ドラゴンクエスト3 そして伝説へ……のはずが、僕の四人目の仲間がだいぶおかしい件について   作:笛ふき用

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やらないといけないことがあるときほど筆が乗るのはなぜなのか……。

そして今回(と次回で)はDQB3にあったらいいな的なシステムの提案を作中に盛り込みました。


23 決戦! ロマリア鉱山! 5

地竜の月 21日 つづき

 

 大臣殿へのお願いはいくつかあったが、とりあえず最初に動きがあるのはロマリアの街を守る衛兵の中でも特に力自慢の人数人のロマリア鉱山への派遣だろう。

 

 今回のガメゴン退治に関して、ビルドは順調にいけば準備は十日から二週間くらいあればいけるのではないかと事前に説明を受けているので、彼らが徒歩で鉱山にやってきてその後彼らがそれぞれの役目を果たす時間は十分にあるだろう。

 

 代わりといってはなんだけれど、残っていた青銅を使ってビルドが作った追加の武器防具を大臣殿に預けておいたのでロマリアの治安は何とかなると思う。

 

 その後マリルさんと連れ立ってロマリアの酒場に行ってみるけれど、目的の人たちの協力は得られなかった。

 

 そのことに肩を落とすマリルさんを励ました後、彼女とは一旦ロマリアの街で別れた。マリルさんはロマリアの街でやるべきをもう少し済ませてからロマリア鉱山へ帰ることになっている。もちろん彼女一人で歩いて帰れるわけもなくキメラのつばさでだけれど。

 

 そして僕はルーラを使ってアリアハンへと飛んだ。

 

 いざないのほこらから旅立ってから初めてのアリアハンの街に家に帰ってゆっくりしたい気持ちがないわけじゃなかったけれど、今の僕にはやるべきことがある。

 

 ――この さくせん の かぎは あらくれさん たちの やるき だよ

 

 ビルドが昨夜の話し合いで提示したこの問題点をどうやって解決するか……、とみんなで考えていた時、ふと僕の対面にいたフルカスを見た時に何か引っかかるものを感じた。

 

 何だろう……、フルカスとあらくれさんたちのとの共通点? 筋肉バカなこと? 違う……、何が引っかかってる?

 

 その引っ掛かりが気になって思わずフルカスに聞いていた。

 

 ねぇ、フルカス。君なら何があれば日々の仕事にやる気が出る?

 

 ん? とフルカスが片眉を上げしばし考えてこういった。

 

 ん~~~~~~、酒、かなぁ……。疲れた後に酒が飲めたら俺はうれしいけどなぁ。

 

 あぁ、レーベでも君飲んだくれてたよね……。

 

 とレーベの村でのフルカスたちの醜態を思い出した後、ピーンときた。

 

 酒だ。あらくれさんたちのやる気を出すために、酒を用意して、再開すればいい。

 

 思い付きをそのまま僕が口に出すと、それを聞いたビルドが机の上に残った【鉄のインゴット】を置く。

 

 ビルドがちょっとためらい気味に口を開く。

 

 いいの? あれる

 

 これだけ あれば きみのぶん くらいは 【てつのつるぎ】を つくって あげられるのに

 

 さかば を さいかい するなら 【さかばのかべかけ】 が いるから

 

 【てつのつるぎ】 は つくれなく なっちゃうよ

 

 ビルドが言ったその言葉を僕は軽く笑い飛ばす。

 

 僕が【鉄の剣】一本持ったところであのガメゴンに有効なダメージなんて与えられないでしょ? なら、それで【酒場の壁かけ】だっけ? を作ってみんなのやる気をあげたほうが絶対いいさ。

 

 そういうとビルドはニッコリ笑って胸を叩いてこういう。

 

 よし あれる 

 

 【さかば】の件はまかせとけ

 

 あれる は あした ろまりあのまち で ばーてんさん をさがしてきて

 

 それで みつからない なら しかたない

 

 ぼくが よる りんじで ばーてんさん やるから

 

 そんなことをいうビルドに僕はいい考えがあるといってアリアハンにやってきた。

 

 そう。困ったときの……、

 

 ルイーダさぁん! 助けてぇ!

 

 そう言って僕はルイーダの酒場に駆け込んだ。

 

 久々に顔を見せたと思ったらいきなり何事だい、アレル坊!

 

 ルイーダさん頼みである!

 

地竜の月 21日 さらにつづき

 

 それでつまり、あんたとしては誰かロマリアの、そのロマリア鉱山の酒場でバーテンをやってくれる人間に心当たりはないか? ってことでいいかい?

 

 ……あんたねぇ、うちは人材派遣の場じゃないんだよ、といいたいところだけれど、うちも最近は色々手を広げてね。いろんな希望を聞いていろんな場所への人材の斡旋したりしてるんだよ。

 

 ……それで、バーテン……か。ひとり登録があるね。名前はアイーダ。……うちの妹だね。

 

 ちょっと待ってな。呼んでくるから。

 

 そう言ってルイーダさんはひらりと立ち上がり酒場の奥に消えていった。

 

 割と無理難題な自覚はあったのに、さすがは圧倒的な頼りがいである。

 

 そうして出されていたおいしい【ミルク】を飲んで待つことしばし。

 

 ルイーダさんはルイーダさんによく似た長身の美人さんを連れて戻ってきた。

 

 アイーダさん。ルイーダさんの妹でこのルイーダの酒場の看板娘の一人である。

 

 久しぶり、アレル坊。

 

 そう言って僕の頭をくしゃりとなでるアイーダさん。

 

 話は聞いたよ。アレル坊、私は別にロマリアのその鉱山だっけ? 行ってもいいよ。でもそれにはお願いがある。どうせ新しい店で働くなら私は気持ちよく自分の趣味に合った酒場で働きたい。だから私が働くその【酒場】は【レンガ造りの酒場】にしてほしいんだ。お願いできるかな?

 

 ん? 【酒場】を【レンガ造りの酒場】にってどういうこと?

 

 そう思ってる僕に不意にいつもの電波がやってきた。

 

 お願いクエスト 1

 

 アイーダのお願い 【レンガ造りの酒場】 を 造って!

 

 ――お願いクエストは、旅の途中いろんな人にお願いされるクエストのことです。お願いをかなえると、その人が移住してくれたり、何かアイテムをくれたりします。

 

 え? 何これ。

 

 謎の電波に驚いているアイーダさんはこう続けた。

 

 【レンガ造りの酒場】はまず【広さ】は【大きい】がいいね。

 

 次に壁を【赤レンガ】で作ってほしいんだ。それで扉は【ウェスタンドア】かな。他に必要なのは【酒場の壁かけ】、灯りは何でもいいけど、【バーカウンター】、【シェイカー】、【大きな木の机】と【椅子】が四つづつのワンセットを二つ、あとは【酒ダル】が二つに【銅のジョッキ】を大きな机の上に各四つかな?

 

 どうだい、出来るかい? それができたら私はそのロマリア鉱山ってのに行ってあげるからいつでも呼びに来ておくれ。

 

 そうお願いされた僕は、こういうことしかできなかった。

 

 ちょっと待ってて。急いでビ、ビルドに話してくるから!

 

 そのままルイーダの酒場を飛びだして、ルーラを唱える!

 

 ビルド~、助けてぇ! 

 

 なんか無茶ぶりしようとしたら、無茶ぶりがかえってきたよぉ!

 

 そのまま酒場の手直しをしていたビルドのところに駆け込んで説明をするとビルドはいつも通りのぼへーとした顔つきのまま何事でもないかのようにアイーダさんからの無茶ぶりを聞いてくれた。

 

 ふ~ん 【ひろさ】は【おおきい】で、壁は【あかれんが】、扉は【うぇすたんどあ】で ないそうが【さかばのかべかけ】、あかりはなんでもいいけどよっつ、あと【ばーかうんたー】、【しぇいかー】、【おおきなきのつくえ】をふたつ。それぞれに【いす】と【どうのじょっき】がよっつづつ。あとは【さかだる】をふたつね。

 

 わかった。

 

 すぐつくるよ。

 

 そう言ってまずビルドは何を思ったのか、せっかく完成した宿屋と道具屋をまるごとぶっ壊し空き地に変えはじめた!

 

 何やってんのさ、ビルドぉ!

 

 僕のツッコミに全く耳を貸さずビルドは建物二件分のスペースを確保するとまず建物の一階部分に大きな酒場を建設し始めた。

 

 まずふくろから炉を取りだして【黄山岩】と【粘土】、そして【石炭】で【赤レンガ】を大量に焼き上げた後、次に作業台を取りだし【ウェスタンドア】や【酒場の壁かけ】、【壁かけたいまつ】、【バーカウンター】、【シェイカー】、【木の机】と【木の椅子】、【酒ダル】【銅のジョッキ】をそれぞれ必要な数完成させていく。

 

 そしてそれが終わった後、しばらく空き地を眺めていたと思ったらものすごい勢いで壁を並べ始めた。

 

 あっという間に出来上がる赤いレンガの建物。さらに芸が細かいのが、柱の部分にはいつのまに手に入れたのか【スギ原木】を使いアクセントに。壁も赤レンガだけで作るんじゃなくところどころに【フレームガラス】を入れる工夫ぶり。最後に指定された調度品をバランスよく並べ終えて……、

 

 【おおきなレンガ造りの酒場】が完成した!

 

 あっという間に、アイーダさんの無理難題を完成させちゃった。

 

 この間、約二時間。

 

 よし まぁまぁかな

 

 と言ってビルドは今度は壊してしまった二階の宿屋と道具屋の再建に取り掛かった。

 

 その前に僕にくるりと振り返ってこう言ってから。

 

 あれる ぼさっとしてないで はやく ありあはん にいって

 

 あいーださん? だっけ つれてきてよ

 

 その言葉に背を押されるまま僕は本日都合四回目のルーラにてアリアハンに舞い戻ったのである。




誤字脱字、感想お待ちしてます。

まずは新システムその一、ルイーダの酒場の初お披露目でした。

いろんな町を発展させるのに足りなかったり、必要だったりする人材をルイーダさんに頼んで紹介してもらい、その条件として決まったルールの建物の建築だったり、アイテムを渡すことでその人に移住してもらう。

そんなシステムです。

次の話に、これに関連した目玉システムのお話も投入したいと思ってますのでしばしお待ちくださいね。

あと、今回のあらくれたちのやる気がカギっていうのもちょっとですけど決戦場のヒントですよ~。

追伸 もし再現する方おられましたら、赤レンガはゴーレム岩あたりで代用していただくとよいかと思います。

追伸の追伸 少しバーの内容を修正しました。作ってみたら机が少なくてさみしかったので。撮影もスマホでやったので掲載したいのですが私がモバイル音痴過ぎて断念……。
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