ドラゴンクエスト3 そして伝説へ……のはずが、僕の四人目の仲間がだいぶおかしい件について   作:笛ふき用

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前話、前書きで原作破壊がどんどん始まるといいましたが撤回します。

可能な限り、原作の枠に収まったままいい感じにシナリオが組めましたのでそっちで参ります。





8 レーベの村を ふっこう しよう パート6

時系列:白竜の日 26日 昼~夜にかけて

 

 その後、すぐさまビルドは動き出した。まず最初にフルカスに何かを渡していくつか指示をしてからフォンとカダルにもフルカスと一緒に動くように言っている。

 

 村人には安心してくれ。大丈夫だからといい、到着したばかりのハンソロさんたちには、もしもの時には村人を守ってくれと言い残し、ビルド自身は僕に、

 

 あれる いくよ

 

 といって大きな岩がある村の南東に向かい、砂を取り除いて縦穴を掘りはじめた。

 

 ある程度深く掘れたところで上まで上がりやすいように【石の階段】を設置してから今度は人が六人一度に歩けるくらいの幅の横穴、つまりトンネルを掘りはじめる。

 

 ガンガンという音がひたすら響きどんどん穴が広く、かつ奥へ広がっていく中、僕が後ろでその様子を見ていると振り返ったビルドが、

 

 あれる まっすぐ つづき を ほって くれる?

 

 そういい残してどこかに行ってしまうビルド。こんな大事な時なのに今さら穴掘りなんて! と思いながらもビルドの今まで以上の有無を言わせない迫力に僕は素直に穴を掘ることにした。

 

 どれくらい時間がたったのだろう? 自分的には結構頑張ったかなと思えるくらいに掘った僕が一休みしていると、やがてなぜかガンガンという何かを壊す音がうっすら聞こえはじめた。

 

 ビルドかな? もしかして僕がいる穴と平行に穴をもう一本掘っているのかな? とおもったけれどどうやら違う。

 

 おっかしいな~、なんで『前』から音が聞こえてくるんだろう。口元のひきつりが抑えきれない。やがてどんどん音は大きくなり、最後にバカ~ン! という気持ちがいい音がして僕の目の前にビルドがあらわれた。

 

 やぁ、と軽い感じで片手をあげて挨拶してくるビルド。

 

 ビルド、正直に言うよ。さっきどくどくゾンビがあらわれた時より僕びっくりしてるからな!

 

 そっちも前から掘るなら先にそういっておいてよ! 首かしげるな!

 

 というわけでめでたくトンネルが開通したわけだけど、そうなるとどこにつながっているのか気になってしまい僕は僕から見てトンネルの先へと歩き出した。

 

 ビルドも一緒についてくるんだけど道中流れるような手つきでトンネルの壁両面に【石垣】をつんでいかないで! 速過ぎる! 怖いから! そうしてたどり着いた先にはけっこう広めのスペースがあった。そこは壁も床も全部【石垣】でできた大きな部屋で、ところどころ【木の壁】で柱を作って補強してある、そんな広間が広がっていた。

 

 ないそうは また こんど ゆっくり やる

 

 そういったビルドに促され階段を上ってドアを開けるとそこは、この前の小屋のところだった。つい先日フロッガーの大群に襲われ、ビルドのすごさを初めて感じたあの小屋の場所だ。

 

 外に出てまわりの風景を確認すると、僕の視界の先にはナジミの塔へとつながる地下通路の入り口とろうやのかぎがかかった石造りの建物がある。

 

 間違いない。ここは確かにあの小屋のあったあたりだと思い、振り向いたらそこには小屋がなかった。

 

 ちっちゃい山ができていた。

 

 いや、山というか丘? 土でできた丘ができていて、その丘に目立たないようにわらでできた扉がついているそんな感じの何か、としか説明の出来ない建物? ができていたのだ。しかもしっかり緑っぽい草で覆われた土だから風景に溶け込んでいて、知らなかったら間違いなく元々こういう場所だと勘違いするほどのカモフラージュっぷり。こんなの外から見ても中が全部【石垣】でできているなんて全く分からない。

 

 これで もしもの ときでも だいじょうぶ

 

 その言葉で僕はビルドが何をしていたのか理解した。村が襲われているときに村人たちを安全に逃がせる避難場所を作っていたんだ。

 

 【焼きキノコ】をむさぼりながら、来た道を引き返していくビルドの背を追って僕も走り出す。

 

 え? 

 

 ぼくが つうろに いしがきで かべを つくるから

 

 あれるは つうろに この たいまつ ならべてよ 

 

 ってだから早すぎるよ、ビルド! 作業も切り替えも!

 

 お願いだからもう少し説明して!

 

時系列:白竜の日 26日~27日 夜

 

 地下通路を通り村へと帰ってきた僕ら。ビルドは夕食後にみんなをあの秘密基地みたいな避難所へと案内した。

 

 これで もしものとき も ひとあんしん 

 

 そういってビルドは村の復興作業を始めた時、最初思いつかなかった村人のお願いをちゃんとかなえたわけである。

 

 当然、村人たちは大喜び。みんな安心したのかへたり込んで泣きながらありがとうありがとうといっている。

 

 そんな中、ビルドはハンソロさんたちにもしものときの指示を具体的にやっていた。

 

 まず まほうつかい さんと そうりょ さん

 

 むらのひと と いっしょに このみちを にげて ください

 

 せんし さん は いりぐちを つちで とじて

 

 それが おわったら これで ありあはん に にげて 

 

 そのあと ここに あるいて もどってきて ください

 

 そういってハンソロさんに【キメラのつばさ】と【やくそう】をたくさん、あと【せいすい】を渡す。過去最長しゃべったビルドはあんなに作業を続けても全く疲れもしないのに、たったあれだけ話をしただけで体力を使いきったかのようにぜーはー言いながら肩で息をしていた。

 

 どんだけ無口なんだよ。一言しゃべるのにどんだけスタミナ使ってるんだよ。心の中できっちり突っ込む僕。

 

 ちなみに、【キメラのつばさ】と【やくそう】はビルドの御手製。【せいすい】はまだビルドがいなかったころ、僕たちが初めてレーベの村にやってきた時に道具屋で買ったものだ。

 

 改めてビルドの言葉を思い出し、ひとつひとつ検証していく。正直、完璧だと思う。何故なら奴らの目的はせっかくぶっ壊したのに、あっという間に立派な壁を作った目障りな村をぶっ壊すことだと思う。

 

 そのことは前回村があんなに徹底的に壊されたのに死んだ人がいなかったことからたぶん間違いない。一人残らず見つけ出して人を殺すっていう感じはなかったからこそ、村の人たちは今も生きているんだから。

 

 なるほど、これなら魔物が仮に攻めてきても村人もハンソロさんたちも無事に済むはずだ。僕がビルドの計画に感心していると、ハンソロさんがばつが悪そうな顔をしてほおをかきながらビルドに疑問をぶつけた。

 

 なぁ、物づくりの坊主。俺たちはこの村を守るためにここに来たんだが、本当にそれでいいのか? その方法なら村人は守れるけどよ。村は守れねえだろ。……そりゃ、俺たちも死にたいわけじゃねぇ。だから助かるんだけどよ。なんというか……な?

 

 そんなハンソロさんにビルドはにっこり笑って、

 

 むらは ぼくが なんどだって なおすから だいじょうぶ

 

 でも ぼくも ひとは よみがえらせ られないから にげて

 

 いのち だいじに !!

 

 その言葉を聞いたハンソロさんたちは大笑い。あんまりおかしかったのかハンソロさんはヒーヒーいいながらビルドにいう。

 

 よし、分かった! それなら俺たちも安心してとんずらさせてもらうわ! あとのことは任せたぜ! ビルド!

 

 ビルドはその言葉を聞いてコクコク高速でうなづいた後、ふくろから無数のたき火を取りだしそれでものすごい量の料理を始めた。とまることなく焼けていくなまにくとキノコ、あと少しだけこんぶ。しばらくそれを続けてたき火を片付け、ビルドは何でもないことのように、僕に【たいまつ】を渡し、自分自身も【たいまつ】を手に持ってから僕に、

 

 じゃあ あれる いこうか

 

 といって真っ暗な村の外へとダッシュで飛びだそうとするから、さすがに腰に抱き着いてタックル気味になりながら止めた。

 

 だ・か・ら!

 

 お願い! だから!

 

 説明を! して!

 

 僕の大声が真っ暗な夜に響き渡って消えていく。

 

 そんでビルド! なにを いって いるの? って顔禁止! 首かしげるのも禁止! とりあえず今、何考えてるか説明しろ! この暴走ビルダー!




誤字脱字、感想よろしくお願いします。

びるどは ちからを ためている
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