ハイスクールD×D×O〜悪魔と龍と王の物語〜   作:カノサワ

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これまでのハイスクールD×D×Oの三つの出来事!

一つ!三代勢力の会談会場である駒王学園に襲撃してきた『禍の団』!

二つ!謎の敵『ディケイド』と、突如裏切ったヴァーリに辛うじて対抗するマリヒコとイッセー!!

そして三つ!!!突如現れた古のオーズの側近を名乗る謎の老人、マリヒコにこちらへ来る様に誘いの手を差し伸べる_。


第14話=側近と後片付けと過去語り=

「貴方こそが、真の王となる運命です」

 

_フードを被った者が、嗄れた声で俺にそう声を掛けながらシワだらけの手を差し伸べる。

 

「…お前も、禍の団の一員か?」

 

「私はただ、彼らと協力している身…貴方こそ何をしているのです?悪魔に飼い慣らされ、王の力を良い様に使われている…私と来れば、貴方は王となり世界を統べれる」

 

俺の問いかけにオーズの側近は憐れみを込めたかの様な言葉で俺に言う。

 

「…僕らがマリヒコ君を行かせるとでも?」

 

「勝手な事を言うんじゃねぇ!…部長はそんな人じゃない!マリヒコ!」

 

木場とイッセーが俺を引き止めるようにその老人に言いかかり、次に俺がその老人に問いかける。

 

「…俺が、そちらに行けば世界は平和になるのか?もう、悪魔や堕天使。天使達…人が戦う世界にならなくていいのか?」

 

「っ!?お、お前…」

 

その問いにイッセーが驚きを見せると同時に側近がそれでこそフードで包まれて完全には見えないが、僅かに見える口から笑みを浮かべるのがわかった。

 

「…えぇ。貴方がオーズの真の力を発揮し、全ての勢力を自らのものとし、貴方が世界を統べ、その欲望を叶えれば貴方が望む世界を創り上げれば出来ますとも!」

 

相手は嬉々とした様子で声を上げ、両腕を上げてそう言い放った。

俺が望めば世界を変えれる、自分が思うがままに世界を創り変えれる。だったら。

 

「…そうか。じゃあ…お断りだ」

 

俺のその言葉に相手の口元に浮かべた笑みが解ける。

 

「俺一人が、俺だけの身勝手な願いで世界を変えたって…そんなの絶対後悔する」

 

この世界は俺一人だけの世界じゃ無い。みんなそれぞれの価値観を持って突き進む。その結果争いが起きたとしても、きっといつかは分かり合い、お互いの価値観をすり合わせてこれからの世界を作り上げていく。それを俺一人で覆せるなんてのはありえない。

 

「…だとよ、マリヒコはそっちにいかねぇってさ!」

 

イッセーが威勢よくフードの者に言い放つも、相手は余裕そうにただくつくつと笑っていた。

 

「…ん。んだよ気味わりぃ…」

 

「それでいい…目先の欲望で無く、自分の欲望を優先するその姿。正にオーズに相応しい器…」

 

相手はただそうブツブツ呟きながら俺の方を見る。すると美猴はそのフードを被った者に近づいて言う。

 

「じーさんよ。悪いんだが見た感じ交渉決裂の様だな?じゃあとっとと帰るんだぜぃ」

 

そう言いながら棍の様な長い棒を取り出し、くるくると回したのちに地面に突き立てると、そこから黒い影のようなものが広がり、美猴やフードの者だけでなくヴァーリをも飲み込み包まれていく。

 

「あ。ワリ、ディケイドっちを忘れた」

 

美猴はディケイドがその場から離れてるのを見て言うも、当のディケイドは気にしないように言う。

 

「いいさ。俺は自分で帰れる」

 

そしてその少し離れた場所にいたディケイドが指を弾くと、空間のうねりのような壁が現れ、そこへ踵を返し歩き出す。

 

「_また会うことを願いますよ。今世のオーズ」

 

「逃すかテメェら!!ヴァーリ…っ!?」

 

別れ際にそう伝えられるもイッセーが追いかけようとするも…イッセーが見に纏っていた赤い龍の鎧が解除され消え去り、腕につけていた神器を制御する腕輪も砕け散り、破片が地面に落ちる。

 

「げっ!?リングが壊れた!?アザゼル!これの代わりねーか!?アイツらを逃すわけにはいかねぇだろ!?」

 

「悪いがそいつを作るのにはとんでもねぇ程のコストや時間がかかる。ぶっちゃけ量産も難しい。仮に今あったとしても使わせる訳にはいかん、変に多用すりゃ本来の禁手になれる可能性が薄れるんだよ…神器制御リングあくまで緊急用だ」

 

そう説明されるもイッセーは納得が行かず、アザゼルさんに声を荒げて問い詰める。

 

「そ、それがその緊急用だろ今が!?あのわけわからねー奴らにめちゃくちゃにされて黙ってられ…っ!」

 

「イッセー!」

 

文句を言おうとした途端。イッセーが突如膝から崩れ落ち、倒れはしなかったが膝をついてしまい立ち上がれずにいた。

 

「アレだけの力をフルで使ったんだ。反動も大きいさ、今お前が保てる魔力や体力じゃそれが限界だ。と言うかアレほどの力を出せたのが奇跡に近いさ。いいか?この戦いは敵を殲滅する為じゃない。せっかく決まった和平協定を守るためだ」

 

「…ちくしょうっ!!」

 

アザゼルさんが解説するかのようにイッセーに言うと、悔しそうにイッセーは声を荒げた。

 

「俺も俺で忙しいんでね。旧魔王の血筋であり、白龍皇である俺には色々やる事があるんだ。またいずれ会えるさ、その時にまたやり合おうじゃないか_オーズ、君にも多少は期待が出来そうだ_」

 

_ヴァーリはそれだけ言い残すと、黒い影に飲まれて消えていった。

 

「らしいぜ?…ま。悪くなかったぜ、またなオーズ…そうそう、俺を退けた記念に名前だけは教えておくか」

 

そしてディケイドが突如振り返り、珍しい形をした縦長のカメラを取り出し、カチッとシャッター音を切ると同時に名乗った。

 

「_門矢士。通りすがりの仮面ライダーだ、覚えておきな」

 

門矢士、その名だけを語ると_空間のうねりに飲まれ、消え去った。

 

「…門矢、士」

 

俺はただ。戦闘の傷跡が残り、悲惨な現場と化した学園の庭でその名を口にした。

 

_▲▼▲▼▲▼_

 

「…ごめんなさい。今回戦えなくて」

 

「朱乃さんは悪くありません…悪いのは、ギャスパー君を利用した奴らです」

 

あの後、時が停められた者は全員戻り。今は戦闘後の処理をしていた。

破損した部分や瓦礫撤去、そして…打ち倒した魔術師の遺体を運んでいた。

俺は今。簡易式に組み上げられたベンチに座り休憩していた。俺も手伝うように申し込んだが「今の状態じゃ手伝いは難しい」と言われ、休憩していた。

 

「…あまり、見ない方がいいですわ」

 

俺の視線の先にある運ばれる魔術師の遺体を見たのに気づいたか。朱乃さんがそれを注意するように言う。

 

「…その、生き残った魔術師は」

 

俺が戦った魔術師はメダジャリバーのスタンガン機能で気絶させたり。ギャスパー君の神器とイッセーの最悪な技で戦闘不能に追い込み、拘束していた。

 

「生き残りは然るべき場所へ送られ、尋問ですわ…無論、その後はどうなるかは私はわかりません」

 

「…なんで」

 

「え?」

 

朱乃さんの説明を受けたのち、俺はふと呟く。それは朱乃さんによる説明の疑問じゃない。

 

「なんで…平和になろうって時に、こうなるんだ。結局みんな死んじゃったじゃ無いか、傷ついたじゃないか…」

 

喉がぐもるような感覚を覚えるも、そこから絞り出すように俺は必死で言った。

 

「…魔術師の中には恐らく。悪魔や堕天使の被害を受けた者がいる。それだけじゃない、魔術師は生涯をかけて自らの魔導を研究する、それを面白くないと踏み躙る悪魔もいますわ」

 

その言葉を聞いて。動揺しつつも朱乃さんの方を見る。

 

「…世界は広いですわ。平和を目指そうとしても考えの違いや、差別意識があるからこそ未だ争いは絶えない、今日三大勢力が和平協定を結んだのも奇跡に近いですわ」

 

…その言葉を聞いたのち。俺はまた向こうを見る。

すると、一人の魔術師が天使に連行されてるのが見えた。

 

「ほら。歩くんだ」

 

「…天使どもめ。私達を異端として追い詰めて満足か?私はただ魔術の研究をしたかっただけなのに…!」

 

…俺は立ち上がり。その方向へ行く。

 

「マリヒコ君…?」

 

朱乃さんの声に構わず、魔術師に近づく。

 

「…なんだお前。あぁ、悪魔に媚びへつらう王もどきか?」

 

「黙れ!…すいません。あまり近づかない方がいいですよ、一応術で魔術を使えないようにしていますが。なにせ…」

 

魔術師が俺に悪態をつくも。天使がそれを止めつつ、俺に注意するように言う。

 

「すいません…一つだけ聞きたいことが」

 

「む。まぁ…いいだろう、手短に頼みますよ」

 

天使に許可をもらいつつ、魔術師に尋ねる。

 

「…満足か?平和のために向かおうとしてる時にこんな混乱起こしてさ。ましてや俺の仲間を利用したり…挙げ句の果てに、お前達の仲間がみんな殺されたんだ」

 

ギャスパーの件や。他の魔術師が死んでしまった事に追及する。

それを聞いた魔術師は俺に睨みつけながら。言う。

 

「…な訳ないだろクソガキ!!我ら魔術師は悪魔に踏み躙られ!堕天使に利用され!天使に裁かれた!お前にわかるか!この憎しみが!?我らには権利がある!復讐し、同胞の無念を晴らす権利が!」

 

「っ!行くぞ!すまないがコイツは連れて行く!」

 

魔術師のその怒号の叫びを聞いた天使が。手早く魔術師を連れて行こうとするも。俺ははっきり言った。言ってしまった。

 

「…羨ましいよ。そうやって気軽に怒りをぶつけて、誰かを傷つけるのがさ」

 

「っ!!貴様にわかるか!?オーズと言う力を手にして悪魔に気に入られて!そんな偶然手に入れた力より我らが先祖が築き上げた魔術が上だ!」

 

「いい加減にしたまえ!マリヒコ君だったか…流石にこれ以上は…!」

 

俺の言葉に怒りを見せつけるように言う魔術師に対し。いい加減にしろと言わんばかりに天使が言おうとするも、俺が取り出したものに目を丸くさせる。

 

「…王のベルトか。あぁやれ!!私を殺したければ殺せ…!!」

 

そう言うも。次に取った俺の行動に呆気を取られた顔をする。そう。

 

オーズドライバーを遠くに放り投げたのだ。

 

「…益々羨ましいよ…お前の言う魔術はきっとどんなものにも掛け替えのない力だよ。ほら、俺はもうただの人間だ。ベルトも無い、殺してみろよ。俺を殺せば少しはスッキリするだろ!?」

 

「何してるの!?…ごめんなさい。ほら、行くわよ!」

 

俺の取った行動に見かねた朱乃さんが背後から近づき、俺の肩に手を置きながら叱るように言う。

 

「…クソッ。頭がおかしいのかアイツは」

 

「…さ。行くぞ」

 

魔術師はそう吐き捨てつつ、天使に連れて行かれた…。

 

「…」

 

「何を考えているの!?…確かに気持ちはわかるけど。あんな挑発行為して…ほら。オーズドライバーを」

 

「いらない」

 

「え?」

 

朱乃さんが俺が放り投げたベルトの方へ向かおうとするも。俺は言う。

 

「いらないよ…そんなもの…結局人を傷つけてさ。なんも誇りにもならない。そんなもの…」

 

…もう。俺は何も考えられない状態だろう、ただただ頭に思いついた言葉だけを後先考えずに言うと。

…頭に。何か柔らかい感覚が伝わる。

 

「…一度。どこか個室へ行きましょう?きっと疲れているんですわ。気休めに紅茶、淹れてあげますわ」

 

…その言葉にただ。力弱く頷くだけだった。

 

_▲▼▲▼▲▼_

 

「はい。リラックス成分がある葉を使ってるわ」

 

「ありがとう。ございます」

 

あの後無事だった箇所の旧校舎の部屋に入り、今は椅子に座りながら朱乃さんの淹れたお茶を飲んでた。

 

「…美味しい。です」

 

「今は二人きり、変な敬語は無しですわ…ねぇ。マリヒコ、どうして魔術師にあんな事を言ったの?」

 

さっきの叱るような声音とは違い、今度は優しく、なお別の椅子で横に座りながら聞く。

 

「…わからない。いや、多分…ただ単に聞きたかっただけ、あんな事をしてまで何がしたかったか…魔術師って。魔術が大事なんですね」

 

「えぇ。血筋とかによるけど魔術は古より先祖から子孫へ伝わるもの、もし侮辱されたら自分の尊厳を踏み躙られるのと同じ」

 

「俺とは大違いだ。アレに縋って、それを頼りにする俺とは」

 

自虐めいた事を言いながらもお茶を飲み続ける。

 

「…前。神社で約束した事覚えてる?…それと関係している?」

 

その言葉に、ゆっくり頷く。

 

「…今から聴く。なんてのも難しいならまた今度で」

 

「…お願い。今話したい気分なんだ、今からでいいかな、ただ。上手く言える自信はないけど」

 

朱乃さん…朱乃に縋るよう、声を出しながら言う。

 

「!…わかりましたわ」

 

「…俺が。6歳の頃」

 

_俺は。朱乃にゆっくり話した。

今でも時たまにネットとかで語られてるある外国の町に飛行機が落ちた結果。大爆発を起こして町一つが壊滅した事故。

その原因は。オーズの力が封印されたと言う箱を不意に触った俺にあった事。

 

「…結局全部。俺のせいだ、あの箱を触ってなかったら。あんな事は起きてなかったし、そもそも…最近のメダルに関わる事件なんて起きてなかった、俺が結局悪いんだ」

 

木場の様に。あの魔術師のように明確に復讐心を持てる相手はいなかった。否、強いて言えば。

自分。そしてオーズの力そのものだ。

 

「…捨ててしまえばいいのに。なのに…オーズの力を本当に捨てたら俺。どうしたらいいかわからないんだ。オカ研にいたいし、みんなの力になりたい。俺、我儘ですよね…勿論この事は部長に伝えてください。罰でもなんでも受けますので」

 

「…言いたい事はわかったわ。それを自分が背負うっていうのは私じゃ口出し出来ないわ、けど」

 

朱乃が立ち上がり、俺の前に立つ、そして手をゆっくり俺の頬に近づけ。

 

「っ」

 

多分これから来るものに耐える準備をしたら…むにっ。と俺の頬を両手で揉むように挟む。

 

「…あ。朱乃?」

 

「辛かったわね。言いたくなかったよね?私は前言ったように貴方を狙う者や傷つける者がいれば消してあげるわ。貴方を守ってあげる」

 

「…俺を消すってのは」

 

「私の大事な人を消すつもり?」

 

その言葉に少しイラっとしたような顔を見せつつ、再び朱乃は俺の頬を揉み始める。

 

「ちょっ。なにを」

 

「部長ならきっとその話を聞いて。前の件は納得してくれるはずよ、いい?貴方の腕は私のもの。そう契約したでしょ?…貴方がオーズの力を捨てたとして、貴方を捨てるような真似はしない、自分が出来ることを私が。私達が探してあげる」

 

…俺の目を見つめながら。頬を揉みつつ言う。

 

「あ。朱乃…一旦それやめ」

 

「ません。聞き分けのない子にはこう言うお仕置きが効くのよ?」

 

とまぁ。いい笑顔を見せつつ揉むのをやめない朱乃だ。

 

「…少しは落ち着いた?もう外も落ち着いてきたごろだろうし。一度イッセー君のところ行く?」

 

「あ。はい…紅茶。ありがとうございます」

 

そして俺の頬から朱乃の手が離れる。

 

「…待って。どうせなら一つ契約しない?…手だけじゃない。貴方のその体全部を私が貰う、なんてね」

 

「?…いや。別にいいですよ?片手だけってのもおかしいし」

 

よくよく考えたら片手ってのもケチな話だ。まぁ手っ取り早く全身てのがスッキリするだろう。

 

「…あっさり言うわね。じゃ、貴方が今日まで頑張ったご褒美を差し上げますわ、まずは」

 

「…え?」

 

朱乃が。ゆっくり俺に近づく。

 

「ま、待って。何を」

 

_後退しようにも動けず、近づく朱乃から体を逸らせない。

 

「契約は成立。言ったわよね?」

 

「堕天使は。狡賢いって」

 

_俺の。口に柔らかい感覚が来る、それは。

 

「…ん。はい、まずはこれでね?…それじゃ、いこ?」

 

…朱乃が俺から離れてそう笑顔で言う。

今までの笑顔と違う。何か見たことのない笑顔で。

…多分。今の俺の顔は自分で見るのも恥ずかしい状態だろう。

 

_西暦20XX年

天界代表天使長ミカエル。

堕天使中枢組織『神の子を見張る者』総督アザゼル。

冥界代表魔王サーゼクス・ルシファー。

三大勢力各代表のもと。和平協定が調印された。

以降。三大勢力の争いは禁止事項とされ協調体制へ、歩み始めた。

この和平協定は舞台となった学園から名を取り、『駒王協定』と称されるようになった。

 

同時に。それは長く続いた戦いの終わりを告げるものでもあり。

また。新たなる戦いの渦を生む始まりに過ぎなかった。




これを更新するまでガヴが最終回を迎え。戦隊シリーズが終わりてマジ?

本当。更新遅れてごめんなさい…久々の更新ゆえ誤字脱語あれば申し訳ございません。
これを見てくれた読者様がいたら感謝しかありません。
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