ドラゴンクエスト3 そして伝説へ……のはずが、僕の四人目の仲間がだいぶおかしい件について   作:笛ふき用

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リハビリ続行ちゅー。

さくしゃは ちからを ためている!


25 決戦! ロマリア鉱山! 7

地竜の月 22日 つづき

 

 珍しくこの時のビルドは饒舌だった。

 

 あのね げんだいの じゅもんが つかえる にんげんの なかには ふたつの みちが あるんだよ

 

 かりに こいんの おもてがわの みちを そうりょの みち

 

 うらがわの みちを まほうつかいの みち とするよ

 

 それぞれの てきせいに よって じゅもんの つかえる にんげんは そうりょや まほうつかいになる

 

 ここまではいい?

 

 分かりやすい説明に思わず頷く僕とは対照的に、フォンは呪文が使えないこともあって感覚的に理解できなかったのだろう、ビルドに気ぜわしそうに聞いた。

 

 ビルド、つまり僧侶の道と魔法使いの道があって、でもそれが乗り越えられないからみんなそれぞれの魔法しか使えないんじゃないの? だったらカダルもそうじゃない。あいつも僧侶の呪文しか使えないわよ? だってあいつがメラとかギラとか使ってんの私見たことないし。

 

 フルカスも無言で腕を組んだままフォンの言葉に頷いた。

 

 僕らの疑問にビルドは言葉をつなげていく。

 

 そうだね さいのうが あっても いまは みちが ひらいてない からね

 

 そして じぶんで じゆうに こいんを うらにしたり おもてにしたり できる にんげんの ことを けんじゃって いう

 

 だから ぼくは さっきのあれで かだるの あたまの なかにある こいんを いちぶだけだけど じゆうに ひっくりかえせるよう にしたんだ

 

 これで ひとつの じゅもんでは あるけれど かだるは まほうつかいの じゅもんが つかえるように なったはず

 

 あとは じっさいに みたほうが はやいね

 

 ひゃくぶんは いっけんに しかず だよ

 

 そういって説明を打ち切ったビルドにフォンが不安そうな声でなおも食い下がった。それは何かすがるものを無くしたか弱い少女のような声だった。

 

 ねぇ、ビルド。じゃあ、私みたいな呪文が使えない人間は頭の中にその道とかいうのがない人間ってことなの?

 

 フォンのその言葉にビルドは珍しく本当に優しい声を出してこういった。

 

 うん げんみつには もう みちが うまっちゃった にんげん だね

 

 だけどね ふぉん それに ふるかすも だけど

 

 まず あのくそでけー がめごん あいてに ぶつりこうげきが つうじなかった のは しかたない 

 

 あんな はんそくもんすたー めったにみれる もんじゃ ないからね

 

 あれに ゆうこうな だめーじを あたえるには つよい だげきで ぴんぽいんとに のうを ゆらすこと しかないよ

 

 だから ぼくの こうげきが つうじたのは そのおかげ

 

 たまたま やつに ゆうこうな ぶきを もってた 

 

 それだけだよ きにやむことは ないからね

 

 あと ふぉん

 

 じゅもん の さいのう っていうのは ふぉんが おもうほど いいもの じゃないんだよ?

 

 それに にんげんは ほんと よくできてるから 

 

 きほん じゅもんの さいのうが ないほうが しんたいのうりょくは たかくなるんだよ

 

 だから ふぉんは じぶんに もっと じしんを もっていい

 

 いまの だんかいで あんな さんじげんてきな すげー うごきが できる

ぶどうか とか まじで すごいから

 

 ていうか ぼくらの ぱーてぃは ぼくいがい みんな だいてんさい しか いないからね!

 

 そういうビルドの顔は満面の笑みだったけれど、ビルドの自分だけは凡人発言にその場にいた僕ら全員、半死半生でベッドで寝ているカダルでさえ無意識で手を動かしたのだろう、ビルドを除くメンバー全員で渾身の総突っ込みをした。

 

 お前(あんた)が言うな! お前(あんた)が一番バグだからな(ね)! ビルド!

 

 その言葉にケラケラ笑うビルド。こうしてカダルが目覚めるまで呪文の話はお預けになった経緯があった。

 

 そこまで【おもいだす】した僕は、フルカスを見張り台に残して下に降りることにした。

 

 おい、アレル。どこにいくつもりだ?

 

 下まで降りた僕はフルカスを見上げる形になりながらこうこたえる。

 

 まずは、いきなりしょんぼりしだしたあらくれさんたちに戸惑ってるアイーダさんにこの鉱山街を案内するところからかな? フルカスもおいでよ? お酒一杯くらいなら飲めるかもしれないよ?

 

 そう言って新築の酒場の前で酒場の新しい主となるアイーダさんとしょんぼり三角座りしているあらくれさんたちをつれて、僕はビルド自慢の【レンガ造りの酒場】へと足を踏み入れた。

 

 さて、準備はあと半分。予定通りに行けば明日から僕たちの反撃のはじまりだ。

 

 そんな決意を胸に秘めて僕は、この日鉱山街のみんなと楽しい一日を過ごしたのだった。

 

 追記 この日結局ビルドが帰ってきたのは、日付が変わった深夜だった。どうやらこの先の仕込みに必要になる大量の【石炭】、それに【銅】や【スズ】の採掘だけではなく、一人だったことをいいことに東の坑道を探検してきたらしく、ホクホクの笑顔で帰ってきたビルド。

 

 特に大発見だったのが、東の坑道の地底湖の奥にある滝の裏にさらに奥に行ける天然の隠し通路みたいな場所を見つけたらしく、そこには今まで見たことない素材がたくさんあったと、その中の一つである【ツタの実】や【青いツタの実】などを見せてくれた。

 

 アリアハンから来る途中に寄ったレーベで手に入れた【小麦】で作った【バブル麦汁】はロマリアでも大人気。気風のいいアイーダさんに勧められてすっかり気を良くしたうちの酔っ払い(フルカス)やあらくれさんたちが酔いつぶれた後のいびきの大合唱の中、帰りが遅いビルドが心配でが遅くやきもきしながら何とか起きていた僕がフォンが、そのあまりのビルドらしさに安心しながら脱力しつつ、そんな楽しそうな冒険を独り占めしたことに抗議するもビルドはどこ吹く風で、そのまま酒場の二階部分に通じる外階段を作って二階部分にのぼって、その開けた二階部分に酒場を作るために壊した宿屋と道具屋をあっという間に再建した。

 

 この日のビルドはつまり、

 

 ① 昨日の夜あっというまに【レンガ造りの酒場】を作った後、

 

 ② あの遥か頭上にある崖から突き出た足場を二つ完成させ、

 

 ③ その後東の坑道へ向かい、【石炭】や【銅】、【スズ】などの必要な大量の素材を回収した後、

 

 ④ 気分転換に地底湖の探検に出かけ、滝の裏の未発見地帯を見つけてそこで新たな素材を回収したのちに、

 

 ⑤ 帰ってきてしれっと宿屋と道具屋を作ったということになる。

 

 そんなビルドを見て、僕はため息交じりに拳を振り上げ、少し目を離したすきに文字通り好き勝手やり倒したうちのパーティで一番のバグに制裁のげんこつを振り下ろすのであった。

 

 追記の追記 ……カダルがまだ目を覚まさない。




誤字脱字、感想お待ちしてます。

ホントコンスタントに三千書きたいですよ。えぇ。

そして現在、ロマリア編だけで既に25パート突破した事実に驚愕きわまる……。

これ、ロマリア編いつ終わるの? この後、あれもあれもあるんだよ……?
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