ドラゴンクエスト3 そして伝説へ……のはずが、僕の四人目の仲間がだいぶおかしい件について 作:笛ふき用
時系列 地竜の日 9日夜
ロマリアの富とは何か? と聞けば多くの人は何と答えるだろう。
広大かつ肥沃な国土と答えるだろうか。
温暖で過ごしやすい気候が生む多種多様かつ大量の農作物と答えるだろうか。
いや、山にも森にも海にもそして水にも恵まれたために全てが自給自足できるその環境と答えるものもいるだろう。
はたまたそれらの条件の元、様々な産業が生み出す多くの民の力こそロマリアの富だというものもいる。
そんな数あるロマリアの富の中に、この鉱山の名前が存在する。
ロマリア鉱山。およそ100年ほど前に開山されたロマリア北部の山岳地帯にある鉱山で、この鉱山が産出する石炭や銅、そして鉄こそがロマリアの繁栄と平和を支えていた。
そしてそれは魔王バラモスがあらわれ、世界中が大混乱に落ちいった後も変わらなかった。突出した者こそいないが平均的に質の高い数多くの兵隊たちに、同じく質の高い鉄の装備を潤沢に供給することで、ロマリアは大国としての力と平和を維持していたのだ。
つまりこの鉱山こそあのロマリアの要であり、急所。
その鉱山が今完全に操業停止している。国内に代替の鉱山がないわけではないが、あまりにロマリア鉱山が優秀な鉱山であったためにその他の鉱山はほとんど手が加えられておらず、今から急きょそちらを動かすのも難しい。しかももしそちらを動かしても思った通りの量の鉄や銅がとれるとも限らないのだ。
だからこそ、まだ少しでも余裕のある今のうちにロマリア中の力を結集して鉱山の早期復興を陛下にお願いに参ったところで皆様とお会いしたわけです。
こんなふうに今までのいきさつを、道中の三日間の食事のときや夜寝る前などにマリルさんは話してくれた。
そして彼女は代々このロマリア鉱山監督官の家系であり、先の落盤事故によって先代の監督官だったお父さんを亡くしたためその職を自分が引き継いだことも。
無念にも死んでしまった父のためにも、そしてロマリアのためにも鉱山は一日も早く復活させねばなりません。勇者様、お仲間の皆さん。お腹立ちなことはお有りかと思いますが何卒よろしくお願いいたします。
昨日の夜、森の中に建てた小屋の中で、最後に涙をうかべながらそう締めくくったマリルさんの言葉に僕らの気持ちは一つになっていた。彼女のために、そしてロマリアの国の人たちのために最善を尽くそうと。
そんなロマリア鉱山はひどく寂しげな場所となってしまっていた。
【銅ブロック】と【鉄のブロック】を組みあわせてできたゲートをくぐるとそこは山の中腹を切り開いてつくられたかなり広い平らな土地で、日が暮れて暗くなったことでたいまつの揺らめく炎がその場所の陰影を際立たせていた。
まず周囲の建物で無事なものがほとんどない。ゲートをくぐると広場を挟んで大きな建物、役所のように見える建物があるんだけれど一階は無事だけれど二階が全壊。さらに右を見ても左を見ても壊れた建物と崩れた土砂で辺り一帯がしっちゃかめっちゃかになっていた。
あぁ……、これはダメだ。こんな状態で鉄や銅なんて掘れるわけがない。今も鉱山の荒くれたちが力なく土砂を片付け、街の復旧と坑道の再開通のための努力を続けているけれど、その動く影の力のないことといったら。
逆にその光景に僕は決意を固めた。仲間たちを見るとフルカスもフォンもカダルも、そしてもちろんビルドもやる気でいっぱいになっていた。
だから僕はこういったんだ。
みんな、僕たちここに来てよかったね。たぶんできることがいっぱいある。さぁ、ビルド。何からはじめるか僕らに教えてよ!
僕の言葉を受けてビルドが話し出す。
あれる は ふるかすと いっしょに どしゃを かたづけて!
かたっぱし から ぜんぶ こわしちゃえ!
ふぉん と かだる は ありったけ たべものを つくって!
まずは たべないと! ちから でないから!
そして、両手を強く握りしめて突き上げ目を爛々と輝かせて力強くこう言ったんだ。
あとの ことは ぜんぶ ぼくに まかせとけ!!
こうして僕らの二番目の冒険(ミッション)、ロマリア鉱山復興が始まった!
誤字脱字、感想お待ちしています。
というわけで次はいつものあの方です。