魔法少女リリカルなのは 〜オーロラ姫の凍りついた涙は誰のために〜   作:わんたんめん

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事実上のなのは達の友情回。


第22話 悲しみのナハトヴァール

スターライトブレイカーの爆発が海鳴市のビル群を呑み込んでいく。 その爆発から生まれた風は徐々に強くなり、余波が迫っていることを否が応にも感じさせる。

 

時間がない。そう判断したヒイロは爆発時に発生した風に煽られてその場にしゃがみ込んだアリサとすずかを小脇に抱えるとウイングバインダーを大きく羽ばたかせながら爆発の範囲からの離脱を図る。

突然、雑に抱えられたすずかとアリサは張本人であるヒイロの顔を見やる。しかし、ヒイロはウイングゼロを展開しているため、その顔を伺うことは出来ず代わりにウイングゼロのガンダムフェイスを拝むこととなった。

 

「ロ、ロボットーーーっ!?もうなんなのよ、さっきから人の気配はなくなるわなんか視界は変な色に染まるわでいっぱいいっぱいなのに今度はロボットっ!?もうアタシのキャパシティのライフはゼロなんですけどーー!!!」

「黙っていろアリサ。舌を噛んでも知らないからな。」

「そ、そうだよアリサちゃん。今結構高いところ飛んでいるんだからーーって、あれ?その声・・・。」

 

小脇の中で喚き叫ぶアリサをヒイロが咎めるとすずかも便乗してアリサを宥める。すると、すずかは目の前のロボットから響いてきた声に聞き覚えがあったのかそのロボットの横顔を見つめながら首を軽く傾げる。

 

「もしかして・・・ヒイロさん?」

「えっ!?うそぉっ!?あ、でも確かになんか聞き覚えあるかも!!ちょっと、どういう状況なのか説明してよ!!」

 

目の前のロボットがヒイロだと当たりをつけるとアリサが先ほどまでの醜態はどこへ行ったのかヒイロに突っかかってくる。

ヒイロはアリサを無視し、少しの間考え込む。アリサとすずかをどうするかを決めるためだ。

 

(いつまでもコイツらを抱えて行動するのは不可能だ。ならば、結界内のどこかに避難させておくか?いや、無理だな。)

 

ヒイロはアリサとすずかを結界内のどこかに隠しておくかと考えたが、即座にその考えを蹴った。

仮にどこかに隠してたとしてもナハトヴァールの攻撃が隠した場所に流れ玉として直撃するかもしれないのだ。

結論としてはアリサとすずかをこの結界から脱出させるのが一番手っ取り早い。

 

「こちらヒイロ。結界内にいたアリサとすずかを保護した。どういう訳かは知らんが確実に迷い込んだと見て間違いないだろう。」

『い、一般人ってアリサちゃんとすずかちゃんだったんですかっ!?』

「ああ。だが見つけたのはいいが、この結界内部に居させるのは危険が多すぎる。転移魔法などで結界の外へ送った方が賢明だろう。」

 

通信を送るとなのはの驚愕に染まった声が念話で響く。無理もない話だ。大事な友達が危険な状況下に晒されていて、冷静でいられるのはそれほどいないだろう。

ヒイロは軽く背後を見やり、スターライトブレイカーの爆発範囲を注視しながら飛行する。爆発は飛行しているヒイロに徐々に迫ってきていた。その様子を確認したヒイロはウイングゼロの翼を抱えている二人を覆うように被せ、風が当たらないようにすると徐々にスピードを上げ、スターライトブレイカーの爆発を振り切っていく。

そのうち地上の風景は海鳴市に聳え立つビル群から僅かに盛り上がった丘が点在するのどかな平原へと切り替わっていく。

 

「す、すごい・・・あっという間に郊外に出ちゃった・・・・。」

 

ウイングゼロの翼で覆われていた二人の視界が再び地上の光景を映し出すとすずかはウイングゼロのスピードに舌を巻く。

 

「ね、ねぇ、ヒイロさん。そろそろ状況を教えてよ。一体何がどうなってるの?」

「・・・・端的に言えば地球の破滅が迫っている。」

「ち、地球の破滅ぅっ!?」

 

ヒイロが出した地球の破滅という言葉にアリサは驚愕の声を響かせる。すずかも声こそは出さなかったが口元を両手で覆い隠していることから驚いているのは明白だ。

 

「ヒイロっ!!大丈夫かいっ!?」

 

郊外へと飛んできたヒイロに同じように海鳴市の郊外へと避難していたのか、アルフが駆け寄ってくる。

 

「問題ない。だが、この二人を結界内へと残しておくのは危険だーーどうした?」

 

アルフに転移魔法の使用を頼もうとしたところでヒイロはあるものが視界に入った。それはアリサのアルフに向けられている表情であった。顎に手を乗せ、訝しげな表情でアルフを見つめるその姿は何かを懸命に思い出そうとしているようであった。

そしてその表情を向けられているアルフはなぜか少しばかり居心地が悪そうな表情を浮かべながら、アリサと顔を合わせないようにしていた。

 

「あ゛ー!!!!思い出したー!!!アナタ、旅館でなのはに突っかかってきた外国人のお姉さんでしょっ!!!」

「うわっ!?やっぱ覚えてやがったよ!!」

「・・・・・確かにあの時のお姉さんに似ているけど・・・あんな犬の尻尾とか耳とか生えてたっけ?」

 

アルフを指差しながらさながら犯人を見つけ出したように叫ぶアリサと対照的にアルフに生えている尻尾と耳を見つめながら首をかしげるすずか。

 

「なんだかゲームに出てくるキャラクター見たいで可愛いですね。」

「・・・・なんかそういうこと言われるとむず痒いね・・・。」

「話を戻すが、アルフ。お前は二人を結界の外へ転移させることは可能か?」

 

すずかに可愛いと言われ、照れているのか髪の毛をいじるアルフにヒイロは転移が可能かどうかを尋ねる。

アルフは緩んだ表情を元に戻すと海鳴市の街に視線を移す。その先ではスターライトブレイカーの爆発が未だに市街を覆っている様子が見えていた。

 

「あの爆発が止んでからじゃないと厳しいね。さらに言うとこの結界はミッドチルダ式とは違うから、転移魔法を起動させるにも時間がかかるよ。」

「了解した。」

 

 

ヒイロはそう言うとアルフに二人を押し付ける。アルフが困惑顔で二人を抱えるのを見届けるとウイングゼロの翼を大きく広げ、羽ばたく態勢を取った。

ナハトヴァールの攻撃を接近するヒイロに集中させ、アルフが転移魔法を発動させるまでの時間を稼ぐためだ。

 

「ヒイロさん!!」

 

しかし、そのタイミングでヒイロは足止めに向かおうとした翼を止めざるを得ない状況が発生してしまう。

的を絞らせないために別方向に向かったはずのなのはとフェイトがこちらに向かってきてしまったのだ。

だが、そもそもとしてどうやって二人はヒイロの後を追ってきたのだろうか?

 

「・・・どうやって追ってきた?」

「えっと、ヒイロさんからの通信を貰った後、空に遠目だったけど、不自然な青白い光が見えたから、もしかしてって思って・・・・。」

 

なのはの口から出た不自然な青白い光というのはウイングゼロのブースターの光のことを指しているのだろう。

なのはとフェイトはそれを追って別々に離れたはずのアルフとヒイロの元へとやってこれた、と言うことだろう。

だが、なのはとフェイトがヒイロの前に姿を現したということはーー

 

「なの・・・は・・・・?」

「それにフェイトちゃんも・・・?」

 

必然的にアリサとすずかにも自身のバリアジャケット姿を見られてしまうことに他ならない。

二人が見たこともない格好、それに宙に浮いている姿を見て、アリサとすずかは驚きを禁じ得ない。

なのはとフェイトも少々気まずそうな表情を浮かべる。それはさながら隠し事が露見してしまった時のような反応と酷く似ていた。

 

「・・・・・・。」

「・・・・・・・。」

 

しばらく誰も口を開かず、沈黙の時間が続く。なのはとフェイトは友人に隠し事をしていた後ろめたさ。すずかとアリサは開いた口が塞がらないといった様子で状況の理解に時間がかかってしまっているようだ。

 

ヒイロは時間は待ってくれないと思いながらも口を挟むようなことはしなかった。これはあくまで当人たちで解決しなければならないことであり、ヒイロには他人事と決め込む他なかった。

 

そして、ヒイロのその言葉は現実となる。

 

「っ・・・・下だ!!」

 

ゼロシステムの見せる未来がヒイロを突き動かす。たった一言の警告だったが、なのはとフェイト、それにアリサとすずかを抱えたアルフがその場を離れる。

その瞬間、先ほどまでいた場所を下から突き出た火柱が貫いた。思わず下を見つめると地面がひび割れ、そこから溢れ出たマグマが空へと吹き上がるように柱を形成していた。

 

「・・・・本格的に地球の崩壊が始まったか・・・!!」

 

ヒイロは苦い表情を浮かべると海鳴市街の上空に佇んでいるナハトヴァールに視線を向ける。しかし、なのはとフェイトは未だにすずかたちのことが気がかりなのか、表情をうつむかせたままだ。

 

「ーーーーーー行って。」

「え………?」

 

アリサが呟いた。だが、突然のものだったため思わずなのはは表情を固めたまま聞き返した。

 

「早く行きなさいって言ったの。正直言って、まだ自分でも全然呑み込めていない。そりゃそうよ。何にも説明とかもらってないしね。」

「うっ・・・・その、ごめ「だけど。」えっ?」

 

反射的に謝ろうとしたなのはにアリサは言葉を被せ、自身の心の内を語り続ける。

 

「だけど、今地球がとんでもないことになっているってことは分かるわ。それにこれを止めることができるのもなのは達しかいないってのも分かっちゃった。無駄に頭がいいって言うのも考えものね。」

 

アリサは一瞬不機嫌そうな表情を浮かべたが、すぐにそれを引っ込めるとなのはとフェイトを見据える。

 

「だから、アタシの言いたいことはこれだけ。今は、貴方達がやらなきゃならないことをやって。」

「アリサちゃん・・・・。」

「でも、後で絶対全部話すこと!!隠し事なんかしてもどうせろくでもないことになるんだから!!」

 

アリサはなのはとフェイトを人差し指で指しながら笑顔を浮かべる。

その様子につられてふたりも笑みをこぼす。

 

「私もアリサちゃんとほとんど同じかな。二人が何をしていたのかは知りたいけど、そんな悠長なことを言っていられる時間はないみたいだから。」

 

すずかも柔らか笑みを浮かべながらなのはとフェイトを送り出すことを決意する。

 

「すずかちゃん・・・アリサちゃん・・・・。」

「二人とも、ありがとう。それと今まで隠していたことはやっぱり謝らなきゃならないと思う。」

「何言ってるのよ!!」

「私達は!!」

『友達でしょっ!!』

 

泣きそうな表情を浮かべるなのはとフェイトにアリサとすずか(親友達)は笑顔を浮かべながら二人を見送る。

 

「なのは、フェイト、済んだなら行くぞ。アルフは転移魔法で二人を脱出させろ。」

「アリサちゃん、すずかちゃん、いってくるね。」

「必ず、無事に帰ってくるから。」

 

そう言って軽く手を振るなのはとフェイトにアリサとすずかは手を振り返す。

 

『アルフ、二人を結界から脱出させた後、二人の側にいてあげて。』

『・・・・大丈夫かい?』

『うん。二人に何かあると安心して戦えないから。』

『わかった。だけど、無理しちゃダメだからね?』

 

フェイトがアルフに念話でアリサとすずかの警護を頼むと、ヒイロが先導する形でナハトヴァールへと飛翔を始める。

 

程なくして、海鳴市街に戻ったヒイロ達は上空で静かに佇むナハトヴァールを見据える。

ナハトヴァールはヒイロ達という外敵が目の前に現れない限り、ただじっとしていることが多い。さながらいずれ訪れる滅びを受け入れているように思える。だが、ヒイロは少しばかり気がかりがあった。ナハトヴァールがその深紅の瞳から涙を流していたことである。

 

「ねぇ、ヒイロさん。遠目から見ているからはっきりとは分からないんだけど、もしかしてあの子、泣いてる?」

「・・・・そもそもとしてあんな表情を浮かべられて、泣いていないって言うのもどうかと思う・・・。」

 

どうやらなのはもナハトヴァールの涙を見つけたようだ。フェイトも同じようにナハトヴァールの涙を見つけ出したようだ。

 

「・・・・俺も一応は確認している。それがどういう意味を表しているのかは知らんがな。」

「・・・・もしかしたらナハトヴァールさんも本当は暴走を止めたいんじゃないかな?」

 

なのはの言葉にヒイロは呆れるように軽くため息をついた。なのはのこの後の行動をなんとなく予見できてしまったからだ。

 

「・・・・ナハトヴァールに投降でも呼びかけるつもりか?」

「うん。」

 

ヒイロの言葉になのはは大きく頷くことで自分の意志を露わにする。

どうやら決意は固いようだ。なのはの目にはそれほどのものが籠っているのをヒイロは察してしまう。

 

「・・・・勝手にしろ。だが、こちらは既に奴に敵対行動を取っていることを忘れるな。」

 

完全に呆れている口調ながらもヒイロは腕を組むことでなのはの行動への不干渉を表す。

 

「・・・・ありがとう。それとごめんなさい。私のわがままに付き合ってもらって。」

「ふん・・・・。これは俺の所感だが、奴は暴走に関しては諦めている節が見られる。」

「諦めている・・・ですか?」

 

フェイトがそう言うとヒイロは二人と視線を合わそうとはせずに言葉を続ける。

 

「闇の書と成り果てた夜天の書は幾度となく転生を繰り返し、膨大な時間を過ごしてきた。その途中でも暴走した回数も計り知れない。奴は自身の力で破壊されていく世界をまざまざと何度も見せつけられ、どうしようもない無力感に苛まれていき、そして奴は諦めた。」

「それはつまり、あの人は絶望している、ということですか?」

 

フェイトの言葉にヒイロは軽く頷くことでそれが概ね正しいことを伝える。

 

「有り体に言えばそうなるが、そのレベルは常軌を逸脱しているだろう。」

「一筋縄では行かない、ということですね。」

「その上で奴に投降を呼びかけるのはお前の勝手だ。だが、これだけは言っておく。奴と戦う覚悟だけはしておけ。」

 

ヒイロの言葉になのは少しの間、目を閉じ、自身の気持ちを整理する。

確かに自分は既にナハトヴァールに己の得物を向けてしまっている。自分の考えが都合が良すぎるものだっていうのは理解している。

それでもいくら一度は矛を交えているとはいえ、涙を流し、泣いている人を見過ごすことはできない。

 

なのはは目を開くとヒイロより少し前へ躍り出る。

 

「ナハトヴァールさん!!止まってください!!」

 

なのははナハトヴァールに念話を交えずにそのまま語りかける。しかし、ナハトヴァールはこれといった反応を示さず、じっと目を瞑ったままだ。

 

「闇の書の暴走が止まらないとはやてちゃんがいる世界も滅んでしまうんです!!お願いです!!今ならまだ間に合うんです!!」

「・・・・我が主は、この世界が、自分の愛するものを奪った世界が、夢であってほしいと願った・・・・。」

 

なのはの言葉についにナハトヴァールは口を開いた。しかし、その内容に少なからずヒイロは眉を顰める。確かにはやてはヴォルケンリッター達が消滅した時、現実を拒絶するような表情を浮かべていた。しかし、それはヒイロが目の前に現れたことにより、正気に戻っていたはずだ。

つまり、ナハトヴァールの言う世界が夢であってほしいというのははやてが一時的に露わにした感情に過ぎない。

 

「守護騎士達の感情は私と精神的にリンクしている。故に我は親愛なる主の願い、ただそれを叶えるのみ。主には穏やかな夢の内で、永遠(とわ)の眠りをーーー」

「・・・・先ほどから貴様は的外れなことばかり口走っているな。やはり所詮はプログラムか。主であるはやての心情すら理解できんとは管制人格の名折れだな。」

「何・・・・?」

「あ・・・あれ?ヒイロさん・・・?」

「気が変わった。俺も奴に少しぐらいは物申しておく。」

 

突然の罵倒にも等しい言葉にナハトヴァールは表情を歪め、なのはが肩透かしを食らっている内に発言者であるヒイロは上空で佇むナハトヴァールをウイングゼロのフェイス越しに睨みつける。

 

「仮に世界を滅ぼしたところではやてが喜ぶとは到底思えん。アイツは優しい奴だ。ほぼ初対面の俺に命を無下にするようなことは止めろと言ってきたほどの奴だったからな。」

「・・・だが、主は現に世界に、現実に絶望をした。ならば道具でしかない我はそれを叶えるだけだ。」

「それはあくまではやての一時的な感情の発露にすぎない。お前はそれを勝手にはやてが絶望したと解釈し、願いとでっち上げ、暴走するための口実にしただけだ。」

「っ・・・・・貴様っ・・・・!!」

「シグナム達ははやてを、自分達の主を救いたいという一心で魔力蒐集を行なっていた。それこそ、自身を悪だと分かっていながらな。」

 

シグナム達の一連の行動はすべて、主であるはやてを思ってのことだった。

記憶が一部削除されてしまっているということもあったが、今までの主とは違い、自分達に優しくしてくれた、おそらくもう二度と現れることはないであろう心優しき主を。故に彼女らは自分達が悪に堕ちようとも最終的にその行き着く先が破滅であったとしても彼女らにとってはたったひとつの一抹の可能性だった。

 

「だが、対して貴様は何をやっている?たかが少し細工を加えられた程度で主導権を別の存在に奪われ、後は訪れる滅亡をただ呆然と何もしないまま見つめてきた貴様が主を思うだと?妄言を抜かすのであれば、まずは貴様が永遠の眠りにでもついていろ。」

「ちょ・・・ちょっとヒイロさん・・・流石に言葉が過ぎるような・・・。」

 

ヒイロの口から矢継ぎ早に出てくるナハトヴァール、というより闇の書の管制人格に対する罵倒の数々にフェイトは苦い表情を浮かべながら止めにかかろうとするがーー

 

「・・・・私は・・・ただの魔道書でしかない・・・!!」

「ならば貴様が流しているその涙はなんだ?お前は自分の感情のどこかでこの暴走を止めたいと感じているんじゃないのか?」

 

歯噛みするナハトヴァールを尻目にヒイロはついに彼女のその頰を先ほどから伝っている涙について詰問をする。

 

「・・・・そうだ・・・。そうじゃなかったら、この現状に対して、涙を流すはずなんてない!!」

「うん!!悲しいから、諦めたくないから涙を流すんだ!!ナハトヴァールさん、もう一度言います!!」

 

フェイトはヒイロの言葉に同調するように先ほどまでヒイロを止めようとしていた口をナハトヴァールへ向ける。

なのはも口調を強いものに変えながらナハトヴァールへ視線を向ける。

 

「ナハトヴァールさん、止まってください!!まだ、はやてちゃんを助けられるはずだから!!」

「・・・もう・・・遅い・・・。闇の書の主の宿命は始まった時が、終わりの時だ・・・・!!」

 

なのはの言葉にナハトヴァールは自身の左腕につけられたパイルバンカーのようなガントレットを向ける。

その先端から闇のような深淵に染まった魔力弾が放たれる。

ヒイロ達はそれが放たれる瞬間にその場から離れる。

 

「っ・・・・この駄々っ子・・・・!!」

「フェイト、お前が思うのももっともだ。だが、戦場では迂闊な行動が死につながる。俺はお前に感情のまま行動しろとは言ったが、自分の感情に呑まれろと教えた覚えはない。」

「ヒ、ヒイロさん・・・。ごめんなさい・・・。」

 

逸るフェイトをヒイロが腕で制止する。フェイトの気持ちの昂りが収まったと判断したヒイロはナハトヴァールに視線を移す。

 

「・・・・気をつけろ。奴の左腕に変化が見られる。これまでとは違う行動パターンを行うかもしれん。」

 

ヒイロの言葉になのはとフェイトは頷きながらレイジングハートとバルディッシュを構え直し、戦闘態勢を取った。

対するナハトヴァールは闇の書を広げると赤紫色に光る槍を生成する。

 

「それがお前自身の答えか。いいだろう。だが、貴様がその答えを選んだのはミスだ・・・!!」

 

ヒイロはビームサーベルを抜き、ナハトヴァールと対峙する。まだ何もかも諦めるには早すぎることを、伝えるためにーー

 

 




・・・あまりヒイロっぽくないかもしんない・・・。

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