メタリックなスライムになっちゃった   作:フリードg

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転生したらスライムだった件~魔物の国の歩き方~ より。


ちょっとしたネタバレっぽくなってます。あの時系列まで行けるかなぁ、m(__)m


番外編

 

 

 

 

 

 これは、魔物の国 魔国連邦(テンペスト)での愉快な日常のほんの一部である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「えーっと、写真撮るだけなんだろ? なんでこんな格好……?」

「お似合いですよリムル様。さぁ!」

「………」

 

 ビシッとタキシード姿に決めている魔物の国を治める盟主にして、魔王でもある、リムル=テンペスト。

 その横でニコニコと笑顔を絶やさないのは、これまたドレス姿をばっちり決めていて、化粧も完璧なシュナ、ほんと、どこぞの結婚式ですか? と言えるような姿のお2人だった。

 

「はーい! 準備はいいですかー?」

 

 そして、その2人の前で、この国でも……否、この世界でも1つしか無いであろうカメラを構えているのは兎人族の少女フラメア。

 ひょんなことから、リムルに出会って この国のガイドブック制作を依頼し…… そして今回のはその一環のひとつ?

 

「(いつの間にか、リムル様の周りに広まってましたね。このカメラで一緒に写真を撮った人々はより親密になれるって。だから、リムル様やアティス様は大人気で、今日も……ん?)あれ? そういえば アティス様のお姿が今日は拝見できてない様な……」

「お、おお! そーだったそーだった! アティスが心配だ! だから、今日はそっちの捜索を!」

 

 フラメアの一言で、今がチャンス! と言わんばかりに、人型からスライムに戻って 逃げるリムル。

 

「待ってください! アティス様の事は 私が後で必ず! 後ほどアティス様とも一緒に写真をと考えてましたので、命に代えてでも!」

「そんな大げさな……。アティスを本気で心配してる訳ないだろう? アイツ、アレでも、ここでは《神》なんだぞ?」

「勿論、判っていますよ。……判ってるからこそ、です。なぜ逃げるのですか、リムル様。もしかして、写真がお嫌いなのですか?」

「(しまった!?)っっ! そういうわけじゃないんだけ……どぉっ!!」

 

 油断してたリムルは、ガシッとシュナに捕まえられてしまった。

 

「うふふ。捕まえましたよ……?」

「いや、だから、その目がなんだか……ね?」

「今日の為に、こんな場所を用意して、最高傑作と言える織物を完成させたのですよ? お願いします、リムル様」

「え、えーーっと、ほら、そうだ。アティス! アイツがいないし、やきもち妬いちゃうかもしれないぞ??」

「大丈夫です。アティス様とも必ずっ!」

「堂々と二股宣言っ!? まぁ、いつもの事だけれども!!」

 

 きゃいきゃいとはしゃぐ2人を見て、微笑ましそうに頬を緩めるフラメア。いつもなら、横にもう1人いらっしゃって、同じく笑ってて……、そして最後には捕まってしまうと言うのが大体のパターンなんだけれど、今日はおられないから、結構レア、星5つな光景かもしれない。

 

「シュナ様、とってもお綺麗です!」

「場面に合い過ぎるコメントやめようね、フラメアくん!」

「さぁさぁ、リムル様! 一緒に写真を!」

 

 魔王が捕食される!? かもしれない勢いのシュナに押し切られそうな所で、これまた定番なお邪魔。

 

「待ってください!」

 

 ばっ、と部屋に入ってくるのは、シオン。巫女姿に着替えているシオンが入ってきた。

 

「恥ずかしながら、私も一緒に撮らせていただければと」

「シオンもかよ! ってか、ほんとにオレばっかでいーのか!? アティス、泣いちゃうぞ!!」

「っっ……」

 

 リムルの言葉にびくっ、と体を震わせるシオン、ついでにシュナも。

 だが、それは一瞬だった。直ぐに艶っぽい表情へと姿を変える。

 

「何だか、可愛らしいですね……」

「ふふふ……、アティス様に甘えられるのも これまた格別な……」

 

 別の世界へとトリップしそうだった。でも、リムルをがっちりつかんでるシュナのホールドはいつまでも解除されない。

 

「ちょっと戻ってこようか!? お2人さん。 それにこの国、一夫多妻……じゃなく二夫多妻とか、推奨してませんよ?? あまりに堂々とし過ぎないで」

「リムル様とアティス様のっ!」

「それはそれは…… 良いですっ!!」

「うぐっ……(地雷だった……)」

 

 色々と盛り上がってる所で、さらなる地雷。爆弾を投下するのはフラメアだった。

 

「あ、あのー、すみません。シオン様。カメラの魔力残量がもう少なく……あと恐らく1枚しかとれないんですが……」

 

 ピシっ!!

 

 空間に亀裂が入ったのは言うまでもない事だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、大騒ぎしてるリムル達の部屋の外では二つの影があった。

 

「ヒナ姉ー、もう、いつもいつも笑ってないで助けてよ……。皆にニセモノ~って追いかけられるのって大変なんだからさ」

「あら? 結構楽しそうだったじゃない。子供たちも皆楽しそうだったし」

「楽しんでくれるのは結構なんだけど、不意打ちとか多いし、何よりあの子達メッチャ強くなってて、結構ビックリするんだから。……しんぞーに悪いよ」

「……神にまでなっちゃってる貴方が何言ってるのよ。っと、ここにいる筈よね?」

 

 がちゃっ、と扉を開いて中へ入ってきたのは、ヒナタ・サカグチ、そして この国の守り神(リムル命名 笑) のアティス=レイ。

 姿が見えなかったのはヒナタとあっていたからである。

 

「リムルが此処にいるって、聞いたんだけど? ちょっと相談が――って」

「ただいまー、って」

 

 揉みくちゃ大乱闘な光景を見て、2人して言葉に詰まる。でも、よくよく考えたら、いやいや、考えなくてもいつも賑やかなのは当然だから、直ぐに笑ってるのはアティス。リムルを取り囲むような光景など、もう何度見たか判らない程。

 

「何やってるのよ、あなた」

「いやー、今日も晴天なり、って感じだね。あ、フラメアちゃん。昨日はどうもありがとね??」

 

 呆れるヒナタ、挨拶するアティス。

 

「げげっ、ヒナタまで! ってか、お前、いつの間に ヒナタと一緒に? どんな予定だったっけか??」

「……別に驚く事じゃないよ。だって、あの子達の所に言ってたら、十中八九、ヒナ姉と会うでしょ?」

「そりゃまーそうだけど……。こっちはこっちで大変で……」

 

 リムルは隙を見て、シオンとシュナから脱出を果たしていた。

 邪見にされ気味なヒナタは表情をしかめる。

 

「何よ。私は邪魔だって言いたいわけ? 訪ねちゃダメなの?」

「いやいや、そういう訳じゃないんだよ()はなの! アティスとっちゃうのが()はちょっと遠慮願いたいなーーって思ってて」

 

 そして、漸くここでヒナタも大体の事情を察す。

 ばっちり衣装を決めた2人を見て、ため息を1つ。メタルスライム状になってるアティスの身体をぎゅむっ、と掴んで出発。

 

「さ、邪魔みたいよ。行くわ」

「わわっっ、ちょっとヒナ姉っ、握るの強いって! ちぎれるっ!」

「お前がちぎれるか! じゃなく、誤解してるだろっ! ちがうちがう、アティスもつれてくなー」

 

 そして、リムルはしっかりと説明。フラメアも加わって、説明した為、ヒナタにどうにかとどまってもらえた。

 

「はぁ、なるほどね。なにやってんのよ……。そんなことにこんな建物まで用意して」

「バイタリティ凄いって知ってるでしょ……。皆皆凄いんだよ」

「その筆頭の1人が自分もだって自覚しなさい。口ではどーのこーの言ってても、しっかりする時はしてるんだから」

「……はい。ヒナ姉……」

 

 ヒナタには頭が上がらない……な、様子のアティスもいつも通り。でも、フラメアはまだまだ慣れてないからちょっと珍しい光景でもある。

 

「あっ、もしかして、ヒナタ様も写真を希望ですか??」

「は?」

「リムル様、いえ、アティス様と。ほら、アティス様とお2人でいらっしゃる事が多いですし。ヒナタ様もこのような格好がお似合いになるかな、と……」

 

 フラメアが、ぽわ……と頭の中で妄想したのは、ヒナタのドレス姿。漆黒の黒いドレス妖艶な色気も出してて、女でも惚れてしまいそうな姿。

 

「まっさかー、リムルさんなら兎も角、なんでオレをヒナ姉が?? あはははっ」

 

 けらけら、と足元で笑うアティスを見て、一瞬淡く染まった頬が直ぐに漆黒なものへと。そして、ぎゅむっっ!と思い切り踏みつけるヒナタ。

 

「ふげげっ」

「……リュウ。少し黙ってなさい」

「わ、わかったよ、わかった! って、ほんみょう禁止だよって!」

 

 ヒナタは、すっとフラメアに近づく。

 

「アナタ、何を言ってるの……?」

「ひいっっ!!」

 

 凄まじい眼力だ。最強の聖騎士の殺気をもろに受けたフラメアは、一瞬で腰が抜ける。 

 

「ごめんなさい、ごめんなさい……!」

「……? 何を謝るのよ」

「ヒナタが怖すぎるからだろ。まぁまぁ、落ち着いてフラメアも。アティス君。色々と空気読めないの止めなさい。後でしっかり説教するから、そのつもりで」

「何で、オレ説教されるの!? そもそもヒナ姉からもなんで踏まれるのっ!?」

 

 色々と納得がいってないアティスを置いといて、とりあえず場は収まる事が出来た。

 

 

「はぁ、騒がしい。それにしても、魔物に結婚なんて風習あるの?」

「うん? 魔物は子孫を残すと弱体化するっていうし、どうなんだろうな。〈そもそもスライムってどうやって子孫残すんだ?〉」

「んー、オレ達スライムは分裂すれば、それで繁栄って感じですから、ほんと無縁な事ですよね」

「あ、なるほど……。それはそれでどうなんだ……?」

 

 ぱかっ、と今度は ヒナタに殴られるアティス。

 

「馬鹿な事考えないの」

「痛い……。ただ、リムルさんのに答えただけなのに……」

「だから、痛いとか無いだろ、お前に。――ったく、それにしてもどこからそんな変な噂が広がったんだよ」

「ほんとに! 何だか、今日は とばっちりばっかり! 噂の元突き止めて、浄霊(ニフラム)してやろうかな!」

「それ、普通に消滅するからな? 冗談でもするなよ」

 

 色々と理不尽な目にあってるアティスを今度はリムルが抑える。

 

 この時、何処か別な場所で、、盛大にくしゃみをしていたゴブタがいた事に気付いた者は誰一人いなかった……。

 

 

「ん、そーだ。写真後1枚だけなら、皆で集合写真っていうのはどうかな? 皆呼んでさ」

「おっ、それ採用! 写真は、(まじな)いみたいなものじゃなく、記念を形に残すものだ! せっかくだ、アティス、シュナ、シオン。皆を呼べ」

 

 

 

 こうして、魔物の国テンペストの重鎮たちが全員集まり、記念撮影を執り行う事になった。全員が平等に映れば、とりあえずシュナもシオンも納得するだろう。

 

 場所は外。ここに全員を呼ぶのは狭いから。

 

 そんなとき、何処か儚そうに見ているのはヒナタだった。

 

「ヒナタも一緒にどうだ?」

 

 そんなヒナタを誘うリムル。

 一瞬考えるヒナタ。……共に映っても良いのだろうか、と考える。記念写真に写る資格は? と。

 そんなヒナタの手を引くのはアティスだ。

 

「勿論 良いわ、だよね?」

「………」

「即決しなさい! ってよく言われてるし、ほらほら、ヒナ姉!」

「はぁ……。判ったわよ。何だか、悩んでた私がばかみたい」

 

 ため息を1つしながら、引かれた手に続くヒナタ。

 

 

 今日も平和な一日。魔物の国の日常の光景

 

。 

 写真、カメラで色々とあったけれど、楽しい一日だった。……後日、とある子供たちとの件で大変だけど、それは今は置いておこう。

 今は記念撮影をする。撮影は笑顔で、だから。

 

 

 

「もう大丈夫だからね? ヒナ姉は」

「……判ってるわよ」

「そーいうトコだけは、アティスって鋭いんだよな。もうちょっと他の分野にも感性広げとけよ……」

 

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