ドラゴンクエスト3 そして伝説へ……のはずが、僕の四人目の仲間がだいぶおかしい件について 作:笛ふき用
ただリハビリでちょい短めです。ごめんなさい。
地竜の月 15日 さらにさらにつづき
おうぎ ちょう すーぱー ずどーん はんまー。
さて、ビルドのその溢れかえる、いや氾濫しながら沸騰する大河のようなものすごい物づくりのセンスとは正反対のネーミングセンスによって命名された必殺技のおかげで西の坑道の入り口は開いた。
よし いこうか
しばらく まじめな顔をしていたビルドだったけどそのうちにいつもの緊張感ゼロのぬぼーとした顔に戻った後、ダッシュでかつ蛇行しながら坑道の奥へと消えた。
蛇行していた理由はアレだろう。どうせさっきの必殺技で素材へと変えた大量の【黄山岩】の回収のためだ。真っ暗な坑道の奥からぺぺぺぺぺぺぺぺという素材を回収する音が途切れることなく響き続ける。
そんなビルドを急いで追いかける僕らとこの鉱山で働いていたあらくれさんたち。
それにしてもビルドのネーミングセンスゼロ以下の必殺技の威力はすさまじかった。なにしろ坑道の入り口からしばらく、具体的には30ブロック分もの距離をあの一撃で広い道へと変えていたんだから。
そんな即席の、だけれど巨大な立方体の柱を横倒しにしたような空間を僕らはたいまつを手に急いでビルドを追いかけるんだけど何しろビルドが速過ぎる。さすがに一撃で奥まで貫通とはいかなかったらしくまだ残っている崩れた【黄山岩】が僕らの目の前に大量にあったのだけれど、それを瞬く間にビルドはガンガン叩いて素材に変えていた。
作ったばかりの【おおかなづち】を振り回し、まさに八面六臂、縦横無尽に通路を広げていく。
そんなビルドを見ながら僕らはもう慣れた作業を始める。通路の壁に一定の間隔をあけて【壁かけたいまつ】をつけ、通路に灯りを確保してから改めてビルドをみた。
それにしてもすごいな、【おおかなづち】は。今までどうやっても壊せなかった【黄山岩】が壊せるようになっただけでもすごいのに、ハンマー自体の破壊力も今までのおおきづちとは大違いのようで今までなら三回叩かないと壊れなかったものが一回もしくは二回で壊れていくので、ビルド自身の残像ができそうなほど素早い動きと相まってあっという間に通路が広がっていく。
そして大量の土砂などが片付いた先に見えてきたのは、何というかおかしなものがたくさんあるだだっぴろい空間だった。
まず全貌はやっぱり邪魔者が多くていまだ確認できないんだけれど、それでも目立つのが天井からぶら下がっているぶっとい鉄でできた鎖だろう。何だあれ、あんなもの何に使うのさ。
ふと見ればビルドも興味深げにあたりの様子を見ている。
おかしなものはまだある。
その鎖は天井伝いにずーと伸びていて、それが壁までくるとほぼ垂直に下に向かって壁際にある何かとつながっていた。
え? なに? なんなの? ここ。今までの東の坑道とずいぶん様子が違う気がする。そんな見ても分からない僕とは違ってさすがに専門家は違った。
お~ にあげば かな
ごんどら とは すごい な
ごんどら? と初めて聞く言葉に首をかしげる僕を尻目にそうひとしきり感心し終えたらしいビルドが再び動き出す。ドッカンハンマーやさくれつハンマーを駆使してどんどん広場を占領していた邪魔なものを片付けていく。
そうすることでようやくビルドが言う荷揚げ場の全貌が見えてきた。さっきのぶら下がっていた鉄の鎖は地面に横たわっている【鉄のブロック】でできたとても大きな板の四隅につながっていたのだ。さらにその鉄の板もただ鉄製というだけのものじゃなく、何故だか分からないけれどその板の上にはトロッコの線路が引いてあった。
何だこれ? 変なものがあるなぁと視線を下に向けて歩いていると、またビックリした。
そこにはちょうどその大きな板がすっぽりおさまるくらい大きな長方形の穴が存在していた。
そんな長方形の穴を僕が鉄の板の上、そして穴のへりから注意して下をのぞき込むと下は真っ暗。たいまつで照らしても底が見えない。どうやらこの穴はずいぶんと下まで続いているようでたいまつくらいの灯りじゃ底までは照らせないようだ。
さく ないと あぶないか
なおしとこ
そういったビルドがのぞき込んでいる僕の側でぐるりと木の柵を巡らせはじめる。正面に扉が付けられる隙間を残してあっという間に四段くらいの高さまで積み上げて落下防止の柵を完成させたビルドはそれが終わると今度は壁際の鎖がつながった何かに向かって走っていき、何か棒のようなものをつかんだ。
そして。
おーい あれる
あぶないから はなれてー
といって僕が動き出すのを待たず棒のようなものをガチャリと上に動かした。
するとギギギギとかいいながら僕が四つん這いになってる鉄の床が動き出す! ドンドン景色が変わっていく。ゴインゴインという音と一緒に地面が遠ざかって目線が高くなってゆくのだ。
振り返ると視線の斜め下のほうに呆然とするフルカスたちとは対照的に嬉しそうに声をあげる鉱山街の人々、そして空中にいる僕に向かって指をさして爆笑しているビルドの姿がそこにはあった。
つまりこのすっごく重そうな鉄の板は宙に浮いているのだ。そしてそこで気づいた。いや、浮いてるんじゃない、と。これは吊られているということに。太い鎖が何らかの力で引っ張られて重い鉄の床が宙づりになっていることをこの時になって僕はようやく理解した。
そしてその理解からたっぷり三十秒後、僕は十分な準部体操の後宙づりの鉄の板の上で十分な助走距離を取り、全速力でダッシュして宙づりの鉄の板から飛び降りざま壁際でどや顔で立っいるビルドめがけて渾身のドロップキックダイブを敢行した。
ぐっふぅーーーーーー!!!
まるで夜空を走る一筋の流星のように、再び開通したばかりの西の坑道を切り裂く僕の両足がビルドのどてっぱらに突き刺さるまでそう時間はかからなかった。
危ないと思うなら、離れてから動かせよ! この愉快犯がぁ!
誤字脱字報告、感想お待ちしています。
復帰に時間がかかったことをお詫びいたします。
全部あの試験が悪い。
さてゴンドラはオリジナルです。
ただビルダーズ2に鉄の鎖は存在するのです。
完全なねつ造じゃない、それがコンセプトというか制約ですね。