就活が上手くいかな過ぎて現実逃避代わりに最近また執筆を再開しました。
この2カ月で死にたい欲がムクムク湧いてきましたが、
好きなことして生きます。
でもニートはヤダ。
その日の夜11時半。
「うっ、ひくっ、ぐすっ…………」
俺はリビングのソファに、カピーを膝の上に乗っけたまま腰かけて泣いていた。
「うぐ………ぐすっ」
カピーしか他にいない静かなリビングで、俺は人目を気にすることなくボロボロと涙を流した。
だが悲しみの涙ではない、むしろ流せてうれしい涙だ。
ピーンポーン………
「ん?」
膝に乗っけていたカピーを下ろして、玄関に向かった。
今日は父さんも母さんもいないはずだが、誰だろうか?
急いで顔を拭って、玄関を開ける。
「はーい」
「こんばんは、京ちゃん」
「咲?」
「あれ、京ちゃん顔どうしたの!?」
涙の痕を見つけた咲が、驚きの声を上げる。
「ん、ああ。さっきまでどうぶつフレンズ1最終話見てたから。再放送で」
「は…………?」
「いやー、何度見ても名作だわ。最初から最後まで無駄なシーンが一つたりとも無い。地球が宇宙に対して誇る作品だぜ」
「あほらし…………」
咲がやれやれとため息をつく。
「ああん!? お前どうフレ1期舐めんなよ!? あれを見て感動しないやつは人間じゃないね! 溶鉱炉に沈んでしまえ!」
「いや確かにすっごいいい作品だけどさ……。ところで、ちょっと今上がってもいい?」
「んー? いいけど、何だってまたこんな時間に」
「いいじゃん、京ちゃんなんだし」
「何だよそれ………」
気温はマイナスだし、こんな寒いときに女の子をつっけどんに返すのも悪いので、とりあえず家に上げることにした。
「お邪魔しまーす」
「されまーす。今日は俺とカピーしかいないぞ」
「あれ、そうなんだ?」
「だから日付が変わる前に帰れよ。帰りは送るから」
「やっぱそういうところ気にするんだ?」
「誰かさんたちがいろいろと押し付けるせいで、いろいろ気づかいが出来るようになりましてねぇ」
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!」
部活関連の冗談を持ち出すと、咲が全速力で謝ってくる。
あれだけボロボロ泣いてたんだ、今だって気にしてはいるのだろう。
「カピーちゃんこんばんわー♪」
「キュー♪」
もう何度も会って咲のことを覚えているカピーが鳴く。
咲はカピーを撫でようとするが、ふと手を止めた。そのまま俺の方を振り向くと。
「えい。ジュー」
「冷てっ!?」
口で効果音を出しながら、両手で俺の頬を挟んできた。
手袋をしてなかった咲の手は冷え切っていて、背筋がぞくぞくする冷たさだった。
「うん、温まった。お待たせカピーちゃん」
「キュー♪」
「何しやがる………」
「え? だって冷たい手で触ったらカピーちゃんがかわいそうじゃん?」
「俺の頬はどうでもいいんかよ」
冷え切った頬を自分の手でさすりながら、咲に文句を言う。
とりあえず飲み物を用意しに、台所に向かう。
「お腹壊しそうな冷水と火傷しそうな熱湯どっちがいい?」
「お茶でー」
「へいへい」
嫌がらせではないが冗談を言うと、完全にスルーされた。
やかんを火にかけ、その前で腕を組んで突っ立つ。
後ろではカピーにデレデレの咲が一方的に会話を楽しんでいる。
「もういいか」
かすかにやかんの口が笛のような音を出すと、そこで火を止めた。
飲める温度まで冷ますのに、わざわざ沸騰させることはない。
多分80度くらいのお湯をお茶葉の入れた急須に注ぎ、湯呑を二つ用意する。
「ほれ、少し冷めるの待てよ」
「ありがと、京ちゃん」
「ん、どういたしまして」
咲がにっこり笑ってお礼を言ってくる。
ふーふーお茶に息を吹きかけて、一口飲む。
何だか小動物のようで、見ていて和んだ。
「…………口にすれば、当たり前のことなのにね」
「ん?」
何かお茶の味が変だったかと思い、俺も急いで一口すする。
特におかしなところはない。
「そうじゃないよ。ありがとうって、京ちゃんに言うの、久しぶりだったから」
「ああ…………」
なんとなく、咲の言いたいことが分かった。
部活でこうやって皆に飲み物を出したりしても、最近は「どうも」とか「おう」とかしか言ってもらえなかった。
面と向かってありがとうと言われたのは、結構久しぶりだった。
「ごめんね…………」
「いいよ別に。もう気にしてないし」
「京ちゃん」
「どうした?」
咲が真下を向いてうつむくので、横から覗き込む。
「京ちゃんは………何で、怒らないの?」
「え?」
咲が涙声になる。
横から覗く顔はよく見えないが、おそらく泣いている。
「私たち………ずっと京ちゃんにひどいことしてた。
なのに、何で京ちゃんは私たちを許しちゃうの?」
「え、いや………怒ったぞ、一応? こないだ仲直りした日の昼に、部長に怒鳴ってたし………」
「そうじゃない!」
咲が急に顔を上げて叫ぶ。
その顔は、涙に濡れてぐしょぐしょになっていた。
「私たち、どんなに謝っても足りない、ひどいことばっかりしてた………!
なのに何で京ちゃんは、私たちのこと許しちゃうの?
立ち直ってくれたのはうれしいけど、何でそこまでして、麻雀部に居ようとするの?
もっと怒って当然なのに、一緒に居たくないくらい嫌われて当然………なのに………!」
ぼろぼろと俺の目も憚らず、咲はしゃくり上げて顔を真っ赤にして泣く。
「……………さきー」
俺は湯呑を持って温まった手で、咲の頬を撫でてやった。
「まぁ何でって言われたら………俺が皆のこと、大好きだからなんだろうなー」
「え………」
咲はキョトンとした表情になっている。
「そもそも俺が麻雀強くなろうと頑張ってたのも、皆の隣にいたいからだしな。
なんつーかさ………俺ってさ、しばらく一緒にいるとさ、その人のことが大好きでたまらなくなっちまうんだよな。
優希はまぁ犬犬呼ばれるのはともかくとして、気の置けない奴だし。
和は見て分かるほどに超スーパー美少女で、まじめにがんばればそれだけ褒めてくれるし。
染谷先輩は、俺のこと結構気にかけてくれるいい先輩だし。
部長は……普段から悪ふざけがちょっと………ちょっと?、過ぎるけど根はいい人なのは凄く感じるし………うん、根は………ね、根はな?」
最後はちょっと変な強調の仕方になってしまったが、とりあえずさておく。一応事実だしね。うん。
「そんなみんなが麻雀やってるときは、鬼のように豹変するんだ。いい意味でだぞ?
とにかく、皆方向性は違うけど、どんな相手にも負けず勝っていくそんなみんなを見ていると、凄く格好良く見えるんだ。
もう心の底から、混じりっ気のない憧れとかが湧いてきて………、こんなみんなと、ずっと一緒に居たいって思うんだ」
「あ………う………」
咲の顔の赤さが、さらに増す。
自分でも結構恥ずかしい言い方をしているのはわかるが、今更だ。
「まぁ、ひたむきさが過ぎて一緒に居ると辛いのもまた事実だったけど………、やっぱ俺も、皆と同じくらい格好よくなりたいって気持ちもあったからさ。男だし? だからさ………」
ポケットからハンカチを取り出し、ぐしゃぐしゃになった咲の顔を拭ってやる。
「俺はお前のこと、嫌いになったりはしないよ、咲。
こないだまで一緒に居て辛くはあったけど、嫌いにはなるはずがない。
しかもお前だけは、ずっと俺のこと心配してくれてただろ? ありがとうな」
「京………ちゃ………う、ふ、ふあぁあああああ………」
「わわっ! なんでここで泣くんだよ!?」
咲が声を上げて泣き始めて、ぎょっとする。
あれ? 結構いい話してたと思うんだけど。イイハナシダナーってなると思うんだけど。
イイハナシカナー? だったの?
「何なのさぁ……京ちゃん………。かっこよすぎるよぉ………」
「へ?」
「優しすぎて、かっこよすぎだよぉ………」
「そ、そう、か?」
怒らないことを優しいと言われるのはわかるが、かっこいいというのはピンと来なかった。
とりあえず褒められているようなので口出ししないが。
「いやまぁ、ちょっとくらい仕返しはしたいなーとか思ったことは無いわけでもないけど……」
「ずずっ………どんなの?」
「えーっと、まずどうぶつフレンズ1期を全部見せるだろ?」
「うん」
「そして全話見終わった後に、1期をもう1周させる」
「いいことじゃん」
「そして2週目が終わったら、どうフレ2を一気に3周見させる。それが済んだら1期を1周だけ見せてやり、またどうフレ2を3周させる。そして1期を1周だけ見させてやる。この無限ループにぶち込む」
「京ちゃんの鬼畜! 悪魔、細○!」
咲が血相を変えてさっきまでより激しく叫び、その声にカピーがビビって逃げる。
こんな夜遅くの家に二人っきりの高校生の男女が居て、しかも男が女を泣かせているとなると、字面にするとかなり危ないものがある。
「と、とりあえず泣き止んでくれ、な?」
「うん………○谷は言い過ぎだったね……」
ああ、アレと同列に扱われる悪魔たちがかわいそうだ。
「え、えーっと、俺がいない部活っていうのは、どうなってるのかけっこう興味あるけど」
「ぐす………えっと、毎日優希ちゃんはタコスが足りない足りないって言ってる」
上手く咲が反応してくれて、俺のハンカチで目許を拭いながら答えてくれた。
「タコスの材料は部室にあるだろ?」
「京ちゃんのタコスじゃないと、舌が満足しないんだって」
「あれま」
少しうれしい知らせだった。
最近は用意したことを「よくやった犬!」とか言われこそすれ、味に関しては何も言われなかったからだ。
「先輩達と和ちゃんは、牌譜の多さにひーひー言ってたなぁ。テスト前にやるものじゃないって」
「おーおー、どんなに大変か身を以って知ってくれ。咲は?」
「…………一応、部室のパソコンで一度ソフトの使い方教えてもらったんだけど」
「あ、うんわかった」
咲の表情ですべて理解した俺は、そこで聞くのをやめた。
優希も事務作業の戦力にはならないだろうし、和と先輩達の苦労が偲ばれる。
「買い物とかは、私が放課後にすることになって………今もその帰り」
「ああ、なるほど。でも遅くないか?」
時計を見る。もうすぐ日付が変わりそうだ。
「京ちゃんが、何時に帰るかわからなかったから…………」
「え?」
「あ、えっと、久しぶりに、話したかったっていうか………」
「久しぶりって、学校で毎日会ってるだろ。しかもまだ3日しか経ってないし」
「それでも、一緒に麻雀打ちたいんだもん…………」
咲が拗ねて口を尖らせてうつむく。子供か。
「…………なら、打つか?」
「え?」
「今からはもう遅いけど、明日赤木さんに、roof-topで打っていいか聞いてみるよ。
雀荘って程でもないけど、一応いろんな人と打てる場所だし」
「本当!?」
「ああ、出来たら明日皆で打とうぜ」
「うん! 誘ってみるね!」
「うん。ほれ、急いでお茶飲んじまいな。もう遅いし帰り送ってやるから」
「ありがと、京ちゃん」
その日はそのまま咲を家まで送り、自宅でカピーと一緒に寝た。
帰り道で咲がやけに手をつなぎたがっていたけれど、断る理由もないから言う通りにした。
本当はここもガラッと以前とは替えたかったんだけどね。
け○フレ1期流しながら試験勉強とかする京ちゃん達とかに。
でも少し気がめいっててそこまでやれなかったので、けもフレネタだけぶっこんで投稿。
そのうち京ちゃんスレにけもフレを見る清澄メンバーssは投稿するかも。荒れる? 知るか。俺の心を傷つけた2は許さん。
榊さん頑張って。
(けもフレネタが分からなかったらこれを見よう!
ゆっくりが語る、けもフレ2炎上の歴史 前編
https://www.nicovideo.jp/watch/sm34965186)
※体調を崩しても一切責任は取らんぞ。俺は心の中がブラックホールになった。