ドラゴンクエスト3 そして伝説へ……のはずが、僕の四人目の仲間がだいぶおかしい件について   作:笛ふき用

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遅くなりました。ようやく試験もひと段落。

現在リハビリちうですが、投稿します。


24 決戦! ロマリア鉱山! 6

地竜の月 22日 

 

 翌日。つまり僕のルイーダさんに対する遠くの街で働いてくれるバーテンさん知りませんか? という無茶ぶりに対する、ルイーダさんの妹のアイーダさんによる私が働きたいと思う酒場を用意したらいいよ? という無茶ぶり返しを、え? なに? わかった すぐつくるよ という言葉とともに宣言通り約二時間で大きな酒場を一から作り上げるという形で真っ正面から叩き返したビルドのファインプレイにより、僕はまるで球遊びで宙を何度も行き来するボールのようにロマリアとアリアハンのあいだを行ったり来たりした、そんな日の翌日のこと。 

 

 うぉぉぉ! 美人のバーテンさんだぁ! 酒場が復活したと思ったら大人のおねえさんがきたぁ!

 

 うぉおぉぉ! 何だいきなりぃ! 酒だぁ! 美人だぁ!

 

 な、なんだいこの人たち! アレル坊、ちょっと大丈夫なの?

 

 というわけで朝一で僕といっしょにロマリア鉱山街にやってきたアイーダさんと酒場に街のあらくれたちは大騒ぎ。そんな様子を僕は苦笑しながらしばらく眺めていたけれど、その騒ぎはやっぱり長くは続かなかった。

 

 ……でもなぁ、俺たちもう仕事ができねぇんだ。

 

 ……そうだよなぁ。鉄が取れる西の坑道にはあのおっかないカメの化け物がいるんだよぉ。

 

 ……きれいなお姐さんや酒場を作りなおしてくれたビルドの旦那には悪いけれど、ロマリア鉱山はもうおしめぇなんだぁ。

 

 口々にそんなことをいい、きれいになった街路でうなだれるように座り込むあらくれたち。

 

 やっぱり。あの夜のビルドの言葉がよみがえる。

 

 ――いまの あらくれさんたちは かんぜんに こころが おれてる

 

 ――かれらに かてると おもわせる

 

 ――それが さくせんの だいいち だんかい だよ

 

 そこに騒ぎを聞きつけたのだろう、フルカスがやってきて項垂れているあらくれさんたちを見張り台の上から見ていた僕のところに縄ばしごをよじ登ってやってきた。

 

 そんなフルカスに手を差し伸べて上に引っ張り上げる。うん、重い。

 

 ただいまフルカス。ビルドのいった通りになったね。それで肝心のビルドは?

 

 おう、アレル。お帰り。お疲れさん。ビルドなら予定通り今は東の坑道の中だ。万が一のため、俺も行くといったんだが万が一に備えて街で待ってろといわれたもんでな。

 

 なるほど。それでこの影が?

 

 ああ、坑道に潜る前にあっという間に準備していったよ。

 

 そう言って僕らは街の中央にそびえたつ見張り台の上のさらに遥か上を見た。

 

 そこには昨日までは間違いなく影も形もなかった崖の岩肌からにょっきりと生えた【黄山岩】でできた足場と、そこへと登るための異常な高さまで続く【木のはしご】の姿が。

 

 さらに崖の壁面を西の坑道方向に目を滑らせていくと、真上にあるものと似たような足場と【木のはしご】が見える。

 

 さすがビルド。手が(異常に)早い。

 

 僕は続けてフルカスに尋ねた。

 

 フォンの姿が見えないけれど?

 

 フォンは一人で山を下りて食料収集もかねて魔物を倒しに行ってるよ。どうやらあのガメゴンに攻撃が通じなかったことをずいぶん気に病んでいたからな。……じっとしてられなかったらしい。

 

 そういうフルカスのたくましい両腕にも力が入っていた。他人事のように言ってはいるがフルカス自身もフォンと同じように思っているのだろう。そういう僕自身もいつの間にか腰の【せいどうのつるぎ】の柄を握りしめ、あの日の自身の無力さをかみしめる。

 

 しばらくしてから大きく息を吐きだしたフルカスが何かを振り切るように頭を振って、最後の仲間の現状を教えてくれた。

 

 カダルは……、まだあのままだな。それにしても呪文を使えん俺には分からんがあのビルドの言っていたことは本当か? 僧侶が魔法使いの呪文を使えるようになるとか……。

 

 そう言って今度は腕を組んで悩み始めるフルカスの姿に、僕は改めてあの二日前の夜、計画を説明するビルドの口から出た驚きの言葉とその後の光景をを思い出していた。

 

 ――かだる こんかいは かだる が かぎ だからね

 

 ――ちょっとだけ むちゃを するけど だいじょうぶ

 

 そう言ってビルドは呆気にとられているカダルの背後に回って両手でカダルの頭をつかみ、そして。

 

 ――ぶっすり。

 

 

 ――ぎゃぁぁぁぁぁあぁぁぁあぁぁぁ!!!

 

 

 ビルドは何の躊躇もなくカダルの後頭部に指を突き刺した。それはもう頭蓋骨を貫通してるんじゃない? と言わんばかりの勢いで。

 

 そのままカダルは失神。ぷら~んと地面に垂れ下がったカダルをビルドは後頭部を持ったまま振り回し、そぉおぃ! とい掛け声とともにベッドに放り込んだ。

 

 おいいきなり何してる! と詰め寄る僕らにビルドはしれ~とした顔でこう答えたのだ。

 

 ――きいてたでしょ? こんかいは かだる が かぎ なんだよ

 

 ――だから すこし はやいし うらわざ だけど

 

 ――かだるの つかえる じゅもん を ふやした だけだよ

 

 魔法使いの魔法をね。

 

 そう言葉をつづけたビルドの口から出た意味不明な言葉に僕たちは怒りも忘れてポカンとしその後、ビルドをしかりつけた。

 

 何言ってんだよ、僧侶は僧侶の魔法しか使えないし、魔法使いは魔法使いの呪文しか使えないだろ?

 

 僕がそういうと心底やれやれという顔をしたビルドが、僕のことを指さす。

 

 じゃあ どうして あれる は ほいみ も めら も つかえるの?

 

 え? だって僕は勇者だし……。

 

 そう あれる は ぜんぶ じゃないけど りょうほう つかえる

 

 それは あれるが ゆうしゃ だから じゅもんを おぼえる みちが

 

 とくべつ だから なんだ 

 

 そこで大きく息を吸い込んだビルドが言葉をつづけた。

 

 そうりょと まほうつかいの じゅもん は こいんの おもてと うら

 

 さっきのは そのこいんの ぎゃくがわを いちぶ だけでも つかえるようにする あらりょうじ だよ

 

 まぁ それも かだる だから できるん だけどね

 

 ……どういうこと? と三人分の視線を受けたビルドがこの後口にした言葉は衝撃的なものだった。

 

 長台詞にぜーぜー言いながらも、ベッドで死んだように静かなカダルのことを一瞥しビルドは確かにこういったのだ。

 

 ――みんな きづいて なかったの? 

 

 ――かだるは てんさい だよ

 

 ――いずれ かならず けんじゃ に なれる おとこ なんだよ 




誤字脱字、感想お待ちしております。

というわけで呪文習得に関するオリジナル設定ぶっこみます。

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