メタリックなスライムになっちゃった   作:フリードg

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浮気して作品です……w

異世界魔王~と同時進行で ちょこちょこっと書いてたのを投稿。
温かい目で…… ( ´艸`)



1話 なんじゃこの身体!?

 

 

 

――告。

 

 

「ん?」

 

 それは、スライムのリムルがオーガの一行を打ち負かし、オーガ達が話し合いに応じる姿勢を見せた時に唐突に告げられた世界改変の周知だった。

 

 

 

 

 

――新たなユニーク個体がこの世界に出現しました。

 

「ユニーク個体? 何それ、何が誕生したんだ……?」

 

 スライムのリムルは自身の持つスキル、『大賢者』に聞いた。大賢者

 

 

――解。把握できませんでした。

 

「そっかー、出来なかったかー、ってマジ? 今まで大賢者が解析出来なかったのってあったっけ?」

 

 リムルの持つ大賢者は、複数持つユニークスキルの1つ。中でも非常に頼りになるスキルの1つだ。

 この世の疑問に対して答えてくれて、更にあらゆるものを解析する力をも持つ。故にリムルは様々な物を解析し、様々なスキルを開拓し、強大な力を得続ける事が出来たのだ。

 

 

 

――解。ユニークスキル大賢者の上のスキル、強力な隠蔽系統のスキル、若しくは上位存在に意図的に隠されている可能性が高いと思われます。

 

「………ナニソレ、怖い」

 

 

 一難去ってまた一難、と思わずにはいられないリムルだった。いや そもそも、オーガ達の話す内容もまだ把握してないから、一難去った訳じゃない。

 

「面倒な事が重なりそうだ……」

 

――告。残留魔素から誕生した場所を把握しました。《封印の洞窟》と判断しました。

 

「封印の洞窟……って、暴風竜。ヴェルドラが封印されてた場所じゃん。……あ、オレが転生された場所でもあるか。……ん? ってことは」

 

――解。主同様、新たな転生者の可能性大です。

 

「おー、つまり日本人かもしれないって事か。うん。転生者の先輩として、会っとくべきか?」

 

――解。能力が未知数、相手の性質も未知数。強大な力を持つ個体の可能性大。慎重に動く事を推奨いたします。

 

「………はい。了解であります」

 

 

 大賢者の助言により、今まで切り抜けてきた場面は多い。その大賢者が此処まで言うのだから。

 

「触らぬ神に祟りなし、って感じかな?」

 

――解。接触してこない訳ではないかと。地理的にも接触してくる可能性は極めて高。

 

「わかってるわかってる。でもまずは目の前の事に集中するよ」

 

――了

 

 

 

 

 その後、ずっと独り言(周囲からはそう見える)を言っていたリムルは、周囲にそれとなく心配されたが、誤魔化しつつ帰路に就くのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、それは時間にして数十分ほど前の事。

 世界の声が発したその原因は、静かに洞窟内で慟哭を上げていた。

 

 

 

 

 

 

『なんじゃこれーー! なんでこんな身体なんじゃーーーーっっ!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それは生前の記憶。

 唐突に死んでしまったが、まるでテレビでも見てる様な感覚で思い返せる。

 

 オレ事、敷島隆太はまさに社畜と呼ぶに相応しい労働に身を窶していた。毎日毎日残業残業。五月蠅い上司に嫌味な先輩、手のかかる後輩。

 

 労働基準法? ナニそれおいしいの?

 パワハラ? ナニそれ、食べれるの? 

 

 って 言わんばかりの環境だった。

 毎日、訴えてやるっ! と思い、ICレコーダーを忍ばせ、DVD-R10枚程の証拠を集めて……としたりしてたのだが、手のかかる後輩がいるから、せめて一人前にしてやらねば、と妙な責任感みたいなのがオレの中で生まれてて、何故か頑張っていた。

 

 おかげで、オレは後輩には慕われるようになった。と言うか呈よく人身御供な感じな気もするが、それでも後輩は後輩。頼られるのは悪く無いし。

 

 ……今思えばちょっと狂ってる、って思うかも。

 

 

 そんなこんなで、数か月ぶりに定時で帰れたのが運命の分かれ道だった様だ。

 

 駅まで歩いている途中……、空から鉄骨が降ってきた。

 

『危ない!!』

 

 って声が聞こえたかもしれないけど、超反射など出来る訳もなくそのままぐしゃり。肉片を周囲にぶちまけてグロい姿に変わってしまったよ。あの辺には女子高生とか女子大生もいたから、トラウマになってしまったかもしれないな。……申し訳ない。

 

『うがーーー! 何であのタイミングで鉄骨なんかおっこちてくるんだよ! あんなの耐えれるボディな訳ねーじゃん! ドリフじゃあるまいし! あー……格好良く 受け止めてケロっと出来てたらなぁ……モテただろうに。……鉄骨相手にそれは化け物か』

 

 

――確認しました。堅い身体を作成します。

 

 

『堅い身体ねぇ……、ミスリル? オリハルコン? アダマンタイト?? 並の堅さじゃ文句言いますよ、オレ』

 

 

――確認しました。世界最高硬度と呼ばれる鉱石をも超える身体を作成します。

 

 

『堅いだけじゃーねぇ。堅くなりつつも柔らかさも失いたくないっていうか、常に堅いまんまだったら、パンツも履けねぇじゃん?』

 

 

――確認しました。ユニークスキル《変体化》を獲得しました。これにより身体は流体多結晶合金へと変体可能となります。

 

 

『あらヤダ、変態って………。そもそも、何で会話できてんの? ていうかオレグチャグチャだったよね? この声誰? 神様?? おー、会えるんなら会ってみてぇなーー。……なーーんでこんな目に遭わせたかっ! ってガツンと言いてぇな!』

 

 

――確認しました。転生時に神を召喚します。……が、あまり可能性は高くはありません。

 

 

『神様ねぇ……、自分で言っといてなんだけどさ。そんなのいるんだな。会話成立してんの、すげー違和感あるけど。それも良いや。オレ運が良いって事かな? ……だったら、あんなんに当たらねぇよなー!! ちくしょーーー!』

 

 

――確認しました。ユニークスキル、《強運》を獲得。

 

 

『悪い方の運が当たるのは溜まったもんじゃねーぞー。それに強運? じゃ物足りんて。宝くじ10回連続で当たるくらいの運は欲しいなー。……つぶされたんだし、それ位願っても罰あたんねぇよなー?』

 

 

――確認しました。ユニークスキル《強運》を進化させます。…………成功しました。ユニークスキル《強運》は、《超絶運》へと進化しました。

 

 

『なんじゃー超絶運って。テキトーに作った様に聞こえるぞ! なんならその上は爆絶か? 轟絶か!? モン〇トかよ!』

 

 

 

 その後、もっと沢山お喋りしたかもしれない。だからこそ、寂しく無かった。死んだって認識はある。暗い闇の中だったけど、声が聞こえてきて、デジタル音声みたいだったけど、それはそれでよかった。孤独を感じなかったから。

 

 

 でも、やっぱり五体満足でいられた訳はなかったんだ。

 

 

 何にも見えないし、聞こえもしない。匂いもない。手足がある様な感覚さえない。でも、動ける事はできた。触覚はどうやらあるみたい。なんか凄くギコちなく動いている様な感覚。言ったら一昔前のロボット? の動きみたいにカクカクしている感じだ。

 

 色々と頑張って カクカク動いているうちに、自分が人間の身体じゃなくなってるのに気付く。そんなに時間は掛からなかった。

 動くのに凄い神経つかう。(神経あるのか判らんけど)ちょっと躓く? だけでゴトンッ、ゴトンッ! て感じで転がる。……直ぐに止まるけど。

 それで、急斜面みたいなのがあったのか、メチャ転がってぶつかったりもした。……でも、痛みは全く感じない。

 

 そんな時だ。

 

 見えないのに、ピカ―――ッと 何か光みたいなのが見えた気がしたのは。

 

 

『この儂を呼んだのはお主か……?』

 

 

 それと同時に声が聞こえてきた。どうやら、聴覚はあるみたいだ。……でも、衝撃音とか全く聞こえなかったんだが。

 

 

『おい、返事をするが良い』

 

 

 せかされても無理だよ。声出せるんならさっさと出してるってーの。

 

 

『儂を呼んどいて無視する気か?』

 

 

 いやいや、話してーーよ! メチャクチャ話して――よ! 来てくれてサンキューだよ! でも話出来ないの、日本語通じますか!? きゃんゆーすぴーく、じゃぱにーず?

 

 

『……イエス』

 

 

 ん??

 

 

『あぁ、面倒くさいヤツに呼ばれたもんじゃわ。どれ、仕方のない…… ぬんっ!!』

 

 

 身体が突然熱くなってきた?? あれ、あれれ? なんだ、目の前が……?

 

 

『スキル《魔力感知》じゃ。周囲の魔素を感知する事で見ることも聞くことも可能。……獲得の仕方は簡単じゃが、いちいち教えるの面倒故、とっとと獲得させてやったぞ』

 

 お、おおっ、ほんとだ! 何だか見えてきた……気がする!

 

 

――エキストラスキル《魔力感知》を獲得。

 

『これは儂からのギフト。魔素の流れだけで周囲の情報の全てを見聞きするのは膨大な情報を頭ん中へと入れにゃあならん。並の頭じゃパンクして終わりじゃしな』

 

――エキストラスキル《魔力感知》が進化。ユニークスキル《自動魔力感知》を獲得。

 

 

 おっ、おおお! 周囲に色が! 暗闇から抜け出たみたいだ! うわーー感激ーーっ!! ずーーっと電気消した様な暗闇だったし! 

 

 

『うむ。副作用なくできたようじゃの』

 

 

 は、はい! ありがとーありがとーー、ほんと嬉しいですっ! ……ん?

 

 

 ぎゃーーーー! ま、まぶしいーーー!!

 

 

 

 

 

 くるりと振り返った先には、メッチャ輝く何かがいた。見えたのは良いんだが、あまりに光度が強すぎて目が無いのに潰れる気がした。

 

 

『いちいちうるさいヤツよの』

 

 眩しすぎるよ!

 

『しょうがなかろう。儂は光の神 G.O.D. 火が燃えるのを止めないように儂は常に光るのじゃから』

 

 ……水かけたら火は消えるよ?

 

『そういう茶々はいらん。儂は光そのもの。消失する時即ち、この世界からあらゆる光が消える時じゃ』

 

 

 そりゃ困る。……でも、顔を拝見したいなー、なんて。目開けれないから見れないしー。それにオレ声出せてないんだけど、どうやって話をしてるの?

 

 

『念話じゃ念話。主の心の声が儂に届いておる』

 

 

 成る程。……でも、やっぱり面と向かってお話したいしー。

 

 

『……本当にしょうがないヤツじゃの。んんん―――ぬんっ』

 

 

――スキル《観察眼》を獲得しました。

――身体再度構築、スキル《声変換》を得ました。念話⇒変換⇒声 と可能になります。

 

 

 

『……お、わわっ! おおーーっ! 見える。大丈夫になった。わっ、声も出てる!?(めっちゃ優しい神様! この勢いでドンドン頼んでみよう!)』

『全く、世話の掛かる。……じゃが、呼ばれたのは何百年ぶりの事。たまには良いか。……じゃが、際限なくスキルやるのどーかと思うからの。あまり強請らない事じゃ』

『うぐっ…… 心読まれた……』

『ここまでしてやってるんじゃぞ?』

『ははぁー。有難き幸せにございます!』

『調子の良いヤツじゃな、まったく』

 

 

 こんな感じで大分勝手が良くなってきた。周囲の状況が見えるようになったのは本当に嬉しい。暗闇の中だったから。別に暗い所が怖い、と言う訳ではないが、永遠に暗闇が続くのか、と考えたらやっぱり怖い。そして、なんだかんだと 光の神様はとても優しい。

 

『まさに神様って感じですねー。……ラムウ?』

『ラムウは、雷の精霊の名じゃよ。儂は光の神。どっちかと言えば上位に位置する』

『わ、ごめんなさい。オレのいたとこに神様に似たキャラがいて……』

『……んん、成る程。ふぁいなる、ふぁんたじー、と言う娯楽の世界の精霊、か。なかなか良い腕をしておる絵師じゃな』

『おー、また読みましたか。そうですそうです。本物の神様に褒められたとなったら、デザイナーさんも鼻が高いでしょうに。んん? そういえばオレってどんな姿なんだろ?』

『なんじゃ。お主。自分の姿も解っとらんかったのか? ほれ、そこの湖、水面を見てみぃ』

 

 光が更に輝いたかと思えば、洞窟内の湖を照らした。まるで鏡の様に反射している。

 

『うわっ、メッチャでっかい鏡になった! いやほんと凄いっす。……んーどれどれ』

 

 ひょこひょこ、がきんっ、がきんっ、と動いてる音とは思えない音を発しながら……。この時既に判っていたのかもしれない。こんなロボットみたいな動き、音。碌な姿じゃない、って事が。

 

 でも、想像以上のものだった。

 

 

 そして、慟哭を上げる切っ掛けになった。

 

『なんじゃこれーー! なんでこんな身体なんじゃーーーーっっ!!』

 

 つるんっ、とした流線形。光に照らされてるからか、更に身体のメタリックさを強調していた。灰色? いや、どちらかと言えば銀色っぽい身体。

 

 俗にいう………メタルスライム?

 

 

『自分の姿が判ったか?』

『……正直、判りたくなかったかもです。 ……なんでメタルスライム?』

『その姿はお主の願いを具現化したものじゃ。死して、そして転生する際に』

『いや、そういえば確かに堅い身体~と願ったかもだけど……』

『喜ぶ所じゃ。その堅さは並じゃない。おまけに身体に慣れればじゃが反応速度、反射速度、移動速度、どれをとってもこの世界、下界ではトップクラスじゃろう』

『もろメタルスライムじゃないっすかーー! 堅いのと早いのって! でもHPが絶対的に少なくて、……経験値稼ぎで狙われるぅ…… ぐすんっ』 

 

 某国民的ゲームで登場するそのモンスターは他のモンスターとは比べ物にならない程の経験値を齎す。逃げられる事は確かに多いけれど、それでも得られる経験値が大きいから気合が入るというものだ。……狙われる側。メチャ大変。

 

『泣くな泣くな、涙腺もないのに みっともない。全部避ければよかろう?』

『無茶言わんでください……』

『強ち無茶とは言わんぞ。主のスキルを駆使すれば造作もない事』

『……沢山スキルくれたような気がしますが、全部把握しきれてないので、全然自信ないです』

『はぁ……。儂が ぱっと見確認出来た所でじゃが、まず《超絶運》を持っておるの。悪意ある敵の攻撃であれば、避けれる可能性がかなり上がるわい。と言うか傷1つおわん場合の確率の方が遥かに高い。……おまけに身体の強度が最高硬度と言ったじゃろう? そんだけあったら、そこらへんのモンスターなら眠ってても十分じゃ』

 

 色々特典ありありな身体を説明してくれた。他にも沢山。

 

 聞けば聞くほど凄い身体をもらったみたいなんだけど、それよりまず最初に確認すべき事があった、と思えた。

 

『……えっと、つまり 敵、モンスターって事は、この世界って 所謂 剣と魔法な世界? って事なんですか?』

『ふむ。そうじゃな。ほれ、お主の言うてた娯楽の世界。その世界と似たようなものじゃ』

『……やっぱりぃ。狙われる……』

『だから大丈夫じゃて。ここまで来たんじゃから覚悟を決めんか。この儂を呼んでおいてほんと愚痴ばっかりじゃな』

『はい……』

 

 確率は低いけど、神様召喚、って確かに言ってた気がする。成功したみたいだ、と今更ながら思って、そして感謝した。何にも判らない状態で放り出されたらって考えたら、怖さMAXだから。 

 

『それにほれ、まだ面白いスキルがある様じゃの。《変体化》か』

『………うぅ、オレ変態じゃないっす』

『意味が違うわい。身体を変化させるスキルじゃい。これは念じるだけでいけるの。自身が液体になるイメージをすれば』

『液体になるイメージ……、何だか、何処かの格闘漫画みたいな感じがする……。って、いやいや メタルなスライムが液状化したらって……』

 

 と、考えてたら自分の身体が変わった。本当に変わった。ふにゃ、となってただでさえあ低い視線が更に低くなって……。

 

 

 

『わー、すごーい。メタルスライムからはぐれメタルに変化したーー。やったぜー(棒)』

 

 

 更にメッチャ経験値をくれるモンスターへと変わってしまった。

 いくら凄い身体で、安心安心、と言われても…… 狙われる事を考えれば まーーったく安心できないのだった。

 

 

 そしてその後も色々とレクチャーをしてくれて、一段落ついた。

 

 

『ほんと……神様がチュートリアルしてくれるなんて、まんまゲームな世界だよ』

『そうじゃのー。実の所、良い暇つぶしになったと思っておる』

『いや、助かります。ほんとありがとうございますです。神様』

 

 無い手足を頑張って連想させて、崇め奉るポーズを決めた。 

 それを見た神様は気を良くしたのだろう。うむ、と頷いた後。

 

『これが本当に最後。特別サービスじゃ。お主に名をやろう。そして この辺の情勢を調べて教えてやろう』

『名? 情勢?』

『うむ。名は持ってる方が良い。魂に名を刻み込め。それだけで心強い味方となる。そして情勢は知っておいて損はない。身の振り方も決めれるしの。普段下界の状況なぞ見んので今から見てやるわい』

 

 そういうと、何やら手に持ってる杖を上にあげていた。

 すると、また光の輝きが増した。

 

『ふむふむ……オークの軍勢がどうやらこの周辺の森で暴れているそうじゃ』

『おーく…… ブタ?』

『そう、豚じゃ。間違ってはおらん。成る程…… オークの頭が豚頭帝(オークロード)に。ふむふむ』

 

 色々と教えてくれるんだけれど、中々理解出来ない。

 

 そして全部終えた所で確認。

 

『つまり、えーっと豚の侵攻で鬼がやられて、次にワニが狙われそうだと。それで、豚の侵攻阻止の鍵は、他種族な村が要となる、と』

『うむ。……そして、その他種族の村の長。なかなか興味深いの』

『えっと、確かオレと同じくスライム。いーや、ただのスライムなら、メタリックなオレのぼでぃには敵わないかな? いやいや、他種族をまとめてるスライムなんて 普通じゃないし、生まれたて、レベル1なオレは眼中になしかな』

 

 身の丈を弁えるのが一番、と思った。正直別なスライムの話が出た瞬間、親近感が湧いて あってみたい! とも思ったが、モンスターはモンスターなんだから、と考え改めた。

 

『うむ。身の内に暴風竜 ヴェルドラを感じる。よくよく考えてみれば、この場所はヴェルドラが封じられておった筈の場所じゃ。その気配がスライムにあるとは。……そのスライムが取り込んだのかの?』

『いやー、オレに聞かれましてもー。………いや、竜を取り込むスライムって。よし、会うの止めとこう』

 

 最初の街の周辺に出てくるようなモンスターが最強クラスと言っていいドラゴンを取り込むとか強さのバランスがおかしいと思えてきた。自分の身体も凄いらしいが、それでも中々納得が難しい。

 

『じゃが、他種族をまとめとる所を見ると、身を落ち着けるにはそこが一番じゃと思うぞ。オークの軍勢は見境なく食い荒らしとる用じゃしの。まぁ、お主の身体には文字通り歯がたたんと思うが』

『わー、神様ジョーク面白いですー(棒)』

『まじめに言っとるんじゃ。……ま、儂はそこを目指すのを推奨する。後は自分で判断する事じゃ。……ほれ、次は名じゃ。名をやるぞい』

『はい。宜しくお願いします』

 

 名前をくれる、となると神様が親の様だ。

 親とはまだ中学の時に死別したから、何だか不思議な感じがする。……いや、嬉しく思う。

 

『アティス・レイ。と名乗るがよい』

『あてぃす、あてぃす…… うん。気に入りました。ありがとうございます。おじいちゃん!』

『おじいちゃん……?』

『あ、ああー、なんかごめんなさいっ! つい……』

『ふむ。家族と呼べる者が幼少よりおらなんだ、と言う事か。その程度で謝る必要なぞないぞ』

 

 何処かで聞いたことのある気がする名だった。何かの神話? 神様がくれるのだから、そこに似通っていてもおかしくない。それに、レイの部分。光の神様だから、きっと同じような名をくれたんだと思う。

 

『さぁ、ゆけ。短い時ではあったが、暇つぶし、否。存分に堪能する事ができたわい。ふふ。感謝かもしれんな。久しく話すという事をしてなかった故に』

『こちらこそ。では、頑張ってきます』

『うむ』

『また、何処かで会えたら……』

『それは保証できん。下界に降りる事自体稀じゃしの。……ここから巣立つようなもんじゃ』

『ですね。これ以上甘えるのは流石に』

 

 

 相手は神様。

 これ以上の甘えは贅沢過ぎる、と言う事で言われた通り回れ右をした。はぐれメタルになったボディを頑張って操って手を作り、そしてぶんぶん、と左右に振る。

 

 

『行ってきます』

『うむ。息災でな』

 

 

 

 

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