにため息を吐く。
「だから正直、束さん的にもリっちゃんに何かされるのは大問題。でもフェネクスのサイコフレームのせいで通常のISは近づくことすらできない。サイコフレームもすぐには増産できない。いやー、詰んだ、詰んだ」
呆気からんとした様子でつぶやく束。しかし簪はそんな彼女を見ていなかった。両手で持ったタブレットに映ったフェネクスを後悔の眼差しで見つめ続ける。
「ごめんなさいリタくん。私があの時何かできていたら、こうはならなかったのに……。私がお姉ちゃんみたいに強かったら君に追いついて助けられるのに」
どれほど後悔が積ろうと現実は好転しない。溢れ出した涙が頬を伝ってタブレットに映ったフェネクスにかかるが液晶はそれを機械的に弾く。
あの時ああしていたら、もっと強かったのなら、もしもを考えても簪にそのもしもを叶える力はない。無情にも液晶の壁以上の隔たりが簪と理多の間にあった。
悔しさに涙を流す簪の頬を両手で包み、束は簪に顔を上げさせた。親指で溜まった涙を拭い、身内にしか見せない笑顔で束は問いかける。
「そう。君に、リっちゃんに追いつく実力はない。不可能だ、断言してあげる。あのリっちゃんには私やちーちゃん、織斑千冬でも追いつけない。でも、その不可能を壊してリっちゃんに追いつく手段があると言ったら、……どうする?」
「そんな方法が……?」
「そのために今日、束さんは君に会いに来たのさ。リっちゃんの友達ちゃん? 選んで。このままずっと過去を引きずって安穏のまま部屋に引きこもったままでいるか、それとも辛い思いをして死にかけるような経験をしてリっちゃんに追いつけるかもしれない可能性に挑むか。君はどうしたい?」
簪は束の問いかる視線から目を離せない。どうしたいかと問われ、簪はどうしたいのか、すぐに言葉にできなかった。複雑な感情が混ざり、溶け合い、雑多な音ばかりになって意味を成す言葉にならない。
だからとても単純な思いを絞り出すようにして声にする。
「わ、私はただリタくんともう一度お話をしたい。ただ、あの時のことを謝りたい……」
かすれて消えてしまいそうな声を、束は確かに聞き届けた。そして口角を上げ、これ以上ないほどの笑顔を作った。菩薩が浮かべるような微笑のまま、束は立つ上がり一歩後ろへ下がった。そして手を伸ばし、簪に問いかける。
「ならお互いに都合が良いよね? そんな君に束さんからのビッグチャーンス! 束さんと一緒にリっちゃんを連れ戻しに行かない?」
伸ばされた束の手が、来るのなら私の手を取れと簪に囁きかける。行くか、行かないか。二択だった。
どちらを取るべきか、この場でも簪は迷っていた。自分に出来るのだろうか、もう一度理多に会っても良いのか、これが本当に正しいことなのか。迷う。そして想像してしまう。この手を取らずにこの部屋に引きこもった未来。何もない。停滞した今が続いて、そんなものを守って何になるというのか。一体何のために自分がそこにいるのか簪には分からなかった。ならばどれほど先が暗闇であろうと、何もない未来よりも苦難を選ぼうと、恐しさと希望に背を押されて簪は束の手を取っていた。
伸ばした手を取られ、束は満足そうに頷き、
「なら決まりだ。これから短い時間だろうけどよろしくね。え、えーっと……」
「更識、更識簪です」
「そう、簪ちゃんっていうんだ。じゃあヨロシク、カンちゃん」
●
二週間という時間が経った。場所はIS学園アリーナ。
その中心で二機のISが空を自在に駆け、火花を散らしていた。
一体は白いIS。白式。織斑一夏の操るIS。『銀の福音事件』を機に、それまでのブレード一本という貧弱極まりない武装から、第2次以降を経たことで右手に雪羅と呼ばれる多機能の腕の武装が追加され、近接と遠距離の両方に対応でき、操縦する一夏も長い経験によって入学当時よりも操縦技術を向上させていた。
しかしその一夏に対峙するもう一体のIS、灰色に近い白色のカラーリングが施された珍しい全身装甲のISは、彼と互角どころか翻弄するように動き、一方的に追い込んでいた。明らかに実力の離れた戦いは観戦していた生徒たちから、距離を少し詰めつつ確実に弱らせていく様子はまるで狩りのようだと評された。
「クソっ、こうなったら一か八かだ、『零落白夜』!」
追い込まれ、後がない一夏は一発逆転を狙って白式の単一仕様能力を呼び出した。瞬間的な加速を得るイグニッションブーストとこの能力を組み合わせるのが一夏の勝ち筋の一つだった。
加速し、一気に距離を詰める。後はブレードを振り上げ、振り下ろすだけ。灰色のISもこれは予想外だったらしく距離は詰められた。しかし現実が嘘をついた。
一夏が迫る中、対戦相手のISのバーニヤが空気を焼き切る音がした。次に瞬きをした時、一夏は敵の姿を見失った。動揺したままハイパーセンサーを頼って周囲を索敵するがしかし、何故かハイパーセンサーは駅がいないはずの正面を示したまま。答えだけを先に言うと対戦相手はバーニヤを吹かして明らかに人間が耐えられないGが発生する機動で白式の下に潜り込み、突き上げるように銃口を叩きつけたのだ。
しかしそんなことをすぐに理解できるはずもない一夏が次に見たのは、下から向けられるビームライフルの銃口だった。そして何か行動を起こす前にその銃口から光線が放たれ、白式のエネルギーが空になったことを意味するブザーがアリーナに鳴り響いた。
試合が終わり、白式を仕舞った一夏はアリーナの待機室に戻ってきた。見ると先に片付けを終えていた対戦相手、簪がベンチに座って持ってきていたらしいアタッシュケースから注射器を取り出して自分に打っている場面だった。
「くっ! ……ふぅ」
注射の痛みに小さく苦悶の声を漏らし、注射器の中身を全て注射し終えると空になったアンプルをケースに戻した。右手でアタッシュケースを持ち、去ろうとしたところで2人の目が合った。
そこでやっと一夏の存在に気がついたらしい簪は力の籠らない笑顔を作った。
「あぁ、織斑くん。対戦受けてくれてありがとう……」
無理やり作った笑みはぎこちなく、目の下には簪が来ている特注らしい漆黒のISスーツと同じように黒く深いの隈が刻まれていた。明らかに異様な様子に一夏は思わずたじろいでしまう。
「あ、あぁ。別にそれは全然いいんだけどさ。それよりもだ、更識さん大丈夫か? あんまり元気そうに見えないけど……」
「うん、大丈夫。さっき少し無理な機動したから左腕が折れちゃったけど、すぐに治るから平気、平気」
ニヘラと簪は笑う。大丈夫だと平気そうに振られる左腕は二の腕の中央から間接が一つ増えた様に折れ、負傷した箇所は青ざめた様に鬱血していた。
痛みを感じていないのか、平気そうな顔の簪はそれだけ言うと早足に去っていった。引き止めようとも思ったが、何を言えばいいのか一夏には分からなかった。
二週間前、束が臨時教師としてIS学園にやってきた。逃亡中の彼女がどうやって潜り込んだのかは重要な問題ではなく、問題はこの二週間、簪が束と行動を共にしていたことだ。部屋に引きこもっていたはずの彼女はいつの間にか束と親密そうにして、何やら新型のISの開発を急いでいる様子だった。それと並行して簪はデータ集めとして、試作したISを用いて各国の代表候補生と模擬戦と1日数回のペースで行っていた。その度に明らかに彼女はやつれていった。
簪は明らかに重傷に見える状態でも次の日にはどういうカラクリか回復していた。流石に不審に思った千冬が問いただそうとしても2人して沈黙、もしくは理多のためだと言ってはぐらかしていた。
何か目に見えないことが、水面下で着実に進んでいることだけは、IS学園にいる誰もが察していた。そしてそれが良いものだとは、あのやつれた簪を思うと到底思えなかった。
待機室に一人残された一夏は、備え付けのモニターに先ほどの試合の映像が流れていることに気がつき、そちらを見上げた。白式に対峙する灰色がかった白いIS名をナラティブ。意味は語り手だという。しかしあのやつれた簪が操縦する様子を見て、一夏はむしろナラティブが彼女を電池として消耗している様な気すらした。
映像に映るナラティブが親友を連れ去った不死鳥にどこか似ているからそう思ったのだろうか。一夏には何も答えようがなかった。
随分と久しぶりとなってしまった更新。中の人は南船北馬という感じです。また時間ができたら更新したいなと思うこの頃。