ドラゴンクエスト3 そして伝説へ……のはずが、僕の四人目の仲間がだいぶおかしい件について   作:笛ふき用

31 / 60
7 ロマリア鉱山をふっこうしよう! パート2

地竜の月 11日 つづき

 

 とにもかくにも鉱山街の東側部分をとりあえず使えるようにした僕らは、マリルさんのいう通りに東の坑道へと向かうことにした。

 

 坑道、つまりは鉱山である。マリルさんの話によると【石炭】や【銅】、そして【青銅】を作るために必要な【スズ】が取れる坑道だそうだ。つまりビルドにとっては既知も未知も含めてそざいが大量にとれる楽園である。

 

 そのはずなんだけれど、ところがどっこい、坑道の入り口まで来たときビルドがおおきづちを振り回しながらやる気十分で鼻息を荒くするんじゃなく、とても残念そうにため息をついたものだからびっくりした。

 

 びっくりっていう表現は正しくないかもしれない。正しくいうと僕らはパニックになった。メタパ二ったともいう。

 

 まずフルカスはたくましい腕を組んでうむぅうむぅと悩みだすし、フォンは大丈夫? ねぇ、ビルド大丈夫といいながらビルドの肩をつかんで前後にシェイクしていた。カダルは驚きのあまり、(HP的な方の)体力がまんたんなのにホイミ! ホイミ! もひとつホイミだぁ!! とMPの無駄使いをし、かくいう僕も、あっ、ひょっとすると今日突然何の準備もなくバラモスと戦うのかぁと現実逃避を始めてしまったほど全員が混乱した。

 

 そのあまりの慌てぶりにビルドはがっかりした感情を隠すこともなく、ビルドはこういってビルド自身の気持ちを一言であらわした。

 

 てつぅ……。

 

 どうやら鉄への愛情があふれてあふれて天元突破した結果、鉄が取れる確率が低い東の坑道への興味があんまり持てなかったらしい。それでもしばらくすると、

 

 まぁ いいか せいどう も いいものだし

 

 と気を取り直していつものように目にやる気をみなぎらせながらおおきづちを振り回しはじめてので僕たちみんなホッと肩をなでおろした。

 

 ビルド、魔物と戦う前に僕らの心臓を止め(ザキ)にかかるのやめてくれないかな?

 

 というわけで何とか気を取り直して行動に向かう僕らを後ろのほうから呼び止める声がした。

 

 お~い、ま、まってほしいんだぞ~。

 

 振り返ると、あらくれさんが一人そこにいた。確か名前は……と僕が思い出そうとしていると、

 

 ひどいぞ! 勇者さん。昨日おいら自己紹介したぞ。おいら、ジョヴァンニだぞ! 

 

 とあらためて自己紹介をしてくれた。それにしてもなぜここに? と思ったら今度は事情の説明もしてくれた。

 

 お、おいら、お嬢に頼まれたんだぞ。勇者さんたちが東の坑道に入るから案内してあげてくれって! お、おいら魔物と戦うと、お、おしっこが出ちゃう病気にかかってるから、ホントは行きたくないんだけれど、他のみんなはケガがひどいし、お嬢から頼まれたし、戦うのは勇者さんたちがやってくれるから大丈夫って言われたから道案内するんだぞ! だ、だから、おいらについてきてほしいぞ!

 

 と黄色い覆面で上半身裸のムキムキの人が全身ガタガタ震わせながらこう言ってきたので、僕は思わず、

 

 アッハイ

 

 とだけ答えておいた。あんまりつっこまないほうがいいことって世の中にはあるよね。

 

 そんなこんなで東の坑道へ。この東の坑道は比較的被害が少なかったらしく、西側の鉄が取れる坑道のようにいまだ僕らに壊すことができない【黄山岩】が崩れて道をふさいでいることもなく、昨日もしくは今朝までの間にビルドが徹底的に入り口付近までの土砂を片付けたおかげで、ほとんど元の姿を取り戻していた、そうだ。

 

 うわ、すごいぞ。ほとんど入り口付近全部元通りになってるぞ。トロッコ乗り場も元通りだぞ! すごいぞ、ビルド君!

 

 とは坑道へと入ってすぐのジョヴァンニさんの言葉。

 

 その言葉にエッヘンと胸を張るビルド。

 

 その姿に苦笑しながら僕らは坑道の中へと入った。道すがら僕が消えた【壁かけたいまつ】に火をともし、ビルドはところどころに残る土砂や岩などを壊しつつ、さらに壊れたトロッコの線路を修理しながら坑道をしばらく進むと、ちょっとした広場に出た。どうやら雑然と採掘のための道具が荷物が置かれた場所らしい。ただ、もちろん落盤事故の影響を受けて、そこらじゅうがぐちゃぐちゃになっていたのでみんなでとりあえず片付けることに。

 

 ガンガンガン! ドンドン! ガンガン! っていう具合であっという間にビルドが片づけを終わらせ、それを見ていたジョンさんの目がまん丸になる。

 

 す、すごいぞ。何だか動きが速過ぎてビルド君がぶれてみえたぞ。あんなに細くて筋肉がない体なのに。

 

 と驚愕していた。そんな中、お決まりの休憩用の小屋をちゃちゃっと作り上げたビルドがジョンさんにこう尋ねた。

 

 ねぇ じょんさん みちが みっつ あるけど

 

 どれから すすむの?

 

 ビルドが言ったように道は三つ。ここは広場を中心にした十字路になっていたのだ。

 

 ジョンさんはビルドのその言葉に迷いなくこういった。

 

 まずは正面向かって右側の坑道に入るぞ! まずは【石炭】だぞ! 【石炭】がないと何もできないぞ!

 

 そういって坑道の中へ走り出すジョンさんの後を追い僕らは、ロマリア鉱山の奥へと足を進めることとなった。

 

 するとそこは……。

 

 ドラキーたち が あらわれた!

 

 大量のドラキーたちの巣になっていた!

 

 次から次へと襲い掛かってくるドラキーの群れに僕らは立ち向かう……、まえにジョヴァンニさんがいち早く隅っこでうずくまってガタガタ震えはじめて、魔物だぞ! 怖いぞ! 守ってほしいぞ! って言い始めたからさぁ大変。急いで役割分担を考えた僕は声を張り上げた。

 

 カダル! ジョヴァンニさんを守りながら、僕らを回復して!

 

 フォン! 自由に動いてくれていい! だけどあんまり突出し過ぎないでね!

 

 フルカス! ビルド! とにかくまとめてふっとばしちゃえ!

 

 そう仲間に指示を出した僕はできるだけドラキーたちが固まっているところめがけて呪文を唱える。

 

 ギラ!

 

 燃え盛る炎が僕の手のひらから線状に伸び、延長線上にいたドラキー数匹を巻き込んで燃え上がらせた。さらに突然のまばゆい光にひるんだのか、あわてだすドラキーたち。それを見たビルドがふくろから【たいまつ】を取りだし、ドラキーたちに向かって振り回すとさらに混乱しだすドラキー。それを丁寧にやっつけて全滅させた僕らは、こ、こわかったぞ。でもみんな強いぞ! おいらがんばるぞ! と気を取り直したジョヴァンニさんと共に坑道のさらに奥へ。

 

 何度も襲い掛かるドラキーたちを払いのけながら、さらに道々坑道の修理をしながら先へと進んでいいくとまた少し開けた場所にでた。

 

 ここだぞ! ここが【石炭】がいっぱい取れる場所だぞ!

 

 と走り出しそうだったジョヴァンニさんの覆面をとっさにつかんで後ろに引っ張る。勢いのまま地面にしりもちをつくさん。

 

 な、なにするんだぞ、勇者さ……ん。

 

 天井を見上げる形になったことで気づいたらしい。

 

 ビルドが手に持っていた【たいまつ】を掲げるとそいつらの姿がはっきりと見えた。僕らの視線の先には天井を埋め尽くすほどたくさんのドラキーと、その中に混じる緑色の見たこともないドラキー、さらにひときわ大きな赤いドラキーの姿だった。

 

 ドラキキキ! ニンゲンドモ! ナンノヨウダ! ココハモウ オイラタチノ スミカダゾ!

 

 まものの むれが あらわれた!

 

 メイジドラキー が あらわれた!

 

 タホドラキー が あらわれた!

 

 ドラキー が あらわれた!

 

 ひぃ! すごい数だぞ! あんなの見たことないぞ! もうだめだぞ! おいら、ここで死んじゃうのか! と後ろ向きにうずくまってガタガタ震えだすジョヴァンニさんはほっておいてと。

 

 すかさずカダル! と僕は声をかける。そうしてまるで天井がはがれるかのように勢いで襲い掛かってくる直前のドラキーたちに向かっていつもは後ろにいるカダルが前にずいとでて右手を向けた。

 

 高い天井と広いスペース。それは飛ぶことができるドラキーたちのとって戦いやすい絶好の場所だ。そしてさっきとは比べ物にならないドラキーの大群。それは一見ドラキーにとって最高で、僕らにとって最悪のシチュエーションにみえるかもしれない。けれどもそうじゃない。天井が低くないここなら。翼を持つドラキーたちにとって最悪の呪文を使うことができるんだ!

 

 バギ! バギ! バギィ!

 

 突如吹き荒れる竜巻にドラキーたちは地面に叩きつけられた。それは緑色のドラキーたちもしゃべる赤いドラキーも一緒。そこにみんなで突っ込む! カダルは【いしのやり】でドラキーを突き刺す。フォンはまるで川辺で石から石へと飛び移るみたいにドラキーたちを踏みつけていく。フルカスとビルドが【とげこんぼう】とおおきづちで最後の緑のドラキーを叩き潰したころ、僕はでっかくて赤いドラキーに【どうのつるぎ】を深々と突き刺した。

 

 

 アレル の こうげき!

 

 かいしん の いちげき!

 

 そしてほどなくして【キャベツのたね】をたくさん残して、ドラキーたちは地面の染みへと姿を変えた。

 

 ふぅとひと息つく僕らを尻目にビルドが壁に向かって駆け出す。

 

 つられて僕らが採掘場の壁を見ると、あるわあるわものすごい量の【石炭】が壁や床のいたるところに!

 

 大喜びでおおきづちを振るいだすビルドに続いて、魔物がいなくなって安心したジョヴァンニさんが、そして僕らも【石炭】の採掘をはじめた。

 

 東の坑道 1 を とりもどした!

 

 【石炭】を たくさん てにいれた!

 

 

 ミッション! 

 【ロマリア鉱山 を ふっこう しよう! 1】

 

 1. 鉱山街を復興しよう     (30/100%)

 2  坑道を取り返そう      (10/100%)

 3. 武器・防具を納品しよう【銅】 (0/100%)




誤字脱字報告のご協力、感想お待ちしています。

というわけで今回は少し丁寧な描写を頑張ってみました。

ビルダーズに限らず、ドラクエをプレイしているような臨場感が出ていればよいのですが……。

※ 3/18 ジョンから名前をジョヴァンニに変更。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。