ドラゴンクエスト3 そして伝説へ……のはずが、僕の四人目の仲間がだいぶおかしい件について   作:笛ふき用

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17 レーベの村を ふっこう しよう 11 終!

 地竜の月 3日

 

 朝起きると酔っ払いどもの姿は小屋にはなく、いつものように朝の食事とトイレを済ませて村を見回ってみたら、全員酒場(予定)の床で寝てやがった。

 

 その醜態を見て自分自身があんなダメな大人にはならないようにしようと思いながら、ダメな大人で恥ずかしながら仲間の一員であるフルカスを叩き起こす。

 

 ん? なんだ? 朝か?

 

 もう昼前だよ、フルカス。起きて。

 

 あぁ……、うっぷ!

 

 そういってトイレに走り出すフルカス。おいおい、肥やしに変なもの混ぜるんじゃないよ。

 

 それにしてもこの村もずいぶんと復興したと思う。宿屋もあるし、武器屋も道具屋もある。畑もできたし……あと何が足りないんだろうと思っていたところで、ビルドの姿を見つけた。

 

 村のちょうど真ん中でのんびりとだけど何か建ててる。あれは……、小さいけれど教会かな?

 

 おそらくそのために少し地面の道とかの配置もいじってるな、これ。

 

 そしてそうした配慮の上で建てられた【石レンガ】の教会は静かに池のほとりにたたずんでおり、素朴な感じだけれど背が高くて、……何というか姿がよかった。アリアハンの教会は何というか荘厳で立派だけれど、この教会は親しみが持ててしかもそれでいて近くにいるとそれだけで少し背筋が伸びるというか何というか犯しがたい雰囲気。

 

 さらに池の北側、例のおじいさんの家の側に【どんぐり】を植えて、【砂】を階段のように積み上げて教会の上にのぼって、濃い紺色の屋根をふいていく。

 

 そうして出来上がったその教会は、とても素晴らしかった。屋根に建って村全体を見渡すビルドも満足そうにうんうんとうなづいている。

 

 そうするとどこからともなく謎の声が聞こえた。

 

 

 ――ミッション レーベの村を復興せよ! 達成!

 

 

 とにもかくにもよく分からないけれど、これにてレーベの村は元通りの平和な村になったらしい。

 

 そう思って相変わらず教会の屋根の上にいたビルドのところに空から何かが降りてきた。なにか神聖っぽい光を浴びながらくるくる回ってビルドのところに降り立ったそれをビルドは右手をつきあげて高々と掲げた。

 

 【大きなメダル・草原】 を てにいれた!

 

 また謎の電波が僕の頭を勝手に……。

 

 色々疑問だらけだけれど、いったんそれを置いておくことにした僕はいつの間にか集まってきた村のみんなと喜びを共有することにした。みんな泣きながら喜んで、笑いながら泣いていた。

 

 僕はこの時心の底から自分が勇者になって旅に出てよかった、そう思うことができた。

 

 追記 ビルドは村のみんなに頼まれて、【名誉村長】なる称号をもらっていた。そのことについてビルド自身は、

 

 とろふぃー げっと 

 

 といっていたんだけど、とろふぃーってなんだろう? 

 

 追記の追記 祝い酒だぁ! といってフルカスをはじめとした酒飲みたちがたき火の前で【バブル麦汁】を飲みまくっていた。明日またのたうち回ればいいのにと思い、やつらをフォンたち女性陣とともにトイレのツボの中身を見る目で見ておいた。

 

 追記の追記の追記 そういえば……、何かに使えるかな? と思い、僕がアリアハンのおうさま(笑)にもらった【謎の水晶玉】をビルドに見せると、一瞬でひったくられた。何するんだよ! と声をあげる前に、逆にビルドから怖い声で、

 

 これ どこで みつけたの?

 

 って言われたから正直に、

 

 この前、アリアハンの王様にもらったんだよ

 

 って答えたら、一度今まで見たこともないような顔で憎々し気にあのバカ女め……とかいってからいつもの笑顔に戻って、

 

 あれる これ ぼくのもの だから かえして もらっていい?

 

 っていったので、怖かったし使い道も思いつかなかったのでビルドに返しておいた。

 

 ――【天空の宝珠】を てにいれた!

 

 ってまた電波が飛んだけれど、最近多いな、この変な電波!

 

 その後、次の日の朝までビルドの姿を見なかったんだけれど、どこに行ってたのかなぁ?

 

 その日の夜、僕はおかしな夢を見た。夢の中で僕はビルドになっていて、どこか知らない場所にいたんだ。

 

 そこはとても広い広い荒れ野だった。ひび割れた土、乾ききった川、枯れ果てた山々がどこまでも続くそんな場所を、ビルドは何故か懐かしそうにゆっくりと歩いていた。そんな荒れ野にもいつしか終わりが来る。

 

 そんな大地の果てには……雲海が、そして空が広がっていた。眼下、遥かな地上には遠くにチカチカと明かりが見える場所がいくつか。

 

 アリアハン、レーベ、あっちはロマリア、ポルトガ……だろうか。

 

 それらを見てニッコリと笑ったビルドが来た道を引き返していく。やがてその荒れ野の真ん中に見えてきたのは、朽ち果てた神殿のような建物だった。

 

 神殿の中から声が聞こえる。

 

 よくぞ お戻りになりました 偉大なる 我らが ……。

 

 そこまで聞こえたところで、振り返ったビルドが何かに気づいたように困った顔をしている。

 

 そして僕に話しかけた。

 

 いつものビルドの声で。

 

 でもどこかいつもとは違う……、この声は……、僕であって僕じゃない誰かに話しかけるようなこの声を僕はどこかで聞いたことがある気がする……。

 

 遠い遠い昔。僕が僕じゃなくて僕になる前に何度も何度も……。

 

 そして湧き上がってきたとても強い一つの気持ち。何人分もの僕の強い強い後悔の気持ち。

 

 とにかく謝らなきゃ! ごめんって! 

 

 そう言葉にしようとした瞬間、困ったような笑顔でビルドはこういった。

 

 アレル? いや、ロ●●●? それとも●●●●●かな? とりあえず勇者たるもの覗き見はよくないよ? それじゃあ……、またね……。

 

 その言葉で唐突に夢から覚めた僕はがばりと目を覚ました。急いで見回してみるけれど、小屋の中にビルドの姿は勿論ない。

 

 夢の中の記憶があっという間に薄れていく。急いで日記に残さないと……と思い、筆をとる僕。

 

 必死になってこの文章を書きながら僕は思った。

 

 それにしても、なんでだろう。

 

 僕は今、どうしてこんなに涙が止まらないんだろう……って。

 

 

地竜の月 4日

 

 

 そして……よがあけた! 

 

 

 のでみんなに見送られ意気揚々と旅立った僕ら。

 

 だけどいざないのほこらまでたどり着いたところで、壁を壊すことができずに急いでつい先ほど旅立ったレーベの村に戻ったことほど恥ずかしかったことはない。

 

 【まほうのたま】のこと、忘れてた!

 

 ていうか【とうぞくのかぎ】の存在自体忘れていたよ!

 

 ていうかじじい、いつまで引きこもってるんだよ! 村があんな大騒ぎの中よく最後まで引きこもってたな! 取りに行く以前にさ、むしろ全部終わったんだから自分から出てきて渡してくれよ! いろいろあり過ぎて存在ごと忘れてたわ!

 

 というわけで、僕たちはその日の夕方、【まほうのたま】で壁を破壊(この時のビルドの顔はそれはそれはイイ笑顔だった)して、封印されていた旅の扉を使ってアリアハンから旅立った。

 

 旅の扉の先は、世界最大の国であるロマリア王国。

 

 思わず圧倒されるほど大きなお城と街を持つこの国で僕らの新しい冒険が始まるんだ。

 

 

 

 

 ここまでの ぼうけん を セーブ しますか?

 

 ▶ はい

 

   いいえ

 




誤字脱字、感想お待ちしています。

あ~、ようやくアリアハン編終わりました! ひゃっほい!

一応、ドラクエ3のエンディングまでのプロットはもう組めているんですが。

長いね……、アリアハンでこの様ですよ、えぇ(遠い目)

というわけで、ロマリア編に突入前にいつものように閑話を挟みます。

まず閑話1が謎の大地の精霊によるレーベのレーベの村の解説です。

次に閑話2に未来の話。ロトの紋章における序盤の名シーンにビルドがいた場合どうなるかを読者さんたちより一足先にアルス君に体験してもらいます(笑)

さらに今からアリアハン編が終了したので、デザイナーズノートなるものを活動報告にあげます。書いてみた感想、ビルダーズ3の予想のようなもの、こうなってほしいなどの妄想と願望を書くだけですので興味のある方だけおいでください。

では、何とか明日には閑話を二つとも書き上げて来週はロマリアに突入しますので、皆さんしばしお付き合いください。
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