ドラゴンクエスト3 そして伝説へ……のはずが、僕の四人目の仲間がだいぶおかしい件について   作:笛ふき用

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ちょっと短めです、申し訳ナス。




6 レーベの村を ふっこう しよう パート4

白竜の月 25日

 

 何があった? 僕はすぐさまどうのつるぎを引き抜いて臨戦態勢を整えて駆け出す。

 

 すると地面に座り込んでいるフォンとカダル。村の西側のへりに仁王立ちして村の外、魔物がやってくる方向をにらみつけているフルカス。そしてせっせとまた逆茂木? だっけかをフルカスの見ている先に置いていっているビルドの姿があった。

 

 僕はフルカスに何があったか尋ねた。

 

 僕が朝に【キメラのつばさ】を使ってアリアハンに帰ったあと、ちょうどお昼前に武器屋と道具屋の建物が出来上がったらしい。そうしてみんなが喜んでいる最中に魔物が攻めてきたそうだ。

 

 魔物は今回は前回の襲撃とは違って、この村をボロボロにした時と同じようにフロッガーやバブルスライムの群れが押し寄せたらしい。

 

 だがそこで活躍したのがビルドが作った【逆茂木】だった。【逆茂木】に阻まれ魔物たちはほとんど村に近づくこともできずに、次々と突っ込んでは自滅していったそうだ。

 

 そうして敵を一掃して一息つこうか、と思った瞬間そいつらはやってきたとフルカスは言う。

 

 身の丈が直前までいたフロッガーの二倍以上、よどんだ水色の肌をした巨大なカエルの魔物――ポイズントードが三体現れ【逆茂木】をものともせずに突っ込んできて、ダメージを負いながらも口から毒のかたまりを放物線上に吐き出したらしい。

 

 さすがの【逆茂木】も高いところから山なりに放たれる毒のかたまりには何の効果もなく、逆茂木を飛び越えて毒の沼地がまたそこかしこに出来上がっていく。

 

 そうして見る間に汚染されるレーベの村の西側。それを見たフルカスたちは復興しつつある村を守るため、果敢にポイズントードに挑み、そしてつい先ほど奴らに止めを刺した、ということらしい。

 

 しまった、もう少し早く帰ってくれば僕も力になれたのにと思う気持ちと、よく僕がいない間、そんな強敵に打ち勝ち村を守ってくれた仲間を誇らしく思う気持ちで胸がいっぱいになった。

 

 地面に座り込んでいる二人にも、ねぎらいの声をかけると疲れてはいるもののだいじょうぶ~との声が返ってきたので安心した。

 

 それよりも問題なのは、村の人だ。明らかに表情が暗い。無理もないと思う。つい先日村をボロボロにされ、そして今また再度の襲来で村が脅かされたのだ。そしてその傷跡そのものである毒の沼地が広がって……ってアレ?

 

 さっきまで前のように村全体に広がっていたことに比べればほんのちょっととはいえ、広がっていた毒の沼地はいずこに? と思って辺りを見回してみると、いた。

 

 ビルドだ。僕が話を聞いている少しの時間の間に毒の沼地の処理をすませたに違いない。あのほんのわずかな時間にこれほどの作業を。まさに僕たち素人とはけた違いの圧倒的ビルド力……。

 

 おそらく僕らが初めて見る本気のビルドの姿だ。

 

 たぶんなんだけれど今回の魔物の襲撃がプライドに触ったに違いない。自分が作ったものを作っている最中に邪魔されたっていうのがビルドのビルダー魂に火をつけたんだと思う。

 

 そうして今度はふくろから石垣のブロックを取りだして西側の村と外との境に並べだした。僕がいることなんておそらく目に入ってない。完全に自分の世界に逝っちゃっているビルドに恐ろしさとたくましさを感じ、その姿をしばらく眺めていることにするのだった。

 

 徐々に村人の顔に明るさが戻って行くのがわかる。どんどん出来上がっていく壁に安心感を覚えているんだと思う。どうしても魔物を倒すことに気持ちが行きがちな僕にはある意味真似のできないやり方だなと素直に思った。

 

 ……そして、その後もビルドは止まることなく働き続けゴースト避けのたいまつが立ち並ぶ中、ビルドは黙々と夜中まで作業を続け、あっという間に村全体を囲う地面から見て上まで八段積みという石垣と丸太壁でできた頑丈そうな高い壁を作り上げた。

 

 これならポイズントードがどんなに頑張っても毒のかたまりは村には届かないだろうね。

 

 むふ~と息をはきだして完成した壁を見て、周りを見て、ようやく僕が帰ってきていることに気づいたらしいビルドが僕はこういった。

 

 おかえり あれる ちゃんと むら は まもったよ

 

 うん、見てたよ。ビルド、君は僕の自慢のなかまだよ。

 

 追記 そざい が ほとんどなくなったから またとりに いかなきゃ

 

 というビルドの独り言を聞いた瞬間、戦慄とともに僕はあっこれはまた森や山がいっぱい消えるんだろうなと確信した。

 

 特に森。今回村の周囲全面を囲う壁というすごい量の木材を使っただろうから、森林ダンゴで作った森で足りればいいけどと僕はアリアハンの景観の心配もしなくちゃならないのは、本当に勇者の仕事じゃないと思った。

 

 




誤字脱字、感想お願いします。

明日の更新は出かけるのでたぶん無理です。明後日木曜にはまた更新しますのでよろしくお願いします。

今回ビルドが作ったのは、下二つ石垣、そのうえに縦向きの丸太四つ、紐付き丸太一つ、最後にとがった丸太飾りというパーツで構成された丸太壁です。

あと、ちゃんと出入り用の扉はついてますので。

というわけで完全に墨俣一夜城みたいな外見へとレーベの村はビフォアアフターしました。

ともあれビルダーズ2なら簡単に再現できますのでよろしければぜひ(ダイレクトマーケティング発動)

追記 本日、日刊ランキング60位でした。ビックリです。ありがとうございます。
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