ドラゴンクエスト3 そして伝説へ……のはずが、僕の四人目の仲間がだいぶおかしい件について 作:笛ふき用
時系列:白竜の日 30日 朝から昼
アリアハン東部にて僕たちは今緊張の一瞬を迎えていた。アリアハン東部にある砂漠の犠牲と五人がかりの徹夜による突貫作業により既に水道橋は完成。
もう一度言う。水道橋は完成した。
そして今僕らは水源横に備え付けられた水門の前にいる。満々と水をたたえる湖と水道橋を隔てる【水門】が今開かれた! あっという間に流れ出す水を誰もがおいかける。
なんだかんだといったけれど、やっぱり物づくりはいいなぁ! 完成したものを見ると何だか感動するんだよなぁ!
但し、その代償に目をつぶればだけど。
そんなことを考えながら水道橋を延々と西に向かうと水道橋のおわりが見えてきた。水が勢いよく水道橋から流れ落ちる。その先にはビルドがあらかじめ掘っていたのだろう、水を受け止めるため池ができており、さらにそこから村の前の水路へと水が引かれていく。
それを水道橋のへりに立ってぼんやりと眺める僕らにビルドがこういった。
やっと あいつら を むかえうつ じゅんび が できたね
そういったビルドの顔はいつも通り緊張感のない笑顔だったけれど目には闘志がみなぎっていた。
そうだね。準備というにはあまりにも壮大な準備は終わった。
そして村に戻ったビルドが【タルカタパルト】と【銅の投てき機】、そして【つみわら】を所定の位置に設置した。すると、
【レーベの決戦場】が 完成 した!
こうして僕たちと村の人たちの努力の結晶が完成した。
そしてみんなでそのことを喜んでいるとき、奴らは再びやってきたのである。
追記 いまだから思うんだけどタイミング良すぎじゃないかな?
追記の追記 なお、決戦前の状況を整理するとこうなる。
【油タル】×20 【つみわら】×15
【やくそう】×50 【上やくそう】×10 【どくけしそう】×10
【ステーキ】×50(食べると攻撃力微増) 【焼き魚】×10(食べると防御力微増)
時系列:白竜の日 30日 昼 決戦
まず最初に地面が大きく揺れた。その後まがまがしい気配が辺りを覆い、いずこからともなく奴がやって来た。
ゾンビマスター が あらわれた!
サァ ヤッテキタゾ 人間ドモ! マタ何カ小賢シク 物ヲ作ッタミタイダガ 無駄ダ!
出デヨ! どくどくゾンビ!
ゾンビマスターがそういうと奴の背後からおぞましく巨大な動く骸があらわれたのだ。
どくどくゾンビ が あらわれた!
コレデオ前タチハ終ワリダ! 殺ス! 殺ス! ヤレ! どくどくゾンビ!
その言葉に応えて、絶叫するどくどくゾンビの声で戦いの幕は切って落とされた。
奴らはまず予想通り毒の沼地から大きな岩を取りだして頭上に持ち上げた。僕は直前にビルドに言われたことを思い出す。
みんな あくまで ひ は おまけ
ねらい は やつ の おおいわ だよ
つまり奴が大岩を持ち上げた時がチャンスだ! 奴が今いるのは三セット用意した兵器のうち、真ん中のセットの直線上。つまり僕の担当だ。あわてずにまず【タルカタパルト】に【油タル】をセット。照準を合わせて、発射!
弧を描いて飛ぶタルは狙いをたがえずどくどくゾンビに命中! やった! 奴の体に大量の油がまき散らされた!
ン? 何ダ。何ノ意味モナイゾ! 人間!
何のダメージも与えられていないのだろう、変わらず大岩を持ち上げたまま立っているどくどくゾンビ。ただ離れた僕のところまで油の臭いはしっかりとただよっている。
それでも余裕たっぷりにこっちの出方を伺っているゾンビマスターは命令を下さない。おそらく僕たちが慌てふためいている様を、そして絶望する様を見ようとしているんだろう。だがな、そのお前の余裕がお前たちの敗因だよ!
続いて急いで【銅の投てき機】に【つみわら】をセットし、すかさず【たいまつ】で火をつける。
【たいまつ】の炎におどろくゾンビマスター。なにかまずいと悟ったのか、急いで『ヤレ、どくどくゾンビ!』という命令をするがもう遅い!
引っ張っていた【銅の投てき機】のひもを外す! さっきより大きく弧を描いて飛んでいく火の玉を、僕も、フルカスたちも、ビルドも、そしてゾンビマスターも思わず目で追った。
そして……、命中! どくどくゾンビは炎に包まれた! さらに頭の上にあった大岩が落ちて頭に直撃! そのまま地面に倒れた!
ナニィィ! 炎ダトォ! クソォ! 人間メェ! 生意気ナ! 起キロ! どくどくゾンビ! 起キロ!
慌てふためくゾンビマスター。
チャンスだ! すかさず走り出す僕ら! またビルドの言葉を思い出した。
ひ が ついたら いわ が おちて どくどくぞんび が たおれる と おもう
そのとき は みんな で こうげき しに いこう
ダッシュで間合いを詰めた僕らは倒れているどくどくゾンビを切りつける! 切りつける! 切りつける!
手応えあった! でも、まだ倒せる感じじゃない! しばらく一方的に攻撃できたけれど奴が起き上がる気配を見せたのでいったん引くことにする。起き上がったどくどくゾンビは頭を一度大きく振ってから立ち上がりこっちのほうを見ている。
どくどくゾンビ! 戻レ! 来イ! くさったしたい ドモ!
くさったしたい が あらわれた!
ゾンビマスターはすかさずくさったしたいを五体呼び出した。サイズは普通の人間サイズ。
僕自身は初めてみる魔物だけれど、有名な魔物だから何ができて何に弱いかは知ってる。そして奴らの大きさと僕自身の感覚でわかる。奴らは間違いなくどくどくゾンビよりも弱い魔物だ!
元の位置にもどった僕らに向かってくるくさったしたい。
すかさず僕らは奴らの進行方向上にある【つみわら】に火をつける! あっという間に燃え上がる【つみわら】にそのまま突っ込むくさったしたい。予想通りくさったしたいは自分で考える力がほとんどない魔物だ。あっというまに炎に包まれ、一歩、二歩、三歩歩く頃には元々よろよろだけど足はよろよろになっている。すかさず一撃加えるとそのまま崩れ落ちるくさったしたい!
いける! と思った次の瞬間、『馬鹿メ! 喰ラエ!』という声がしてビューんという音の後、僕の左後ろ側から轟音がした。目線を前に向けるといつの間にか再び現れていたどくどくゾンビがなにかを投げ終わった姿勢で立っている。あわてて後ろを振り返るとそこには破壊された石垣の壁が。
やられた! 再び前を向くと嬉しそうに飛び跳ねるゾンビマスターの姿が! そしてあんなに燃えていたどくどくゾンビの体の炎が消えていた。どうして? と思ったんだけれど奴はいったん毒の沼地に姿を隠したからその時に炎が消えたに違いない。
くそう、ここまで一勝一敗か。やっぱり奴らは強敵だ!
ここでこちらも体制を立て直す。ビルドが燃やしてしまった【つみわら】を再度設置している間にどくどくゾンビはもう一度沼へと潜った。仕切り直しだ。
にらみ合うゾンビマスターと僕ら。戦いはまだこれからだ!
【ここまでの状況】
アレル側
アレルの体力 まんたん
拠点防御力 80 (20のダメージ)
【油タル】×19 【つみわら】×9
ゾンビマスター側
どくどくゾンビの体力 残り60%
誤字脱字、感想よろしくおねがいします。
というわけで決戦前半までお届けしました。
一進一退の攻防です。
ちなみに大量の油+つみわら炎の威力は直撃メラミくらいの威力です。
但し、どくどくゾンビさんのHPはサイズがでかいのでかなりのタフネスです。