指揮官には友達がいない   作:狂乱のポテト

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続けちゃった(謎の使命感)




#2 それでも、彼ら彼女らの日常は始まる

「いい加減に起きろボス、もう12時だぞ」

 

 痛いなあ…叩くなよ…寝かせてくれ……。

 

「はあ…いいか、ボスを叩いてんのは左手だ。利き腕じゃないんだぜ?」

 

 この声は…トンプソンか……?

 

「起きろこのポンコツが!起きろってんだよ!!」

 

「痛え!!」

 

「この手に限る」

 

「あぁー……頼むからもうちょっと優しく起こしてくれ…」

 

「休日とはいえ、いつまで経っても惰眠を貪るボスが悪い。……いや、お姫様だったな」

 

 お姫様ぁ?なにを言ってるんだコイツは。とうとうAIがバグったのか?

 

「ハハッ、気にしないでくれ、ボスは食事でもしてきたらどうだ?」

 

 クックック…と一人で笑っているトンプソンに奇妙な印象を抱きつつ、身支度を済ませた俺はブランチを取ろうと社員食堂へ向かった。

 

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 おかしい。

 

 食堂への道中、人形や職員とすれ違う度にクスクスと笑われる。あれだな、少しでもカッコよくなろうと慣れないワックスで髪型をセットするも、めちゃめちゃおかしくて周りにすげえ笑われたあの頃を思い出す。

 桃太〇電鉄のキン〇ボンビーみたいな髪型だと言われた時はさすがに凹んだ。その話をRFBにしたら、『どんな髪型wwwww』とめちゃめちゃ笑われた。

 ちなみにプレイしたことはないが、2060年を越えた今でも新作が発売される不朽の名作だ。やったことないけど。

 

 しかし、それは俺が19歳の時の(トラウマ)だ。少なくとも今は笑われるような髪型はしていない。

 

 そしてもう一つ不可解なのが、チラホラと聞こえる「お姫様」という単語。トンプソンといい、みんなしてお姫様お姫様ってなんなんだ……。昔流行ったクッ〇姫がまたブレイクしたのか。

 寝起き早々に周囲から謎の視線を感じてフラストレーションだったが、幸か不幸かある人形のおかげで解決した。

 

「あら、今頃起きてきたの?眠りのお姫様。」

 

 まるで女王様のような貫禄と、含みのある笑い方で話しかけてきたのはFALだった。正直なところ、俺はFALが苦手だ。無論嫌いというわけではない。むしろ大好きなまである。

 とても優秀でどんなに厳しい作戦も必ず成功させ、エースを名乗るのに相応しい彼女であることは、戦術指揮官の自分がよく分かっている。しかし、しかしだ。

 

「ちょっと、なにその服?いくら休日だからって、そんな部屋着みたいな格好で出歩かないでよ」

 

「ああ…すまん…」

 

 なんかこいつ、昔クラスにいたトップカースト集団の女子に似てるんだよなあ。基本的にカースト最下層に属する俺にとってはとにかく苦手だった。まあそんなくだらないことはさておき、俺は問題の『お姫様』について問い質す。

 

「昨日の夜、帰りのヘリで寝てたあなたをUMP45が部屋まで運んであげてたのよ」

 

「ああ…そうだったのか。道理で記憶にないわけだ…」

 

 戦術人形である彼女らにとって、俺のような成人男性一人を運ぶくらいどうということはない。だが問題はその運び方と時間帯だった。

 

「お姫様抱っこでね。ちょうど夜勤シフトと入れ替わる時間だったからほとんどの人が見てたわよ」

 

「ななななななんだってェ!?」

 

 なるほどそういうことか完全に理解したぞ、俺をお姫様抱っこって……。俺だってまだしたことないのに…。

 

 眠っていた俺をお姫様抱っこする45を想像したらすごいドキドキしてきたんだがロマンスの神様この人(UMP45)でしょうか。

 

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「いっただきまーす……」

 

 一人孤独に食事をとる俺は例の件を未だに引きづっていた。

 

「まさかスプリングフィールドにも見られてたとはなあ……」

 

 先ほどブランチメニューを運んできてくれたスプリングフィールドが

 

『今度は指揮官がしてあげる番ですよ♪』

 

 と、からかってきたせいでもある。あらやだ冷静に考えたらあのスプリングフィールドがからかってくるなんてまたドキドキしてきたわ。やっぱりロマンスの神様この人(スプリングフィールド)でしょうか。

 

 なんて馬鹿なことを考えながら、右手にフォーク、左手にモバイルデバイスを持って食事を進める。周りの職員たちは各々のグループで談笑しながら昼食を取っているが、もちろん俺は一人だ。

 よくみんなで食べるとより一層美味しく感じられるというが、それはなんの科学的根拠もない迷信、もしくは集団心理の錯覚である。第一口に物を入れながらの会話なんてマナー違反だ。誇り高きぼっちは、マナーやモラルを遵守する気高い生き物なのである。

 

「なに一人でブツブツ言ってるんですか指揮官さま……」

 

 えっ、これって他の人にも聞こえるの?嘘でしょ?

 

「いえ、マナーがどうとか急に言いだしたので」

 

 ……どうやら自分でも気づかないうちに声に出てたらしい。フッ…俺としたことが。それはそうと急に話しかけてきたのは後方幕僚のカリーナだった。データルームでの作業を済ませて休憩に来たらしい。

 お疲れさん、と労いの言葉をかけ、このご時世では一般的な代用コーヒーを1杯奢る。

 

「あっ…ありがとうございます!指揮官さま!」

 

 屈託のない年相応の明るい笑顔を向けられて、俺はちょっと目を逸らしてしまった。カリーナが悪いんじゃない、耐性のない俺が悪いんだ。ろくに女子と関わらなかったからな。

 

「でも指揮官さま、そんな性格なのに彼女たち(戦術人形)とは普通に会話できるんですよね。不思議です。」

 

「戦術人形だからな、好かれることはあってもよほどのことがない限りは嫌われないし、悪口や陰湿な嫌がらせを受けない。」

 

 ふーん。と、納得したのか適当な返事なのか分からない相槌を打たれた俺は、空になった食器を片付けようと席を立つ。決してこの前技術スタッフの女性職員たちが通路で

 

『あの指揮官、部隊の子達(戦術人形)をいやらしい目で見てるよねw』

 

 と言っていたのを思い出したわけではない。

 

「でも、」

 

「ん?」

 

 俺はその場に踏みとどまり、食器の乗ったトレーからカリーナへ目を向ける

 

「それでもみんな指揮官さまが好きで、みんなあなたについて行くんですよ。私だって……」

 

 そう言いかけたカリーナは、ハッとしたようにコーヒーごちそうさまでしたっ!と駆け足で去っていった。

 

 

 

 ……。

 

 

 

 …………。

 

 

 

 これだから人間の女の子は嫌いだ。思わせぶりな態度を取って、他人に好意を抱かせて勘違いさせる。訓練された俺は二度も同じ手は喰らわない。

 

 

 

 

 ただ……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 カリーナの顔が赤くなっているように見えたのは気のせいだろうか

 

 

 

 

#2 それでも、彼ら彼女らの日常は始まる

 

 

 




全体的に駆け足気味な展開だった気がする……。これは反省点ですね…。
書いてておもったんですが、指揮官をお姫様抱っこする45って全然想像できねえ(失敗)
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