乃木さん家の園子さんに構われたすぎて夜しか眠れない   作:みそぎんちゃく

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前回の終わり方的にそのっちが病むと思った!?残念!別に病まないよ!!

続くと思わなかったけどモチベがまだ続いてたから今書いた()

あくまで主人公は寝たきりだからね、場面があの部屋から動かないからめちゃくちゃ書くのがきつい。さっさとゆゆゆいに移らせるか勇者の章に行くか……どっちかにしないと


また来るね

 

「みーちゃん」

 

 

「みーちゃん」

 

 

「みーちゃん」

 

 

 そんな声が耳元につけたイヤホンから聴こえてくる。

 

 指先の位置に固定されたタブレットを操作すればその声も少し大きくなり、目をつぶった今、世界の全てが彼女の声で満たされる。

 

 部屋のお香も、彼女が部屋で炊いているというものをわざわざ大赦に用意してもらったものだ。

 しかし、指先の温もりだけは、園子の温かさだけはどう頑張っても無理だ。

 

 そんなもどかしさを感じつつも、耳元から聞こえる声に没頭する。

 

 そして……

 

 

 

「み〜〜ちゃ〜ん!今日も来たよ〜!」

 

 

 そんな陽気な声が聞こえた瞬間、自己ベストではないかという速度で手元のタブレットを操作し、音声ファイルをセキュリティの奥底へとしまい込み、冷静な声で返事をする。

 

「園子さん、こんにちは」

 

「はいは〜いこんにちは。と言ってもまだおはようの時間だよ?」

 

「あんまり時計を見る習慣がないから……」

 

「そっか〜……と!それより今日はいいものを持ってきたよ!じゃ〜ん!」

 

 その手に持っているのは……なんだろうか?果物に見えるが変わった形をしている。

 

「それは?」

 

「ふふふ〜これはね?スターフルーツっていう果物なんだよ!」

 

 ドヤ顔をしつつ、ベッドの横に置いてある最早、園子専用となっている棚から食器を取り出すとそこにスターフルーツをスライスして並べていく。

 

「これは……」

 

「ふふふ、可愛いよね〜」

 

 スライスされたソレは、名前の由来になったであろう星の形をしており、鮮やかな黄色が映えて視覚的にも楽しめるものらしい。

 

「はい、それじゃあ食べよっか、私も実は今日初めて食べるんだ〜」

 

「う、うん」

 

 前世も含め、初めて口にする果物には味覚がない身としても、やはり好奇心がくすぐられる。

 

 全て切り終え、園子は、両手につまむと口元へと運んでくれる。

 

「じゃあ頂きま〜す、あむ」

 

「はむ……」

 

 咀嚼すると、独特のシャクシャクとした食感が口の中で踊り始める。香りはそこまで強いものではなく、ちょっとした甘い香りが鼻から抜けていく。

 

 

 これは……

 

 

「うん、美味しい」

 

「そう!?よかった〜」

 

 感想を端的にだが述べれば、彼女は可愛らしく花の咲いたような笑みを浮かべる。

 

 口の中のフルーツを飲み込めば、また次を口元まで持ってきてくれる。

 

 しばらくそうして黙々と食べていると、唐突に園子が質問をなげかけてきた。

 

「そういえば、みーちゃんはさっきまで何を聞いていたの〜?」

 

 っ

 

「どうしました?いきなり」

 

「いやぁ、入ってきた時にタブレットを操作していたから気になっちゃって〜」

 

「えっと、クラシックだよ……名前とかはよく分からないけど、聴きながら目をつぶって居るとすっごく……すっごく気持ちよくなれるんです」

 

「へぇ〜私もやってみようかな〜」

 

「私が好きってだけですので、他の人がどうかはわからないけれど……一度、やってみて下さい」

 

 もしも園子が『園子さん』という呼び掛けをループして聴いていたら……と想像をするとなんとも言えない快感を感じるが、なんとかその妄想を振り払う。

 

「そういえば、園子さんは最近何か変わったことはありましたか?しばらく来なかったですが……」

 

「実はね〜近々転校することになりそうなんだよ〜その手続きでちょっとね〜」

 

 転……校……?

 

「その、転校ということはあまり会えなくなるんですか……?」

 

「……ん?べつにそんなことないよ〜?結構近くの学校だから。ただ、勇者関連のことでね〜」

 

 勇者……

 

 

 勇者!?

 

「園子さんがまた戦うんですか!?」

 

「うぇ!?ん〜まだきちんと決まって居ないけど、戦うことにはなる……かも?」

 

「そんな、の」

 

 あんなに戦ったのに……?

 

「た、戦わないでください!」

 

「えぇ!?いや〜でも戦わないって訳にも〜」

 

「そ、園子さんの代わりに私が戦いますから!ほら、私は精霊も沢山いますし!」

 

 

 

 

「だめだよ!!」

 

 

 

 

 

「みーちゃんはあの時私の代わりにいっぱい戦ったんだよ?だから、今度は私が頑張るから、それに今はバリアもあるし、他に勇者が五人もいるから大丈夫だよ〜?」

 

「他の……勇者?」

 

「うん、その勇者達が通っている学校に私も行くことになったの。あの時は三人で戦っていたけど、今回は私も入って六人もいるから大丈夫」

 

「…………」

 

「だから、ね?」

 

 でも、いや、これ以上言うのは園子に迷惑か。

 それに彼女も戦いたい訳じゃないはずだけどそれでも行くって言っているのだから、ここは友達として応援「あ!あと」

 

「え?」

 

 

 

「わっしーも新しい勇者の中に居るんだよ!」

 

 

 は?

 

 

「須美……さん?」

 

「うん!あ、でも今は東郷美森って名前だったっけ」

 

「東郷、美森……東郷……」

 

「わっしーはしっかり者だったし、今度もきっと頼りになってくれるよ〜」

 

 

「うん、それなら安心かな……園子さん……本当に気をつけてね?」

 

「まっかせなさ〜い!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 東郷……美森。

 

 

 ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

 

 

「それでね〜東郷さんが……」

 

 

 東郷。

 

 

「フーミン先輩と東郷さんで……」

 

 

 また東郷……。

 

 

「ゆーゆと東郷さんはいつも」

 

 

 東郷、東郷……。

 

 

 

 

 

 

 ギリッ

 

 

 

 

 

 

「みーちゃん?」

 

「っ!」

 

「ごめんね……今日はもしかして体調悪かった〜?」

 

「い、いいえ!大丈夫!それより、怪我とかは無い!?」

 

 内心を知られたくない一心で、話題を変えると、急な転換にビックリしつつも答えてくれる園子。

 

「う、うん、乃木さん家の園子さんはとっても強いですから〜」

 

「そう、良かった……て、もう夜遅いけど大丈夫?」

 

 だめだ、いくつもボロが出てしまう。

 

「あ〜もうこんな時間だったんだ、それじゃあ私そろそろ帰るね〜」

 

 そう言って退出しようとする園子に向けて、務めて柔らかい声を出すように「またね」と言う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「みーちゃん…………」

 

 

 ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

 

 

「失礼します」

 

「し、失礼しますっ」

 

 いつもの空間、代わり映えのしない部屋に、久しくなかった変化が訪れた。

 

 声に反応して入口を見れば、そこには長い黒髪の車椅子に座った少女と、赤い髪の毛をポニーテールにした少女が入ってきた。

 

「私もいるよ〜」

 

「園子さん……と?」

 

 そんな疑問をぶつけると、見知らぬ二人が自己紹介を始める。

 

「初めまして、讃州中学二年結城友奈、勇者やってます!!」

 

「私は東郷美森、同じく勇者をしています」

 

「みーちゃん実はね、勇者部の皆に満開について話そうと思って」

 

「っ」

 

 園子が何故此処に彼女たちを連れてきたのかは何となく分かった。

 

「ねえ、園ちゃん?この人は……」

 

「……自己紹介がまだでしたね、私は郡美影、園子さんと先代勇者として戦っていました」

 

「先代……」

 

「……勇者?」

 

「うん、私と〜みーちゃんと、あともう二人」

 

「園ちゃんは夏凜ちゃんが言っていたから知ってたけど……」

 

 どうやら、先代である勇者の俺がこんな姿なのに疑問を持っているようだ。

 

「ええと、この体のことでしょう?これから話すことに関係があるから、それで園子さんはお二人を連れてきたんだと思いますよ」

 

「うん……ごめんね、みーちゃん」

 

 満開の前例として、それについて謝っているのだろう。

 

「いえ、大丈夫だよ」

 

「えっとねーーーー

 

 

 そこから一呼吸置き、園子が満開……いや、勇者システムそのものについて説明を始める。

 

 満開

 

 散華

 

 供物

 

 それを隠す大赦

 

 園子が一つ一つの真実を話していくたびに、二人はその残酷さに言葉を失う。

 

 今のこの部屋や自分のこの姿も、それが真実だと、彼女たちに思い知らせているのだろう。

 

 そして東郷美森と名乗った彼女、須美も、自分の足のこと、記憶のことについて、少し悟ったのかもしれない。

 

 途中、大赦の人間がこの部屋まで来たが、園子の一喝で彼等は下がる。

 最後まで話し終えると、二人は大赦の者に連れられ、帰っていった。

 

 

 

「みーちゃん」

 

「なに?」

 

「わっしーのこと嫌い?」

 

「」

 

 残った園子が、いつもの定位置に着くと、そう問うてきた。

 

「なんで……」

 

「いつも、わっしー……東郷さんの話をすると、なんだか悲しいような怒ったようなそんな目をしていたから……」

 

 気付かれていた。

 

 この理不尽で醜い心情を……?

 

 

 

 園子に……?

 

 

 

「みーちゃん!!!」

 

 気付けば園子の顔が目の前にあった。

 

「園子……さん?」

 

「みーちゃん、私はみーちゃんの事嫌いになったりしないから、お話聞かせて?」

 

 そう言うと、頬に手を添えてくる。

 そんな優しさに思わず涙が流れ、彼女の手を濡らすが、気にせずずっと触れている。

 

 こんなにも大切にしてくれているのに……

 

「わ、私は……」

 

「私は、園子さんが、私から離れてしまうんじゃないかって……」

 

「須美さんのことは、今でも大切に思っている……けど。でも東郷さんとして友達と囲まれて過ごしているのに、私にとって唯一な、園子さんを取られてしまうんじゃないかって」

 

「須美さんは大好きだけど……でも、東郷さんが妬ましくて……私と園子さんの唯一の時間に、東郷さんの名前が沢山出てきて……」

 

 話していて涙が止まらなくなってくる。

 

 園子が逢いに来てくれなくなるわけが無いのに。

 

「ごめんね〜、みーちゃん。不安にさせちゃったね」

 

「そんなこと!私がただ嫉妬していただけでっ」

 

「ん〜ん、みーちゃんだって、ずっとこんな所に閉じこめられて辛いのに、何も考えないで外でのこと話しちゃったし……」

 

「わ、私がお願いして聞いていた事なのに園子さんが謝ることなんて無い!」

 

「ふふっ、私が悪いと思ったんだけどな〜、じゃあ、おあいこだね〜?嫉妬しちゃったみーちゃんも、みーちゃんを不安にさせちゃった私も、ね?」

 

「ぞんなことっ」

 

「でね、みーちゃん。わっしーは東郷さんとしてとっても大切な護りたいものができてたんだ……ゆーゆ、結城友奈ちゃん。

 

 私、乃木園子にとって今一番守りたいものは、みーちゃんなんだ〜だから、安心して?私は絶対にみーちゃんの前から居なくなったりしないから」

 

 

 ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

 

 

 抱きしめられ、声を上げて泣いてしまったのだが、涙が止まった今も抱きしめられていた。

 

「その……そろそろ離してもらっても……」

 

「えぇ〜?甘えん坊さんなみーちゃんは泣いちゃわないかな?」

 

「もう大丈夫!!……その、ありがとう…………ございます……」

 

 そこまで言うとようやく話してもらえた。

 自分でもわかるほどに顔に熱が集まっているのがわかる。

 

「いいよいいよ〜恥ずかしがっているみーちゃんだなんてレアだよ〜!」

 

「か、からかわないでく「ああっ!!」っ」

 

 突然声を上げた園子。

 

「な、なに?」

 

「みーちゃんにとっての一番が私で〜私にとっての一番がみーちゃんなら、それってつまり"そ〜しそ~あい"ってやつだね〜!いやぁ、ラブラブですな〜私たち」

 

「なんっ」

 

「ほれほれ〜ほっぺたがほにゃほにゃになってるぞ〜?」

 

「な、動けないのにっやめっ」

 

「あっははは〜…………それじゃあそろそろ帰るとするよ〜」

 

「ぁ……えっと」

 

 

 

「みーちゃん、また来るね〜!!」

 

「っうん!」




あんな環境で病むなって言う方が無理な話ってそれ一番言われていry(

そのっちボイス録音フォルダにはありとあらゆるボイスが入っています。主人公のお気に入りは自分の名前を呼んでくれた部分を切り取って繋げたありとあらゆる「みーちゃん」呼びボイス。

編集?大赦の方(とあるMKさんのお兄さん)が一晩でやってくれました。

あと、スターフルーツって案外知らない人多いよね。私はあの食感は好きだけど味自体はなんかぱっとしなくて好きではないです。
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