ドラゴンクエスト3 そして伝説へ……のはずが、僕の四人目の仲間がだいぶおかしい件について 作:笛ふき用
地竜の月 13日
さてミッション? には挙がっていないけれど次なる難問に僕らは直面することになった。
食糧問題である。
正直レーベの村のときには周囲の森の恵み(主にキノコ)やそもそもレーベの村の人口が十人未満と少なかったこと、そして何よりレーベの村周辺に大量に沸き【なまにく】を落としてくれる救世主いっかくうさぎという存在がいたため、あまり意識せずにすんだこの問題だけれど今回は違う。
まず人数が多い。ケガ人も含めて既に二十人近い人が生活するロマリア鉱山街はその分食料の消費も激しい。さらに場所も悪い。北部山脈中腹に位置するこの場所は硬い【黄山岩】で覆われており、ドラキー狩りさえすれば【キャベツの種】こそ集まるだろうけれど、そもそもそれを植えるための土地がほとんどない。
さらに高山という普通に生き物に住みずらい環境は魔物にも生きにくいのだろう、今回救世主たるいっかくうさぎはこの周辺にはいないようだった。とたいまつの灯りと【炉】の炎で照らされた広場にて、そこまで思考が及んだところで僕はとある疑問をマリルに尋ねた。
マリルさん、元々ここの食料供給ってどうなっているんですか?
するとマリルさんが言うには、
元々は近くの村々から一定の日にちごとに、【キメラのつばさ】を用いた食料の供給があったらしい。だがそれも国内の治安の悪化で最近は滞りがちで、先の落盤事故の後に持ってきてもらえたのは一度きり。しかもその持ってきてくれた村の人に、
うちの村も村の防衛に人手がとられるおかげで農作物の世話が難しく自分たちが食べる分の確保で精一杯だからしばらく持ってこれない。
といわれたそうだ。
やばい、ホントに僕らが来なかったらこの鉱山、ひいてはロマリア詰んでたかもと思える惨状に僕は頭をかかえた。
とにもかくにも自分たちでどうにかしないといけないことが確定したわけである。
方策は主に二つ。
よそから持ってくるか、ここで自給自足の態勢を整えるかだけれど。
ビルド、どう思う?
と僕はこういう件で一番頼りになる仲間に意見を聞くことにした。
りょうほう やれば いいよ
そういったビルドが言うには、
まず当座は最近覚えた瞬間移動呪文【ルーラ】や【キメラのつばさ】を用いてレーベの村に戻ってでも食料を確保すればいい。しばらくの間なら村のみんなも協力してくれるはずだからと。次に今から武器や防具を作るからそれをロマリアの街に届ければ、治安が回復して食料の供給にも少し目途が立つはずだと続け、最後に使える土地は全部使って僕が何とかするからみんなは心配するなと、ビルド的に超長くしゃべったことで息も絶え絶え見た目にも死にそうになりながらビルドはそう請け負ってくれた。
となると僕たちがやるべきことは……と考えて僕はみんなに指示を出す。
フルカス、ビルドと一緒に動いて。護衛兼作業員としてビルドの指示に従ってビルドのやることをサポートしてあげて。
僕がそういうとフルカスは、おう、任せろと頼もしい声で応えてくれた。
フォンは僕と一緒にまずはロマリアの街にビルドが作ってくれる武器や防具を届けに行こう。そのあとレーベの村に行って小麦をもらってから一度ここにもどってきて、終わったら山裾の森で森の小屋を拠点にしてドラキーを倒したり、食料になりそうなものを集めよう。
わかったわ、アレル。まかせといて。
と元気なフォンの声に励まされる。
ビルドは……、全部任せるからとりあえず息を整えようか。
そういうと青い顔でこくこく頷くビルド。ホント君しゃべるの苦手だね。何かの病気?
とそこまで話したところで最後のなかまからツッコミが入る。
おい、アレル! 俺はどうすればいいんだよ!
と少しお怒りのカダルに僕はこういったんだ。
カダル、君の役割は決まってるじゃないか。僧侶としてマリルさんたちと協力してケガをした人たちをよろしく。今は一人でも働ける人たちが欲しいんだ。そのためにも君の力でみんなをいやしてあげて。
その場にいた全員がカダルに信頼の視線を向けて僕の言葉にうなづく。顔を赤くして照れくさそうにそっぽを向くカダルはあえて無視。そんなカダルをみんながあったかい目で見ていたから、これ以上何か言うと照れ屋のカダルは逆に怒っちゃうだろうからね。
というわけでこれで僕たちの方針が決まった。さて、それじゃ寝るかというところでようやく普通に戻ったビルドから待ったかがかかった。
ちょっと まった
みんな おまたせ
そうび を こうしん しようか
そういって出来上がったばかりの【青銅のインゴット】を手にビルドが【金床】で何かを作り始めた。
剣だ。剣を作っている。分かる、これは僕の剣だ。
ビルドに剣を初めて作ってもらうことに何だかとってもうれしさがこみあげてくると同時に、僕は何故だかこの光景を見たことがある気がした。それも何度も何度も遠い昔にそんなことがあったような……。
そんなふうに遠いいつかに僕が思いをはせていると右手に何か硬いものが触れたことで自分を取り戻す。なんだったんだろう、あの感覚はと思いながらも手元を見るとそこには見事な出来上がりの青緑色の長剣が。
アレル は 【せいどうのつるぎ】 を てにいれた!
出来たばかりの【せいどうのつるぎ】を試しに振るってみる。空気をきる感触が僕に今までの【どうのつるぎ】以上の攻撃力を感じさせた。かなり攻撃力が上がった気がする。具体的にはなんか12くらい? あぁまた電波が! それはさておき。
ありがとう、すごいよビルド!
僕がそういうと満足そうなニコニコ顔で目で小さく頷いて作業を続けるビルド。やがてしばらくすると僕たちみんなのための青銅の装備が出来上がったのである。
あれる Eせいどうのつるぎ
Eせいどうのよろい
Eせいどうのたて
Eブロンズキャップ
ふるかす Eせいどうのたいけん
Eせいどうのよろい
Eなし
Eブロンズキャップ
ふぉん Eブロンズフィスト
Eけいこぎ
なし
Eけがわのフード
かだる Eせいどうのやり
Eかわのよろい
Eせいどうのたて
Eブロンズキャップ
びるど Eせいどうのつるぎ
Eせいどうのよろい
Eせいどうのたて
Eブロンズキャップ
とこうなった。みんな各々に新調された武器防具に嬉しそうだ。中でも初めての武道家用の武器にフォンが大喜びですごいいきおいで拳を振るって感触を確かめていたのが印象的だった。
そして最後にビルドは、今までにない真剣な表情をして【金床】に向かい、大きく深呼吸をしてから【青銅のインゴット】を三つも使って何かを作り始めた。やがて手に持ったハンマーから光があふれはじめ、一本のハンマーが出来上がる。それを勢いよくぶんぶんと振るったあと右手で掲げるビルド。
【ブロンズハンマー】 を てにいれた!
――これで こわせる そざい は そのままのじょうたいで てにはいるぞ!
そんな電波とともに新しいビルドの相棒も出来上がったのである。
誤字脱字、感想お待ちしています。
青銅の装備に関しては銅以上鉄未満と思っていてください。
ビルダーズ2的比較を一応書いておきます。
ひのきのぼう<いしのつるぎ<いばらのつるぎ<どうのつるぎ<てつのつるぎ
拙作
ひのきのぼう<いしのつるぎ<どうのつるぎ<せいどうのつるぎ<てつのつるぎ
です。
ビルダーズ2におけるどうのつるぎくらいの攻撃力で、第二の島での最初の装備くらいには変わります。
というわけで装備更新回でした。