ドラゴンクエスト3 そして伝説へ……のはずが、僕の四人目の仲間がだいぶおかしい件について   作:笛ふき用

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13 ロマリア鉱山をふっこうしよう! パート8

地竜の月 14日 昼

 

 今、現在僕はレーベの村の宿屋にいる。

 

 深夜に夜明けを待たずロマリア鉱山街から文字通り飛び立ったビルドは、レーベの村にたどりつくやいなやあっという間に村人たちからの依頼である民家四件分の設計図を空いていた土地と僕らが前に寝泊まりしていた小屋をぶっ壊して開けた土地に敷いた後、一件分だけ自分で仕上げた後、その屋根の上で足をプラプラさせながら突如夜中に建築作業をすることになった寝ぼけ眼のレーベの村人たちの作業を見守りはじめた。

 

 僕はそんなビルドに

 

 あれる どこかで ねてきて

 

 ぼくは ねなくても だいじょうぶ だけど

 

 ゆうしゃ は いつも ばんぜん じゃなきゃ

 

 いや、お前が寝ろよとつっこんだものの、

 

 じゃあ あれる に けんちく の げんばかんとく とか できる?

 

 といわれぐぬぬとなってしまった僕はほらほらと背中をぐいぐいものすごい力で押されたため、朝日が上がる頃しぶしぶ宿で眠りについた。

 

 そして今起きたところである。【木の窓】を開けて外を見る。太陽の位置と自分の腹時計からして時間は多分ちょうど正午かな? そのまま宿屋のご主人にお礼を言って村の広場へ。【大きなたき火】のほうに近づいていくと、村の女性が焼きたてですよ! と【パン】をくれたのでありがとうございますとお礼を言ってから食べ始める。

 

 おいひぃ……。

 

 そうして口の中を幸せにしながら視線の先にある民家の建築現場を見ると何と既に二件目が完成しており村人たちは各自休憩しながら楽しそうに三件目の民家を建てているところだった。

 

 さてと、ビルドは……と思い辺りを見回すも姿はなし。トイレにでも行ってるのかと思い小屋と同時の破壊をかろうじて免れたトイレのほうを伺うもビルドの姿はなし。憩い場にいた休憩中の村人に聞いても、建築中の民家のほうに行って作業中の村人に聞いても帰ってきた答えは『名誉村長ならいつの間にかいなくなってましたよ』である。

 

 さーっと血の気が引くのが分かる。

 

 やばい! 見失った! 

 

 そう思った僕はビルドを探すため、村を飛びだそうとした。だが次の瞬間村のはずれにある【農家の倉庫】のほうがピカリと光ったかと思ったら、倉庫の陰からビルドがあらわれた。

 

 僕が寝ている間にいつものようにフリーダムに動き回っていなくなっちゃうのではと焦りに焦りまくっていた僕はほーと肩をなでおろした。これじゃあ、フルカスにとやかくいえないじゃないかと。そんな風に安心のあまり大きく息を吐いた僕に近づいてきたビルドは開口一番こういった。

 

 あれる かお あおい よ

 

 ねぶそく?

 

 いや、お前が寝ろよ! 

 

 なんで? ぼく ねむく ないよ

 

 おかげで理不尽なやり取りをしてしまった。

 

 ていうか全然寝てない奴に言われたくないからな! あと今僕の顔が青いのは間違いなく君のせいだからな! と思いながらもさすがにこれは八つ当たりになると思いぐっとこらえて僕はもう一度村のみんなに挨拶をしてビルドとともに【ルーラ】で村を後にした。

 

 ……それにしてもビルドはあんなところで何をしていたんだろう? 今度からちょっと注意してみておくことにしようかな。

 

 その後、【ルーラ】で降り立った鉱山街はずいぶんと賑わいを取り戻していた。ビルドの書いた設計図の完成のため働ける人と物が行きかい、少しづつではあるけれど街が新しい形へと変化を始めていたのだ。

 

 街の広場に降り立った僕らの目の前にその構造物はあった。

 

 そう、まず最初に完成したのは街の新しい中心になる丸太でできたやぐらだ。

 

 丸太四本で構成されたやぐらは、てっぺんまでの高さが何と8ブロックというかなり高いもので、櫓の真ん中から長い縄ばしごが垂れている。上には【木の格子床】でできた床がありそこから街を囲う東西南北の街を囲う壁のへりの部分に向かって渡り廊下代わりのつり橋が伸びているのだ。

 

 すごい存在感だなぁ……と思いながら今度は街の様子を眺めてみて、僕は昨日までとの一番の違いに気が付いた。

 

 おらぁ! これで土は全部草原の土になっただろ!

 

 石レンガ! 石レンガが足りねぇぞ! もっと作って持ってこい!

 

 さぁ、見なさい。この私の筋肉(あい)の詰まったブロック詰みの筋肉(ぎじゅつ)を! 街づくりは筋肉(ファンタジー)よ!

 

 一部おかしな言葉が聞こえてけれど、今の鉱山街には街には昨日までなかった『活気』があった。誰もが目標をもって何かを成し遂げようとするエネルギーに満ち溢れていたのだ。所狭しと大声でしょうもないことをいいながら作業をする大勢の荒くれの人たち。そんな彼らが回復したことに喜びながらも無理しちゃダメですからね! とうれしそうに叫ぶマリルさんがかわいかった。

 

 うお~ お嬢だ! 見ててくれよぉ! お嬢のためにも俺たち働くぜぇ!

 

 お嬢~、今日もかわいいぜぇ~! さすがは俺たちのアイドルだぜぇ!

 

 何言ってるんですか、もう! ほら、ちゃんと前を見て働いてください!

 

 あはははは! おめえたち、かわいいお嬢の姿を見て筋肉(やるき)は十分だろう? ほら、さっさと完成させようぜぇ!

 

 とまぁこんな感じで。それを見て僕はなんでもビルドや僕たちがやるのはよくないことなんだということを学んだ。人間、やることがないってことは心を弱らせる原因の一つになるんだって学んだんだ。

 

 ……やり過ぎはよくないけどね、と隣でぶーたれているビルドをちらり見た。

 

 うわー しごと とられたー

 

 うわー ぼくの しごとがー

 

 しまったー もうちょっと せっけいず もったい ぶれば よかったー

 

 こいつ……。無言でこの後僕がビルドにげんこつを振り下ろしたことはいうまでもない。

 

 こいつ、本気でワーカーホリックだな! ちょっとは休め!

 

追記 街の人たちに活気が出たのはよかったんだけど、それはともかくとして、なんで筋肉ムキムキのフルカスや街の筋肉ムキムキの荒くれの人たちはこのクソせまい鉱山街ですれ違うたびにポージングしてるのかな? 何なのかな? ●●(伏字)なのかな?

 

 暑っ苦しいんだよ! お前ら! 

 

 あとフルカスあうとー。罰としてお前今日から筋トレ禁止な。 

 

 ミッション! 

 【ロマリア鉱山 を ふっこう しよう! 1】

 

 1. 鉱山街を復興しよう     (50/100%)

 2  坑道を取り返そう      (20/100%)

 3. 武器・防具を納品しよう【銅】 達成!

 

 

地竜の月 15日 朝

 

 翌日。活気と賑わいを見せる鉱山街を街のみんなに任せた僕らの姿は再び東の坑道にあった。

 

 理由はふとしたことからだった。それは今朝のこと。あらくれたちの宿舎の宿舎機能を二階にそのまま移したことで完成した【あらくれキッチン】にて事件は起こった。

 

 キッチンの前に置かれたテーブルに顎を乗せてぶーたれるビルド。昨日僕があの後、ビルドは今日は現場監督ね! 手出しは禁止っていったものだから昨日からずっとぶーたれているのだ。

 

 そんな彼を見かねてジョヴァンニさんが善意でこういったのだ。

 

 そ、それじゃあビルド君、東の坑道でまだ行ってない左側の坑道にいってみるのはどうなんだな? あそこは、元々掘りかけの坑道だったんだけど途中で水が大量に出て坑道が水で埋まってしまって進めなくなってるんだけど……。

 

 問題はこの次の一言であった。

 

 ちょっとだけど【鉄】がでるんだな!

 

 そうジョヴァンニさんが言った瞬間、テーブルから瞬間移動し側に立っていたジョヴァンニさんを片手でつるし上げるビルド。

 

 その目からは完全にハイライトが消えていた。 

 

 ねぇなんでそういうだいじなことはやくいわないかなてつがでるとかさいしょからしってたらいままでむだなじかんなんていっさいつかわなくていちばんにそっちにむかっていたにきまっていたのにだっててつだよてつなによりだいじでしょうてつってそれなのにじょうほうをちゃんといってくれないとかじょう”ぁんにさんはばかなのかな?あぁばかなんだね?だったらこのままかべのしみになってもしかた……。

 

 ビルドストップ! 落ち着け! ジョヴァンニさん、白目向いて口から泡吹いてるから!

 

 そこで何とか我に返った僕が惨劇を止めた、んだけどその後がまたものすんごい怖かった。ジョヴァンニさんを床に下して顔だけ僕のほうに向けて依然ハイライトが消えた目のままのビルドが僕にこういう。

 

 ……あれる いまから いそいで こうどうに いこう

 

 イイヨネ?

 

 顔真っ青で高速で頷くことしかできない僕、フルカス、フォン、カダル、そして居合わせたあらくれさんたち全員。

 

 ビルドはその後、一足先に右手にジョヴァンニさんの覆面を持って引きずったまま東の坑道に向かった。僕らも間髪入れずそれについていくことに。

 

 まず最初にジョヴァンニさんを助けなきゃ! カダル、分かってるよね!

 

 おう、まずホイミだなぁ! ていうか生きてるんだよな! 俺ザオラルなんて、ましてやザオリクなんて使えないからな!?

 

 うん、多分大丈夫……だと思う。さすがに息の根は止めてないはず。

 

 ところでさ、何か精神をいやす魔法とかに心当たりないかな? ジョヴァンニさん、下手すれば再起不能になってないか心配なんだけどボク。

 

 そんな都合のいい僧侶の魔法はない!

 

 これが僕らが東の坑道に最後に残った一本へと挑むこととなった理由である。

 

 追記 正直、僕もちょっとだけ○○た。絶対人には言えないけど、あの顔を見た時ちょっとだけ、ち○○た。

 




誤字脱字報告、感想お待ちしています。

【悲報】勇者ロト、ちょっとちび○【拡散禁止】

以下愚痴というか言い訳というかそんな感じ。

本当にどっから降りてきたこのアイデア。

元ブラック企業の創業者経営者が、ブラックすぎて会社を追い出されたその日に元社員に復讐され、拉致監禁されすまきにされてヘッドホンを装着され、お前に順法精神を刷り込んでやるとばかりに延々と流れ続ける日本の法律条文。

その後、無事に死亡の後ファンタジーとか奴隷制度ありありの貴族の子息に転生し、今度こそ俺は俺のために全てを搾取してやるぜぇ! とヒャッハーしようとするも、魂にまで刷り込まれた日本の法律が彼を縛る!

おのれぇぇぇぇぇぇェぇ! 労働基準法めぇぇぇぇぇ!!

生まれ変わっても俺を縛るというのかぁぁぁぁぁ(血涙)!!

そんなブラックすぎる彼と、彼によって幸せにされる領民たちのハートフルストーリー♡

……こいつが今週頭の中で育っていたため、投稿が遅れたことをここに懺悔いたします。
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