ドラゴンクエスト3 そして伝説へ……のはずが、僕の四人目の仲間がだいぶおかしい件について 作:笛ふき用
時系列 地竜の日 8日
朝、小屋から出発しようとすると、ビルドが入り口の前に看板を立てていた。
【きれいに つかって ください
びるど】
そうして僕らは出発した。ここからは特に大きな事件とかはなかった。林道にしたがって森に入り、道に立ちふさがる魔物を倒したり、そざいをとったりだ。そして森の中で陽が暮れたのでまた小屋とその他一式が建ち、その日はそこで一夜を明かした。
【きれいに つかって ください
びるど】
そして次の日、また今度は森を
ここまで来ればもう一息です! がんばりましょう! と意気揚々というマリルさん。本人としてはかなり頑張って速いペース何だろうけど、僕たち的にはかなりゆっくりと僕らは登山道を登り始めた。
けれど。
はぁはぁ、ひぃひぃ。み、みなさんさすがですね。とっても、はやい……。
……十数分後、案の定へたばって山道の地面に倒れこむマリルさんの姿が。
そうだよねぇ……。僕たちは旅をするために魔物と戦うために体を鍛えているからこれくらいは何でもない。ビルドはビルドでお腹さえ膨れていたなら、何かを作るという意志を原動力に、放っておいたらほぼ無限に動き続けるスタミナお化けだから体力うんぬんをあいつにいうこと自体馬鹿らしい。ほら、今も山道の【枯れ草】を壊してそざいに変えてる。
何とか少し開けた場所まで上がった僕ら。ぱっと周りを見回してみた感じ、どうやら山の三合目といったところだろか。思っていたよりも高いところまで上がってきていたみたいで、眼下にさっき僕らが通り過ぎてきたロマリアの森が広がっていた。
山裾を包み込むように青々と広がる濃い緑の樹々の群れをみてやっぱり広いなぁと思う。素材集めという寄り道も魔物の襲撃ってアクシデントもあったとはいえ、抜けるのに一日半かかる森だ。目線をあげるとはるか遠くに何とかロマリアの街が見えた。
けれど僕のかなりいい視力(5,0くらい)でさえあれほど大きかったロマリアの街が、ここからじゃまるで豆粒みたいだ。遠くに見える街、青い空に浮かぶ白い雲、黒い雲。……黒い雲がこっちに近づいてくる。まるで生きているみたいに。
フォンの声が聞こえる。
ギズモ! 雲の魔物よ! 空を自在で飛び回って上から雷を落としてくるわ!
空を飛ぶ魔物! しかもあんなに高いところを! アリアハンにいた比較的地面から低いところを飛ぶキメラや少し浮いているだけのさそりばちとは違う、自在に空を飛ぶ強力な魔物!
けれど、対策はある。だって僕らのなかまには、
バギ!
頼りになる僧侶のカダルがいるんだから。
バギの魔法により突然吹き荒れた小さな竜巻がギズモの体を切り刻み地面に向かって落下してくる。すかさずフォンが間合いを詰めてしゃがんだフルカスの肩を蹴って空を舞う。
空中で体を翻し渾身の力を込めた回し蹴りがギズモの体を消しとばした。けれど完全に体を空中に投げ出されみるみる地面に向かって落下を始めるフォン。
危ない! と思ったら、すとんと着地する音がしてあきらかに空中に着地したフォンの姿がそこに。
フォン、君はいつの間に空を飛べるようになったのかな? と目をまたたいてみているといつの間にかフォンの足元は【土】でできた即席の足場だった。
ビルド、いつの間に。本当にいつの間に! あの一瞬であんなところまで【土】の床作ったの?
へへ~ん、得意げなビルドに褒めたいやら呆れたいやら何とも言えなくなった僕は、再び今のような空からの襲撃を避けるためにこの山のおよそ六合目の山腹にあるというロマリア鉱山の入り口へと急ぐのだった。
そして陽が暮れるころ、遠くに見えた【壁かけたいまつ】の光は僕らの心を温かくしてくれた。
ゴールが見えたっていうのは力が出るもんなんだな。
そこから急に体が軽くなったみたいになって最後のラストスパートを何とか上り切った。【壁かけたいまつ】の明かりが照らす往時の繁栄を思わせる【鉄のブロック】と【銅のブロック】でできた門をくぐって、打ちひしがれた鉱山へと僕らはたどり着いた。
【ロマリア鉱山】 に たどり着いた!
【移動先】 に 登録された!
追記 ビルド、へたばっているマリルさんにも問題があったのはわかる。確かにあのままだったら危険だったし、合理的だとも思う。だけどビルド。
マリルさんは人間だ。荷物じゃない。
ビルド、善意なのはわかるけれどもう一度言う。
マリルさんは人間だ。荷物じゃない。
もっと言うと年ごろの女性だ。決して肩から小麦の詰まった袋みたいに担ぐものじゃないんだ。
誤字脱字、感想お待ちしています。
来週いっぱいで一度落ち着きますので、すみませんがご理解のほどお願い致します。