ドラゴンクエスト3 そして伝説へ……のはずが、僕の四人目の仲間がだいぶおかしい件について   作:笛ふき用

11 / 60
9 レーベの村を ふっこう しよう パート7

時系列:白竜の日 27日 未明

 

 暴走ビルダーを何とか止めることに成功した僕は、まず寝起きをしている小屋の前の【たき火の憩い場】でビルドの考えを聞くことにした。

 

 これは真ん中の【大きなたき火】の周りを【丸石】で囲んだ【大たき火】を中心に適当にイスや丸太、大きな流木などで置くと完成する【部屋:公園】の一種。

 

 ちなみにこの【大きなたき火】は一度に五つの料理が同時並行で作れる超優れものだ。

 

 その【たき火の憩い場】に車座になって僕らはビルドの考えを聞くことにした。

 

 え~と なにが ききたいの?

 

 そこからか! 全部だよ! 何考えてるか全部はけ!

 

 らちが明かない。とりあえずまず先にフルカスに話を振る。

 

 フルカス、昼にビルドに何を頼まれたの?

 

 僕の質問にフルカスはニヤリと笑っていう。

 

 俺がビルドに言われたのは、フォンとカダルを連れて素材を集めて来いということだ。特にビルドから取ってこい言われたのは【石材】と【砂】だな。だから今日の俺たちは【石材】に関しては道中小石や大きな岩を見つけたら片っ端から壊して、【砂】はアリアハンの大橋をまっすぐ西にいったとこにある大きな砂地でいっぱい取って来た。

 

 あとは……スライムは見つけ次第倒して【油】を回収して来いとも言われたな。フォンとカダルがぐったりしているのはスライムを見つけたらひたすら倒し続けるってのを半日機械的にやってたせいらしいぞ。まだまだ鍛え方が足りんぞ! 二人とも!

 

 そう暑苦しい感じで説明してくれたフルカスは、腰につけていたふくろとをビルドに渡した。ふくろはビルドが使っているものとほとんど同じもので、たぶんビルドの予備のふくろなんだと思う。

 

 そんな予備のふくろを受け取ったビルドは中をのぞいてニッコリした後、ふくろ同士をポーンとぶつけるとまたフルカスにふくろをわたしてこういった。

 

 ありがとう あしたも よろしくね

 

 その言葉にフルカスはニヤリと笑って、おう! と力強く答え、フォンとカダルは頭を抱えて絶望しかない顔でイヤだ~、スライム狩りはもう嫌だ~! と叫んでいた。

 

 二人、仲いいよね。何というか親近感を感じるよ。主にビルドの被害者という共通点で。

 

 それにしても【石材】に【油】は今までもいっぱい使ってたからわかる気がするんだけど、【砂】? 何に使うの? と僕が聞くと、

 

 あれる とりあえず そざい は あつめる ものだよ

 

 と真顔で言われたから、おぅ……そうだねといわざるを得なかった。

 

 もう ききたいこと ない? じゃあ

 

 とまた飛びだそうとするからもう一度引き留めて、一番聞きたいことを聞いた。

 

 ねぇ、ビルド。あのゾンビマスターたち、どうやって倒すかもう考えてるの?

 

 と僕が聞くとビルドはいつもの緊張感のない笑顔で、

 

 ん~ まだ ぼんやり だけど おもいついてる

 

 ていうものだからびっくりした。あの巨大な魔物相手に対策をもう思いついてるの? だって今までのようにはいかないはずだ。【逆茂木】でダメージを与えられるかもわかんないし、壁をいくら並べても、それこそ頑丈な【石垣】で壁を作ったとしても、あの大岩をぶつけられたらすぐに壊されてしまうに違いないから。

 

 そんな強敵相手にぼんやりとはいえ倒し方もう考えついてるの? キミの頭の中ど~なってんの? と僕が考えていると、ビルドはでも、と続けて

 

 まだ あたまのなかに せっけいず が できてない

 

 だから まず どう を さがさないと

 

 といい、もう待てないというようにイス代わりに使っていた【大きな流木】から立ち上がり飛びだそうとするから、

 

 ビルド! その三段論法はおかしいよ! ホップとジャンプの間にステップがなさすぎだよ! それに銅はあんなに、具体的には山1ダース分くらい探したじゃないか! みつからないよ!

 

 と僕がいうと、ビルドは『やれやれこれだから素人は』的なイラァっとする顔で僧侶のエルシドさんを指さす。

 

 え? 俺? 俺なんかやったか?

 

 と驚くエルシドさんと僕らに向かってビルドはこういった。

 

 そうりょ さん が ば~ が ほしいって いったから

 

 ば~ を つくるのに かかせない どうは かならず どこかにある

 

 と確信したマジの目でこっちを見てくる。そう言ってから東のほうを見る。視線のずっと先には白く高い岩山が。

 

 というわけで いくよ 

 

 そういってもう一秒たりとも待てないといわんばかりに村から今度こそ飛び出していくビルドと放っておけないからそれについていく僕。

 

 闇夜に襲い来るゴーストすらぶっちぎる高速のダッシュっぷりを発揮して、僕らは今まで魔物が多く危険なため近づかなかったアリアハン東部へと足を踏み入れた。

 

 それにしてもさ……、誰かが欲しいって言ったならどこかにあるって因果関係が逆転してないかなぁ!?

 

 時系列:白竜の日 27日 未明から朝にかけて

 

 高い岩山の間を抜ける谷間を通って僕らはアリアハン東部へ。この辺りは今までの魔物と出現する魔物ががらりと変わる。

 

 レーベの村周辺にはほとんどあらわれないしっぽに毒を持つさそりばちがうようよいるし、じんめんちょうという気持ちの悪いちょうちょもいる。そして何よりメラの魔法を得意とするまほうつかいという魔物の縄張りであり、さらに最近今まで見たこともない大きな魔物がこの辺りを徘徊しているという情報もあり、アリアハンのものは絶対に不必要に近づくことはしないのだ。

 

 そんな こと しらねぇ

 

 といわんばかりの顔をして危険地帯を疾走するそざいバカを何とか護衛しながらついていく僕。

 

 だってさ、キメラとかさそりばちとかうろうろしててもお構いなしに森に山に平地に突っ込んでいくんだよ? 

 

 まほうつかいのメラが飛び交う中をさっそうと走り抜けるとかどこのB・ウィ〇スだよ! ハードか! 大ハードなのか! そしてビルドに気を引かれているうちにこっそり一匹づつ魔物を倒すとか僕はいつ勇者から暗殺者へ転職したんだよ! 僕は剣士適性と魔法使い適性はあっても暗殺者適性はないはずなんだぞ! 

 

 あと最近我ながら人間性(キャラ)崩壊が激しくてついていけてないんだよ!

 

 ほらまた変な電波受信しちゃったじゃないか! あやまれビルド! 不思議そうに首をかしげるな! 

 

 そうこうしているうちに僕たちは東部の山裾の大きな森へとたどり着いた。きょろきょろ周りを確認するビルド。それにしてもこの森深くない? 

 

 建前) こんな見通しの悪い場所なんて、危険極まりない。こんなところで敵に囲まれたらどうしよう。危ない! 早くここから離れないと!

 

 本音) レーベの村近くの森とは木の密集具合が違うし、キノコも多い。これなら効率よく短時間でたくさん【木材】や【キノコ】がとれるなぁ。やったぁ!

 

 ……ビルドにじと目で見られている。まさか、本音をみやぶられたのか? いや大丈夫だ。いかにビルダーといえど心を読む道具なんて作れないはず。

 

 こっそりニヤリと笑うビルドは見ないことにして僕らは森の中を(そざいを回収するためあらかたぶっ壊しながら)進み、やがて今までとは違う黄褐色した山のふもとへとたどり着いた。これは……。

 

 おうざんがん だよ

 

 そういって軽くおおきづちで【黄山岩】? を叩くビルド。するとまるでキンキンと金属同士を打ち合わせるような音がした。

 

 そこで閃いた。この岩を何とか加工して村を囲えばあのどくどくゾンビの岩投げも防げるんじゃないだろうか? そう僕が提案するもビルドは(いつものように若干小ばかにするような様子でなく)首を振って、

 

 だめ あのいわ は たぶん しろのかべ でも ふせげない 

 

 といって僕の提案を却下した。

 

 そしてもう一言付け加える。

 

 あのいわなげ の あのいわを なげる こうどう は あいつを やっつける ちゃんす だよ

 

 たぶんね、といって【黄山岩】でできた黄褐色の岩山を登り始めるビルドに今の僕はついていくしかなかった。

 

 そしてその中腹、ちょっと広がったテーブルのようになっている場所で僕らは見つけたんだ!

 

 山肌にむき出しで光る【銅鉱石】を!

 

 本当にあったよ、ビルド! すごいよ、ビルド! と僕が声をかけようとしたらビルドは既におおきづちを振るってそざいの採取をはじめていた。

 

 

 ――【銅鉱石】ガン無視で。

 

 

 その台地一面に生えていた何だか丈の高い枯れたような色の草を採取するビルド。

 

 顔には満面の笑顔でおおきづちを振るう。振るう。振るう!

 

 その顔にはもはや狂気すら漂っていた。そうして根こそぎそこに生えていた草を全部刈り取り、申し訳程度に一個だけ【銅】を手に入れたビルドはふくろから【キメラのつばさ】を取りだし、僕に今までないほど早口かつ強い口調で、

 

 かえるよ!

 

 といって【キメラのつばさ】を空に放り投げた。

 

 ビルド! まだあんなに残っている【銅】は『どう』するんだよぉ!

 




誤字脱字、感想よろしくお願いいたします。

誤字報告、二件ありがとうございました。お名前は念のため伏せますが、感謝しております。

さて、ここでビルド君を除くパーティメンバーの称号を(隠れ称号もふくめて)説明

フォン

武道家 女の子 苦労人 現場作業員 スライム虐殺者 いっかくうさぎ虐殺者 ビルダー被害者の会会員番号3

カダル

僧侶 苦労人 超苦労人 現場作業員 スライム虐殺者 いっかくうさぎ虐殺者 ビルダー被害者の会会員番号2

フルカス 

戦士 マッチョ 筋肉バカ 脳筋 ナイスガイ いっかくうさぎ虐殺者

アレル 

勇者  勇者(笑) ツッコミ 現場作業員 電波受信体質 いっかくうさぎ虐殺者 ビルダー被害者の会会長兼会員番号1

となっております! 世界の未来はどっちだ!

注意 以下はネタバレの解説です。今回の話の三段論法の部分の意味不明なところの説明になりますので、注意して閲覧をお願いします。

















ではまいります。


ビルダーズ2でストーリー進行上、【バーカウンター】というものを完成させる必要があり、そのために【シェイカー】が必要です。

【銅】はその【シェイカー】を作るのに必須ですので、バーが欲しい→シェーカーが必要→銅が必要→銅がどこかにある。という三段ならぬ四段論法でした。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。