増えすぎた人類を抱えきれなくなった地球の外の片隅で起きた一つの出来事

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あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします
『空気』同様の企画作品です。別企画ではありますが。


ECLIPSE BLAZER

「……どこに行ったって、嫌になるほど『空と星』は遠いなぁ……」

 

ピギュルルァ……

 

 恐竜みたいな生物の絶え絶えな息を聞き流しつつ、コクピットから身を乗り出して空を眺める。

 当のこいつは、俺の愛機の右腕部から出たパイルに貫かれ、挙句その内部から吹き出した『液化エクリプス鋼』の瞬間凝固によって既に死に体。血液すら凝固したエクリプス鋼にせき止められて、赤い機体を口から僅かに垂れた紫色の鮮血で染めることは無かった。

 念の為レーダーで付近を確認しても、他個体の反応は無いため、ひと仕事終えた俺はいつも通り空を眺める──と言っても()()()()()()()()()()()()──こととした。

 

「……はぁ……いつまでこうして狩ればいいのやら」

 

 中々俺の夢は実りそうにない。まだ()()()()の目処が立たない以上は仕方ないが、それでもついつい零れてしまう。そんな俺の愚痴に答えるように、俺の愛機、『Her-ΦO=550(ヘル・ファイン)』──通称Fine(ファイン)──のコクピットに通信が入る。

 

『こちらHer-Φ's(ヘル・ファイズ)司令部。Fine及び『ヴォルフォース=オーガイズ』に帰投命令が入りました。至急帰還を』

「りょーかい。さて……」

 

 通信を切る。Fineの左腕部を近づけ、マニピュレーターの掌部から冷却ガスを吹きかけ、凝固した『液化エクリプス鋼』を溶かしてパイルから引き離す。生体電気や生体熱の両方に反応し、蝕むように凝固するこいつは、どちらか片方だけでもそれが消えると『捕食した』と受け取って再び液化する。生きた金属、それが『液化エクリプス鋼』だ。

 

閑話休題

 

 標的からパイルを引き剥がして抱え上げ、俺──『ヴォルフォース=オーガイズ』はFineのスラスターを吹かして拠点たる『Her-Φ's(ヘル・ファイズ)』へと、愛機(Fine)の舵を向けた。

 

 

──────

 

 

 2X36年。21世紀から10世紀未満、5世紀以上のとある時代。人類史は、増えすぎた人口とそれによっていくら施しても足りない環境保全活動のため、地球外惑星に住む場所を求めに出るようになった『宇宙開拓時代』へと移行した。

 そして幾度目かの開拓の際、とある片隅の星で見つかった液体金属、『エクリプス』。生体電気と生体熱に反応して瞬間凝固するこの液体金属は、さながら触れた生物を蝕むように凝固していた事からこの名がついた。

 この金属の発見に伴い、先住生物との戦いも含めた人類の開拓は、発展していくのであった。『液化エクリプス鋼』を武器に用いる開拓機『エクリプス』と共に──

 

 

──────

 

 

 母星たる地球から228光年ほどの距離を持つ『ヘルクレス座Φ星』近辺の惑星を開拓する者達、それが俺の所属する『Her-Φ's(ヘル・ファイズ)開拓隊』だ。俺はその先行開拓や露払いを主な仕事とする『エクリプスチーム』に所属している。名前のまんまだ。因みに俺を含めて6人だ。

 ここに来てもう既に3年は経つか。いやまあ、地球歴に合わせればもっと行くかもだが。

 

「おーいヴォルフ。またFineに無茶させたってな?」

 

 格納庫から出るや否や、なんだか軽薄そうな声と共に現れたのは、金髪碧眼でロングヘアーの容姿端麗な人物。だが男だ。

 

「……ジョー……お前も大概だと聴くが……?Fireが泣くぞ」

「うっ、それは……」

 

 からかいに来たのだろうが、図星を突かれてぎこちない反応をするこのロン毛ゴールド──俺がジョーと呼んだこの男の名は『ジョクレイン=アギザ』。俺と同じエクリプス乗りで、愛機の名は『Her-Φ1=551(ヘル・ファイア)』。通称Fire。名前の通り、火器系統をメインにカスタムされた機体だ。

 

「確かに俺も、かなり無理してぶち込む時もあるが……B.O.E(エクリプス弾)を、『ボー』をゼロ距離で撃つとか……お前はオリンポス級のアホか」

「う、うるせぇ!!近寄られたんだからしょうがねえだろ!」

「仮に『ECLIPSE CHARGE』を使うにしても常設のパイルを使えよ……外したわけじゃねえんだからよ……」

「やかましい!!!!俺からしたらお前らどっちも神話級のバカとアホだ!!!!」

「「げぇっ!!おやっさん!!」」

 

 格納庫の入り口で言い合いになってると、色つきゴーグルを付け、ペンチとスパナを両手に持った鬼神のような男──もとい、整備班の班長ことおやっさんが割り込み怒鳴ってきた。

 

「お前らはいっつもいっつも……ただでさえ資材は地球本部からの惑星ジャンプでしか来ないほどカッツカツなのにお前らと来たら……いい機会だ……」

「な、なんだよおやっさん……」

「お前ら2人とも、纏めて液化エクリプス鋼の整理に駆り出してやる」

「「俺達は報告書書いてきます!!!!」」

「待ちやがれ!!!!」

 

 その後、仕事でも滅多にない、生死をかけた鬼ごっこが始まったのは言うまでもない。

 

 

──────

 

 

「に、逃げ切った……」

「危なかった……お弟子さん達が『仕事が止まる』って止めなかったら俺達は今頃愛機のネジにされていたぞ……」

 

 なんとか逃げ切り、俺達は報告書作成のために共用執務室に辿り着いた。

 

「またやっていたか」

「……『レオネア=サイラス』」

「誰かと思えば副隊長じゃないっすかぁ!」

「……ヴォルフ、お前もそこのアホのように可愛げがあって欲しいものだ」

 

 執務室に入ると、獣のたてがみのような青い髪を持った女が、こちらを一瞥することも無く机の前に向かっていた。そこが戦場とでも言わんばかりに。まあ報告書を書いてるだけだが。

 

「このアホに可愛げがあるかはさておき。珍しいな、アンタが出てたなんて」

「おい待て副隊長はともかくお前からアホ呼ばわりなど許さんぞお前ェ!!」

「何、近場に出たのでやむを得ずな」

「近場だと?」

「え、マジ?見たかったぜ……副隊長と『Her-Φ4=554(ヘル・フィーア)』の華麗なバトル……!」

「……子ども達は無事なのか?」

 

 俺の返答に、レオネアは俺を一瞥する。近場にまで来たとあっては、ここにいる子ども達──ウチの開拓隊の司令が連れてきた、ある孤児院から引き取った子ども達の身に何か起きたか、気にするのは当然というものだ。なにせアイツらは──

 

「それは当人達に聴け」

「え」

「ヴォルフにーちゃん!!」

「オイラたち、レオねーちゃんが助けてくれたから大丈夫だよ!!」

「……そうか」

 

 不意打ち気味に背後から俺の脚に突撃して来た子ども達に驚きつつも、その答えに心底安堵する。

 

「さて、私は先に失礼する。お前達も、また班長に工具にされない内に用を済ませるんだな」

「さ、サー!」

「……私はこだわる訳じゃないが、上司が女性の場合は『マム』のはずだが……?」

「ま、マム!」

「お前もヴォルフに負けず劣らず律儀なことだ」

 

 常に仏頂面の副隊長が珍しく微笑んだ気がするが、確認する間もなく去って行った。

 

「にーちゃん!仕事終わったんだろ?遊ぼうぜ!!」

「悪いがガキども、ヴォルフは今から俺とお仕事だ!」

「なんだよジョー。俺は今ヴォルフにーちゃんと話してんだよ」

 

 子ども達の質問をあしらおうとするジョーだが、そもそも子ども達の言う通りな上にジョーの言い方が大人気ないのがなんだか残念な気分になる。

 

「んっだとこのクソガキ!!」

「──ジョー」

「……わーったよ。とりあえず先にやっとく」

 

 報告書を書きながら俺に愚痴りたかったであろうジョーは、なんとか折れてくれた。妙に意地が悪かったりするが、なんだかんだ良い奴なのだ。でなきゃ未知の生命体が跋扈する異星でわざわざ背中なんか預けられない。

 

「よっしゃ!なら鬼ごっこだ!!ヴォルフにーちゃん鬼な!」

「おいおい、いきなりだな」

「みんな行くぞー!」

「うおぉ!!」

「きゃー!」

 

 リーダー格の男の子の一声で、子ども達は一斉に散らばった。ただ一人を除いて。

 

「ねえ、ヴォルフにーちゃん。行こ?」

「……お前は逃げないのか?」

「……今日は多いから、僕も鬼やる」

「……そうか、ありがとう」

 

 つい嬉しくなって頭を撫でようと手を伸ばしたその時。

 

カァァァァァァァァァァ!!!!!!

 

「ッ!これは……」

「嘘……警報……」

「……お前は一番近くの地下シェルターに行け。みんなもそこに行くはずだ」

「う、うん」

 

 もう一人の鬼役の子は、すぐにここを去った。向こうからも子ども達の声がする。どうやら他のみんなも警報を聴いてシェルターに向かうようだ。良かった。

 

「さて、もうひと狩りするか」

 

 先程おやっさんから逃げ回った格納庫に、再び足を向けた。

 

 

──────

 

 

「ヴォルフ!!全部補充済みだ!!さっさとやってきやがれ!!」

「ありがとうおやっさん!!」

 

 飛び乗るようにコクピットに乗り込む。既にパイロットスーツには着替えている。

 

「行くぞ……!エクリプス鋼制御システム、及び『Her-Φ0=550(ヘル・ファイン)』メインシステム、起動……『ヴォルフォース=オーガイズ』、Fine!行きます!!!!」

『Fireと!!【ジョクレイン=アギザ】が!!出るぜ!!!!』

 

 俺とその隣のハッチが開き、カタパルトから発進する。あの腕と胴体についた二本の黄色いラインマーカーはジョーのFireだ。

 

『全く、報告書まだ書き終えてねえってのに。無駄に仕事増やしやがって』

「そう言うな。いつも通りさっさと片付けてしまえばいい……ん?」

 

 脚部のローラーで並走しながら目標に駆けていると、司令部からの通信が入る。

 

「こちらFine。どうした」

『司令部より通達。現在本部からの査察船がこちらにジャンプする準備段階の模様。本部からも可及的速やかな排除を求められています。上手くやれば今回の報酬は弾む、とも伝えられました』

『因みに額はァ!?』

『お二人の機体をもう一機ずつ用意してもお釣りが帰ってきます!!!!』

「それは……すごいな……」

 

 しかし同時に疑惑が生まれる。果たしていつも通りの露払い程度の仕事に、いくら本部からと言えどそこまで高額になるだろうか?

 

『ヴォルフ、話は後だぜ!さっさと狩るぞ!!オペちゃんインフォちょーだい!!』

『今回は中型王竜級が三体……待ってください、どういう事……?地球人(どうほう)と思われる生体反応あり!でもなんで……?』

「襲われてるのか?」

『逃げ回ってるような動きから、恐らくは』

『なら救助もしてやるか。ヴォルフ、いつも通りな』

「分かった」

 

 いつも通り、俺が前衛でジョーが後方支援だ。同伴回数もこいつとはダントツで多い。

 

「さて、そろそろか」

『中型王竜級、来ます!!』

 

ギュルルギャア!!

 

『ぶち込むから抑えとけ!!』

「分かった」

 

 Fireがロングライフルを構えた。着弾時に液化エクリプス鋼を噴出する特殊弾頭『B.O.E(エクリプス弾)』を5発内蔵している。

 

『行くぜぇ!!』

【ECLIPSE CHARGE】

 

 通信先から聞き慣れた電子音声が聴こえる。Fineの持つパイルやFireのライフル弾に液化エクリプス鋼を注入して攻撃する『ECLIPSE CHARGE』を起動した。

 

「ほら、こっち向け」

 

 エクリプス用の汎用アサルトライフルを乱射する。幸い弾が弾かれたりはしないため、確実にダメージを与えている。

 

「ジョー」

『行くぜ行くぜ行くぜぇ!!発射ァ!!』

 

 鈍重な破裂音と共に弾が放たれる。王竜級の生物はその音に気を引かれて振り向いたので、俺は即座に射線から離れる。

 

ギュルァ……

 

 吹き出した液化エクリプス鋼によって瞬間的に凝固、標的の肉体をどんどん蝕み、エクリプス鋼は徐々に肥大化する。

 

『よし、まず一体!』

「弾数は限られている。次は俺がやる」

『オーケー!やっちまえよ!』

 

 Fireのライフルは通常弾頭も放てる。まあそうでないと取り回しが悪すぎるが。

 

「来たか」

『引きつけるからさっさと切り捨てやがれ!』

 

 言われるまでもない。腰部に提げた専用のブレードを取り出し、引き絞るように構える。

 

「喰らえ!!」

【ECLIPSE CHARGE】

 

 特徴的な甲高い音が鳴り響く。液化エクリプス鋼が専用ラインを流れる時に起きる音らしい。

 

「たぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

ギュアァァァァ!?!?

 

 やや斜め気味に振り切る。刀身は確かに標的を捉えた。一度当たればもう助かりはしない。

 このブレードでの【ECLIPSE CHARGE】は、刀身から液化エクリプス鋼を吹き出し、そしてチェーンソーのように回転する刀身によって侵食凝固した血肉を削り、斬り捨てるといったものだ。命など欠片も残してやる気はない。

 

『相変わらずエグイ【ECLIPSE CHARGE】だな。断末魔すらあげられねえなんてよ』

「騒がしくされて他を呼ばれても厄介なんでな、むしろ好都合だ」

 

 振り抜いた後、標的は文字通り崩れるように倒れた。しかし肉片は血飛沫を上げることも無く、ただ金属片となって散っていった。

 

「あと一つ……」

『さぁてどこか』

 

 念の為背中合わせに周囲を警戒する。いつも通りの対応、無言の連携は寸分の無駄もなく為される。地下からでもない限り間違いなく隙のないこの状態、それを破ったのは──

 

「た、助けてくれえええええええええええええ!!!!!!」

「『!?』」

 

 一人の男の必死な叫び声と、同時に反応したレーダー音だった。

 

『人の声だと!?例の反応か!?行くしかねぇぞ!』

「あぁ!俺が先行する!!」

 

 脚部スラスターを起動させ、絶叫の主の元へ駆け出す。先程使った液化エクリプス鋼の入っていたタンクをパージし、デッドウェイトを削る。残りタンクは四発。つまり撃てる【ECLIPSE CHARGE】は残り四発。十分な数だが、追加が来ぬとも限らない。確実に撃ち込まなくては。

 

 

──────

 

 

『居たぞ!!一人か……いくら何でも不自然じゃねえか?』

「だな……だが見殺しにする理由ではない」

『あーもう……ゼロ番のにーさんはお人がよろしいようで!!』

「帰ったら一食奢ろう」

『一週間でもいいくれえだが許してやる!!』

 

 悪態をつきつつ、俺は右にブレード、左にアサルトライフルを、ジョーは愛用のロングライフルを構えて、例の男の元に辿り着く。

 

「た、助けてくれ!か、海賊に……宇宙海賊に襲われたんだ!!」

「仲間は?」

「分からない……皆はぐれたんだ……」

『へぇ……』

 

 納得したような声を上げながら、ジョーは()()()()()()()()()()

 

「ひえっ!?な、なんで!?」

『一つは、何故俺達の、Her-Φ's(ヘル・ファイズ)のレーダーに引っかかってないことだ』

「我々は大気圏内全ての空域にレーダー網を敷いてある。我々の許可なく入れば後に報復が起きる」

『にも関わらず、テメェは救援を求める声を上げた。まず不自然だ。どっちにしろ命の保障はないのにわざわざレーダーに反応させてきた』

「……」

 

 男は俯いた。特に表情に変化なくそうしたという事は、つまりはそういう事なのだろう。既に俺達の切っ先と銃口は、男の元を離れていた。

 

「バレちまったんなら……狩るしかねえよなぁ!?」

「『ッ!!』」

 

ギュルルルァ!!

 

 男がやっと本性を表すと同時、森の中から中型王竜級が数頭飛び出してきた。

 

『一体だけじゃねぇ……情報と全然違うじゃねえか!』

「いや合ってるさぁ!!俺達の制御から抜けたの『三体』だからなぁ!!」

「操って俺達を襲うつもりだったのか……!」

 

 いつの間にか囲まれた。さっき倒した連中達だ。

 

『……【ECLIPSE CHARGE】は残り四発……』

「同じく……標的は七体……全て確殺して、その上でどちらかが一発温存しないとか」

『……ヴォルフ、お前が残せ。接近戦のお前が持ってる方が安全だろ』

「……あぁ。背中は任せる」

【ECLIPSE CHARGE】

 

 スラスターを全開にしてブレードを構える。

 

「でぇぇやぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

 飛びかかってきた中型王竜を唐竹の如く真っ二つに斬り捨てる。切り口には凝固エクリプス鋼が散乱している。

 しまった。これなら普通にブレードの斬れ味で殺せている。確殺できたはいいがこれじゃ無駄打ちだ。

 

『俺も行くぞぉ!!』

 

ジョーの放った弾が確かに標的を射抜き、蝕むように金属が肉を貫いた。

 

「そこをどけぇ!!」

 

ピギュッ!?

 

 再び【ECLIPSE CHARGE】を起動。左脚で蹴り込みながらパイルを撃ち込む。帰ってくる前みたいに一々冷却ガスを吹いてる暇はない。即パージだ。

 

『後ろだヴォルフ!』

「なっ!」

『──焦りすぎだ』

 

 投げられた槍のようなものが標的を貫いた。液化エクリプス鋼は──吹き出してない。そして倒れた標的を踏み付けるように、青い機体が降り立った。飛行用のスラスターウィングが特徴的だ。

 

「その機体……副長か」

『お、Her-Φ4=554(ヘル・フィーア)だ!』

『拠点にも一体来たのでな、そのついでだ』

「そうか」

 

ピギュルルァ!?

 

 状況確認をし合っていると、周囲の王竜級生物達が次々と爆殺されていった。

 

『な、なん──ガハッ!?』

「ジョー!?」

 

 周囲を確認していると、Fireが何者かに突き飛ばされ、倒れていた。幸い無事ではありそうだが。

 

『何者だ』

 

 レオネア副長のFearが睨む先には、真っ黒なエクリプスが立っていた。しかし俺達の使う『Her-(ヘル)』シリーズとはまるで違うタイプのようだ。他所の星か?

 

『なぁに……さっきのオッサンのいる一味とだけな……にしても、役に立たねえゴミ生物共だ……これじゃ売り飛ばせねえな』

「なに?」

『おっと、これ以上は言えねえな。とにかくお前らさんよ』

 

 汎用アサルトライフルと、得体の知れない、チェーンソーを何本も束ねた剣──とも言えないナニカを俺達向けて構えてきた。

 

『騙して悪いが、仕事なんでな』

 

 その言葉と共に黒いエクリプスが動き出した──と同時に、後ろからもう一機飛び出した。

 

『地球外生物を売り飛ばす……宇宙海賊のヒドラか!!』

『よく知ってんなぁ……正解者には地獄をプレゼントだ!!』

 

 別の機体のプラズマライフルが火花を上げながら俺達を狙い撃つ。

 

『エクリプス兵装ではない……やはり初めから私達を潰すつもりだ!!』

『テメェらをやれば新機体貰えるってタレコミらしいからなぁ!!食わせてくれよΦ's(ファイズ)ちゃん共よォ!!』

『誰がぁ!!』

 

 受け止めたFireの中型シールドが、左腕部こと一撃で爆発した。威力は相応のようだ。そして威力に伴う隙も──

 

「──甘いな」

【ECLIPSE CHARGE】

『がァッ!!??』

 

 右脚で蹴りつけ、パイルを叩き込む。狙うは当然──コクピット一択だ。……ほどなくして、敵機コクピット付近から凝固した液化エクリプス鋼が装甲板を貫いてきた。ビンゴだ。

 

『今刺さってる、よな?』

「ッ!!しまっ──」

 

 声と共にカメラに翳りが出た。上空を見上げると、そこには例の束になった巨大なチェーンソーを構えた黒いエクリプスがいた。

 

『ヴォルフォース!!!!』

「──え」

 

 名を呼ぶ声と同時、衝撃に機体ごと弾き飛ばされた。目の前には翼の付いた青い機体。そしてその真上には──ヒドラのエクリプス。

 

『逃げ──』

 

 声をかき消すように、巨大なチェーンソーはFear(フィーア)を削り取って叩き潰した。

 

「姉さぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!!!!!!!!」

 

 答える声はなく、Fearのひしゃげる音だけが響く。もはや助かるまい。

 

「だが……俺はこんな所で……」

 

 愛用のブレードを構える。奴の束ねたチェーンソーに比べれば頼りないが、それでも幾多の生物を屠った相棒だ。

 

「全く……『空と星』はどこで何したって、遠すぎるものだ……だが……」

 

 Fearを削るのに飽きたと言わんばかりに、ヒドラはチェーンソーを止めてこちらに向く。改めて見れば、単純なリーチは俺の方が長い。上手くいくかもしれない。やがて切っ先──と呼べるかは分からないが、巨大なチェーンソーがこちらを向いた。

 

「俺は……子ども達の居場所(そいつら)を掴まなくちゃいけないんだよ……!!」

 

 応えるように、Fineのブレードを巨大なチェーンソーに向けた──




アァマァドコォアァ……(嘘)

ACのMMD作品は参考にしましたけどね

求められたら設定なりなんなり割烹に載せようかな

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