ドラゴンクエスト3 そして伝説へ……のはずが、僕の四人目の仲間がだいぶおかしい件について   作:笛ふき用

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大変長らくお待たせしました。とりあえず少しだけですが投稿します。


30 決戦! ロマリア鉱山! 12

地竜の月 28日

 

 キングスライムという強敵との戦いとその後のスライム狩りの後、疲れ果てた僕らは海を眼下に望むアリアハン岬で【たき火】を囲んで一夜を過ごした。いつもの通りまるで疲れを見せないビルドがさくっと【木のブロック】で囲いだけ作り、そこで手を止めた。何故と思った僕にビルドが空に向かって指をさす。そこには雲一つない美しい星空が。

 

 しばし疲れを忘れ夜空を眺めていた僕らだったけど、そこにビルドがたき火で【焼き魚】を焼き上げてみんなに配った。あつあつのうちに頬張る。そのおいしいことと言ったら。すこしだけだよ、といって出してくれた【バブル麦汁】を飲みながら疲れているのに、僕たちのバカ騒ぎは夜遅くまで終わらなかった。そんな久しぶりの仲間だけの夜、最後はとりとめのない話をしながら地面に【わらベッド】を並べて僕らは眠りについた。

 

 そんな良い夜が明けて、そして あさがきた!

 

 早朝、陽がロマリアの東の山々の間からのぞき始めたそんな頃、ルーラで鉱山街に帰ってきた僕らとビルド。

 

 空から降り立った僕ら。そこにちょうど通りがかりのマリルさんに話しかけその五分後、ビルドが激怒した。

 

 それはもう激怒した。

 

 理由はこの時点で目標の30%という全然進捗しない素材の回収のためである。

 

 そしてゆらりと嫌になめらかな動きでおおかなづちを肩に担いでビルドが向かったのは、僕らも寝泊まりしているあらくれたちのねぐらである。

 

 おきろ ごらぁぁぁぁぁぁぁ!!

 

 ものすごい汚い言葉とともに放たれたさくれつハンマーによってせっかく自分で作ったあらくれのねぐらに風穴を開けるビルド。その結果、哀れあらくれさんたちは冷え込みが激しい早朝の鉱山街で正座をさせられる羽目になったのである。

 

 どこからともなく(というかふくろからなんだけど)取りだした【古びた木箱】に片膝を立てて座るビルドとその前に正座で並ぶ荒くれさんたち。

 

 いつも通りのニコニコ顔のビルドだけど目が一切笑っていない。

 

 それにしても客観的に見るとこの光景、童顔で子供みたいなビルドに正座させられているたくさんのムキムキ筋肉の荒くれさんたちって、すごい絵だな。おい。

 

 以下その後のやり取りをここに記す。

 

 まずものすごくドスのきいた声でビルドが荒くれさんたちに尋ねた。

 

 で なんで こんな おそいの? はい じゃあ じょゔぁんにさん

 

 ヒィ! ビ、ビルド君! おいらたち一生懸命頑張ってるんだぞ! 全速全開でやってるんだぞ!

 

 ありえない 

 

 ぼくのみつもりじゃ きみたちが ほんとうに ぜんりょくなら もうもくひょうの 60%は いかないと おかしい

 

 こっちは ちゃんと しょにちに みんなの さぎょうを みて そこから よていを くんでるんだから

 

 ひぃ! なんでそんなことが分かるんだな! あの時ビルド君、自分も採掘していたし坑道の整備もしてたし誰よりも働いていたのに!

 

 ぼくは こと つくることと こわすことにかけては せかいじゅうの だれにも まけない じしんがある

 

 だから そんなの じぶんの さぎょうのあいまに ちらっとみれば わかるんだよ!

 

 (ここでビルド、木箱から降りておおかなづちで地面をたたく。あらくれさんたち、正座のまま少し地面から浮く)

 

 ヒィィ!!

 

 いいか! おまえら! きょうから ぼくらも さぎょうに さんかする!

 

 だから さっさと さぎょうを おわらせるぞ!

 

 そのビルドの言葉に、え? っと思わず声が出た。聞いてないよ、と思ったけれど、じと目で僕を見るビルドに何も言えなくなる。

 

 そしてビルドがここで投下した爆弾によって、翌日以降に阿鼻叫喚の大騒動が巻き起こることになるのである。

 

 もし きょう きみたちが がんばったら ひとつ きみたちの おねがいを きいてあげる

 

 う~ん そうだな …… ばにー なんて どうかな?

 

 その言葉を聞いた荒くれさんたちは一拍置いて大歓声とともに立ち上がり血走った目をしながら猛ダッシュで鉱山へと消えていった。

 

 さて ぼくたちも いこうか?

 

 そう言って笑うビルドにひきつった笑みで返す僕ら。

 

 そしてビルドはおもむろにフォンに近づいてその肩を叩いた。

 

 ふぉん さくせんすいこう のためだ 

 

 もちろん きょうりょく してくれるよね?

 

 次の瞬間、早朝の鉱山街にフォンの切り裂く様な悲鳴が響いたことはいうまでもない。

 




誤字脱字・感想お待ちしてます。

なかなか進まない……。
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